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【ゼロから始める代名詞】

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ゼロから始める代名詞

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ゼロから始める代名詞(1)
「代名詞」って何だっけ? 先頭へ

代名詞は名詞の代役

お馴染み"you"やら"they"やらです。実は《代名詞》はほかにもたくさんあります。

"somebody"や"nothing", "themselves", "these", "which"なども《代名詞》として使います。日本語では「誰か、何も〜ない、彼ら自身、これら、どれか」などが《代名詞》に相当します。

《代名詞》はどれも名詞の代役として使います。

代名詞の種類
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人称代名詞

ゼロから始める代名詞(2)
人称代名詞(1)
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「人称」を表わす代名詞

人称代名詞とは、しょっちゅう目にする"I"や"you", "they", "theirs"などのこと。人称代名詞の一覧と主な用法をまとめます。

人称代名詞
  1. 人称代名詞の一覧
  2. 所有代名詞(mine, hers, etc)
  3. 人称代名詞の用法
    1. 文の主語
    2. 動詞の目的語
    3. 前置詞の目的語
  4. 位置的に後ろの名詞を指す場合
    1. 前置詞句(With her key, 〜)
    2. 接続詞が作る節(As soon as he 〜,)
    3. 所有代名詞(Ours is 〜)
  5. 人称代名詞の語順
    1. 動詞の目的語が二つとも人称代名詞の場合(I give it to you.)
    2. 動詞の目的語が所有代名詞と人称代名詞の場合(I lend you mine.)
    3. 「他動詞 + 人称代名詞 + 副詞」の場合(I put it on.)
    4. 「人称代名詞 + and/or + 所有代名詞」の場合(his car and/or mine)
  6. 人称代名詞の詳細
    1. "he, she"
      1. "car"(車)や"county"(国)を"she, her"で受ける
      2. ペットや家畜を"he, she, his, her"で受ける
      3. 「雄、雌」を表わす"he, she"
    2. 所有格(my, our, his, her, its, their)
      1. 所有格の意味を強調する"own"
      2. 自分の体を"the"で表わす場合
      3. 「典型的な」を表わす"your"
      4. 間投詞としての"my"
    3. "we, you, they"
      1. 人々を表わす"we, you, they, one"
      2. 子供や病人に対して「あなた」を表わす"we"
      3. 「乗客」を表わす"we, our, us"
      4. 特定の地域の人々を指す"we, you"
      5. 組織や集団を指す"they"
    4. 主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う
      1. 会話で短く返事をする場合
      2. "as, than"の次の場合
      3. be動詞の次に置く場合
    5. "a driver"や"anybody"を"they"で受ける
      1. 普通名詞(driver, person, etc)の場合
      2. 不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合
        1. somebody, someone
        2. anybody, anyone
        3. everybody, everyone
        4. nobody, no one
  7. 間違えやすい人称代名詞の"it"
    1. 【天気、天候】:It's snowing.(雪が降っている)
    2. 【温度、寒暖】:It's 28 degrees.(気温は28度だ)
    3. 【距離、長さ】:It's ten kilometers from here.(ここから十キロある)
    4. 【時間、時刻】:It's eight o'clock.(ちょうど八時だ)
    5. 【曜日、日にち】:It's Sunday today.(今日は日曜日だ)
    6. 【人物特定】:It's my father.(あれは父です)
    7. 【電話会話】:It's Miranda.(ミランダです)
    8. 【状況、様子】:It seems that we lost our way.(道に迷ったようだ)
    9. 【強調構文】:It's today that we have a test.(テストの日は今日だ)
    10. 【仮主語】:意味上の主語が別に存在することを表わす
      1. 仮主語の"it"は和訳しない
      2. 仮主語の"it"の構文
        1. It takes 「時間」 to 〜.(〜するには「時間」が必要だ)
        2. It costs 「費用」 to 〜.(〜するには「費用」が必要だ)
        3. It amazes me that 〜.(〜であることに驚く)
        4. It's thought that 〜.(〜であると思われる)
        5. It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ)
        6. It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい)
        7. It's important that 〜.(〜であることは重要だ)
        8. It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ)
        9. It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい)
        10. It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ)
    11. 【仮目的語】:意味上の目的語が別に存在することを表わす
      1. 仮目的語の"it"は和訳しない
      2. 仮目的語の構文
        1. 目的語がthat節の場合(I think it good that 〜)
        2. 目的語がto不定詞の場合(I feel it good to 〜)
        3. 目的語が動名詞の場合(I find it good ing形)
        4. 目的語がwhat節の場合(I make it clear what 〜)
      3. 仮目的語を使う動詞
        1. consider(〜だと考える)
        2. feel(〜だと感じる)
        3. find(〜だとわかる)
        4. think(〜だと思う)
        5. keep(〜にしておく)
        6. make(〜にする)
      4. 仮目的語を使うイディオム
        1. I would appreciate it if 〜(〜してくれればありがたい)
        2. 主語 + have it that 〜(主語は〜である言う)
        3. 主語 + leave it to A 〜(主語は〜することをAに任せる)
        4. 主語 + like it when 〜(主語は〜であることが好きだ)
        5. 主語 + hate it when 〜(主語は〜であることが嫌いだ)
        6. 主語 + make it a rule to 〜(主語は習慣的に〜することにしている)
        7. 主語 + owe it to A + to不定詞(主語はAに対して〜する義務がある)
        8. 主語 + owe it to A + that節(主語が〜であるのはAのおかけだ)
        9. 主語 + see to it that 〜(主語が〜であるように取り計らう)
        10. 主語 + take it that 〜(主語は〜であることを受け止める)
        11. 主語 + take it for granted that 〜(主語は〜であることを当り前だと思う)
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ゼロから始める代名詞(3)
人称代名詞(2)
人称代名詞の一覧 先頭へ

一覧と主な特徴

一人称や二人称、三人称を表わすので人称代名詞です。決して「人」を表わすという意味ではありません。"it"や"they"は動物や機械なども指します。

【人称代名詞】

主格
(〜は、〜が)
所有格
(〜の)
目的格
(〜に、〜を)
所有代名詞
(〜のもの)
単数 一人称 Imymemine
二人称 youyouryouyours
三人称 he, she, ithis, her, itshim, her, ithis, hers, [*]
複数 一人称 weourusours
二人称 youyouryouyours
三人称 theytheirthemtheirs

日本語とは異なり、英語では同一の名詞の繰り返しをかなり嫌がります。同じ名詞を繰り返すときは、代わりに三人称の人称代名詞(she, it, etc)をよく使います。日本語では「彼」や「彼女」「それ」などが人称代名詞に相当します。

人称代名詞"it"は仮主語などいろいろな使い方が可能です→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it"

"mine, ours, yours, his, hers, theirs"は人称代名詞の中で特に所有代名詞と言います。その名の通り、私やあなたや第三者が所有している事物を表わします→【参照】:『人称代名詞:所有代名詞(mine, hers, etc)

和訳のとき、間違えやすいのが"they"です。必ずしも「彼ら、彼女ら」とは限りません。「物」を指す場合、"they"の和訳は「それらは」です。

【例文】:I have lots of potted plants. They may relax me.
【 × 】:私はたくさんの鉢植えの植物を持っている。彼らは私を癒してくれるかもしれない。
【 ○ 】:私はたくさんの鉢植えの植物を持っている。それらは私を癒してくれるような気がする。
→"they" = "plants"(植物)

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(4)
人称代名詞(3)
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「〜のもの」を表わす代名詞

"mine"や"hers"など「〜のもの」という意味を表わす単語は「所有代名詞」あるいは「独立所有格」と言います。所有代名詞(mine, hers, etc)人称代名詞の用法の一つと考えられるのでここで扱います。

所有代名詞(mine, hers, etc)はたいてい前に出て来た名詞の言い換えとして使います。

【所有代名詞(独立所有格)】

単数複数
一人称 mine(私のもの)ours(私たちのもの)
二人称 yours(あなたのもの)[*] yours(あなたたちのもの)[*]
三人称 his(彼のもの), hers(彼女のもの)theirs(彼らのもの、彼女らのもの)

【例文】:"Whose bike is that?" "That's mine."
(= "Whose bike is that?" "That's my bike.")
【和訳】:「あれは誰の自転車かな」「私のです」
→"mine" = "my bike"(私の自転車)
【例文】:My surname is the same as yours.
(= My surname is the same as your surname.)
【和訳】:私の名字はあなたと一緒です。
→"yours" = "your surname"(あなたの名字)

【例文】:A friend of mine went to the US to study.
(= One of my friends went to the US to study.)
【和訳】:友人の一人がアメリカへ留学した。
→"mine" = "my friends"(私の友人たち)

【例文】の場合、"mine"は"my friends"の言い換えです。"a friend of my friends"と表現すると"friend"が二つ出て来て長たらしくなるので、"friend"を一つのみにして"a friend of mine"と短く表現します。

【例文】:Is this motorcycle yours?
(= Is this your motorcycle?)
【和訳】:このバイクは君のかな。
→"yours" = "your motorcycle"(あなたのバイク)

【例文】の場合、"yours"は"your motorcycle"の言い換えです。"your motorcycle"と表現すると"Is this motocycle your motorcycle?"となり"motorcycle"が二つ出て来て長たらしくなるので、"your motorcycle"を"yours"と短く表現します。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(5)
人称代名詞(4)
人称代名詞の用法 先頭へ

主語や目的語として機能

文の主語
人称代名詞:人称代名詞の用法(1)

人称代名詞"I, we, you, he, she, it, they"は文全体の主語として使います。

【例文】:You and I are students.
【和訳】:あなたも学生です。
→"you"と"I"は主格の人称代名詞、"you and I"は文全体の主語

【例文】:I don't like bees. They sting us.
【和訳】:ハチは苦手です。ハチは人を刺します。
→"they"(= bees)は主格の人称代名詞、"they"は文全体の主語

動詞の目的語
人称代名詞:人称代名詞の用法(2)

人称代名詞(me, us, you, him, her, it, them)は動詞の目的語として使います。

【例文】:I've emailed you the address book.
【和訳】:メールであなたに住所録を送りました。
→"you"は人称代名詞の目的格、動詞"email"の目的語

【例文】:There were five cakes in the fridge. Someone ate them all.
【和訳】:冷蔵庫には五つのケーキがありました。誰かが五つとも食べてしまいました。
→"them"(= cakes)は人称代名詞の目的格、動詞"eat"の目的語

前置詞の目的語
人称代名詞:人称代名詞の用法(3)

人称代名詞(me, us, you, him, her, it, them)は前置詞の目的語として使います。

【例文】:My daughter and son cooked dinner for us last night.
【和訳】:昨日の夕食は娘と息子が私たちのために作ってくれた。
→"us"は人称代名詞の目的格、前置詞"for"の目的語

【例文】:Some pigeons were eating something on the ground. A black cat was staring at them.
【和訳】:数匹のハトが地面で何かを食べていた。一匹の黒猫がハトたちをじっと見つめていた。
→"them"(= pigeons)は人称代名詞の目的格、前置詞"at"の目的語

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ゼロから始める代名詞(6)
人称代名詞(5)
位置的に後ろの名詞を指す場合 先頭へ

後ろに出て来る名詞を先に代名詞で表わす

【目次】:位置的に後ろの名詞を指す場合

三人称の人称代名詞は通例、位置的に「前」に出て来た名詞を指します。

【例文】:I met Robert on the subway yesterday. He was seated just in front of me.
【和訳】:昨日、地下鉄でロバートに会った。は私の真正面に座っていた。
→三人称の人称代名詞"he"は前述の"Robert"を指す

前置詞句接続詞が作る節をコンマ(,)で区切って文頭に置くとき、人称代名詞が位置的に「後ろ」の名詞を指すことがあります。

前置詞句(With her key, 〜)
位置的に後ろの名詞を指す場合(1)

前置詞句の中の人称代名詞が後ろに出て来る名詞を指すことがあります。

【例文】:With her key, Annette opened the door and walked into the house.
(= Annette opened the door with her key and walked into the house.)
【和訳】:アネットは自分の鍵でドアを開けて家に入った。
→三人称の人称代名詞"her"は後述の"Annette"を指す

【例文】の場合、コンマ(,)で区切った前置詞句(With her key,)を文頭に置くと、"her"は後述の"Annette"を指すことがあります。話に出て来る女性が"Annette"だけなら確実に"her" = "Annette's"です。

もし、すでにほかの女性が話に出ていた場合(たとえば"Daphne"が出ていた場合)、"her" = "Daphne's"となり和訳は「ダフネの鍵でアネットはドアを開けて家に入った」となることもあります。

【例文】:Daphne had the key. With her key, Annette opened the door and walked into the house.
【和訳】:鍵はダフネが持っていた。アネットはダフネが持っていた鍵でドアを開けて家に入った。
→三人称の人称代名詞"her"は前述の"Daphne"を指す

接続詞が作る節(As soon as he 〜,)
位置的に後ろの名詞を指す場合(2)

接続詞が作る節の中の人称代名詞が後ろに出て来る名詞を指すことがあります。

【例文】:As soon as he lay on the sofa, Arnold started snoring.
(= Arnold started snoring as soon as he lay on the sofa.)
【和訳】:アーノルドはソファに横になった途端にいびきをかき始めた。
→三人称の人称代名詞"he"は後述の"Arnold"を指す

【例文】の場合、コンマ(,)で区切った接続詞が作る節(As soon as he lay on the sofa,)を文頭に置くと、"he"は後述の"Arnold"を指すことがあります。話に出て来る男性が"Arnold"だけなら確実に"he = ""Arnold"です。

もし、ほかの男性がすでに話に出ていた場合(たとえば"Adam"が出ていた場合)、"he" = "Adam"となり和訳は「アダムがソファに横になった途端にアーノルドはいびきをかき始めた」となることもあります。

【例文】:Adam entered the living room. As soon as he lay on the sofa, Arnold started snoring.
【和訳】:アダムが居間に入って来た。彼がソファに横になった途端、アーノルドはいびきをかき始めた。
→三人称の人称代名詞"he"は前述の"Adam"を指す

所有代名詞(Ours is 〜)
位置的に後ろの名詞を指す場合(3)

所有代名詞が後ろに出て来る名詞を指すことがあります。

【例文】:Ours is the house with a well.[※やや堅苦しい言い方]
(= Our house is the house with a well.)
【和訳】:我が家は井戸付きのです。
→一人称の所有代名詞"ours"は後述の"house"を指す

所有代名詞(mine, hers, etc)は位置的に「後ろ」の名詞を指すことがあります。やや堅苦しい言い方です。【例文】の場合、"ours"は後述の"house"を指します。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(7)
人称代名詞(6)
人称代名詞の語順 先頭へ

人称代名詞を置く位置

【目次】:人称代名詞の語順

動詞の目的語が二つとも人称代名詞の場合(I give it to you.)
人称代名詞の語順(1)

動詞が目的語を二つ取る場合、語順は原則として「主語 + 動詞 + 目的語(〜に) + 目的語(〜を)」です。目的語(〜に)が前、目的語(〜を)が後ろです。

【例文】:息子にエレキギターを買ってやった。
【 × 】:I bought an electric guitar my son.
【 ○ 】:I bought my son an electric guitar.
→語順は"my son"(息子に)、"an electric guitar"(エレキギターを)

動詞の目的語が二つとも人称代名詞の場合、前置詞の"to, for"を使うのが普通です。前置詞なしで人称代名詞を二つ並べるのはやや不自然です→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文

# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + to + 人称代名詞(I give it to you.)
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + for + 人称代名詞(I make it for you.)

【例文】:使っていないノートパソコンがあります。それをあなたにあげますよ。
【 △ 】:I have an unused laptop. I gave you it.
【 △ 】:I have an unused laptop. I gave it you.
【 ○ 】:I have an unused laptop. I gave it to you.

【例文】を英訳する場合、「それをあなたに」は"it to you"と表現するのが普通です。"to"なしの"you it"や"it you"はやや不自然です。

【例文】:自分たちで食物を育てて自分たちのためにそれを調理しています。
【 △ 】:We grow our food and cook us it.
【 △ 】:We grow our food and cook it us.
【 ○ 】:We grow our food and cook it for us.

【例文】を英訳する場合、「自分たちのためにそれを」は"it for us"と表現するのが普通です。"for"なしの"us it"や"it us"はやや不自然です。

【関連トピック】

動詞の目的語が所有代名詞と人称代名詞の場合(I lend you mine.)
人称代名詞の語順(2)

動詞の二つの目的語が人称代名詞所有代名詞(mine, hers, etc)の場合、前置詞なしで「人称代名詞(me, her, etc) + 所有代名詞(mine, hers, etc)」とするのが普通です→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文

# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + 所有代名詞(I lend you mine.)

【例文】:定規を持ってないの。私のをあなたに貸してあげますよ。
【 × 】:You don't have a ruler? I lend mine you.
【 △ 】:You don't have a ruler? I lend mine to you.
【 ○ 】:You don't have a ruler? I lend you mine.

【例文】を英訳する場合、「私のをあなたに」は"you mine"と表現するのが普通です。"to"付けた"mine to you"はやや不自然。"mine you"は「私のにあなたを貸す」の意味になってしまいます。

【例文】:あなたが自分の歌を歌ってくれました。今度は私が自分のをあなたに歌います。
【 × 】:You sang me your song. I'll sing mine you.
【 △ 】:You sang me your song. I'll sing mine for you.
【 ○ 】:You sang me your song. I'll sing you mine.

【例文】を英訳する場合、「自分のをあなたに」は"you mine"と表現するのが普通です。"for"付けた"mine for you"はやや不自然。"mine you"は「私のにあなたを歌う」の意味になってしまいます。

【関連トピック】

「他動詞 + 人称代名詞 + 副詞」の場合(I put it on.)
人称代名詞の語順(3)

たとえば、"put on 〜"(〜を身につける)のような表現の場合、人称代名詞動詞の次に置いて"put it on"(それを身につける)と表現します。"put on it"とは言いません。

# 主語 + 他動詞 + 人称代名詞 + 副詞(I put it on.)

"a scarf"のような名詞の場合は、"put a scarf on"と"put on a scarf"(マフラーを身につける)のどちらも可能です。意味にも変化はありません。

【例文】:アマンダはたんすからマフラーを取り出して身につけた。
【 × 】:Amanda took a scarf from the closet and put on it.
【 ○ 】:Amanda took a scarf from the closet and put it on.
→"it" = "scarf"(マフラー)、"it"は人称代名詞なので置く位置は"on"の前
【例文】:アマンダはマフラーを身につけた。
【 ○ 】:Amanda put a scarf on.
【 ○ 】:Amanda put on a scarf.
→"a scarf"は名詞なので置く位置は"on"の前でも後ろでも可能

同様な語順を取る「動詞 + 人称代名詞 + 副詞」の例を追加します。

【例文】:アンケートに答えて提出して下さい。
【 × 】:Please complete the questionnaire and hand in it.
【 ○ 】:Please complete the questionnaire and hand it in.
→"hand in"(書類などを提出する)、"it" = "questionnaire"(アンケート)、"it"を置く位置は"in"の前
【例文】:服はたたんでから片づけなさい。
【 × 】:You must fold clothes and put away them.
【 ○ 】:You must fold clothes and put them away.
→"put away"(片づける)、"them" = "clothes"(服)、"them"を置く位置は"away"の前
【例文】:まだクーラーが動いてる。スイッチを切ってくれ。
【 × 】:The air conditioner is still running. Turn off it.
【 ○ 】:The air conditioner is still running. Turn it off.
→"turn off"(スイッチを切る)、"it" = "air conditioner"(クーラー)、"it"を置く位置は"off"の前

「人称代名詞 + and/or + 所有代名詞」の場合(his car and/or mine)
人称代名詞の語順(4)

人称代名詞所有代名詞(mine, hers, etc)接続詞の"and"や"or"でつなぐ場合、所有代名詞(mine, hers, etc)は"and"や"or"の次に置くのが普通です。

# 名詞 + and/or + 所有代名詞(his car and/or mine)

【例文】:私とあなたの血液型は異なります。
【 △ 】:Mine and your blood type are different.
【 ○ 】:My blood type and yours are different.
→"and yours"とするほうが普通

【例文】:寝る直前に子供たちに自分たちのやあなたのスマートフォンを使わせるべきではありません。
【 △ 】:You should not allow your kids to use theirs or your smartphone just before going to bed.
【 ○ 】:You should not allow your kids to use their smartphone or yours just before going to bed.
→"and yours"とするほうが普通

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人称代名詞の詳細

ゼロから始める代名詞(8)
人称代名詞(7)
人称代名詞の詳細 先頭へ

直訳では不可の用法

人称代名詞の詳細
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ゼロから始める代名詞(9)
人称代名詞(8)
人称代名詞の詳細:"he, she" 先頭へ

"he, she"のくわしい用法

【目次】:"he, she"のくわしい用法

人称代名詞"he, she, his, her, him"などを使って動物や物の性別を区別する用法をまとめます。

"car"(車)や"county"(国)を"she, her"で受ける
人称代名詞の詳細:"he, she"(1)

車やバイク、船などの乗り物を人称代名詞の"she, her"で表現することがあります。たいてい、乗り物の所有者や乗務員が自分の乗り物に対して愛着を示すときに使います。

【例文】:My bike is extremely light. She can be lifted with one hand.
(= My bike is extremely light. It can be lifted with one hand.)
【和訳】:私の自転車は超軽量です。片手で持ち上げることができます。
→"she" = "my bike"(私の自転車)

【例文】:"How's your new car?" "Awesome. She has good mileage."
(= "How's your new car?" "Awesome. It has good mileage.")
【和訳】:「新しい車はどう」「すごいよ。燃費がいい」
→"she" = "my new car"(私の新しい車)

【例文】:The ferry sank but all her crew and passengers were saved.
(= The ferry sank but all its crew and passengers were saved.)
【和訳】:フェリーは沈没したが乗員と乗客は全員が救助された。
→"her" = "the ferry's"(フェリーの)

「日本」や「アメリカ」などの国も人称代名詞の"she, her"で表現することがあります。

【例文】:In 1991 Latvia declared her independence from the Soviet Union.
(= In 1991 Latvia declared its independence from the Soviet Union.)
【和訳】:1991年、ラトビアはソビエト連邦からの独立を宣言した。
→"her" = "Latvian"(ラトビアの)

ペットや家畜を"he, she, his, her"で受ける
人称代名詞の詳細:"he, she"(2)

人以外の動物は人称代名詞の"it, its, they"で表わすのが普通です。ペットや家畜など愛情や興味の対象となる動物は人として扱って"he, she, his, her, him"で表わすことがあります。

【例文】:Tarou came home in the rain. Dry him with a towel.
【和訳】:雨の中タロウが帰って来た。タオルで体を拭いてやって。
→"him" = "Tarou"、"Tarou"はペット、性別は雄

【例文】:A child elephant is bathing with her nose.
【和訳】:子象が鼻を使って水浴びをしている。
→"her" = "elephant's"、話し手は見ている"elephant"に興味や愛着がある、"elephant"の性別は雌

「雄、雌」を表わす"he, she"
人称代名詞の詳細:"he, she"(3)

人称代名詞の"he, she"は名詞として使うことができます。意味は「雄、雌」です。主に動物を指します。

【例文】:"I have a shiba inu." "Is it a he or a she?" "It's a he."
(= "I have a shiba inu." "Is it a male or a female?" "It's a male.)
【和訳】:「柴犬を飼っています」「ですかですか」「です」
→"a he"(一匹の雄), "a she"(一匹の雌)

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ゼロから始める代名詞(10)
人称代名詞(9)
人称代名詞の詳細:所有格(my, our, his, her, its, their) 先頭へ

所有格(my, our, his, her, its, their)のくわしい用法

【目次】:所有格(my, our, his, her, its, their)のくわしい用法

人称代名詞の用法で間違えやすいものをまとめます。

所有格の意味を強調する"own"
人称代名詞の詳細:所有格(my, our, his, her, its, their)(1)

形容詞"own"は人称代名詞の前に置いて意味を強調します。

【例文】:I want my tablet.
【和訳】:自分用のタブレットが欲しい。
【例文】:I want my own tablet.
【和訳】:自分専用のタブレットが欲しい。
→"own"は所有格"my"の意味を強調する

たいてい、「人称代名詞の + own + 名詞」の形で使います。"own"の前の"my"や"her"などは省略できません。

【例文】:自分専用のタブレットが欲しい。
【 × 】:I want own tablet.
【 ○ 】:I want my own tablet.
→"own"の前に"my"が必要

"own"は単独で名詞のように使うことができます。

【和訳】:自分専用のタブレットが欲しい。
【例文】:I want a tablet of my own.
(= I want my own tablet.)
→"of my own" = "of my own tablet"

【例文】:"This tablet is my own. You use your own."
(= This tablet is mine. You use yours.)
【和訳】:「このタブレットは私のです。あなたはあなたのタブレットを使って下さい」
→"my own" = "my own tablet", "your own" = "your own tablet"

自分の体を"the"で表わす場合
人称代名詞の詳細:所有格(my, our, his, her, its, their)(2)

自分の体に何かが当たったと表現するとき、二種類の表現が可能です。

【例文】:おでこにボールが当たった。
【英訳】:A ball hit my forehead.
【例文】:おでこにボールが当たった。
【 × 】:A ball hit me in my forehead.
【 ○ 】:A ball hit me in the forehead.

【例文】を英訳する場合、前置詞の"in"で「ボールが当たった部位」を明示するとき、"my"ではなく"the"を使います。

同様に、前置詞句を使って何らかの影響が体に及ぶことを表現する場合、人称代名詞"my, our, your, his, her, its, their"の代わりに定冠詞(the)を使います。

【例文】:誰かが彼女の肩をポンポンと叩いた。
【 × 】:Someone patted her on her shoulder.
【 ○ 】:Someone patted her on the shoulder.
(= Someone patted her shoulder.)
【例文】:女の子は父親の手首をぎゅっと握った。
【 × 】:The girl gripped his father by his wrist.
【 ○ 】:The girl gripped his father by the wrist.
(= The girl gripped his father's wrist.)
【例文】:ヘンリーは腰が痛かった
【 × 】:Henry had a pain in his back.
【 ○ 】:Henry had a pain in the back.

受動態の場合も定冠詞(the)を使います。

【例文】:腕を切られた。
【 × 】:I was cut in my arm.
【 ○ 】:I was cut in the arm.
(= Someone cut my arm.)
【例文】:彼らは背中を押された。
【 × 】:They were pushed in their back.
【 ○ 】:They were pushed in the back.
(= Someone pushed their back.)

「典型的な」を表わす"your"
人称代名詞の詳細:所有格(my, our, his, her, its, their)(3)

二人称の人称代名詞"your"は「みんなが知っているあの、ごくありふれた」というニュアンスを表わすことがあります。人に対しても人以外に対しても使います。和訳は「例の、あの、典型的な、いわゆる、ご存じの」などを当てます。

【例文】:This is your superspicy ramen, isn't it?
【和訳】:これが例の激辛ラーメンか。
→"your"のニュアンスは「話に聞いていた」

【例文】:This is your chinese restaurant in a town. Its appearance isn't good but the dishes are excellent.
【和訳】:ここは典型的な町中の中華料理店だ。見た目は今一つだが味は極上だ。
→"your"のニュアンスは「みんながよく知っているような」

非難や軽蔑、期待外れなどのニュアンスを含むことがあります。

【例文】:That is your famous horror movie, isn't it? Not at all scary.
【和訳】:あれがかの有名なホラー映画か。ちっとも怖くなかった。
→"your"は「期待外れ」を表わす

間投詞としての"my"
人称代名詞の詳細:所有格(my, our, his, her, its, their)(4)

一人称単数の人称代名詞"my"は後ろに名詞を置かずに単独で間投詞として使うことがあります。比較的軽い驚きや喜び、困惑を表わします→【参照】:『ゼロから始める間投詞:喜怒哀楽を表わす主な間投詞:my

【例文】:My! How tasty this ice cream is!
【和訳】:あら、このアイスすごくおいしい。
→"my"は間投詞、軽い驚きや喜びを表わす

【例文】:My, my, it is also hot today.
【和訳】:やれやれ、今日も暑い。
→"my"は間投詞、軽い困惑を表わす

【例文】:Oh, my! It has stopped raining.
【和訳】:あらまあ、雨が止んでいる。
→"my"は間投詞、軽い驚きや喜びを表わす

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(11)
人称代名詞(10)
人称代名詞の詳細:"we, you, they" 先頭へ

"we, you, they"のくわしい用法

【目次】:"we, you, they"のくわしい用法

人称代名詞"we, our, us, you, they"の用法で間違えやすいものをまとめます。どの用法でも直訳の「私たちが」や「あなたがたは」では意味がわかりにくくなるので、和訳に工夫が必要です。

人々を表わす"we, you, they, one"
人称代名詞の詳細:"we, you, they"(1)

人称代名詞の"we, you, they"と不定代名詞の"one"は漠然と人々を指すことがあります。

「人々」を表わす代名詞
人称代名詞:人称代名詞の詳細:"we, you, they":人々を表わす"we, you, they, one":"we"

【例文】:We have to reduce the amount of greenhouse gas emissions.
【和訳】:(私たちを含めて)人類全体が温室効果ガスの排出量を削減しなければならない。
→"we"は「人類全体は」の意味で使うことが多い

人称代名詞:人称代名詞の詳細:"we, you, they":人々を表わす"we, you, they, one":"you"

【例文】:You need an international driving permit if you drive in a foreign country.
【和訳】:(あなたも私も)外国で車を運転するのなら国際運転免許証が必要です。
→"you"は「日々の生活の中で人々は」の意味で使うことが多い、和訳が不要な場合もある

人称代名詞:人称代名詞の詳細:"we, you, they":人々を表わす"we, you, they, one":"they"

【例文】:In the west, they believe that the dead can return to the earth on Halloween night.
【和訳】:西洋ではハロウィーンの夜に死者が地上に帰ることができると信じられている。
→"they"は自分たちではない第三者の人々を表わすことが多い、和訳が不要な場合もある

"they"は"they say that 〜"の形で他人から聞いた話を表わします。"they"の代わりに"people"を使ってもほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:People say that cats have nine lives.
(= They say that cats have nine lives.)
【和訳】:猫は九つの命を持つらしい。
→"people say that 〜", "they say that 〜"は伝聞(〜らしい、〜だそうだ)を表わす

人称代名詞:人称代名詞の詳細:"we, you, they":人々を表わす"we, you, they, one":"one"

【例文】:One cannot grow without being able to accept changes.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:人というものは変化を受け入れることなしに成長することはできない。
→"one"「人というものは、人は誰でも」の意味を表わすことが多い

【関連トピック】

子供や病人に対して「あなた」を表わす"we"
人称代名詞の詳細:"we, you, they"(2)

一人称複数形の人称代名詞"we"は主に会話で「あなた」(you)を表わすことがあります。親が自分の子供に対して話をするときや医者や看護師が患者に言葉をかけるときなどに使います。単に"you"と話しかけるよりは愛情や気遣いが増します。

"we"の和訳はたいてい不要です。

【例文】:"We haven't finished brushing, have we?"
(= "You haven't finished brushing, have you?")
【和訳】:「まだ歯を磨いてないんでしょ」
→"we" = "you"、"we"を使うとやや愛情が増す、"we"の和訳は不要

【例文】:"How are we feeling today? Did we sleep well?"
(= "How are you feeling today? Did you sleep well?")
【和訳】:「今日の御加減はいかがですか。よく眠れましたかな」
→"we" = "you"、"we"を使うとやや丁寧になる、"we"の和訳は不要

「乗客」を表わす"we, our, us"
人称代名詞の詳細:"we, you, they"(3)

一人称複数形の人称代名詞"we, our, us"は自分たちが搭乗している乗り物を表わすことがあります。

和訳は「私が乗った〜、私たちが乗った〜」などを使います。

【例文】:We departed the station an hour behind schedule due to a signal malfunction.
(= Our train departed the station an hour behind schedule due to a signal malfunction.)
【和訳】:私が乗った列車は信号機の故障のため一時間遅れで駅を出た。
→"we" = "our train"(私が乗った列車は)

【例文】:Our plane was caught in a storm and struck by lightning.
【和訳】:私が乗った飛行機は嵐に遭遇して機体に雷が落ちた。
→"our plane"(私が乗った飛行機)

【例文】:We were going 80kph and another bus passed us very fast.
【和訳】:私が乗っていたバスは時速八十キロで走っていたが別のバスがすごいスピードでこちらを追い越した。
→"we"(私が乗ったバスは)、"us"(私が乗ったバスを)

特定の地域の人々を指す"we, you"
人称代名詞の詳細:"we, you, they"(4)

一人称複数の人称代名詞"we"と二人称複数の人称代名詞"you"が特定の地域とそこに住む人々を指すことがあります。

たいていの場合、"we, you"の和訳は不要です。

【例文】:We had a heavy downpour with thunder and lightning last night.
【和訳】:昨夜は雷鳴と稲光を伴った土砂降りの雨でした。
→"we"は話し手がいる地域とそこに住む人々を指す、"we"の和訳は不要

【例文】:What superstitions do you have in your country?
【和訳】:あなたの国にはどんな迷信がありますか。
→"you, your"は聞き手がいる地域とそこに住む人々を指す、"you"の和訳は不要

組織や集団を指す"they"
人称代名詞の詳細:"we, you, they"(5)

三人称複数の人称代名詞"they"が政府や自治体、各分野の専門家などの「組織や集団」を指すことがあります。主語が誰なのかよくわからない場合、個人ではないだろうということでとりあえず複数形の"they"を主語に置きます。

たいていの場合、"they"の和訳は不要です。

【例文】:They stopped building the geothermal power station.
【和訳】:この地熱発電所の建設は中止になった。
→"they"は政府あるいは電力会社などを指す

【例文】:They are going to elevate the railroad tracks and to build a new station.
【和訳】:この鉄道は高架になって新しい駅が作られる予定だ。
→"they"は政府あるいは地方公共団体、鉄道会社などを指す

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ゼロから始める代名詞(12)
人称代名詞(11)
主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う 先頭へ

主語としての"me, him, her, them"

【目次】:目的格を主語として使う場合

人称代名詞(me, us, him, her, them)は主語として使うことがあります。

会話で短く返事をする場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(1)

会話で「私です」「私たちです」と動詞なしで短い返事を返す場合、"I, we"の代わりに"me, us"を使うことがあります。

【例文】:"I'm starving." "Me, too."
(= "I'm starving." "I'm starving, too.")
【和訳】:「腹減った」「私も」

【例文】:"Who's swept the fallen leaves?" "Us."
(= "Who's swept the fallen leaves?" "We did.")
【和訳】:「落ち葉を掃いてくれたのは誰かな」「私たちです」

"as, than"の次の場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(2)

比較を表わす"as, than"の次はたいてい人称代名詞の代わりに人称代名詞を使います。を使うのはやや堅苦しい表現です。

"you"と"it"は主格と目的格の語形が同じなので事実上区別をつける必要がありません。

【例文】:The children worked as hard as me.
【和訳】:子供たちは私と同じくらいよく働いた。
【例文】:The children worked as hard as I did.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:子供たちは私と同程度の働きぶりを見せてくれた。
→"as I"ではなく"as I did"とする

【関連トピック】

【例文】:Matthew is older than us.
【和訳】:マシューは私たちより年上だ。
【例文】:Matthew is older than we are.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:マシューは私たちより年齢が上だ。
→"than we"ではなく"than we are"とする

【関連トピック】

be動詞の次に置く場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(3)

be動詞の次に置いて補語として使う場合、たいてい人称代名詞の代わりに人称代名詞を使います。を使うのはやや堅苦しい表現です。

"you"と"it"は主格と目的格の語形が同じなので事実上区別をつける必要がありません。

【例文】:"Who ordered oolong tea?" "It's me."
【和訳】:「ウーロン茶を頼んだのは誰」「私」
→"It's I."とはあまり言わない

【例文】:It was him that helped me.
【和訳】:手伝ってくれたのは彼です。
【例文】:It was he who helped me.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:助力してくれたのは彼です。
→"It was 〜 that/who"は強調構文、"he"はやや堅苦しい言い方

【例文】:It was them who rescued the dog that fell in the river.
【和訳】:川に落ちた犬を救ったのは彼らです。
【例文】:It was they who rescued the dog that fell in the river.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:川に転落した犬を救助したのは彼らです。
→"It was 〜 who"は強調構文、"they"はやや堅苦しい言い方

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(13)
人称代名詞(12)
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける 先頭へ

単数の名詞や代名詞を"they, their, them"で受ける

【目次】:単数を"they"で受ける場合

性別不明の人物を人称代名詞で表わす場合、一人の人物を指すときも"they, their, them"をよく使います。旧来の用法では"he, his, him"、現在のやや堅苦しい書き言葉では"he or she, his or her, him or her"を使います。

普通名詞(driver, person, etc)の場合
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける(1)

性別不明の人物を表わす名詞(driver, person, etc)を人称代名詞で表わすとき、単数であっても"they, their, them"で受けることがあります。

単数形を"they, their, them"で受けることがある名詞
  • driver(運転手), passenger(乗客), person(人物), reader(読者), student(生徒), visitor(訪問者), etc

"he, his, him"は性差別の恐れがある、"he or she, his or her, him or her"は表現が長すぎてぎこちない、という理由で代わりに"they, their, them"を使います。

【例文】:警察によれば、運転手は衝突事故を起したあと車を残して立ち去った。
【英訳1】:Police say a driver left his car behind after causing a crash.
→正式な表現、単数の"his"を使う
【英訳2】:Police say a driver left his or her car behind after causing a crash.
→堅い書き言葉、単数の"his or her"を使う
【英訳3】:Police say a driver left their car behind after causing a crash.
→くだけた表現、複数の"their"を使う、話し言葉では普通

【例文】の場合、立ち去った運転手(a driver)の性別は不明です。運転手の車を指し示す場合、【英訳1】【英訳2】【英訳3】の三つが可能です。よく使うのは【英訳3】です。運転手の車を"their car"と表現します。

【例文】:ひとたび乗船すれば、船客は船内の規定を遵守する必要がある。
【英訳1】:Once a passenger is on board, he is obliged to comply with the ship's regulations.
→正式な表現、単数の"he"を使う
【英訳2】:Once a passenger is on board, he or she is obliged to comply with the ship's regulations.
→堅い書き言葉、単数の"he or she"を使う
【英訳3】:Once a passenger is on board, they are obliged to comply with the ship's regulations.
→くだけた表現、複数の"they"を使う、話し言葉では普通

【例文】の場合、船客(a passenger)の性別は不明です。船客(a passenger)を指し示す場合、【英訳1】【英訳2】【英訳3】の三つが可能です。よく使うのは【英訳3】です。船客(a passenger)を"they"と表現します。

不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける(2)

普通は単数扱いの不定代名詞(somebody, anyone, etc)を人称代名詞で表わすとき、"they, their, them"を使うことがあります。

"they, their, them"で受けることがある不定代名詞

"he, his, him"は性差別の恐れがある、"he or she, his or her, him or her"は表現が長すぎてぎこちない、という理由で代わりに"they, their, them"を使います。

"a driver"や"anybody"を"they"で受ける:不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合:somebody, someone

【例文】:「誰かが電話をかけてきても私はいないと言って下さい」
【英訳】:"If somebody calls me, tell him I'm not here."
→正式な表現、"somebody"を単数の"him"で受ける
【英訳】:"If somebody calls me, tell him or her I'm not here."
→堅い書き言葉、"somebody"を単数の"him or her"で受ける
【英訳】:"If somebody calls me, tell them I'm not here."
→くだけた表現、"somebody"を複数の"them"で受ける、話し言葉では普通

【関連トピック】
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける:不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合:anybody, anyone

【例文】:誰でも自分の意見を表明することは許されるべきです。
【英訳】:Anyone should be allowed to give his opinion.
→正式な表現、"anyone"を単数の"his"で受ける
【英訳】:Anyone should be allowed to give his or her opinion.
→堅い書き言葉、"anyone"を単数の"his or her"で受ける
【英訳】:Anyone should be allowed to give their opinion.
→くだけた表現、"anyone"を複数の"their"で受ける、話し言葉では普通

【関連トピック】
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける:不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合:everybody, everyone

【例文】:今ではほとんどの人が自分専用のスマートフォンを持っているでしょう。
【英訳】:Almost everybody today has his own smartphone, don't they?
→正式な表現、"everybody"を単数の"his"で受ける、付加疑問は"they"で受ける
【英訳】:Almost everybody today has his or her own smartphone, don't they?
→堅い書き言葉、"everybody"を単数の"his or her"で受ける、付加疑問は"they"で受ける
【英訳】:Almost everybody today has their own smartphones, don't they?
→くだけた表現、"everybody"を複数の"their"で受ける、話し言葉では普通、付加疑問は"they"で受ける

【関連トピック】
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける:不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合:nobody, no one

【例文】:誰も手荷物を持っていない。
【英訳】:Nobody has his hand baggage with him.
→正式な表現、"nobody"を単数の"his, him"で受ける
【英訳】:Nobody has his or her hand baggage with him or her.
→堅い書き言葉、"nobody"を単数の"his or her, him or her"で受ける
【英訳】:Nobody has their hand baggage with them.
→くだけた表現、"nobody"を複数の"their, them"で受ける、話し言葉では普通

【関連トピック】
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間違えやすい人称代名詞の"it"

ゼロから始める代名詞(14)
人称代名詞(13)間違えやすい人称代名詞の"it"(1)
"it"を「それ」と和訳しない場合 先頭へ

前に出て来た語句の代役ではない"it"

"it"が前に出て来たほかの語句の言い換えではなく、漠然と天気や時間などを表わすことがあります。この場合、たいてい"it"を「それ」と和訳すると不自然になります。

"it"の意味が「それ」ではない使い方をまとめます。

「それ」と和訳しない"it"の用法
  1. 【天気、天候】:It's snowing.(雪が降っている)
  2. 【温度、寒暖】:It's 30 degrees.(気温は30度だ)
  3. 【距離、長さ】:It's ten kilometers from here.(ここから十キロある)
  4. 【時間、時刻】:It's eight o'clock.(ちょうど八時だ)
  5. 【曜日、日にち】:It's Sunday today.(今日は日曜日だ)
  6. 【人物特定】:It's my father.(あれは父です)
  7. 【電話会話】:It's Miranda.(ミランダです)
  8. 【状況、様子】:It seems that we lost our way.(道に迷ったようだ)
  9. 【強調構文】:It's today that we have a test.(テストの日は今日だ)
  10. 【仮主語】:意味上の主語が別に存在することを表わす
    1. 仮主語の"it"は和訳しない
    2. 仮主語の"it"の構文
      1. It takes 「時間」 to 〜.(〜するには「時間」が必要だ)
      2. It costs 「費用」 to 〜.(〜するには「費用」が必要だ)
      3. It amazes me that 〜.(〜であることに驚く)
      4. It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく)
      5. It's thought that 〜.(〜であると思われる)
      6. It's a pity that 〜. (〜であるのは残念だ)
      7. It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい)
      8. It's important that 〜.(〜であることは重要だ)
      9. It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ)
      10. It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい
      11. It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ)
  11. 仮目的語の"it":I think it hard to 〜.(〜することはむつかしいと思う)
    1. 【仮目的語】:仮目的語の"it"は和訳しない
    2. 【仮目的語】:仮目的語の構文
      1. 目的語がthat節の場合(I think it good that 〜)
      2. 目的語がto不定詞の場合(I feel it good to 〜)
      3. 目的語が動名詞の場合(I find it good ing形)
      4. 目的語がwhat節の場合(I make it clear what 〜)
    3. 【仮目的語】:仮目的語を使う動詞
      1. consider(〜だと考える)
      2. feel(〜だと感じる)
      3. find(〜だとわかる)
      4. think(〜だと思う)
      5. keep(〜にしておく)
      6. make(〜にする)
    4. 仮目的語を使うイディオム
      1. I would appreciate it if 〜(〜してくれればありがたい)
      2. 主語 + have it that 〜(主語は〜である言う)
      3. 主語 + leave it to A 〜(主語は〜することをAに任せる)
      4. 主語 + like it when 〜(主語は〜であることが好きだ)
      5. 主語 + hate it when 〜(主語は〜であることが嫌いだ)
      6. 主語 + make it a rule to 〜(主語は習慣的に〜することにしている)
      7. 主語 + owe it to A + to不定詞(主語はAに対して〜する義務がある)
      8. 主語 + owe it to A + that節(主語が〜であるのはAのおかけだ)
      9. 主語 + see to it that 〜(主語が〜であるように取り計らう)
      10. 主語 + take it that 〜(主語は〜であることを受け止める)
      11. 主語 + take it for granted that 〜(主語は〜であることを当り前だと思う)
【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(15)
人称代名詞(14)間違えやすい人称代名詞の"it"(2)
【天気、天候】:It's snowing.(雪が降っている) 先頭へ

「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"

【目次】:天候を表わす"it"を主語に取る動詞と形容詞

日本語では「雨が降る、風が強い」のように、「雨」や「風」などの天候の状態を表わす語句を主語に使います。英語ではたいてい、天候の状態を表わすときは主語に"it"を使います。

天気や天候を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【動詞】:rain(雨が降る), snow(雪が降る), etc
「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"(1)

気象を表わす動詞の中で、「天気、天候」の"it"を主語に使う主なものをまとめます。

「天気、天候」の"it"を使う主な動詞
  • 【 雨 】:rain(雨が降る), shower(にわか雨が降る), sprinkle(小雨がぱらつく)
  • 【霧雨】:drizzle(霧雨が降る), mist(霧雨が降る)
  • 【大雨】:pelt(雨が激しく降る), pour(雨が激しく降る), teem(雨が激しく降る)
  • 【 雪 】:snow(雪が降る), hail(雹[ひょう]や霰[あられ]が降る), sleet(霙[みぞれ]が降る)
  • 【 嵐 】:lighten(稲光りがする), thunder(雷が鳴る), storm(大荒れの天気となる)
  • 【 風 】:breeze(そよ風が吹く)
  • 【 寒 】:freeze(底冷えする)
  • 【回復】:thaw(雪や氷が溶ける、暖かくなる)

【例文】:It's been drizzling for a week. During the morning it was misting.
【 × 】:それは一週間雨がシトシト降り続いている。それは午前中はずっと霧雨が降っていた。
【 ○ 】:一週間雨がシトシト降り続いている。午前中はずっと霧雨が降っていた。
→"it"は和訳しない

【例文】:It's just sprinkling now, but it poured until an hour ago.
【 × 】:それは小雨が降っているがそれは一時間前までは大雨だった。
【 ○ 】:今は小雨が降っているだけだが、一時間前までは大雨だった。
→"it"は和訳しない

【例文】:It is hailing and thundering outside. I hear it'll sleet tomorrow.
【 × 】:それは外は雷が鳴り、雹(ひょう)が降っている。明日はそれは霙(みぞれ)が降るそうだ。
【 ○ 】:外は雷が鳴り、雹(ひょう)が降っている。明日は霙(みぞれ)が降るそうだ。
→"it"は和訳しない

【例文】:It stormed all day yesterday. It froze last night.
【 × 】:それは昨日は一日中大荒れの天気だった。それは昨日の夜は底冷えした。
【 ○ 】:昨日は一日中大荒れの天気だった。昨日の夜は底冷えした。
→"it"は和訳しない

"lighten"はたいてい"thunder"と一緒に使います

【例文】:If it starts to thunder or lighten, we'd better go inside.
【 × 】:それは電がゴロゴロ鳴り出したり、稲光りがし始めたら、屋内に逃げたほうがいいよ。
【 ○ 】:電がゴロゴロ鳴り出したり、稲光りがし始めたら、屋内に逃げたほうがいいよ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It thundered and lightened for hours on the summit.
【 × 】:それは山頂では何時間も雷鳴が轟き稲光りが走り続けた。
【 ○ 】:山頂では何時間も雷鳴が轟き稲光りが走り続けた。
→"it"は和訳しない

大雨を表わす"pelt, pour, teem"はいずれも"with rain"を追加することがあります。意味に変化はありません。いずれもたいてい進行時制で使います。

【例文】:It's been pelting (with rain) since early this morning.
【例文】:It's been pouring (with rain) since early this morning.
【例文】:It's been teeming (with rain) since early this morning.
【和訳】:早朝からずっとザーザー降りだ。
→"it"は和訳しない、"with rain"を追加することがある

【例文】:It will thaw tomorrow.
【和訳】:明日は寒さが緩むでしょう。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

【形容詞】:hot(暑い), cold(寒い), etc
「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"(2)

気象を表わす形容詞の中で、「天気、天候」の"it"を主語に使う主なものをまとめます。多くの単語は建物の中や部屋の中の寒暖や乾燥、湿潤を表わすこともできます。【例】:It's humid in this room.(この部屋は蒸し暑い)

「天気、天候」の"it"を使う主な形容詞
  • 【 暑 】:warm(暖かい), hot(暑い), boiling(うだるように暑い), sweltering(うだるように暑い), roasting(焼け付くように暑い), scorching(焼けるように暑い)
  • 【蒸暑】:humid(ジメジメする、むしむしする), close(暑苦しい、息苦しい), muggy(蒸し暑い), stifling(蒸し暑い、息苦しい), stuffy(屋内が蒸し暑い、暑苦しい)
  • 【 湿 】:damp(ジメジメする), clammy(べとつくような)
  • 【 寒 】:chilly(ひんやりする), cool(涼しい), cold(寒い), bitter(刺すように寒い), nippy(刺すように寒い), icy(極寒の), freezing(凍りつくように寒い), frosty(凍りつくように寒い)
  • 【 晴 】:fine(晴天の), clear(晴れた、快晴の), lovely(いい天気の), nice(いい天気の), light(明るい), sunny(日が照っている), dry(乾燥した、雨が降らない)
  • 【 曇 】:cloudy(曇った), dull(どんよりと曇った), overcast(一面曇った)
  • 【 暗 】:dark(暗い), black(真暗な), shady(日陰の)
  • 【 雨 】:rainy(雨が降っている、雨が多い), showery(にわか雨が降っている、にわか雨が多い), wet(雨が降っている)
  • 【 霧 】:foggy(霧深い), misty(霧が出ている)
  • 【 風 】:breezy(そよ風が吹く), windy(風が強い), blowy(風が強い), gusty(突風が吹く), blustery(強風が吹き荒れる)
  • 【 荒 】:rough(荒れた), stormy(嵐の、暴風雨の、暴風雪の), thundery(雷が鳴っている、雷が鳴りそうな)

【例文】:It's a bit chilly in this room, but we don't need to turn the heater on.
【 × 】:それはこの部屋はちょっとひんやりするけれど、暖房を入れるほどではない。
【 ○ 】:この部屋はちょっとひんやりするけれど、暖房を入れるほどではない。
→"it"は和訳しない

【例文】:It was windy last night. Outside it's blustery and freezing.
【 × 】:それは昨日の夜は風が強かった。外はそれは強風が吹き荒れ、凍てつくように寒い。
【 ○ 】:昨日の夜は風が強かった。外は強風が吹き荒れ、凍てつくように寒い。
→"it"は和訳しない

【例文】:It was foggy in the morning but it is sunny and getting warm.
【 × 】:今朝、それは霧が深かったが、それは日が照っていて暖かくなってきた。
【 ○ 】:朝方は霧が出ていたが、今は日が射して暖かくなってきた。
→"it"は和訳しない

【例文】:It's cloudier today than yesterday. It was stuffy and muggy in the factory.
【 × 】:それは今日は昨日より雲が多い。それは工場内は息苦しくて蒸し暑かった。
【 ○ 】:今日は昨日より雲が多い。工場内は息苦しくて蒸し暑かった。
→"it"は和訳しない

【例文】:It's damp inside because it's been wet for a few days outside.
【 × 】:それは数日間外は雨が降っているのでそれは部屋の中はジメジメしている。
【 ○ 】:数日間外は雨が降っているので、部屋の中はジメジメしている。
→"it"は和訳しない

【例文】:It's dry in winter. It has been dry for several weeks.
【 × 】:それは冬は空気が乾燥する。それは数週間雨が降っていない。
【 ○ 】:冬は空気が乾燥する。数週間雨が降っていない。
→"it"は和訳しない

暑さを表わす"boiling(うだるように暑い), sweltering(うだるように暑い), roasting(焼け付くように暑い), scorching(焼けるように暑い)"はいずれも"hot"を追加することがあります。意味に変化はありません。

【例文】:It's boiling (hot) during the day, but cool when twilight comes.
【例文】:It's sweltering (hot) during the day, but cool when twilight comes.
【和訳】:日中はうだるように暑いが、暗くなってくると涼しい。
→"it"は和訳しない、"hot"を追加することがある

【例文】:It was roasting (hot) during the day, but it's breezy after sunset.
【例文】:It was scorching (hot) during the day, but it's breezy after sunset.
【和訳】:日中はジリジリと焼けるように暑かったが、日が沈むと気持ち良い風が吹いてきた。
→"it"は和訳しない、"hot"を追加することがある

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(16)
人称代名詞(15)間違えやすい人称代名詞の"it"(3)
【温度、寒暖】:It's 28 degrees.(気温は28度だ) 先頭へ

「気温、温度」を表わす"it"

日本語では「気温は28度だ、外は零下だ」のように、「気温」や「気温」を測った場所などを主語に使います。英語ではたいてい、気温を表わすときは主語に"it"を使います。

気温や温度を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

屋内や屋外の特定の場所が「暖かい、寒い」などを表わすときも主語に"it"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【天気、天候】:It's snowing.(雪が降っている):【形容詞】:hot(暑い), cold(寒い), etc

【例文】:It's twenty eight degrees celsius in this room.
【 × 】:それはこの部屋の中で摂氏28度だ。
【 ○ 】:この部屋の気温は摂氏28度だ。
→"it"は和訳しない

【例文】:It was under zero celsius outside last night.
【 × 】:それは昨日の夜外で摂氏ゼロ度以下だった。
【 ○ 】:昨日の夜、外の気温は摂氏0度を下回った。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(17)
人称代名詞(16)間違えやすい人称代名詞の"it"(4)
【距離、長さ】:It's ten kilometers from here.(ここから十キロある) 先頭へ

「距離、長さ、間隔」を表わす"it"

日本語では距離を表現する場合、「ここから駅まで一キロある」と言います。英語では主語に"it"を使って、"It is one kilometer from here to the station."と表現します。「〜キロある」に釣られて"there is 〜"は不可。

【例文】:地球から太陽までの距離は約一億五千万キロメートルあります
【 × 】:There is about 150 million kilometers from the earth to the sun.
【 ○ 】:It is about 150 million kilometers from the earth to the sun.
→距離は"it"で表わす

距離を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:How far is it to the nearest subway station? It's about 300 meters.
【 × 】:それは最寄りの地下鉄の駅まではどれくらいですが。それは約三百メートルほどです。
【 ○ 】:最寄りの地下鉄の駅まではどれくらいですが。約三百メートルほどです。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(18)
人称代名詞(17)間違えやすい人称代名詞の"it"(5)
【時間、時刻】:It's eight o'clock.(ちょうど八時だ) 先頭へ

「時間、時刻」を表わす"it"

日本語では時刻を表わす場合、「今は八時だ」のように「今」など時を表わす語句を主語に使うことがあります。英語ではたいてい主語に"it"を使います。

【例文】:今はちょうど夜中の十二時だ。
【 × 】:Now is twelve o'clock in the night.
【 ○ 】:It is twelve o'clock in the night.
→時刻は"it"で表わす

時間や時刻を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:What time is it now? It's nearly ten thirty.
【 × 】:それは今は何時ですか。それはほとんど十時半だ。
【 ○ 】:今何時ですか。もうすぐ十時半だ。
→"it"は和訳しない

【例文】:It is ten years since I graduated from college.
(= Ten years have passed since I graduated from college.)
【 × 】:大学を卒業してからそれは十年だ。
【 ○ 】:大学を卒業して十年になる。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(19)
人称代名詞(18)間違えやすい人称代名詞の"it"(6)
【曜日、日にち】:It's Sunday today.(今日は日曜日だ) 先頭へ

「曜日、日にち、月、年」を表わす"it"

日本語では「曜日、日にち、月、年」を表わす場合、「今日は日曜日だ」「今は七月だ」のように「今日」や「今」など時を表わす語句を主語に使うことがあります。英語ではたいてい主語に"it"を使います。特に、質問の「何月ですか、何曜日ですか」に答えるときは、"it"を主語に使うのが普通です。

曜日や日にちを表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:今日は何曜日ですか。今日は金曜日です。
【 △ 】:What day is it today? Today is Friday.
【 ○ 】:What day is it today? It's Friday.

【例文】:今日は何日ですか。今日は四月一日です。
【 △ 】:What date is it today? Today is April 1st.
【 ○ 】:What date is it today? It's April 1st.

【例文】:今は何月ですか。今月は十一月です。
【 △ 】:What month is it now? This month is November
【 ○ 】:What month is it now? It's November.

【例文】:今年は何年ですか。今年は2000年です。
【 △ 】:What year is it? This year is 2000.
【 ○ 】:What year is it? It's 2000.

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(20)
人称代名詞(19)間違えやすい人称代名詞の"it"(7)
【人物特定】:It's my father.(あれは父です) 先頭へ

誰なのかわからない人物を指す"it"

主に会話で"it"が未知の人物を指すことがあります。話題になっている人物に対して自分がその人が誰だかわからないとき、その人を"it"で表わします。

【例文】:The doorbell rang. "Who is it?" "It's a delivery person"
【和訳】:ドアの呼び鈴が鳴った。「どなたですか」「宅配便です」
→一つ目の"it"は話し手にとって誰なのか不明の人物を指す、二つ目の"it"は不明の人物が自分自身を指す

人がいることはわかっているけれど誰なのか不明な人物は"it"を使って表わします。誰なのか問われたほうの人物も「私は〜」の意味で"It's 〜"と応えるのが普通です。

自分は知っている人物を他人に説明するときにも"it"を使うことがあります。会話で「あの人は誰?」と質問を受けたときに返答の中で「あの人は」の意味で"it"を使います。

【例文】:「あの人は誰ですか」「あれは私の父です」」
【 × 】:"Who is that?" "He's my father."
【 × 】:"Who is that?" "That's my father."
【 ○ 】:"Who is that?" "It's my father."
→"it"は"that"(聞き手にとって誰なのか不明だがあそこにいる人)を指す

【例文】を英訳する場合、"he"や"that"ではなく"it"を使います。「あの人」が「私の父」であることを知らない人に対しては"It is ..."と答えるのが普通です。

【例文】:「肩にバットをかついだこの男の子は誰ですか」「私の甥っ子です」
【 × 】:"Who's the boy with a bat on his shoulder?" "He's my nephew.
【 × 】:"Who's the boy with a bat on his shoulder?" "This is my nephew.
【 ○ 】:"Who's the boy with a bat on his shoulder?" "It's my nephew."
→"it"は"the boy"(聞き手にとって誰なのか不明だがバットをかついでいる少年)を指す

【例文】を英訳する場合、"he"や"this"ではなく"it"を使います。「この男の子」が「私の甥」であることを知らない人に対しては"It is ..."と答えるのが普通です。

【例文】:「向こうにいるのはリンカーンですか」「いいえ、あれはワシントンです」
【 × 】:"Is that Lincoln over there?" "No, he's Washington."
【 × 】:"Is that Lincoln over there?" "No, that's Washington."
【 ○ 】:"Is that Lincoln over there?" "No, it's Washington."
→"it"は"that"(聞き手にとって誰なのか不明だが向こうにいる人)を指す

【例文】を英訳する場合、"he"や"that"ではなく"it"を使います。「向こうにいる」が「ワシントン」であるとわからない人に対しては"It is ..."と答えるのが普通です。

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ゼロから始める代名詞(21)
人称代名詞(20)間違えやすい人称代名詞の"it"(8)
【電話会話】:It's Miranda.(ミランダです) 先頭へ

電話で「私」を指す"it"

誰かに電話をかけたとき、かけた自分は"I"ではなく"it"か"this"で表わすのが普通です。

【例文】:「もしもし、サラ、ミランダよ」
【 × 】:"Hello, Sara, I'm Miranda."
【 ○ 】:"Hello, Sara, it's Miranda."
【 ○ 】:"Hello, Sara, this is Miranda."
→電話をかけた自分は"it"か"this"で表わすのが普通

【例文】:「どちら様でしょうか」「アンソニー・パウエルと申します」
【 × 】:"Who's calling please?" "I'm Anthony Powell. "
【 ○ 】:"Who's calling please?" "It's Anthony Powell."
【 ○ 】:"Who's calling please?" "This is Anthony Powell."
→電話をかけた自分は"it"か"this"で表わすのが普通

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ゼロから始める代名詞(22)
人称代名詞(21)間違えやすい人称代名詞の"it"(9)
【状況、様子】:It seems that we lost our way.(道に迷ったようだ) 先頭へ

その場の状況や様子を表わす"it"

"it"が漠然とその場の状況や様子を表わすことがあります。ほかに主語に置くものがないので取り敢えず"it"を主語に置いて、状況や様子のくわしい説明はたいていthat節を使います。

その場の状況や様子を表わす"it"を主語に使える動詞は比較的少数なので、ここでまとめます。どの動詞も主語に"it"を使いますが、"it"を「それ」と和訳することはありません。

状況や様子を表わす"it"を使う主な動詞
  • appear:it appears that 〜(〜のようだ)
  • look:it looks as if/as though 〜(〜のようだ)
  • seem:it seems that 〜(〜のようだ)
  • feel:it feels like 〜(〜のようだ)
  • sound:it sounds like 〜(〜のようだ)
  • follow:it follows that 〜(〜という結果になる)
  • happen:it happens that 〜(偶然〜する)
  • turn out:it turns out that 〜(〜だとわかる)
  • come out:it comes out that 〜(〜だとわかる)
  • emerge:it emerges that 〜(〜だと判明する)
  • transpire:it transpires that 〜(〜であることが明らかになる)

仮主語の"it"と違うところは、"it"が後ろに出てくるthat節の代役ではないところです。"it"の代わりにthat節を主語に置くと、文全体の意味が不明になります。

【例文】:あなたが正しいようだ。
【 × 】:That you are right seems.
【 ○ 】:It seems that you are right.
→"it"はその場の状況を指す、仮主語ではない
【例文】:あなたが正しいことは明らかだ。
【 ○ 】:That you are right is obvious.
【 ○ 】:It is obvious that you are right.
→"it"は仮主語、"that you are right"を指す

appear:it appears that 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(1)

"it appears that 〜は意味は「(主に見かけから判断して)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It appears that my hamsters are fond of their new house.
(= My hamsters appear to be fond of their new house.)
【 × 】:それはハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
【 ○ 】:ハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
→"it"は和訳しない

"appear"の場合、"that"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOK→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜

【例文】:It appears as if my hamsters are fond of their new house.
【例文】:It appears as though my hamsters are fond of their new house.
【 × 】:それはハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
【 ○ 】:ハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

look:it looks as if/as though 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(2)

"it looks as if 〜, it looks as though 〜"の意味は「(主に見かけから判断して)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

"that"を使った"it looks that 〜"という構文は通例、使いません。

【例文】:It looks as if the rainy season has passed.
【例文】:It looks as though the rainy season has passed.
【 × 】:それは梅雨が明けたようだ。
【 ○ 】:梅雨が明けたようだ。
→"it"は和訳しない

"look"の場合、"as if, as though"の代わりに"like"も使えます。ただし、"it looks like 〜"はくだけた言い方です。

【例文】:It looks like the rainy season has passed.
→"it looks like 〜"はくだけた表現
(= It looks as if the rainy season has passed.)
(= It looks as though the rainy season has passed.)
【 × 】:それは梅雨が明けたようだ。
【 ○ 】:梅雨が明けたようだ。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

seem:it seems that 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(3)

"it seems that 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It seems that I didn't catch flu.
(= I didn't seem to have caught flu.)
【 × 】:それはインフルエンザにかかったわけではないようだ。
【 ○ 】:インフルエンザにかかったわけではないようだ。
→"it"は和訳しない

"seem"の場合、"that"の代わりに"like, as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜

【例文】:It seems like I didn't catch flu.
【例文】:It seems as if I didn't catch flu.
【例文】:It seems as though I didn't catch flu.
(= I didn't seem to have caught flu.)
【 × 】:それはインフルエンザにかかったわけではないようだ。
【 ○ 】:インフルエンザにかかったわけではないようだ。

【関連トピック】

feel:it feel like 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(4)

"it feels like 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It felt like it was going to shower soon.
【 × 】:それはすぐにもにわか雨が降りそうだった。
【 ○ 】:すぐにもにわか雨が降りそうだった。
→"it"は和訳しない

"feel"の場合、"like"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜

"that"を使った"it feels that 〜"という構文はありません。

【例文】:It felt as if it was going to shower soon.
【例文】:It felt as though it was going to shower soon.
【 × 】:それはすぐにもにわか雨が降りそうだった。
【 ○ 】:すぐにもにわか雨が降りそうだった。
→"it"は和訳しない

sound:it sounds like 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(5)

"it sounds like 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It sounds like one of the plane's engines have failed.
【 × 】:それは飛行機のエンジンが一基故障したようです。
【 ○ 】:飛行機のエンジンが一基故障したようです。
→"it"は和訳しない

"sound"の場合、"lik"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜

"that"を使った"it sounds that 〜"という構文はありません。

【例文】:It sounds as if one of the plane's engines have failed.
【例文】:It sounds as though one of the plane's engines have failed.
【和訳】:飛行機のエンジンが一基故障したようです。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

follow:it follows that 〜(〜という結果になる)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(6)

"it follows that 〜"は物事が当然そうなることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It doesn't necessarily follow that slim people are light eaters.
【 × 】:それはやせているから少食であるとは必ずしも言えない。
【 ○ 】:やせているから少食であるとは必ずしも言えない。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

happen:it happens that 〜(偶然〜する)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(7)

"it happens that 〜"は意図的ではなくたまたまそうなることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It happened that I was out that day.
(= I happened to be out that day.)
【 × 】:それはその日はたまたま外出していた。
【 ○ 】:その日はたまたま外出していた。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】

turn out:it turns out that 〜(〜だとわかる)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(8)

"it turns out that 〜"は意外な事実が判明することを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It turned out that the grenade was just a toy.
【 × 】:それはその手榴弾はただのおもちゃだと判明した。
【 ○ 】:その手榴弾はただのおもちゃだと判明した。
→"it"は和訳しない

come out:it comes out that 〜(〜だとわかる)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(9)

"it comes out that 〜"は隠された事実が明らかになることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It came out that ten of teachers and students had contracted tuberculosis.
【 × 】:それは先生と生徒の合わせて十人が結核に感染していることがわかった。
【 ○ 】:先生と生徒の合わせて十人が結核に感染していることがわかった。
→"it"は和訳しない

emerge:it emerges that 〜(〜だと判明する)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(10)

"it emerges that 〜"は調査や研究などで新たな事実が判明することを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It emerged that the missing airliner had been hijacked.
【 × 】:それは行方不明機は実はハイジャックされたと判明した。
【 ○ 】:行方不明機は実はハイジャックされたと判明した。
→"it"は和訳しない

transpire:it transpires that 〜(〜であることが明らかになる)
間違えやすい人称代名詞の"it":状況や様子を表わす"it"(11)

"it transpires that 〜"は隠された事実が明らかになることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

【例文】:It later transpired that the city councilor had been arrested for drunk driving.
【 × 】:それはその市議会議員は過去に飲酒運転で逮捕されていたことが後に明らかになった。
【 ○ 】:その市議会議員は過去に飲酒運転で逮捕されていたことが後に明らかになった。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(23)
人称代名詞(22)間違えやすい人称代名詞の"it"(10)
【強調構文】:It's today that we have a test.(テストの日は今日だ) 先頭へ

強調構文を表わす"it"

"it"が強調構文の主語を表わすことがあります。強調構文は別のコーナーでくわしく扱っています→【参照】:『ゼロから始める強調構文

強調構文の場合、"it"は次に強調する語句が来るよという目印なので"it"を和訳する必要はありません。

【例文】:It is wind power that we should adopt as an eco-friendly power generation.
【 × 】:それは風力発電こそ私たちが環境にやさしい発電として採用すべきです。
【 ○ 】:風力発電こそ環境にやさしい発電として採用すべきです。
→"it"は和訳しない

【例文】:It was only a few days ago that I started using the Internet.
【 × 】:それは私がインターネットを使い始めたのはほんの数日前だ。
【 ○ 】:私がインターネットを使い始めたのはほんの数日前だ。
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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仮主語の"it"
ゼロから始める代名詞(24)
人称代名詞(23)間違えやすい人称代名詞の"it"(11)
【仮主語】:意味上の主語が別に存在することを表わす 先頭へ

"it"は後ろに意味上の主語があることを示す目印

"it"が仮主語を表わすことがあります。仮主語は形式主語とも言います。

【例文】:The flu has spread widely. It is important to wash our hands before eating.
【 × 】:インフルエンザが大流行しています。それは食事の前に手を洗うことは重要です。
【 ○ 】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。

【例文】の場合、"it"の意味は「それは」ではありません。

"it"は前のセンテンスや語句を指すわけではなく、意味的には"it" = "to wash our hands before eating"です。なので、"to wash our hands before eating"を主語の位置に置くこともできます。

【例文】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。
【英訳】:The flu has spread widely. To wash our hands before eating is important.

ただし、英語ではto不定詞やthat節を主語として文の先頭に置くのをたいてい嫌います。なので、とりあえず主語の位置に"it"のみを置いて、後ろに意味上の主語が来る目印とします。

【例文】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。
【 △ 】:The flu has spread widely. To wash our hands before eating is important.
【 ○ 】:The flu has spread widely. It is important to wash our hands before eating.
→"it"は仮主語、意味上の主語が後ろに来ることを表わす

おそらく、英語では語数が多くて長い主語を不自然と感じるので、長くなりがちなto不定詞やthat節の主語を避けると思われます→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(25)
人称代名詞(24)間違えやすい人称代名詞の"it"(12)
【仮主語】:仮主語の"it"は和訳しない 先頭へ

仮主語の"it"は和訳不要

仮主語の"it"には具体的な意味が存在しないので和訳も不要です→【参照】:『仮主語の"it":意味上の主語が別に存在することを表わす

仮主語の"it"を「それ」と和訳するとかえって不自然です。和訳のときは、仮主語の"it"の後ろに語数的に長い意味上の主語が来ることを知らせる単なる目印と考えればたいていOKです。

【例文】:It is tiring to repeat the same thing over and over again.
(= To repeat the same thing over and over again is tiring.)
【 × 】:それは同じことを何度も何度も繰り返すのは飽き飽きする。
【 ○ 】:同じことを何度も何度も繰り返すのは飽き飽きする。
→"it"は和訳しない

【例文】の場合、to不定詞(= To repeat the same thing over and over again)を主語にするよりも、仮主語の"it"を使うほうが英語としてナチュラルです。和訳はto不定詞を主語にして「同じことを何度も何度も繰り返すのは」です。

【例文】:It is a pity that my foutune slip is great curse.
(= That my foutune slip is great curse is a pity.)
【 × 】:それはおみくじが大凶なのは悲しい。
【 ○ 】:おみくじが大凶なのは悲しい。

【例文】の場合、that節(= that my foutune slip is great curse)を主語にするよりも、仮主語の"it"を使うほうが英語としてナチュラルです。和訳はthat節を主語にして「おみくじが大凶なのは」です。

【関連トピック】
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仮主語の"it"の構文
ゼロから始める代名詞(26)
人称代名詞(25)間違えやすい人称代名詞の"it"(13)
【仮主語】:仮主語の"it"の構文 先頭へ

仮主語"it"を使う構文

よく見かける仮主語"it"の構文をまとめます。意味上の主語はたいていto不定詞やthat節で表わします。

よく見かける仮主語"it"の構文
【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(27)
人称代名詞(26)間違えやすい人称代名詞の"it"(14)
【仮主語】:It takes 「時間」 to 〜.(〜するには「時間」が必要だ) 先頭へ

仮主語"it"を使う"take"

"take"は仮主語"it"を使って「必要な時間、努力、労力」などを表わすことができます。意味上の主語はたいていto不定詞を使います。お金が必要なときは"cost"を使います→【参照】:『It costs 「費用」 to 〜.(〜するには「費用」が必要だ)

仮主語"it"を使う"take"の構文と意味
  • it + take + 人 + A + to不定詞(人が〜するにはAが必要だ)
  • it + take + A + for + 人 + to不定詞(人が〜するにはAが必要だ)
  • it + take + A + to不定詞(〜するにはAが必要だ)

【例文】:学校まで歩いて三十分かかります
【 △ 】:To go to school on foot takes me thirty minutes.
【 ○ 】:It takes me thirty minutes to go to school on foot.
【 ○ 】:It takes thirty minutes for me to go to school on foot.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【例文】:小説を一本書き上げるには膨大な努力が必要だ
【 △ 】:To complete a single novel takes me immense effort.
【 ○ 】:It takes me immense effort to complete a single novel.
【 ○ 】:It takes immense effort for me to complete a single novel.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【例文】:自分のミスを認めるには相当な勇気が必要だ
【 △ 】:To admit our own mistakes takes much courage.
【 ○ 】:It takes much courage to admit our own mistakes.
→"it"は和訳しない

【例文】:十人がかりで横転した車を元にもどした。
【 △ 】:To push the overturned car upright took ten people.
【 ○ 】:It took ten people to push the overturned car upright.
→"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(28)
人称代名詞(27)間違えやすい人称代名詞の"it"(15)
【仮主語】:It costs 「費用」 to 〜.(〜するには「費用」が必要だ) 先頭へ

仮主語"it"を使う"cost"

"cost"は仮主語"it"を使って「必要な金銭の額、費用」を表わすことができます。意味上の主語はたいていto不定詞を使います。時間や努力が必要なときは"take"を使います→【参照】:『It takes 「時間」 to 〜.(〜するには「時間」が必要だ)

仮主語"it"を使う"cost"の構文と意味
  • it + cost + 人 + 金額/費用 + to不定詞(人が〜するは金額/費用が必要だ)
  • it + cost + 金額/費用 + to不定詞(〜するは金額/費用が必要だ)

【例文】:このロールケーキは八千円もした
【 △ 】:To buy this Swiss roll cost me eight thousand yen.
【 ○ 】:It cost me eight thousand yen to buy this Swiss roll.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【例文】:原子炉一機を廃炉にするには巨額の費用が必要だ
【 △ 】:To decomission a nuclear reactor costs a great deal of money.
【 ○ 】:It costs a great deal of money to decomission a nuclear reactor.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(29)
人称代名詞(28)間違えやすい人称代名詞の"it"(16)
【仮主語】:It amazes me that 〜.(〜であることに驚く) 先頭へ

仮主語"it"を使う他動詞

"surprise"や"please"など感情を表わす他動詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節やwhy 〜, how 〜で表わします。that節やwhy 〜, how 〜の代わりにto不定詞を使うこともあります。

仮主語"it"を使う主な他動詞(感情を表わすもの)
  • 【驚き】:amaze(びっくり仰天させる), astonish(驚かせる), astound(びっくり仰天させる), stagger(呆然とさせる), surprise(驚かせる)
  • 【困惑】:bother(困らせる), disturb(困惑させる), puzzle(まごつかせる), upset(心をかき乱す)
  • 【心配】:alarm(不安に陥れる), concern(心配にさせる), trouble(不安にさせる), worry(不安にさせる)
  • 【嫌悪】:disgust(むかつかせる)
  • 【怒り】:anger(怒らせる), annoy(イライラさせる), irritate(イライラさせる), infuriate(激怒させる)
  • 【恐怖】:appall(ぞっとさせる), frighten(おびえさせる), horrify(怖がらせる), scare(おどかす), shock(ぎょっとさせる)
  • 【悲嘆】:depress(落胆させる), distress(悲しませる), hurt(不快にさせる), pain(苦しませる), sadden(悲しませる)
  • 【喜び】:gratify(喜ばせる), please(喜ばせる), satisfy(満足させる)
  • 【感動】:impress(感動させる)
仮主語"it"を使う他動詞の構文
  • it + 動詞 + 目的語 + that/when/why/how節
  • it + 動詞 + 目的語 + to不定詞

【例文】:二十時間も寝てたなんてびっくりだ。
【 △ 】:That you slept for twenty hours amazes me.
【 ○ 】:It amazes me that you slept for twenty hours.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that 〜 hours"は意味上の主語

意味上の主語がthat節やwhy 〜, how 〜などで長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の目的語の次に置きます。英語ではなるべく主語の語数を短くします→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【驚き】

【例文】:It staggers me that the next president is a man who had repeated xenophobic and racist remarks.
(= That the next president is a man who had repeated xenophobic and racist remarks staggers me.)
【和訳】:排他主義で人種差別的な発言を繰り返して来た人物が次期大統領とは唖然とさせられる
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It greatly surprised me to find a roach creeping away in the bathroom.
(= To find a roach creeping away in the bathroom greatly surprised me.)
【例文】:It greatly surprised me that I found a roach creeping away in the bathroom.
(= That I found a roach creeping away in the bathroom greatly surprised me.)
【和訳】:風呂場でゴキブリがコソコソと逃げて行ったのを見てぎょっとした
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【関連トピック】
仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【困惑】

【例文】:It puzzles me why politicians don't listen to common people.
【和訳】:なぜ政治家は庶民の話に耳を傾けてくれないのか理解に苦しむ
→"it"は和訳しない
【例文】:It upsets us to hear that a bear attacked a man in a nearby woods.
(= To hear that a bear attacked a man in a nearby woods upsets us.)
【和訳】:近所の森で男性が熊に襲われたと聞いて動揺が広がっている
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【心配】

【例文】:It really alarms me that people are losing the memories of past disasters.
(= That people are losing the memories of past disasters really alarms me.)
【和訳】:過去の災害の記憶を人々が忘れつつあるのは本当に不安だ
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It greatly concerns me that earthquakes have frequently occurred in my hometown.
【和訳】:故郷で地震が頻発しているのが非常に不安だ。
(= That earthquakes have frequently occurred in my hometown greatly concerns me.)
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【嫌悪】

【例文】:It utterly disgusts me that several thousand tons of unsold food is disposed of every day.
(= That several thousand tons of unsold food is disposed of every day utterly disgusts me.)
【和訳】:毎日数千トンも売れ残りの食料が捨てられていることはきわめて不愉快だ
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【怒り】

【例文】:It always angers me to see a cyclist hurtling down the sidewalk.
(=To see a cyclist hurtling down the sidewalk always angers me.)
【和訳】:自転車が歩道を暴走しているのを見るといつも腹が立つ
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It irritates me that my cat often scratches the door.
(= That my cat often scratches the door irritates me.)
【和訳】:飼い猫がしょっちゅうドアを爪でガリガリやるのは頭に来る
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【恐怖】

【例文】:It appalled me that I thought about how badly the boy had been bullied at school.
(= That I thought about how badly the boy had been bullied at school appalled me.)
【和訳】:少年が学校でどれほどひどいいじめを受けていたかを考えるとぞっとしました
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It horrifies me to think that the meteor would have fallen in a residential area.
(= To think that the meteor would have fallen in a residential area horrifies me.)
【和訳】:隕石が住宅街を直撃していたらと思うとゾッとする
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【悲嘆】

【例文】:It distressed me that children and even adults participate in cyber-bullying.
(= That children and even adults participate in cyber-bullying distressed me.)
【和訳】:子供だけでなく大人までもがネット上でいじめを行っていることに悲しくなった
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It pains me to see young children with masks playing outdoors.
【和訳】:小さい子供たちがマスクをつけたまま外で遊んでいるのを見るとつらいものがあります
→"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【喜び】

【例文】:It pleases me that several thousand people visit my blog every day.
(= That several thousand people visit my blog every day pleases me.)
【和訳】:毎日何千人もの人が私のブログを見に来てくれるのでうれしい
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It always gratifies me to see students receive their diplomas from the principal on the stage.
(= To see students receive their diplomas from the principal on the stage always gratifies me.)
【和訳】:生徒が壇上で校長先生から卒業証書を受け取るところはいつ見ても喜ばしいことだ
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

仮主語"it"を使う他動詞(感情を表わすもの):【感動】

【例文】:It impressed me that there was no victim though the intensity of the earthquake was seven.
(= That there was no victim though the intensity of the earthquake was seven impressed me.)
【和訳】:地震の震度が7だったにもかかわらず犠牲者はゼロだったことに感動した
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(30)
人称代名詞(29)間違えやすい人称代名詞の"it"(17)
【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく) 先頭へ

仮主語"it"を使う動詞やイディオム

"occur"や"strike"など考えが頭の中に浮かぶことを表わす自動詞やイディオムの一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節で表わします。that節の代わりにto不定詞を使うこともあります。

仮主語"it"を使う主な表現(思いつきを表わすもの)
  • occur:it occurs to A that 〜(Aが〜を思いつく)
  • come:it comes to A that 〜(Aが〜を思いつく)
  • strike:it strikes A that 〜(Aに〜という考えが急に浮かぶ、Aが〜という印象を受ける)
  • cross:it crosses A's mind that 〜(Aの頭を〜がよぎる)
  • dawn:it dawns on A that 〜(Aが〜を理解し始める)

意味上の主語がthat節で長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の目的語の次に置きます。英語ではなるべく主語の語数を短くします→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく):occur

【例文】:It never occurred to me that the transportation expenses of the part-time job was paid.
【和訳】:アルバイトの交通費が出るとは思いも寄らなかった
→"it"は和訳しない

"it occurs to A that 〜"は突然何かを思いつくことや不意に何かを思い出すことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく):come

【例文】:It never came to me that guide dogs were not allowed to enter.
【和訳】:盲導犬の入場が許されないとは思いも寄らなかった
→"it"は和訳しない

"it comes to A that 〜"は何かを思いつくことや何かを思い出すことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく):strike

【例文】:It suddenly struck me that this ship might sink.
【和訳】:この船は沈むかもしれないという考えが不意に頭に浮かんだ
→"it"は和訳しない
【例文】:It strikes me that nobody wants to study from home instead of going to school for classes.
【和訳】:学校に行って授業を受ける代わりに自宅で授業を受けることを誰も望んでいないように感じられる
→"it"は和訳しない

"it strikes A that 〜"は他者に対して何らかの印象を持ったことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく):cross

【例文】:It crossed my mind that the president might be impeached for the leak of official secrets.
【和訳】:大統領が機密漏洩のため弾劾されるかもしれないという思いが頭をよぎった
→"it"は和訳しない

"it crosss A's mind that 〜"は考えや不安などが頭の中をよぎることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It occurs to me that 〜.(〜であることを思いつく):dawn

【例文】:It eventually dawned on us that nuclear power does not bring so much benefit to us.
【和訳】:原子力は人類に対してそれほどの利益をもたらすものではないことがようやくわかってきた
→"it"は和訳しない

"it dawns on A that 〜"はそれまでわからなかったことが急に理解できたことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。

"dawn"のもともとの意味は「夜が明ける、日が昇って来て一日が始まる」です。

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ゼロから始める代名詞(31)
人称代名詞(30)間違えやすい人称代名詞の"it"(18)
【仮主語】:It's thought that 〜.(〜であると思われる) 先頭へ

受動態で仮主語"it"を使う動詞
間違えやすい人称代名詞の"it"(15)仮主語の"it":It's thought that 〜.(〜であると思われる)(1)

"think"や"know"など人間の思考や行動を表わす動詞の一部は、受動態で仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節や"what 〜", "how 〜"などで表わします→【参照】:『受動態の作り方:「動詞 + that節」(thinkやsay)の場合

仮主語"it"を使う主な他動詞(受動態で使うもの)
  • 【思考】:assume(〜だと思う), believe(〜だと信じる), consider(〜だと考える), fear(〜だと危ぶむ), feel(〜だと思う), presume(〜だと思う), reckon(〜だと思う), suspect(〜だと疑う), suppose(〜だと考える), think(〜だと思う)
  • 【理解】:discover(〜だと判明する), find(〜だと気づく), know(〜だと知っている), understand(〜だと理解する)
  • 【予想】:anticipate(〜だと予想する), estimate(〜だと予想する), expect(〜だと予想する), predict(〜だと予測する)
  • 【結論】:conclude(〜だと結論づける)
  • 【発言】:announce(〜だと発表する), explain(〜だと説明する), mention(〜だと言う), report(〜だと報じる), rumor(〜であると噂する), say(〜だと言う), state(〜だと言う)
  • 【提案】:advise(〜と助言する), propose(〜を提案する), recommend(〜だと勧める), suggest(〜を提案する)
  • 【主張】:allege(〜だと主張する), argue(〜だと主張する), assert(〜だと言い張る), claim(〜だと言い張る)
  • 【要求】:demand(〜するよう要求する)
  • 【決定】:decide(〜だと決める, resolve(〜だと決定する)
  • 【同意】:agree(〜であることに同意する)
  • 【暴露】:disclose(〜であることを明らかにする), reveal(〜であることを明らかにする)
  • 【証明】:prove(〜であることを証明する), show(〜であることを証明する)
  • 【認識】:admit(〜であることを認める), acknowledge(〜であることを認める), grant(〜であることを認める), concede(〜であることを是認する), recognize(〜であることを認める)
  • 【忘却】:forget(〜であることを忘れている)
  • 【希望】:hope(〜であることを希望する)
  • 【意図】:intend(〜であるつもりだ)
仮主語"it"を使う受動態の構文
  • it is + 動詞の過去分詞形 + that節 + 〜

【例文】:It is thought that the universe was born about 15 billion years ago.
(= The universe is thought to have been born about 15 billion years ago.)
【和訳】:宇宙は約百五十億年前にできたと考えられている
→"it"は和訳しない、"that 〜ago"は意味上の主語

意味上の主語がthat節やwhy 〜, how 〜などで長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の次に置きます。誰が考えたのか、誰が言ったのかを意図的に伏せるとき、不明なとき、あるいは特に言う必要がないときによく使う表現です。

「it is + 動詞の過去分詞形 + that節」の形が使える動詞の一部は、「there is + 過去分詞」も使えます→【参照】:『ゼロから始めるthere構文:there + 受動態(there is thought + to不定詞)

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【思考】

【例文】:It is presumed that the driver had already fainted when the crash happened.
【和訳】:衝突事故が起こったとき、すでに運転手は気を失っていたと考えられます
→"it"は和訳しない
【例文】:It is feared that the whole island had been covered with volcano ash after the eruption.
(= The whole island is feared to have been covered with volcano ash after the eruption.)
【和訳】:噴火後島全体が火山灰に覆われたのではないかと危ぶまれている。
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【理解】

【例文】:It was later discovered that the giant panda was male.
(= The giant panda was later discovered to be male.)
【和訳】:後になってそのパンダはオスであることがわかった
→"it"は和訳しない
【例文】:It is widely known that natto has health benefits.
(= Natto is widely known to have health benefits.)
【和訳】:納豆が健康によいことはよく知られている。
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【予想】

【例文】:It was anticipated that the coral reefs would continue bleaching due to high sea temperature.
(= The coral reefs were anticipated to continue bleaching due to high sea temperature.)
【和訳】:海水温が高いためサンゴの白化現象が今後も続くと予想された
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【結論】

【例文】:It was concluded that the photograph of a UFO was fake.
【和訳】:このUFOが写った写真は偽ものであると結論づけられた。
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【発言】

【例文】:It was reported that the election was rigged.
(= The election was reported to be rigged.)
【和訳】:選挙で不正が行われたと報道されている
→"it"は和訳しない
【例文】:In a recent survey, it is stated that one out of six children suffers from poverty.
(= In a recent survey, one out of six children is stated to suffer from poverty.)
【和訳】:最近の調査によると、子供の六人のうち一人は貧困に苦しんでいると言われる

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【提案】

【例文】:It was suggested that a drone be used to investigate the volcano crater.
【和訳】:火口を調べるためにドローンを使ってみてはという提案がなされた
→"it"は和訳しない

"suggest"や近い意味を表わす"advise, propose, recommend"は提案を表わすので、that節内はたいてい仮定法現在を使います→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【提案】を表わす動詞:suggest, propose, advise, recommend

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【主張】

【例文】:It is alleged that secondhand smoking is more harmful than firsthand.
(= Secondhand smoking is allged to be more harmful than firsthand.)
【和訳】:間接喫煙は直接喫煙よりも有害だという主張がある
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【要求】

【例文】:It was demanded that every country markedly reduce the amount of plastic waste.
【和訳】:各国はプラスチックゴミに関して目に見えるほどの大幅削減を求められた
→"it"は和訳しない

"demand"は要求を表わすので、that節内はたいてい仮定法現在を使います→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【要求】を表わす動詞:ask, beg, demand, desire, insist, request, require

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【決定】

【例文】:It was decided that students use tablets instead of textbooks.
【和訳】:生徒たちは教科書の代わりにタブレットを使うことが決定した
→"it"は和訳しない
【例文】:It was resolved that a flying boat loaded with food and water be send to the devastated country.
【和訳】:被災した国に水と食料を積んだ飛行艇を派遣することが決定した
→"it"は和訳しない

"decide, resolve"は決定を表わすので、that節内で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【決定】を表わす動詞(decide, resolve)

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【同意】

【例文】:It was agreed that we would continue to ask for donation for the earthquake victims.
【和訳】:地震の被災者のための義援金は引き続き募集することで意見が一致した
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【暴露】

【例文】:It was disclosed that the terrorists had demanded a huge ransom for the hostage release.
【和訳】:テロリストたちは人質解放のために巨額の身代金を要求していたことが明らかになった
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【証明】

【例文】:It was later shown that the virus was not transmitted from a pet to a person.
(= The virus was shown not to be transmitted from a pet to a person.)
【和訳】:後になってそのウイルスはペットからヒトへの感染はしないことが証明された
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【認識】

【例文】:It is widely admitted that climate change will impact agriculture and food production.
【和訳】:気候変動が農業と食料生産に影響を与えるだろうということは広く認められています
→"it"は和訳しない
【例文】:It must be conceded that thousands of birds are killed annually by wind turbines.
【和訳】:毎年何千羽もの鳥が風力発電の風車で命を落していることは認めざるを得ない
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【忘却】

【例文】:It shouldn't be forgotten that trade war benefits no one.
【和訳】:貿易戦争で得するものなどいないということは忘れてはならない
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【希望】

【例文】:It is hoped that the Olympics and politics will be kept separate.
【和訳】:オリンピックと政治は切り離しておくのが望ましい
→"it"は和訳しない

受動態で仮主語"it"を使う動詞:【意図】

【例文】:It was not intended that the group of demonstrators be shot.
【和訳】:デモ隊への発砲は意図したものでなかった。
→"it"は和訳しない

"intend"は意図を表わすので、that節内で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【意図】を表わす動詞:intend

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(32)
人称代名詞(31)間違えやすい人称代名詞の"it"(19)
【仮主語】:It's a pity to 〜.(〜であるのは楽しい) 先頭へ

仮主語"it"を使う名詞

"pity(残念)"や"wonder(驚き)"など感情を表わす名詞は仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節で表わします。

仮主語"it"を使う主な名詞(意味上の主語はthat節)

"pity(残念), shame(残念), surprise(驚き)"は意味上の主語をto不定詞で表わすこともあります→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい)

"it is + 名詞 + that節"の構文
  • it is + 名詞 + that節
    【例】:It is a pity that 〜.(〜であるのは残念だ)
  • it is + 名詞 + to不定詞
    【例】:It is a pity for A to 〜.(Aが〜するのは残念だ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):pity

【例文】:幹部連中が事故の責任を認めようとしないのはきわめて遺憾だ
【 △ 】:That the executive officers evaded the responsibility for the accident is a great pity.
【 ○ 】:It is a great pity that the executive officers evaded the responsibility for the accident.
(= It is a great pity for the executive officers to evade the responsibility for the accident.)
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):shame

【例文】:飲酒運転によるひき逃げ事故が発生したのは誠に残念だ
【 △ 】:To hear a drunk driver caused some hit-and-run accident is a real shame.
【 ○ 】:It is a real shame that I hear some drunk driver caused a hit-and-run accident.
(= It is a real shame to hear some drunk driver caused a hit-and-run accident.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):wonder

【例文】:うちの猫が半年ぶりに帰って来て心底おどろいた
【 △ 】:That our cat came home after six months absence was a great wonder.
【 ○ 】:It was a great wonder that our cat came home after six months absence.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):surprise

【例文】:転校するって聞いてびっくりしたよ
【 △ 】:To hear that you will transfer is a surprise.
【 ○ 】:It is a surprise that I hear you will transfer.
(= It is a surprise to hear you will transfer.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):miracle

【例文】:あれほどの大噴火で犠牲者もけが人もいなかったことは奇跡だ
【 △ 】:That nobody was killed or injured in the massive eruption is a miracle.
【 ○ 】:It is a miracle that nobody was killed or injured in the massive eruption.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):a good thing

【例文】:その脱線事故でけが人や犠牲者が出なくてよかった
【 △ 】:That nobody got killed or hurt in the derailment was a good thing.
【 ○ 】:It was a good thing (that) nobody got killed or hurt in the derailment.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that"はよく省略する

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a pity that 〜.(〜であるのは残念だ):a good job

【例文】:いつもより早いバスに乗って来たのがよかったね
【 △ 】:That you took an earlier bus than usual was a good job.
【 ○ 】:It was a good job (that) you took an earlier bus than usual.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that"はよく省略する

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(33)
人称代名詞(32)間違えやすい人称代名詞の"it"(20)
【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい) 先頭へ

仮主語"it"を使う名詞

"fun(楽しみ)"や"duty(義務)"など人の様子や状況を表わす名詞は仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていto不定詞で表わします。to不定詞の主語を"for 〜"で表わすこともあります。

仮主語"it"を使う主な名詞(意味上の主語はto不定詞)

"pity(残念), shame(残念), surprise(驚き)"は意味上の主語をthat節で表わすこともあります→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's a pity that 〜. (〜であるのは残念だ)

"it is + 名詞 + to不定詞"の構文
  • it is + 名詞 + to不定詞
    【例】:It is a fun to 〜.(〜するのは楽しい)
  • it is + 名詞 + for A + to不定詞
    【例】:It is a fun for me to 〜.(私が〜するのは楽しい)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい):【喜び】

【例文】:友達とも会わずじっと家にいるのはひどくつまらない
【 △ 】:To stay home without seeing friends is no fun.
【 ○ 】:It is no fun to stay home without seeing friends.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:小さいころおじいちゃんの家に行くのがすごく楽しみだった
【 △ 】:When I was a little kid, to visit my grandfather's house was a real treat.
【 ○ 】:When I was a little kid, it was a real treat to visit my grandfather's house.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい):【残念】

【例文】:複数の企業が売れ残りの服を焼却処分にしているのはひどく残念だ
【 △ 】:For some companies to burn unsold clothes is a deep shame.
【 ○ 】:It is a deep shame for some companies to burn unsold clothes.
(= It is a deep shame that some companies have burned unsold clothes.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい):【驚き】

【例文】:私たちの学校が来年で創立百周年というのを知ってちょっとびっくりした
【 △ 】:For me to know that our school will be 100 years old next year was a slight surprise.
【 ○ 】:It was a slight surprise for me to know that our school will be 100 years old next year.
(= It was a slight surprise that I know that our school will be 100 years old next year.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい):【習慣】

【例文】:コンピューターで仕事をするときは習慣的にコンタクトを外して眼鏡をかけます。
【 △ 】:To wear glasses instead of contact lenses when working at a computer is my custom.
【 ○ 】:It's my custom to wear glasses instead of contact lenses when working at a computer.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【関連トピック】
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい):【その他】

【例文】:庶民の声に耳を傾けることが政治家の務めだ
【 △ 】:To listen to the voice of common people is the duty of politicians.
【 ○ 】:It is the duty of politicians to listen to the voice of common people.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:不愉快な気分にさせるつもりはありませんでした。
【 △ 】:To make you feel uncomfortable was not my intention.
【 ○ 】:It was not my intention to make you feel uncomfortable.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:日本ではうどんやラーメンを食べるとき、ずるずる音をたてるのはマナー違反ではありません。
【 △ 】:To make slurping noises while eating udon or ramen is not bad manners in Japan.
【 ○ 】:It's not bad manners in Japan to make slurping noises while eating udon or ramen.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(34)
人称代名詞(33)間違えやすい人称代名詞の"it"(21)
【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ) 先頭へ

仮主語"it"とto不定詞、that節のどちらも使える形容詞

"important"や"essential"など「物事の状況や状態」を表わす形容詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はto不定詞やthat節で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」

仮主語"it"とto不定詞やthat節を使う主な形容詞
  • 【重要性】:important(重要な), necessary(必要な)
  • 【不可欠】:essential(不可欠な), vital(不可欠な)
  • 【正当】:natural(当り前な), right(正当な)
  • 【便利】:convenient(便利な)、inconvenient(不便な)
  • 【能力】:possible + to不定詞(〜することは可能), impossible + to不定詞(〜することは不可能)
  • 【可能性】: possible + that節(〜であることはありえる), impossible + that節(〜であることはありえない)

さらにくわしくは別のコーナーにまとめています。

"important"や"essential"など重要性や不可欠を表わす形容詞は意味上の主語をto不定詞を使ってもthat節を使っても文全体の意味はほぼ同じです。"possible, impossible"は意味上の主語がto不定詞かthat節かで意味が変化します。

"important"や"essential"など重要性や不可欠を表わす形容詞はthat節の中で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:【不可欠】を表わす形容詞(essential, vital, urgent)

"it is + 形容詞 + to不定詞/that節"の構文
  • it is + 形容詞 + to不定詞
    【例】:It is important to 〜.(〜するのは重要だ)
  • it is + 形容詞 + that節
    【例】:It is important that 〜.(〜であるのは重要だ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【重要性】

【例文】:雪や氷の上を歩くときは安全のため歩幅を小さくすることが大切だ。
【 △ 】:For you to take small steps for safety on snow and ice is important.
【 ○ 】:It's important for you to take small steps for safety on snow and ice.
【 △ 】:That you take small steps for safety on snow and ice is important.
【 ○ 】:It's important that you take small steps for safety on snow and ice.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【不可欠】

【例文】:あなたの場合、人の話をきちんと聞くことが一番大切です。
【 △ 】:For you to listen carefully to what others tell you is very vital.
【 ○ 】:It is very vital for you to listen carefully to what others tell you.
【 △ 】:That you should carefully listen to what others tell you is very vital.
【 ○ 】:It is very vital that you should carefully listen to what others tell you.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【正当】

【例文】:子供たちが勉強よりも遊びを好むのはごく当たり前のことだ。
【 △ 】:For children to prefer playing to studying is only natural.
【 ○ 】:It is only natural for children to prefer playing to studying.
【 △ 】:That children prefer playing to studying is only natural.
【 ○ 】:It is only natural that children prefer playing to studying.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【便利】

【例文】:家が学校に近いと何かと便利だ。
【 △ 】:For us to live near the school is extremely convenient.
【 ○ 】:It is extremely convenient for us to live near the school.
【 △ 】:That we live near the school extremely convenient.
【 ○ 】:It is extremely convenient that we live near the school.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない

"possible, impossible"は後ろにto不定詞を置くか、that節を置くかで意味が変化します。

仮主語"it"を使う構文(possible, impossible)
  • 【能力】:it is possible + to不定詞(〜することは可能だ)
  • 【能力】:it is impossible + to不定詞(〜することは不可能だ)
  • 【可能性】:it is possible + that節(〜であることはありうる)
  • 【可能性】:it is impossible + that節(〜であることはありえない)

to不定詞を使うと「能力」を表わして意味は「〜することができる、〜することができない」です。that節を使うと「可能性」を表わして意味は「〜がありうる、〜がありえない」です。

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【能力】

【例文】:一日に十五種類の野菜を食べることは充分に可能だ
【 × 】:It is quite possible that we eat fifteen kinds of vegetables a day.
【 ○ 】:It is quite possible for us to eat fifteen kinds of vegetables a day.
【例文】:一日に十五種類の野菜を食べることはまったくもって不可能だ
【 × 】:It is completely impossible that we eat fifteen kinds of vegetables a day.
【 ○ 】:It is completely impossible for us to eat fifteen kinds of vegetables a day.
→"possible, impossible"で「できる、できない」を表わす場合、that節は不可

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's important that 〜.(〜であることは重要だ):【可能性】

【例文】:誰かがあなたの暗証番号を盗んだ可能性は充分にある
【 × 】:It is quite possible for someone to have stolen your passowrd.
【 ○ 】:It is quite possible that someone stole your passowrd.
【例文】:誰かがあなたの暗証番号を盗んだ可能性はまったくない
【 × 】:It is absolutely impossible for anyone to have stolen your passowrd.
【 ○ 】:It is absolutely impossible that anyone stole your passowrd.
→"possible, impossible"で「ありうる、ありえない」を表わす場合、to不定詞は不可

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(35)
人称代名詞(34)間違えやすい人称代名詞の"it"(22)
【仮主語】:It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ) 先頭へ

仮主語"it"とthat節使う形容詞

"obvious"や"likely"など「物事の状況や状態」を表わす形容詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱらthat節で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」

仮主語"it"とthat節を使う主な形容詞
  • 【明白】:clear(明らかな), obvious(明らかな)
  • 【運勢】:fortunate(幸運な), unfortunate(不運な)
  • 【可能性】:likely(ありそうな), unlikely(ありそうにない), probable(ありうる), improbable(ありえない)
  • 【確信】:certain(確かな)

さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」:仮主語"it"が可能(good that, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」:仮主語"it"も"it"以外も可能(clear that, etc)

"it is + 形容詞 + that節"の構文
  • it is + 形容詞 + that節
    【例文】:It is obvious that 〜.(〜であることは明らかだ)

「it is + 形容詞 + that節」の形が使える形容詞の一部は「there is + 形容詞(there is likely 〜)」も使えます→【参照】:『ゼロから始めるthere構文:there is + 形容詞(there is likely 〜)

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ):【明白】

【例文】:子供たちを守るために警官が発砲したことは私の目にはきわめて明らかでした。
【 × 】:It was quite clear to me for the policeman to fire to protect the children.
【 △ 】:That the policeman fired to protect the children was quite clear to me.
【 ○ 】:It was quite clear to me that the policeman fired to protect the children.
→it is clear + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ):【運勢】

【例文】:そんなに大きな看板が落ちて来て誰もけがをしなかったのは幸運以外の何ものでもない。
【 × 】:It was very fortunate for nobody to get hurt when that large billboard fell.
【 △ 】:That nobody got hurt when that large billboard fell was very fortunate.
【 ○ 】:It was very fortunate that nobody got hurt when that large billboard fell.
→it is fortunage + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ):【可能性】

【例文】:誰も私のことを覚えていないのは充分にありうる。
【 × 】:It is very likely for nobody to remember me.
【 △ 】:That nobody remembers me is very likely.
【 ○ 】:It is very likely that nobody remembers me.
→it is likely + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's obvious that 〜.(〜であることは明らかだ):【確信】

【例文】:世界中で洪水や干ばつなどの異常気象が多発しているのは間違いない。
【 × 】:It is certain for abnormal weather such as floods or droughts to often occur around the world.
【 △ 】:That abnormal weather such as floods or droughts often occurs around the world is certain.
【 ○ 】:It is certain that abnormal weather such as floods or droughts often occurs around the world.
→it is certain + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(36)
人称代名詞(35)間違えやすい人称代名詞の"it"(23)
【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい) 先頭へ

仮主語"it"とto不定詞を使う形容詞

"difficult"や"dangerous"などの形容詞で「物事の状況や状態が人にとってどうなのか」を表わすとき、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱら「for 〜 + to不定詞」で表わします。→【参照】:『よく使う形容詞の構文「It + be動詞 + 形容詞 + for + to不定詞」

仮主語"it"と"for"、to不定詞を使う主な形容詞
  • 【情勢】:safe(安全な), dangerous(危険な), risky(危ない)
  • 【難易】:difficult(むつかしい), hard(むつかしい), easy(やさしい), simple(簡単な)
  • 【有用】:useful(役に立つ), useless(役に立たない), pointless(役に立たない)
  • 【通常】:usual(通常の), unusual(珍しい)

さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"を使う:important for A to, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"も"of"も使う:bad for/of, etc)

"it is + 形容詞 + for A + to不定詞"の構文
  • it is + 形容詞 + for 〜 + to不定詞
    【例文】:It is hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい)

物事ではなく「人の様子や性格、行ないを評価して良い、悪いなど」を判断するときは、前置詞"for"の代わりに"of"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ)

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい):【情勢】

【例文】:ここの川の水は料理に使っても問題ない。
【 × 】:It is safe that we use the river water for cooking.
【 △ 】:For us to use the river water for cooking is safe.
【 ○ 】:It is safe for us to use the river water for cooking.
→it is safe + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:スズメバチを見てびっくりして大声を上げるのは危険です。
【 × 】:It is dangerous that you cry out in terror when you see hornets.
【 △ 】:To cry out in terror when you see hornets is dangerous.
【 ○ 】:It is dangerous for you to cry out in terror when you see hornets.
→it is dangerous + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい):【難易】

【例文】:寿司を百個食べるなんて朝飯前だ。
【 × 】:It is very easy that I eat a hundred pieces of sushi.
【 △ 】:For me to eat a hundred pieces of sushi is very easy.
【 ○ 】:It is very easy for me to eat a hundred pieces of sushi.
→it is easy + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい):【有用】

【例文】:両国が軍拡競争をエスカレートさせるのはまったくの無駄である。
【 × 】:It is utterly pointless for both countries to escalate an arms race.
【 △ 】:For both countries to escalate an arms race is utterly pointless.
【 ○ 】:It is utterly pointless for both countries to escalate an arms race.
→it is pointless + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい):【通常】

【例文】:この時期に台風が接近するのはきわめてまれだ。
【 × 】:It is extremely unusual that a typhoon approaches at this time of year.
【 △ 】:For a typhoon to approach at this time of year is extremely unusual.
【 ○ 】:It is extremely unusual for a typhoon to approach at this time of year.
→it is unusual + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(37)
人称代名詞(36)間違えやすい人称代名詞の"it"(24)
【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ) 先頭へ

仮主語"it"とto不定詞を使う形容詞

"careful"や"wise"などの形容詞で「人の様子や性格、行ないを評価して良い、悪いなど」を判断するとき、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱら「of 〜to不定詞」で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「It + be動詞 + 形容詞 + of + to不定詞」

仮主語"it"と"of"、to不定詞を使う主な形容詞

さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("of"を使う:careless of A to, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"も"of"も使う:bad for/of, etc)

"it is + 形容詞 + of A + to不定詞"の構文
  • it is + 形容詞 + of 〜 + to不定詞
    【例文】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ)

前置詞に"of"を使う形容詞はたいてい、仮主語の"it"を使わずに「主語 + is + 形容詞 + to不定詞」の構文も使えます。仮主語の"it"を使わないと、面と向かってはっきりと言うニュアンスを強調します。

【例文】:It is silly of you to ride a motorcycle without a helmet.
【和訳】:ヘルメットなしでバイクに乗るのはばかげている。
【例文】:You are silly to ride a motorcycle without a helmet.
【和訳】:あなたがヘルメットなしでバイクに乗るなんてばかげている。

「物事の状況や状態が人にとってどうなのか」を表わすときは、前置詞"of"の代わりに"for"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい)

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ):【愚か】

【例文】:テレビに出ている自称専門家の話を信用するなんてばかげている。
【 × 】:It is foolish that you trust what self-appointed experts said on television.
【 ○ 】:It is foolish of you to trust what self-appointed experts said on television.
(= You are foolish to trust what self-appointed experts said on television.)
→it is foolish + that節は不可

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ):【正直】

【例文】:政府が福祉の拡充のために増税するというのは信用ならないだろう。
【 × 】:It would be dishonest that the government will increase taxes to boost welfare.
【 ○ 】:It would be dishonest of the government to increase taxes to boost welfare.
→it is dishonest + that節は不可

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ):【礼儀】

【例文】:女性に年齢を尋ねるのはかなり失礼ですよ。
【 × 】:It is quite impolite that you ask woman's age.
【 ○ 】:It is quite impolite of you to ask woman's age.
(= You are quite impolite to ask woman's age.)
→it is impolite + that節は不可

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ):【軽率】

【例文】:財布を持って来ないなんてうっかりしてる。
【 × 】:It is careless that you have left your wallet home.
【 ○ 】:It is careless of you to leave your wallet home.

人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ):【親切】

【例文】:そのレストランは子供用の食器と椅子を用意してくれてすごく親切だった。
【 × 】:It was really nice that the restaurant provided child's tableware and a baby high chair.
【 ○ 】:It was really nice of the restaurant to provide child's tableware and a baby high chair.

【関連トピック】
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仮目的語の"it"
ゼロから始める代名詞(38)
人称代名詞(37)間違えやすい人称代名詞の"it"(25)
【仮目的語】:意味上の目的語が別に存在することを表わす 先頭へ

仮目的語を表わす"it"

"think"や"make"などの動詞は仮目的語の"it"を使うことがあります。仮目的語は形式目的語とも言います。

【例文】:I think it hard to predict earthquakes.
【 × 】:地震の予知のそれはむつかしいと思う。
【 ○ 】:地震を予知することはむつかしいと思う。

【例文】の場合、"it"は仮目的語として機能します。「それ」という意味はありません。意味上の本当の目的語は"to predict earthquakes"(地震を予知すること)です。

なぜ、わざわざ仮目的語を置くのか。

それは、to不定詞やthat節などを目的語として使うのを嫌う場合があるからです。特に、「主語 + 動詞 + 目的語 + 補語」の場合、目的語にto不定詞やthat節などを置くと構文がわかりにくくなります。なので、仮目的語の"it"を先に目印として置いておき、意味上の目的語を"it"の後ろに置きます。

【例文】:地震を予知することはむつかしいと思う。
【 × 】:I think to predict earthquakes hard.
【 ○ 】:I think it hard to predict earthquakes.
(= I think that it is hard to predict earthquakes.)

【例文】を英訳すると、"think"の目的語はto不定詞の"to predict earthquakes"(地震を予知すること)、補語は"hard"(むつかしい)です。

"think"の次に目的語の"to predict eathquakes"を置いて"hard"のみを文末にポツンと置くと、目的語が長すぎて英語としては文の構造がわかりにくくなります。なので、とりあえず目的語の位置に"it"を置いて、後ろに意味上の目的語が来る目印とします。そして、"it"の次に補語の"hard"、その次に意味上の目的語(to predict earthquakes)をつなげます。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(39)
人称代名詞(38)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)
【仮目的語】:仮目的語の"it"は和訳しない 先頭へ

仮目的語"it"の意味は「それ」ではない

仮目的語の"it"には具体的な意味が存在しないので和訳は不要です→【参照】:『【仮目的語】:意味上の目的語が別に存在することを表わす

仮目的語の"it"を「それ」と和訳するとかえって不自然。和訳のときは、後ろに語数的に長い意味上の目的語が来る目印と考えればたいていOKです。

【例文】:I believe it very dangerous to stay here without wearing a hazmat suit.
(= I believe that it is very dangerous to stay here without wearing a hazmat suit.)
【 × 】:防護服を着用せずにこの場に留まるそれをきわめて危険であると思います。
【 ○ 】:防護服を着用せずにこの場に留まるのはきわめて危険であると思います。
→"it"は和訳しない

【例文】の場合、"it"は仮目的語です。意味上の目的語は"to stay here without wearing a hazmat suit"(防護服を着用せずにこの場に留まること)です。"very dangerous"は補語、"to stay here without wearing a hazmat suit"(防護服を着用せずにこの場に留まること)の説明として機能します。"it"は和訳しません。

【例文】:I thought it highly unlikely that I would get full marks in mathematics.
(= I thought that it was highly unlikely that I would get full marks in mathematics.)
【 × 】:数学で百点を取るなんてそれを絶対にありえないと思っていた。
【 ○ 】:数学で百点を取るなんて絶対にありえないと思っていた。
→"it"は和訳しない

【例文】の場合、"it"は仮目的語です。意味上の目的語は"that I would get full marks in mathematics"(数学のテストで百点を取ること)です。"highly unlikely"は補語、"that I would get full marks in mathematics"(数学のテストで百点を取ること)の説明として機能します。"it"は和訳しません。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(40)
人称代名詞(39)間違えやすい人称代名詞の"it"(27)
【仮目的語】:仮目的語の構文 先頭へ

語数的に長い目的語

語数的に長くなりがちなthat節、to不定詞動名詞、what節などが補語付きで目的語に来る場合、仮目的語の"it"をよく使います。いずれの場合でも仮主語"it"は和訳しません→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":仮目的語の"it"は和訳しない

よく見かける仮目的語"it"の構文
  1. 目的語がthat節の場合
    【例】:I think it likely that a war will break out.(戦争が勃発する可能性があると思う)
  2. 目的語がto不定詞の場合
    【例】:I feel it necessary to start peace talks.(和平交渉を始める必要があると感じる)
  3. 目的語が動名詞の場合
    【例】:I found it difficult being a soldier.(兵士であることが困難であるとわかった)
  4. 目的語がwhat節の場合
    【例】:We need to make it clear what happened.(何があったのか明らかにする必要がある)
【関連トピック】

目的語がthat節の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(1)

動詞の目的語がthat節の場合、仮目的語を使うことがあります。

仮目的語の構文:動詞の目的語がthat節の場合
  • 【×】:主語 + 動詞 + that節 + 補語
  • 【○】:主語 + 動詞 + 仮目的語の"it" + 補語 + that節

【例文】:そのロボットがあまりに人間そっくりだったので子供たちは気味が悪いと思った。
【 × 】:The children thought that that the robot too much resembled a human being weird.
【 ○ 】:The children thought it weird that the robot too much resembled a human being.
(= The children thought that it was weird that the robot too much resembled a human being.)
→"thought"の意味上の目的語がthat節、補語は"weird"

補語の"weird"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"weird"と意味上の目的語のthat節("that the robot too much resembled a human being")を置きます。

目的語がto不定詞の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(2)

動詞の目的語がto不定詞の場合、仮目的語を使うことがあります。

仮目的語の構文:動詞の目的語がto不定詞の場合
  • 【×】:主語 + 動詞 + to不定詞 + 補語
  • 【○】:主語 + 動詞 + 仮目的語の"it" + 補語 + to不定詞

【例文】:紙をリサイクルすることは環境に非常に良いことだと思います。
【 × 】:I think to recycle paper very good for the environment.
【 ○ 】:I think it very good for the environment to recycle paper.
(= I think that it is very good for the environment to recycle paper.)
→"think"の意味上の目的語がto不定詞、補語は"very good for the environment"

補語の"very good for the environment"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"very good for the environment"と意味上の目的語のto不定詞("to recycle paper")を置きます。

目的語が動名詞の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(3)

動詞の目的語が動名詞の場合、仮目的語を使うことがあります。

仮目的語の構文:動詞の目的語が動名詞の場合
  • 【×】:主語 + 動詞 + 動名詞 + 補語
  • 【○】:主語 + 動詞 + 仮目的語の"it" + 補語 + 動名詞

【例文】:砂浜を裸足で歩くと気持ちいいことに気づいた。
【 × 】:I found walking barefoot on the sandy beach comfortable.
【 ○ 】:I found it comfortable walking barefoot on the sandy beach.
(= I found that it was comfortable walking barefoot on the sandy beach.)
→"found"の意味上の目的語が動名詞、補語は"comfortable"

補語の"comfortable"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"comfortable"と意味上の目的語の動名詞("walking barefoot on the sandy beach")を置きます。

目的語がwhat節の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(4)

動詞の目的語がwhat節の場合、仮目的語を使うことがあります。

仮目的語の構文:動詞の目的語がwhat節の場合
  • 【×】:主語 + 動詞 + what節 + 補語
  • 【○】:主語 + 動詞 + 仮目的語の"it" + 補語 + what節

【例文】:ビルが崩壊した原因を市は住民に対して明らかにする必要がある。
【 × 】:The city needs to make to the residents what caused the collapse of the building clear.
【 ○ 】:The city needs to make it clear to the residents what caused the collapse of the building.
→"make"の意味上の目的語がwhat節、補語は"clear"

補語の"clear"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"clear"と意味上の目的語のwhat節("what caused the collapse of the building")を置きます。

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ゼロから始める代名詞(41)
人称代名詞(40)間違えやすい人称代名詞の"it"(28)
【仮目的語】:仮目的語を使う動詞 先頭へ

仮目的語はそんなには使わない

仮目的語の"it"を使う動詞はごく少数です。

仮目的語を使う主な動詞
【関連トピック】
人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:consider

【例文】:I consider it unwise to fight power with power.
【和訳】:力に力で対抗するのは賢いとは思えない。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to fight 〜 power"
【例文】:We consider it natural that the country should be imposed economic sanctions.
【和訳】:その国が経済制裁を受けるのは当然だと思われている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 sanctions"

人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:feel

【例文】:The citizens feel it urgent to flee from the war to neighboring countires.
【和訳】:市民は戦火を避けて隣国に逃れるのが急務だと感じている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to flee 〜 countries"

人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:find

【例文】:We found it impossible to lift up the sunken ship.
【和訳】:その沈没した船を引き上げるのは不可能だとわかった。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to lift 〜 ship"
【例文】:I found it rather pleasant living alone in an isolated island.
【和訳】:孤島での一人暮らしはけっこう快適であることがわかった。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"living 〜 island"

人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:think

【例文】:I think it a little strange that Lucy hasn't replied.
【和訳】:ルーシーから返信がないのはちょっと不思議に思う。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 replied"
【例文】:Some parents may think it troublesome to answer the questions of their children.
【和訳】:子供たちの質問に答えるのは面倒だと考える親がいるかもしれない。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to answer 〜 children"
【例文】:I think it best keeping the chain lock on at night.
【和訳】:夜間にはチェーンロックを掛けておくのが一番いいと思う。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"keeping 〜 night"

人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:keep

【例文】:I want to keep it obvious that this is a painting, not a photo.
【和訳】:はっきりさせておきたいのはこれが写真ではなく絵であることです。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 photo"

人称代名詞(10)間違えやすい人称代名詞の"it"(26)【仮目的語】:仮目的語を使う動詞:make

【例文】:Technology will make it possible that people can easily travel to the Moon and Mars.
【和訳】:科学技術のおかげで人々は月や火星に気軽に旅行できるようになるだろう。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜Mars"
【例文】:Some countries have made it mandatory for young people to enroll in military service.
【和訳】:一部の国では若者が兵役に服することを義務としている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to enroll 〜 service"
【例文】:We have to make it clear what data has been leaked.
【和訳】:どのようなデータが漏れたのかはっきりさせる必要がある。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"what 〜leaked"

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ゼロから始める代名詞(42)
人称代名詞(41)間違えやすい人称代名詞の"it"(29)
仮目的語を使うイディオム 先頭へ

イディオムでも【仮目的語】:仮目的語の"it"は和訳しない

仮目的語"it"を使うイディオムをまとめます。どのイディオムでも"it"は後ろに意味上の目的語が来るという目印なので、"it"を「それ」と和訳することはありません。

仮目的語を使うイディオム
  1. I would appreciate it if 〜(〜してくれればありがたい)
  2. 主語 + have it that 〜(主語は〜である言う)
  3. 主語 + leave it to A 〜(主語は〜することをAに任せる)
  4. 主語 + like it when 〜(主語は〜であることが好きだ)
  5. 主語 + hate it when 〜(主語は〜であることが嫌いだ)
  6. 主語 + make it a rule to 〜(主語は習慣的に〜することにしている)
  7. 主語 + owe it to A + to不定詞(主語はAに対して〜する義務がある)
  8. 主語 + owe it to A + that節(主語が〜であるのはAのおかけだ)
  9. 主語 + see to it that 〜(主語が〜であるように取り計らう)
  10. 主語 + take it that 〜(主語は〜であることを受け止める)
  11. 主語 + take it for granted that 〜(主語は〜であることを当り前だと思う)
【関連トピック】

I would appreciate it if 〜(〜してくれればありがたい)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(1)

【例文】:I would appreciate it if you could keep this secret.
【 × 】:これを秘密にしておいたら私はそれを評価します。
【 ○ 】:このことは秘密にしておいてもらえますか。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"if 〜 secret"を指します。"it"は和訳しません。"I would appreciate it if you could"(〜してくれればありがたい)は、他人に物事を丁寧に頼むときの決まり文句の一つです。

主語 + have it that 〜(主語は〜である言う)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(2)

【例文】:The report has it that oil will be depleted within forty years.
(= The report says that oil will be depleted within forty years.)
【 × 】:その報告書はそれを持ち石油は四十年以内に枯渇する。
【 ○ 】:その報告書によれば、石油は四十年以内に枯渇する。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 years"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + leave it to A 〜(主語は〜することをAに任せる)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(3)

【例文】:Don't leave it to children to flee to an evacuation center.
【 × 】:子供たちに避難所へ避難することをそれに任せてはいけない。
【 ○ 】:子供たちだけで避難所へ避難させてはいけない。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to flee 〜 center"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + like it when 〜(主語は〜であることが好きだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(4)

"like"の代わりに"love"を使うこともあります。

【例文】:I like it when it's foggy in the morning.
【例文】:I love it when it's foggy in the morning.
【 × 】:朝に霧が出ているときそれが好きです。
【 ○ 】:霧の濃い朝が好きです。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"when 〜 morning"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + hate it when 〜(主語は〜であることが嫌いだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(5)

【例文】:I hate it when a car smells of a strong air freshener.
【 × 】:車が強い芳香剤のにおいがするとき私はそれを嫌います。
【 ○ 】:車に乗ったとき芳香剤の臭いが強いのは嫌いです。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"when 〜 freshener"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + make it a rule to 〜(主語は習慣的に〜することにしている)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(6)

【例文】:I make it a rule to drink coffee without cream and sugar.
【 × 】:私はそれを規則を作りクリームと砂糖なしのコーヒーを飲む。
【 ○ 】:コーヒーにはミルクも砂糖も入れないことにしている。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to drink 〜 sugar"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + owe it to A + to不定詞(主語はAに対して〜する義務がある)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(7)

to不定詞は主語がAに対して「してやらなければならない義務」を表わします。to不定詞の主語は文全体の主語と同じです。

【例文】:We owe it to future generations to solve the problem of nuclear waste.
【 × 】:私たちはそれを核のゴミ問題の解決することは未来の世代に負っている。
【 ○ 】:これからの世代のためにも我々は核のゴミ問題を解決しなければならない。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to solve 〜 waste"を指します。"it"は和訳しません。

【関連トピック】

主語 + owe it to A + that節(主語が〜であるのはAのおかけだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(8)

that節は主語がAから「過去にしてもらったことの結果」を表わします。

【例文】:I owe it to my doctor that I have been able to play soccer again.
【 × 】:私がそれをまたサッカーができるのは医者に負っている。
【 ○ 】:またサッカーができるのは医者のおかげです。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 again"を指します。"it"は和訳しません。

【関連トピック】

主語 + see to it that 〜(主語が〜であるように取り計らう)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(9)

【例文】:We'll see to it that each student in class is allocated a tablet.
【 × 】:クラスの生徒たち一人一人にタブレットを配布するようにそれを手配します。
【 ○ 】:クラスの生徒たち一人一人にタブレットを配布するように手配します。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 tablet"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + take it that 〜(主語は〜であることを受け止める)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(10)

【例文】:I take it that our teacher comes from Kyoto.
【 × 】:私はそれを先生は京都出身であることを取る。
【 ○ 】:先生は京都出身だと思うよ。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 Kyoto"を指します。"it"は和訳しません。

主語 + take it for granted that 〜(主語は〜であることを当り前だと思う)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(11)

【例文】:My daughter took it for granted that I would buy her a smartphone.
【 × 】:私の娘はそれを取って与えられるために私が彼女にスマートフォンを買うだろう。
【 ○ 】:娘はてっきり私にスマートフォンを買ってもらえると思い込んでいた。

"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 smartphone"を指します。"it"は和訳しません。

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不定代名詞

ゼロから始める代名詞(43)
不定代名詞(any, somebody, nothing, etc) 先頭へ

不定代名詞は断定を避けた表現

意外に見かける不定代名詞。"somebody"や"something", "another"などのこと。

よく使う不定代名詞

たいていの場合、不定代名詞は断定を避けた物の言い方です。特に誰かさん限定の話と言うわけではなく、正確なことがわからないのでちょっとあいまいなままに話を進めたり、正体がなんだかよくわからないものについて語るときによく使います。

日本語でも「誰か、何か、みんな、全部、どちらか、どちらも」などの表現があります。不定代名詞はこれらと似たようなニュアンスを持ちます。

不定代名詞のほとんどは語尾に"s"を付けないので一見全部単数に見えます。ところが、意味や使い方によって複数扱いとなることもよくあります→【参照】:『不定代名詞に「数」はあるの?』『不定代名詞の「数」の扱い方

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(44)
不定代名詞(1)
another(もう一人、もう一つ) 先頭へ

同種の人やものの追加を表わす"another"

【目次】:不定代名詞"another"

another(もう一人、もう一つ)
不定代名詞another(1)

"another"のニュアンスは「同じ種類の人やものを追加で一つ」あるいは「別の人やものを代わりに一つ」です。複数の人やものを表わすときは"others"を使います→【参照】:『不定代名詞"other"(別の人、別のもの)

【例文】:We have two children and we want another.
(= We have two children and we want one more child.)
【和訳】:子供は二人いますが、あと一人欲しい。
【例文】:The restaurant is closed today. I'll find another.
(= The restaurant is closed today. I'll find a different restaurant.)
【和訳】:レストランは今日が店休日だった。別の店を探そう。

語源が"an" + "other"なので"another"は必ず単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です→【参照】:『必ず単数扱いの不定代名詞:"another"

【例文】:別のを持って来ましょう。大きめなものです。
【 × 】:I'll take you another. They are a larger one.
【 ○ 】:I'll take you another. It is a larger one.
→"another"は単数扱いなので、単数形の"it is"を使う

【関連トピック】

one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)
不定代名詞another(2)

"another"はよく"one"とペアで使います。一対一の対比を表わします。意味は「一人は〜、もう一人は〜」「一つは〜、別の一つは〜」です→【参照】:『不定代名詞"one"の意味:"one"と"another, the other"

【例文】:One likes seafood, but another hates it.
【和訳】:(二人いるうち)一人が海産物を好きでも、もう一人は嫌いだ。
→"one" = "one person", "another" = "another person"

【例文】:How many times have you changed from one school to another?
【和訳】:何回ぐらい学校を替わりましたか。
→"another" = "another school"

一人や一つではなく複数の人やものを表わすときは"some"と"others"を使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)

【例文】:Some like horror movies, others like action movies.
【和訳】:ホラー映画を好きな人もいればアクション映画を好きな人もいる。
→"some" = "some people", "others" = "other people"

「another + 単数名詞」(もう一人の〜、もう一つの〜)
不定代名詞another(3)

「another + 単数名詞」が可能です。"another"の意味は「もう一人の〜、もう一つの〜」なので、次に置く名詞はたいてい単数形です。

【例文】:もう一杯コーヒーが欲しい。
【 × 】:I want another cups of coffee.
【 ○ 】:I want another cup of coffee.
→"another cups"は不可

【例文】:また別の日に会いましょう。
【 × 】:We shall meet another days.
【 ○ 】:We shall meet another day.
→"another days"は不可

「another + 名詞」もよく"one"とペアで使います。

【例文】:One person's trash may be another person's treasure.
【和訳】:ある人にとってはごみでも別の人にとっては宝物かもしれない。
→"another"は形容詞

【関連トピック】

「another + 単数名詞」(第二の〜)
不定代名詞another(4)

「another + 単数名詞」で特徴が酷似した別人や別物を表わすことがあります。和訳は「第二の〜、〜二世、〜の後継者」が可能です。

【例文】:I wonder if there has been another Einstein?
【和訳】:果たしてアインシュタイン二世は現われたのだろうか。
→"another Einstein"(アインシュタインと同等の能力を持つ科学者)

【例文】:Scientists are searching for another Earth.
【和訳】:科学者は第二の地球を探し続けている。
→"another earth"(地球とよく似た特徴を持つ惑星)

「another + 複数名詞」(もうひとまとまりの〜)
不定代名詞another(5)

"another"の語源は"an" + "other"なので、次に置く名詞はたいてい単数形です。ただし、すでに存在する分に対して追加を表現するときは「another + 名詞の複数形」を使います。

【例文】:I've ordered to arrange another five security guards at the airport.
【和訳】:空港に警備員をもう五人追加で配置するよう命じた。
→すでに警備員は五人が配置ずみで、さらに五人を追加する

【例文】:I wonder if human beings can survive another thousands years.
【和訳】:果たして人類はあと数千年を生き延びることができるであろうか。
→すでに数千年は生き延びてきたが、あと数千年を生き延びる

【関連トピック】

"another"を使うイディオム
不定代名詞another(6)

【目次】:"another"を使う主なイディオム

"another"を使う主なイディオムをまとめます。

one another(お互い)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(1)

"one another"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを暗示します。"each other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:each other(お互い)

"one another"も"each other"も名詞として使うので、"We help one another/each other."(お互いに助け合う)のように動詞前置詞の目的語としてよく使います。

【例文】:Seven people trapped in the basement have helped one another and survived a week.
(= Seven people trapped in the basement have helped each other and survived a week.)
【和訳】:地下室に閉じ込められた七人はお互いに助け合って一週間を生き延びた。

【例文】:I found two cats glaring at one another on the bench.
(= I found two cats glaring at each other on the bench.)
【和訳】:ベンチの上で二匹の猫がにらみ合っていた。

one after another(一つまた一つ)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(2)

"one after another"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after the other"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one after the other(一つまた一つ)

【例文】:My pet chipmunk was eating acorns one after another.
(= My pet chipmunk was eating acorns one after the other.)
【和訳】:私のペットのシマリスはどんぐりを次から次へと食べていた。
→"acorns"(どんぐり)は複数形を使う

"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。

【例文】:My pet chipmunk was eating one acorn after another.
(= My pet chipmunk was eating one acorn after the other.)
【和訳】:私のペットのシマリスはどんぐりを次から次へと食べていた。
→"acorn"(どんぐり)は単数形を使う

one way or another(何とかして)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(3)

"one way or another"のニュアンスは「具体的な方法はわからないがとにかく」です。副詞として使います。"one way or the other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one way or the other(何とかして)

【例文】:We have to stop them attacking civilians one way or another.
(= We have to stop them attacking civilians one way or the other.)
【和訳】:何とかして市民への攻撃を止めさせなければならない。

yet another(さらにもう一つ)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(4)

"yet another"のニュアンスは「すでに存在するけれどさらにまたもう一つ」です。"yet"は"another"の意味を強調します。

【例文】:A hundred or more people were injured in yet another attack on civilians.
【和訳】:またもや民間人が攻撃を受けて百人以上が負傷した。

A is one thing B is another(AはAだ、BはBだ)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(5)

"A is one thing B is another"のニュアンスは「AはAであるに過ぎないし、BはBであるに過ぎない、AとBは別の物事だ」です。"another"を形容詞として使う"A is one thing B is another matter"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:Speaking a foreign language is one thing and writing it is another entirely.
(= Speaking a foreign language is one thing and writing it is another matter entirely.)
【和訳】:外国語を話すということと書くということはまったく別のことである。

for one thing, for another(一つには、もう一つには)
不定代名詞another:"another"を使うイディオム:(6)

"for one thing, for another"のニュアンスは「二つある原因や理由などのうち一つには〜、もう一つには〜」です。"another"を形容詞として使う"for one thing, for another thing"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:I hate smoking. For one thing, it smells bad. For another, cigarette butts can cause a fire.
(= I hate smoking. For one thing, it smells bad. For another thing, cigarette butts can cause a fire.)
【和訳】:たばこは大嫌いです。一つには煙がくさいし、もう一つは吸殻が火事の原因になることがあるからです。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(45)
不定代名詞(2)
other(別の人、別のもの) 先頭へ

「その他」を表わす"other"

【目次】:不定代名詞"other"

other, others(別の人、別のもの)
不定代名詞other(1)

"other"のニュアンスは「別の人、同じ種類の別のもの」です。「別の人、別のもの」は一つでも二つ以上でもOKです。"other"は"another"とは異なり、複数形の"others"で複数の人やものを表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"another"(もう一人、もう一つ)

【例文】:The fluorescent tube went off. Do you have any other?
【和訳】:蛍光灯が切れてしまった。代えはありますか。
→"other" = "other fluorescent tube"(単数)

【例文】:There was a spoon in the drawer. Where are the others?
【和訳】:スプーンは引き出しに一本ありましたがほかのはどこにありますか。
→"others" = "other spoons"(複数)

some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)
不定代名詞other(2)

"other"は複数形の"others"で"some"と対比させて使うことがあります。集まり対集まりの対比を表わします。意味は「〜の人もいれば、〜の人もいる」「〜のものもあれば、〜のものもある」です。

"some"が代名詞の場合、複数形の"others"に合わせて"some"は複数扱いです。

【例文】:犬好きの人もいれば猫好きの人もいる
【 × 】:Some likes dogs, others like cats.
【 ○ 】:Some like dogs, others like cats.
→"some"は複数扱いなので"like"にする、"some" = "some people", "others" = "other people"

【例文】:Some strawberries taste much sweeter than others.
【和訳】:ほかのイチゴよりもはるかに甘いイチゴがある
→"others" = "other strawberries"

複数の人やものではなく一人や一つのものを対比させて表わすときは"one"と"another"を使います→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)

【例文】:One came home, and another stayed at the evacuation center.
【和訳】:(二人の避難者のうち)一人は自宅へもどり、もう一人は避難所に留まった。
→"one" = "one person", "another" = "another person"

【関連トピック】

the other, the others(二つに分けた残りのほう)
不定代名詞other(3)

定冠詞(the)を付けた"the other, the others"のニュアンスは「二つに区分して残りのほう」です。

【例文】:I can find one boot in the shoe box. But where is the other?
【和訳】:長靴の片っ方は靴箱にあるけど、もう片方はどこに行った。
→長靴の片方だけが見つからない

【例文】:The others succeeded in observing the lunar eclipse.
(= The other people succeeded in observing the lunar eclipse.)
【和訳】:残りの人々は月食の観察に成功した。
→月食の観測に成功した人と失敗した人がいる

others(他人、ほかの人)
不定代名詞other(4)

自分以外の「他人」は冠詞なしの複数形で"others"、または"other people"をよく使います。

【例文】:You need to listen to what others say.
【例文】:You need to listen to what other people say.
【和訳】:他人の言葉に耳を傾ける必要がある。

「other + 名詞」(ほかの〜、別の〜)
不定代名詞other(5)

"other"は形容詞として「other + 名詞」の形で使うこともできます。意味は「ほかの〜、別の〜」です。

【例文】:Some players were safe but other players blacked out when the lightning hit the ground.
【和訳】:雷が落ちたとき、何ともない選手もいたが気を失った選手もいた
→"other"は形容詞、意味は「ほかの、別の」

【例文】:We have other ways to extract rare metal from discarded cell phones.
【和訳】:廃棄された携帯電話からレアメタルを取り出す方法はほかにもあります。
→"other"は形容詞、意味は「別の、ほかの、異なる、違う」

【例文】:There's a huge Ferris wheel on the other side of the river.
【和訳】:岸には巨大な観覧車がある。
→"other"は形容詞、意味は「反対側の、向こう側の、あちらの」

"the/any/my/etc + other"
不定代名詞other(6)

"other"は前に定冠詞(the)や"any, some"や人称代名詞などを置くことができます。

【例文】:If I had chosen the other road, I might have avoided the traffic jam.
【和訳】:別の道を選んでいれば、渋滞に巻き込まれなかったかもしれない。
→"the other"のニュアンスは「二つのうちのもう一つの」
【例文】:Five factories have been closed down due to the floods, but the others are sitll in operation.
【和訳】:洪水のため五つの工場が操業を中止したが、その他はまだ動いている。
→"the others"のニュアンスは「一部を除いてその他全部」

【関連トピック】

【例文】:We'll talk about it some other day.
【和訳】:そのことについてはまた別の日に話し合いましょう。
→"some other"のニュアンスは「選択可能な別のほうの」

【例文】:Is there any other way to shut down the nuclear reactor?
【和訳】:何かほかに原子炉を停止させる方法はないものか。
→"any other"のニュアンスは「どんなものでもいいから何かほかの」

【例文】:Compared to your other siblings, you most closely resemble your mother.
【和訳】:ほかの兄弟姉妹と比べると、あなたが一番母親似だね。
→"your other"のニュアンスは「あなたのほかの」

【例文】:We had no other choice but to leave our homeland in order to escape from the war.
【和訳】:戦火を逃れて祖国を出る以外に選択肢はありませんでした。
→"no other"のニュアンスは「ほかにはない」

"other"を使うイディオム
不定代名詞other(7)

【目次】:"other"を使う主なイディオム

"other"を使う主なイディオムをまとめます。

each other(お互い)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(1)

"each other"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを暗示します。"one another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one another(お互い)

"each other"も"one another"も名詞として使うので、"We know each other/one another well."(お互いをよく知っている)のように動詞前置詞の目的語としてよく使います。

【例文】:My son and the gorilla behind a glass wall were staring at each other.
(= My son and the gorilla behind a glass wall were staring at one another.)
【和訳】:ガラスの壁を隔てて息子とゴリラは見つめ合っていた

every other 〜(〜ごとに)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(2)

"every other 〜"のニュアンスは「〜ごとに、〜おきに」です。"other"の次に数字や曜日名などを置いて使います。

【例文】:I do ten press-ups and ten sit-ups every other day.
【和訳】:一日おきに(= 二日に一回)腕立て伏せ十回腹筋運動十回やります。

【例文】:A second-hand book market is held here every other Sunday.
【和訳】:ここで隔週の日曜日に古本市が開かれる。

【例文】:We perform evacuation drills every other month.
【和訳】:二カ月に一回(= 一カ月ごとに)避難訓練を行ないます。

one after the other(一つまた一つ)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(3)

"one after the other"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after another"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one after another(一つまた一つ)

【例文】:Shops and restaurants have been closed down one after the other due to the recession.
(= Shops and restaurants have been closed down one after another due to the recession.)
【和訳】:不況のため店やレストランが次々と閉店していった。

"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。

【例文】:One cat after the other appeared out of nowhere when a fishing boat returned to the harbor.
(= Cats appeared one after the other out of nowhere when a fishing boat returned to the harbor.)
【和訳】:漁船が港に帰って来ると猫たちがどこからともなく次々と現われた。

one way or the other(何とかして)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(4)

"one way or the other"のニュアンスは「具体的な方法はわからないがとにかく」です。副詞として使います。"one way or another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one way or another(何とかして)

【例文】:We should prevent a world war one way or the other.
【和訳】:世界大戦はなんとしてでも阻止すべきだ。

some 〜 or other(〜か何か、〜のようなもの)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(5)

"some 〜 or other"の形で今一つはっきりと思い出せないもの、判断に迷うものを表わします。和訳は「〜か何か、〜のようなもの、何かの〜、どこかの〜」です。

"some"のみでも「正体不明の」のニュアンスを表わすことがあります→【参照】:『不定代名詞some:「some + 名詞」(詳細不明な誰か、何か)

【例文】:I took this photo at some zoo or other.
【和訳】:この写真はどこかの動物園で撮ったものだ。

【例文】の場合、"or other"は「行ったことのある動物園のうちのどれか」を表わします。

"somewhere or other, someone or other, something or other"なども可能です。「なんか知らないけれど、よくわからんけれど」といったニュアンスがあります。

【例文】:A man who came from somewhere and other saved the boy from drowning in the river.
【和訳】:どこからともなく現われた男性が川で溺れていた少年を助け上げた。
→"somewhere or other"は男性がどこから来たのかはたいして重要視していないことを表わす

【例文】:This is the cat cafe someone or other mentioned.
【和訳】:ここが誰かが言っていた猫カフェだ。
→"someone or other"は話していたのが誰なのかはたいして重要視していないことを表わす

【例文】:I bumped my head on a wardrobe when I was searching for something or other.
【和訳】:何かを探していたらたんすに頭をぶつけてしまった。
→"something or other"は探し物自体はたいして重要視していないことを表わす

【関連トピック】

the other day(先日、数日前)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(6)

"the other day"のニュアンスは「近い過去のある日」です。和訳は「先日、二三日前」をよく使います。

【例文】:I got a flu shot the other day.
【和訳】:先日、インフルエンザの予防注射を打ちました。
→"the other day"のニュアンスは「数日前」

"day"の代わりに"morning, night, week"なども使えます。いずれの表現も比較的近い過去を指します。

【例文】:The town was enveloped in a dense fog the other morning.
【和訳】:先日の朝、濃い霧が町に垂れ込めていた。
→"the other morning"のニュアンスは「数日前の朝」
【例文】:We observed a meteor shower the other night.
【和訳】:先日の夜、流星雨を観測した。
→"the other night"のニュアンスは「数日前の夜」
【例文】:The other week there was a tsunami which was caused by an unknown source.
【和訳】:数週間前、発生源が不明の津波が起った。
→"the other week"のニュアンスは「数週間前、何週間も前」

other than 〜(〜以外の、〜は除いて)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(7)

"other than 〜"のニュアンスは「〜以外の、〜は除いて」です。

【例文】:No one other than staff will be allowed to enter the facilities.
(= No one except staff will be allowed to enter the facilities.)
【和訳】:関係者以外の方は施設に入ることができません。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜以外の人」

"A other than that 〜"の意味は「Aである。それ以外は〜だ」です。"that"は直前に話した内容を指します。

【例文】:Several windows were broken. Other than that our house suffered no damage from the blast.
【和訳】:窓ガラスが数枚割れた。これ以外に我が家の突風による被害はゼロでした。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜以外のすべて」、"that"は前の文を指す

「other than + to不定詞」も可能です。

【例文】:We had no choice other than to wait for the arrival of a rescue team.
(= We had no choice but to wait for the arrival of a rescue team.)
【和訳】:救助隊の到着を待つ以外に手がありませんでした。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜すること以外に」

none other than 〜(ほかならぬ〜、誰であろう〜)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(8)

"none other than 〜"のニュアンスは「普通ではありえないが実は〜」です。驚きや意外を表わします。名詞の前に置いて形容詞として使います。

"none other than 〜"を直訳すると「〜以外の何ものでもない」つまり「ほかならぬ〜である、誰かと思えば〜である」です。"other that 〜"の意味は「〜以外の、〜は除いて」です→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:other than 〜(〜以外の、〜は除いて)

【例文】:It was none the other than the president who bought an ice cream at my shop yesterday.
【和訳】:昨日うちの店でアイスを買ったのは誰であろう大統領その人だった。
→"none other than 〜"のニュアンスは「誰であろう〜、ほかならぬ〜」

in other words(言い換えると、つまり)
不定代名詞other:"other"を使うイディオム:(9)

"in other words 〜"のニュアンスは「話をまとめると、端的に言えば」です。文章の最後のまとめを導く表現としてよく使います。

【例文】:Now I don't know which way to go. In other words we totally got lost.
【和訳】:道がわからなくなってしまった。つまり、完全に迷ってしまった。
→"in other words"のニュアンスは「つまりどういうことかと言うと」

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ゼロから始める代名詞(46)
不定代名詞(3)
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名詞の言い換えや漠然と人々を表わす"one"

【目次】:不定代名詞"one"

名詞の言い換え(one, ones)
不定代名詞one(1)

【目次】:言い換えを表わす"one"

不定代名詞の"one"は前に出て来た「数えられる名詞」の言い換えに使います。同じく名詞の言い換えを表わす"her"や"it"などの人称代名詞は同一の人やものを指します。一方、不定代名詞の"one"はたいてい種類は同じだけど別の人やものを指します。

"one, ones"(名詞の言い換え)
不定代名詞one:名詞の言い換え(one, ones)(1)

不定代名詞の"one"は前に出て来た単数の名詞の言い換えとして機能します。

【例文】:オンラインで授業を受けるにはタブレットがいるけど私はタブレットを持っていない。
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have a tablet.
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have it.
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have a one.
【 ○ 】:I need a tablet for an online class but I don't have one.

【例文】を英訳する場合、"a table"を続けて二つ出すのは英文としてやや不自然です。"it"は前に出た特定の「タブレット」を指します。【例文】の「タブレット」は特定のタブレットではなく、漠然とタブレットというデバイスを指すので"it"は意味的に不可です。同種の別個体を表わすには"one"を使います。

単数の名詞を言い換えるとき"one"に不定冠詞(a, an)を付けません。【例文】を英訳する場合、"one" = "a tablet"です。

複数の名詞を言い換えるときは"ones"を使います。"ones"は不定代名詞"one"の複数形です。

【例文】:古い靴下は処分して新しい靴下を買いました。
【 × 】:I threw old socks away and got new socks.
【 × 】:I threw old socks away and got new them.
【 × 】:I threw old socks away and got new one.
【 ○ 】:I threw old socks away and got new ones.

【例文】を英訳する場合、"socks"を続けて二つ出すのは英文としてやや不自然です。"it"は前に出た特定の「靴下」を指します。【例文】の「靴下」は特定の靴下ではなく、漠然と靴下というものを指すので"them"は意味的に不可です。同種の別個体を表わすには"ones"を使います。

【例文】を英訳する場合、"ones" = "socks"です。"socks"が複数形なので「数」を合わせて"one"の複数形"ones"を使います。

「a/an + 形容詞 + one」(〜である人、〜であるもの)
不定代名詞one:名詞の言い換え(one, ones)(2)

不定代名詞の"one"に形容詞を付けて「一つ新しいもの」や「一つのもっと大きなもの」と表現するときは不定冠詞(a, an)を使います。

【例文】:古いノートパソコンを下取りに出して新しいのを買いました。
【 × 】:I traded my old laptop in for a new it.
【 × 】:I traded my old laptop in for new one.
【 ○ 】:I traded my old laptop in for a new one.
→"a new one" = "a new laptop"

【例文】の場合、新しくノートパソコンを買ったので"it"は不可。"it"は「古いノートパソコン」(my old laptop)を指します。同種で別のもの(新しいノートパソコン)を表わすには"one"を使います。形容詞の"new"が付いているので不定冠詞(a)も付けて"a new one"とします。

複数形の名詞は"ones"で言い換えます。

【例文】:We cannot say the earthquake is linked to previous ones.
【和訳】:今回の地震が過去に起った複数の地震と関係しているとは言えない。
→"previous ones" = "previous earthquakes"

【関連トピック】

"the one 〜, the 〜 ones"(〜であるもの)
不定代名詞one:名詞の言い換え(one, ones)(3)

"one"の後ろに補足説明を追加して具体的な人やものを指す場合は"the + one"を使います。

【例文】:我が家は築百年のです。
【 × 】:My house is one which was built a hundred years ago.
【 × 】:My house is a one which was built a hundred years ago.
【 ○ 】:My house is the one which was built a hundred years ago.
(= My house is the house which was built a hundred years ago.)

"one"に補足説明として"which was built a hundred years ago"(築百年の)が付いているので、定冠詞を付けて"the one"とします。

複数形の"the ones 〜"も可能です。

【例文】:現代人は江戸時代の人間よりも二倍も長生きすると言われている。
【英訳】:It is said that people today live twice as long as the ones in the Edo period.
(= It is said that people today live twice as long as the people in the Edo period.)
→"in the Edo period"という補足説明があるので"ones"に"the"を付ける

"one"の前に形容詞を置くこともできます。

【例文】:小犬を五匹飼っていますが、一番大きな子が一番臆病です。
【英訳】:I have five puppies. The largest one is timidest.
(= I have five puppies. The largest puppy is timidest.)

「代名詞の所有格(my, her, etc) + 形容詞 + one」
不定代名詞one:名詞の言い換え(one, ones)(4)

不定代名詞の"one"の前に人称代名詞を置くことがあります。ただし、たいていoneの前に形容詞を置きます。形容詞なしで"my one"と表現するのはかなり不自然です。代わりに所有代名詞(mine, hers, etc)の"mine"を使うのが普通です。

【例文】:あなたはあなたのスマートフォンを使いなさい。私は私のを使います。
【 × 】:You should use your smartphone. I use my one.
【 ○ 】:You should use your smartphone. I use mine.
→形容詞がないので"mine"を使う、"my one"はやや不自然
【例文】:新しいスマートフォンは古いのよりビデオの再生がなめらかだ。
【 × 】:The new smartphone can play videos more smoothly than old mine.
【 ○ 】:The new smartphone can play videos more smoothly than my old one.
→形容詞があるので"my old one"を使う、"old mine"は不可

比較級で"than"を使う文の場合は「所有格(my, men's, etc) + one」ではなく、"one"を省略して所有格(my, men's, etc)のみにするか、"that of 〜"や"those of 〜"を使います。

【例文】:一般に男性用の靴は女性用の靴よりも幅が広い。
【 × 】:Men's shoes are generally wider than women's ones.
【 ○ 】:Men's shoes are generally wider than women's.
【 ○ 】:Men's shoes are generally wider than those of women.
→「所有格(women's) + one」は不可

"this/that/another/the other + one"
不定代名詞one:名詞の言い換え(one, ones)(5)

不定代名詞の"one"の前に"this, that, another, the other"などを置くことがあります。

【例文】:Among these pictures, this one is most expensive.
【和訳】:ここにあるいくつかの絵の中でこの絵が最も高価です。
→"this one" = "this picture"

【例文】:This building is not so high as that one.
【和訳】:このビルはあのビルほど高くはない。
→"that one" = "that building"

【例文】:A passenger broke his hip bone and another one was injured lightly.
【和訳】:乗客一人が腰の骨を折り、もう一人が軽傷を負った。
→"another one" = "another passenger"

【例文】:One of my sons likes playing sports and the other one likes playing games.
【和訳】:二人の息子のうち一人はスポーツが好きでもう一人はゲームが好きだ。
→"the other one" = "the other son"

"one"と"another, the other"
不定代名詞one(2)

不定代名詞の"one"は"another, other"と対比させて使うことがあります→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)』『不定代名詞"another"の意味:some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)

【例文】:One was disguised as Batman and another was disguised as the Terminator.
【和訳】:一人がバットマン、もう一人がターミネーターの仮装をしていた。

【例文】:One ordered cafe au lait, the other ordered cafe latte.
【和訳】:一人はカフェオレを頼み、もう一人はカフェラテを頼んだ。

一般の人々を表わす"one"
不定代名詞one(3)

不定代名詞の"one"は「漠然と人々」の意味を表わすことがあります。意味的には複数の人間を指しますが複数形の"ones"は不可。必ず単数形の"one"を使います。やや堅苦しい表現です。

【例文】:緊急時には即座にAEDを使うべきである。
【 × 】:Ones should use an AED quickly in case of emergency.
【 ○ 】:One should use an AED quickly in case of emergency.[※やや堅苦しい言い方]
→複数形"ones"は不可

人称代名詞の"you"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:You should use an AED quickly in case of emergency.
【英訳】:緊急時にはすぐにAEDを使うべきだ。
→"you" = "one"(人は)

【関連トピック】

little one(小さい子), loved one(愛する家族)
不定代名詞one(4)

不定代名詞の"one"は前に形容詞を置いて「ある種の人間」を表わすことがあります。一種の定型表現です。

# little ones(小さい子供たち), young ones(子供たち)、a loved one(愛する家族)

【例文】:It's difficult for little ones to wear a face mask.
【和訳】:ちっちゃい子供たちがマスクをつけるのは困難だ。
→"little ones" = "young children"

【例文】:Even young ones should know what to do in case of an earthquake.
【和訳】:子供たちも地震が起きたときにはどうすればいいのか知っておくべきだ。
→"young ones" = "children"

【例文】:There are a lot of people who have lost a loved one due to the war.
【和訳】:その戦争で愛する家族を失った人はたくさんいる。
→"a loved one" = "a member of their family"

one of 〜(〜のうちの一人、〜のうちの一つ)
不定代名詞one(5)

"one of 〜"の意味は「〜のうちの一人、〜のうちの一つ」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や集合名詞(単数形)、複数形の人称代名詞の目的格(us, you, them)、関係代名詞(whom/which)などを置きます。

one of 〜の構文
  1. one of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:One of these men is an alien.(これらの男性の中で一人が宇宙人です)
  2. one of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:I know one of those people.(あの人たちの中の一人を知っている)
  3. one of + us/you/them
    【例】:One of you should go.(あなたたちの中の一人が行くべきだ)
  4. one of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:There were two men, one of whom had beards.(男は二人いたが一人はひげをはやしていた)

「one of + 名詞」の場合、ニュアンスは「ある程度範囲を絞った人や動物や物の中から一人、一つ」なので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:ここにあるひまわりの中で一本だけが二メートル以上の高さに成長した。
【 × 】:One of sunflowers has grown over two meters in height.
【 ○ 】:One of the sunflowers has grown over two meters in height.
→話題にしている「複数のひまわり」を指すので"sunflowers"に定冠詞(the)を付ける

【関連トピック】

one of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞one(5):one of 〜(〜のうちの一人、〜のうちの一つ)(1)

「one of + 名詞」の意味は「(複数いる)〜の中の一人、(複数ある)〜の中の一つ」です。複数の選択肢から一つを選ぶので"one of"の次の名詞はたいてい複数形です。

【例文】:ここにいる漁師の一人の話によると、くじらの群れが北に向かって泳いでいたそうだ。
【 × 】:According to one of this fisherman, a group of whales were swimming north.
【 ○ 】:According to one of these fishermen, a group of whales were swimming north.
→"these fishermen"(複数)を使う

「one of + 複数形の名詞」が主語になる場合、「数」は"one"に合わせて単数を使うのが普通です。

【例文】:子猫は一匹だけが黒猫だ。
【 × 】:One of the kittens are black.
【 ○ 】:One of the kittens is black.
→「数」は"one"に合わせて単数にする

one of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞one(5):one of 〜(〜のうちの一人、〜のうちの一つ)(2)

「one of + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:ペットは家族の一員です。
【 × 】:Pets are one of the families.
【 ○ 】:Pets are one of the family.
→"family"(家族)は集合名詞、単数形を使う

【関連トピック】

one of + us/you/them
不定代名詞one(5):one of 〜(〜のうちの一人、〜のうちの一つ)(3)

「one of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。"of"の次の人称代名詞は複数形の目的格"us, you, them"を使います。

【例文】:あなた方の中で一人が運転の実技試験に不合格となりました。
【 × 】:One of you have failed the driving skill test.
【 ○ 】:One of you has failed the driving skill test.
→「数」は"one"に合わせて単数、"has"を使う

one of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞one(5)one of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(4)

「one of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Ten people were injured by the gas explosion, one of whom is in serious condition.
(= Ten people were injured by the gas explosion, and one of them is in serious condition.)
【和訳】:ガス爆発で十人の方がけがをして、うち一人が重体です。

【例文】:The earthquake damaged several buildings, one of which is on the verge of collapse.
(= The earthquake damaged several buildings, and one of them is on the verge of collapse.)
【和訳】:複数の建物が地震によって損壊し、うち一棟は倒壊寸前です。

【関連トピック】

"one"を使うイディオム
不定代名詞one(6)

【目次】:"one"を使う主なイディオム

"one"を使う主なイディオムをまとめます。

one another(お互い)
不定代名詞one:"one"を使うイディオム(1)

"one another"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを意味します。"each other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:each other(お互い)

"one another"も"each other"も一語の代名詞として使うので、動詞前置詞の目的語としてよく使います。

【例文】:Both countries blame one another for the use of chemical weapons.
(= Both countries blame each other for the use of chemical weapons.)
【和訳】:両国は化学兵器を使ったのはそっちだとお互いに非難している。
→"one another"は動詞"blame"の目的語、意味は「お互い、相互」

【例文】:I saw a group of children throwing snowballs at one another in the park.
(= I saw a group of children throwing snowballs at each other in the park.)
【和訳】:公園で子供たちのグループがお互いに雪玉を投げつけているのを見た。
→"one another"は前置詞"at"の目的語、意味は「お互い、相互」

one after another(一つまた一つ)
不定代名詞one:"one"を使うイディオム(2)

"one after another"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after the other"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one after the other(一つまた一つ)

【例文】:I could see cockroaches crawling one after another into the roach trap.
(= I could see cockroaches crawling one after the other into the roach trap.)
【和訳】:ゴキブリが次から次へとワナに入ってくのが見えた。
→"cockroaches"(ゴキブリ)は複数形を使う

"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。

【例文】:I could see one cockroach after another crawling into the roach trap.
(= I could see one cockroach after the other crawling into the roach trap.)
【和訳】:ゴキブリが次から次へと罠に入ってくのが見えた。
→"cockroach"(ゴキブリ)は単数形を使う

one day(過去や未来のある日)
不定代名詞one:"one"を使うイディオム(3)

"one day"は過去のある日、あるいは未来のある日を表わします。過去のある日の場合の和訳は「ある日、ある時、過去に、昔」、未来のある日の場合は「いつか、そのうち、将来、今度」などを使います。

【例文】:This is a stray cat that wandered into my house one day.
【和訳】:この子はある日家に迷い込んで来た元野良猫です。
→"one day"は過去のある日を指す

【例文】:You should keep the cardboard box. You might use it one day.
【和訳】:そのダンボール箱は取って置いたほうがいいよ。いつか使うかもしれない。
→"one day"は未来のある日を指す

【例文】:I had a dream of one day becoming a veterinarian.
【和訳】:いつの日か獣医師になるという夢を抱いていました。
→"one day"は過去のある時点から見て未来を指す

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(47)
不定代名詞(4)
none(誰も〜ない、どれも〜ない) 先頭へ

該当する人は誰もいない、何もないことを表わす"none"

【目次】:不定代名詞"none"

none(誰も〜ない、どれも〜ない)
不定代名詞none(1)

不定代名詞の"none"のニュアンスは「人やもののがどれも〜ない」です。"none"は強い否定を表わします。

【例文】:Among forty students there were none who watched television more than an hour a day.
【和訳】:生徒四十人の中で、一日にテレビを一時間以上見るという子は一人もいなかった。
→"none"は"students"を指す

【例文】:"Do you still have croquettes?" "Sorry we have none left."
【和訳】:「コロッケはまだあるかい」「すいません、なくなりました
→"none"は"croquettes"を指す

"none"を単独で主語に使うことはあまりありません。たいてい、"none of 〜"の形で使います→【参照】:『不定代名詞noneの意味:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)』『不定代名詞"none"の意味:"none"は原則として複数扱い

none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)
不定代名詞none(2)

"none of 〜"の意味は「〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や集合名詞(単数形)、「数えられない名詞」(単数形)、複数形の人称代名詞の目的格(us, you, them)などを置きます。

none of 〜の構文
  1. none of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:I've read none of these books.(これらの本は一冊も読んでいない)
  2. none of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:I met none of those people(あの人たちの中の一人も会ったことはない)
  3. none of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    【例】:There was none of the rain.(雨はまったく降らなかった)
  4. none of + us/you/them
    【例】:None of us visited there.(私たちは誰もそこへ行ったことがない)
  5. none of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:I ate five grapes, none of which was sweet.(ぶどうを五粒食べたがどれも甘くなかった)

「none of + 名詞」の場合、ニュアンスは「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどれも〜ではない」なので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:事故で乗客にけが人はいなかった。
【 × 】:None of passengers were injured in the accident.
【 ○ 】:None of the passengers were injured in the accident.
→話題にしている「事故に巻き込まれた乗客」を指すので"passengers"に定冠詞(the)を付ける

"none"はすでに「否定の意味」を含みます。なので「誰も食べていない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。

【例文】:誰もまだ昼飯を食べていない
【 × 】:None of us have not eaten lunch yet.
【 ○ 】:None of us have eaten lunch yet.
→"not"は不要

"not"を付け加えると「食べていないものはいない」となり、意味が正反対です。

"none of 〜"はイディオムで強い否定を表わすことがあります→【参照】:『不定代名詞"none"の意味:"none"を使うイディオム:none of 〜(まったく〜ではない)

【例文】:What others think about me is none of my business.
【和訳】:他人にどう思われようが私は気にしない。
→"none of my business"の意味は「私には関係ない」、"none of 〜"は強い否定を表わす

none of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞none:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)(1)

「none of + 名詞」の意味は「(複数いるなかで)どれも〜ない、(複数あるなかで)どれも〜ない」です。複数の選択肢からすべてを否定するので、"none of"の次の名詞はたいてい複数形です。

【例文】:これらのプチトマトはまだ食べごろではない。
【 × 】:None of these petite tomato are ripe.
【 ○ 】:None of these petite tomatoes are ripe.
→"petite tomatoes"(複数)を使う

不定代名詞の"none"の意味は「どれも〜ない」です。意味は"nobody, no one"や"nothing"とほぼ同じですが、"of 〜"が使えるのは"none"だけです。

【例文】:その時間に外で遊んでいる子供は一人もいませんでした。
【 × 】:Nobody of the children played outside at that hour.
【 × 】:No one of the children played outside at that hour.
【 ○ 】:None of the children played outside at that hour.
→"nobody of 〜"や"no one of 〜"は不可、"of"の次は複数形の"children"を使う

none of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞none:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)(2)

「none of + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:乗組員に日本人はいなかった。
【 × 】:None of the crews were Japanese.
【 ○ 】:None of the crew were Japanese.
→"crew"(乗組員)は集合名詞、単数形を使う

none of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞none:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)(3)

「none of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【例文】:道路には雪はまったく積もっていない
【 × 】:None of the snows has accumulated on the road.
【 ○ 】:None of the snow has accumulated on the road.
→"snow"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

none of + us/you/them
不定代名詞none:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)(4)

「none of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。"of"の次の人称代名詞は複数形の目的格"us, you, them"を使います。「数えられない名詞」を指す場合は単数形の"it"を使います。

【例文】:There were many people in the street but none of them heard the gunshot.
【和訳】:通りにはたくさんの人がいたけれど、銃声に気づいた人は一人もいなかった。
→"them" = "people"(人々)

【例文】:Lots of food was served at the smorgasbord, but I liked none of it.
【和訳】:バイキングで料理はたくさん出ていたけれど、気に入った料理は一つもなかった。
→"it" = "food"(料理)[数えられない名詞]

【関連トピック】

none of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞none:none of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(5)

「none of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Crowds of people gathered in the square, none of whom had heard a shot fired.
(= Crowds of people gathered in the square, but none of them had heard a shot fired.)
【和訳】:広場には多勢の人が集まっていましたが銃声を聞いた人はいませんでした

【例文】:I accidentally dropped some eggs, none of which were broken.
(= I accidentally dropped some eggs, but none of them were broken.)
【和訳】:うっかり卵を落してしまったが割れたものはなかった

【関連トピック】

"none"は原則として複数扱い
不定代名詞none(3)

不定代名詞の"none"はたいてい複数扱いです。ただし、かしこまった表現では単数扱いになります→【参照】:『原則として複数扱いの不定代名詞:none

【例文】:この生徒たちはまだ志望大学を決めていない。
【 ○ 】:None of the students has yet decided what college he wants to go to.[※かしこまった表現]
【 ○ 】:None of the students have yet decided what college they want to go to.[※無難な表現]
→"none of 〜"は単数扱いと複数扱いの両方が可能

「none of + 数えられない名詞」の場合は「数」を数えられない名詞に合わせてたいてい単数扱いです。

【例文】:ガレキはまったく手付かずのままだ。
【 × 】:None of the rubble have been removed.
【 ○ 】:None of the rubble has been removed.
→"rubble"は「数えられない名詞」なので「数」は単数、"has"を使う

"none"と"neither"
不定代名詞none(3)

不定代名詞の"noneneither"は似た意味を表わします。"neither"は二つの人やものを表わし、"none"は三つ以上の人やものを表わします。

【例文】:Neither of my dogs like to go for a walk.
【和訳】:飼犬は二匹とも散歩が嫌いです。
→飼っている犬は二匹
【例文】:None of my dogs like to go for a walk.
【和訳】:飼犬はみんな散歩が嫌いです。
→飼っている犬は三匹以上

「none + 名詞」は不可
不定代名詞none(4)

"none"を名詞の前に直接置くのは文法的に不可。代わりに、"no"や"not"を使います。

【例文】:その時間に外で遊んでいる子供は一人もいませんでした
【 × 】:None children played outside at that hour.
【 ○ 】:No children played outside at that hour.
【 ○ 】:The children did not play outside at that hour.
→「none + 名詞」は不可

【例文】:道路には雪はまったく積もっていない
【 × 】:None snow has accumulated on the road.
【 ○ 】:No snow has accumulated on the road.
【 ○ 】:The snow has not accumulated on the road.
→「none + 名詞」は不可

"none"を使うイディオム
不定代名詞none(5)

【目次】:"none"を使う主なイディオム

noneを使う主なイディオムをまとめます。

「none + the + 比較級」(〜どころではない、〜とは逆だ)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(1)

"none"は「the + 比較級」の前に置いて「まったく反対である」のニュアンスを表わします。このイディオムの場合、"the"は副詞として比較級の意味を補足説明します→【参照】:『定冠詞の意味:「the + 比較級」で「〜であるほど」を表わす

# none the wiser for 〜(〜をまったく理解できない)
# none the worse for 〜(〜だがまったく大丈夫だ)
# none the better for 〜(〜だがまったく回復しない)

【例文】:I was none the wiser for what physics teacher told us.
(= I did not at all understand what physics teacher told us.)
【和訳】:物理の先生の話はちっとも理解できなかった

"none the wiser"の直訳は「前より賢くなったということは決してない」です。ニュアンスは「今でもさっぱりわからない」です。

【例文】:The boy was trapped under the rubble for three days but he was none the worse for the experience.
【和訳】:男の子はガレキの下に三日間も閉じ込められていたが、けが一つなく元気だった

"none the worse"の直訳は「いっそう悪くなったということは決してない」です。ニュアンスは「まったく平気だ、全然大丈夫だ」です。

【例文】:The patient was none the better for the operation
【和訳】:手術を受けた患者に回復はまったく見られなかった

"none the better"の直訳は「より良くなったということは決してない」です。ニュアンスは「まったく回復しなかった、悪い状態が続いた」です。

none other than 〜(意外な〜、なんと〜)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(2)

"none other than 〜"で「びっくりするほど意外である」ことを表わします。

【例文】:The arsonist was none other than a firefighter.
【和訳】:放火犯はあろうことか消防士だった。

【例文】:The wedding was performed at none other than an aquarium.
【和訳】:結婚式はなんと水族館で行われた。

"none other than 〜"の直訳は「〜のほかのいかなるものでもない」です。ニュアンスは「驚いたことに〜である」です。

none too 〜(あまり〜ではない、たいして〜ではない)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(3)

"none too 〜"で「量や程度がたいしたことはない」ことを表わします。

【例文】:You look none too happy.
(= You don't look very happy.)
【和訳】:あまりうれしそうじゃないね

"none too 〜"の直訳は「過度に〜ではない」です。ニュアンスは「あまり〜ではない」です。

【例文】:The train arrived none too soon. We didn't need to wait.
【和訳】:列車がちょうどいい時に着いた。待たなくてすんだ。
【例文】:The train arrived none too soon. It was stopped between stations for an hour due to an accident.
【和訳】:列車がようやく到着した。事故のため線路上で一時間停車していた。

"none too soon"の直訳は「早すぎるということは決してない」です。ニュアンスは「ちょうどいい時に、少し遅すぎるくらいの」です。

【関連トピック】

none but 〜(〜以外は決して〜ではない、〜こそ〜である)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(4)

"none but 〜"で「〜のほかの何者でもない」ことを表わします。主に人について使います。やや堅苦しい言い方です。

【例文】:None but the brave can pull out the sword out of the stone.[※やや堅苦しい言い方]
(= Only the brave can pull out the sword out of the stone.)
【和訳】:岩に刺さったこの剣を引き抜くことができるのは誰あろう勇者のみである

"none but 〜"の直訳は「〜以外の何ものでもない」です。ニュアンスは「唯一〜のみ〜である」です。"but"は前置詞、意味は「〜以外」(= except)です。

bar none(文句なく、比類なき)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(5)

"bar none"で「程度がほかと比較にならないほどすばらしい」ことを表わします。たいてい褒め言葉として使います。

【例文】:Jimi Hendrix is the best rock guitarist in the world, bar none.
(= Jimi Hendrix is the best rock guitarist in the world. No one else is better than him.)
【和訳】:ジミ・ヘンドリックスこそ文句なしに世界最高のギタリストです。

"bar none"の直訳は「〜以外のものは何もない」です。ニュアンスは「他に比べるものがないほど」です。"bar"は前置詞、意味は「〜以外」(= except)です。

second to none(どこにも引けを取らない、この上なく)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(6)

"second to none"で「並ぶものがないくらい最高、最良、最大」を表わします。

【例文】:The salesclerk was second to none in kindness and politeness.
【和訳】:店員はこの上なく親切で丁寧でした。

【例文】:Our products are second to none in reliability and durability.
【和訳】:我社の製品は信頼性と耐久性においてよその製品に引けを取ることはまったくありません

"second to none"の直訳は「ほかのいかなるものに対してもその下位に位置することはない」です。ニュアンスは「誰にも負けない、何物にも劣らない」です。

none of 〜(まったく〜ではない)
不定代名詞none:"none"を使うイディオム:(7)

いくつかのイディオムで"none of 〜"は強い否定を表わします。会話でよく使う表現です。ニュアンスは「〜では決してない」です。

"none of us 〜"(私たちのうちで誰も〜ない)とは別の意味を表わす定型表現です→【参照】:『不定代名詞noneの意味:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)

# none of one's business(〜の知ったことではない)
# none of one's concern(〜には関係ないことだ)
# none of one's imprudence(〜の生意気は認めない)
# have none of 〜(〜を断わる、〜を拒否する)

【例文】:What color I will dye my hair is none of your business!
【和訳】:私が髪を何色に染めてもあなたの知ったことではありません
【例文】:Do whatever you want. That's none of my business.
【和訳】:好きなようにしなさい。私の知ったことではありません

"business"の意味は「個人的な物事、私事」です。他人には関係のない私的な物事を表わします。強い否定を表わす"none of your/my/etc"を付けるとニュアンスは「〜には関り合いのないことだ」です。

【例文】:"Why didn't you come to school yesterday?" "It's none of your concern."
【和訳】:「どうして昨日学校を休んだの」「あなたには関係のないことよ

"concern"の意味は「関心事、関わらなければならない物事」です。自分の身に直接影響を及ぼす出来事を表わします。強い否定を表わす"none of"を付けるとニュアンスは「他者には無関係だ、放っておいてくれ」です。

【例文】:"None of your impudence! Do your homework before you play a video game."
【和訳】:「生意気言うな。ゲームの前に宿題しろ」

"impudence"の意味は「生意気、ずうずうしさ、厚かましいこと」です。特に、年上や目上の人物に対して礼儀を欠くことを表わします。強い否定を表わす"none of"を付けるとニュアンスは「生意気なことを言うな、するな」です。

【例文】:They wanted me to work at night but I would have none of it.
【和訳】:夜勤を求められたけれど拒否しました

"have none of 〜"で「他人からの要求や要望を拒絶する」ことを表わします。"will/would have none of 〜"の形でよく使います。"have none of 〜"の直訳は「〜のうちの一つも持たない」です。ニュアンスは「〜を拒否する、〜を断わる」です。

【関連トピック】
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例外なくすべてを表わす"all"

【目次】:不定代名詞"all"
  1. all(全部、すべて)
  2. 単独で使うall
    1. 主語や目的語
    2. 主語の意味の補足
    3. 目的語の意味の補足
  3. all of 〜(〜の全部、〜のすべて)
    1. all (of) + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    2. all (of) + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    3. all (of) + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    4. all (of) + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    5. all of + us/you/it/them
    6. all of + whom/which(関係代名詞)
  4. 「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)
  5. 「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)
    1. all + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    2. all + 単数形の名詞(集合名詞)
    3. all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【期間】
    4. all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられる名詞)【場所】
    5. all + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    6. all + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    7. all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
  6. 「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)
  7. 否定文で使うall
  8. 似た意味の単語(both, everybody, etc)
    1. allとboth, each
    2. allとeverybody, everyone
    3. allとwhole
  9. 強調の形容詞としての"all"
    1. be + all + 名詞
    2. beyond + all + 名詞
    3. in + all + 名詞
    4. with + all + 名詞
  10. 強調の副詞としての"all"(まったく〜、すっかり〜)
  11. "all"を使うイディオム
    1. all the + 比較級(かえって〜、余計に〜)
    2. all but 〜(〜を除くすべて、ほとんど〜)
    3. above all(とりわけ、何よりも)
    4. after all(結局、何と言っても)
    5. all in all(結論として、全体的に見ると)
    6. all of 〜(たったの〜、たっぷりの〜)
    7. all at once(突然、いっせいに)
    8. all of a sudden(突然、いきなり)
    9. all over(至る所で、いかにも〜らしい)
    10. all manner of 〜(あらゆる種類の〜、いろいろな〜)
    11. once and for all(これっきり、きっぱりと)
    12. at all(少しも、少しは)
    13. for all 〜(〜にもかかわらず、〜だが)
    14. all the way(道すがらずっと、時間内ずっと、全面的に)
【関連トピック】

all(全部、すべて)
不定代名詞all(1)

不定代名詞の"all"のニュアンスは「指定されたものは例外なくすべて」です。

【例文】:All children have a right to get education.
【和訳】:すべての子供たちは教育を受ける権利がある。
→"all children"(全世界のすべての子供たち)

【例文】:All of the children were playing in the schoolyard.
(= All the children were playing in the schoolyard.)
【和訳】:子供たちはみんな校庭で遊んでいた。
→"all of the children" = "all the children"(その場にいた子供たちの全員)

【例文】:I remember some of my classmates in elementary school but not all.
(= I remember some of my classmates in elementary school but I do not remember all of them.)
【和訳】:小学校のクラスメートは何人かは覚えていますが全員は覚えていません。
→"all" = "all of my classmates in elementary school"(小学校のクラスメート全員)

【例文】:All I need now is time.
(= The only thing I need now is time.)
【和訳】:今必要なのは時間だけだ

【例文】の場合、"all 〜"(〜であるすべてこと) = "the only thing 〜"(〜である唯一のこと)です→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)

単独で使うall
不定代名詞all(2)

【目次】:単独で使うallの意味と用法

主語や目的語
不定代名詞all:単独で使うall(1)

不定代名詞"のall"を単独で主語や目的語として全員や全部の意味を表わすのは、新聞の見出しなどを除いて今ではあまり使いません。"all"の代わりに"everybody, everyone"を使うのが普通です→【参照】:『不定代名詞all:似た意味の単語(both, everybody, etc):allとeverybody, everyone

【例文】:全員無傷だ。
【 △ 】:All are unhurt.[※やや古い言い方]
【 ○ 】:Everybody is unhurt.
【 ○ 】:Everyone is unhurt.
→"all"は主語、意味は「全員」

【例文】:The culprit tells all.[※新聞の見出し]
【和訳】:容疑者すべてを話す。
→"all"は目的語、意味は「すべて」

主語の意味の補足
不定代名詞all:単独で使うall(2)

不定代名詞の"all"を動詞の前、あるいは助動詞be動詞の後ろに置いて「主語が全員〜である」の意味を表わすことがあります。助動詞be動詞が合計二個以上あるときは、最初に出て来た助動詞の次に"all"を置きます。

主語の意味を補足する"all"の位置
  1. 主語 + all + 動詞
    【例】:We all have pets.(私たちはみんなペットを飼っている)
  2. 主語 + be動詞 + all
    【例】:They are all safe.(彼らはみんな無事だ)
  3. 主語 + be動詞 + all + 動詞
    【例】:The pupils are all playing outside.(児童はみんな外で遊んでいる)
  4. 主語 + 助動詞 + all + 動詞
    【例】:The children can all play baseball.(この子たちはみんな野球ができます)

【例文】:The students all went home.
(= All of the students went home.)
【和訳】:生徒はみんな帰宅しました。
→"all"の意味は「みんな」、位置は動詞(went)の前

【例文】:We are all left-handed.
(= All of us are left-handed.)
【和訳】:私たちは全員左利きです。
→"all"の意味は「みんな」、位置はbe動詞(are)の後ろ

【例文】:The shops must all be closed.
(= All of the shops must be closed.)
【和訳】:店はみんな閉まっているにちがいない。
→"all"の意味は「みんな」、位置は助動詞(must)の後ろ、be動詞(be)の前

目的語の意味の補足
不定代名詞all:単独で使うall(3)

不定代名詞の"all"を目的語の次に置いて「全員であること、全員であること」を表わします。目的語はたいてい人称代名詞の複数形の目的格(us, you, them)です。

目的語の意味を補足する"all"の位置
  1. 動詞の目的語(us, you, them) + all
    【例】:I know them all.(全員を知っている)
  2. 前置詞の目的語(us, you, them) + all
    【例】:He made tea for us all.(みんなにお茶をいれてあげた)

【例文】:先生が私たちみんなを動物園に連れて行ってくれた。
【 × 】:The teacher took all us to the zoo.
【 ○ 】:The teacher took us all to the zoo.
(= The teacher took all of us to the zoo.)
→"all"は"us"(目的語)の補足、語順は"us all"

【例文】:子供たちはサンタクロースに手紙を書きました。するとサンタさんは子供たち全員にクリスマスカードを送ってくれました。
【 × 】:The children wrote letters to Santa Claus and Santa sent Christmas cards to all them.
【 ○ 】:The children wrote letters to Santa Claus and Santa sent Christmas cards to them all.
(= The children wrote letters Santa Claus and Santa sent Christmas cards to all of them.)
→"all"は"them"(前置詞の目的語)の補足、語順は"them all"

【関連トピック】

all of 〜(〜の全部、〜のすべて)
不定代名詞all(3)

"all of 〜"の意味は「〜のうちの例外なくすべて」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や「集合名詞」(単数形)、「数えられない名詞」(単数形)、人称代名詞の目的格(us, you, etc)などを置きます。"of"はよく省略します→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)

all of 〜の構文
  1. all (of) + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:I ate all (of) the cookies(クッキーは全部食べた)
  2. all (of) + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:All (of) the people were surprised.(全員がびっくりした)
  3. all (of) + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    【例】:I ate all (of) the cake.(ケーキは全部食べた)
  4. all of + us/you/it/them
    【例】:All of us ate lunch.(みんな昼御飯を食べた)
  5. all of + whom/which(関係代名詞)
    【訳】:I have four sons, all of whom are teachers.(四人の息子はみな教員です)

「all of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:すべての店は人でゴッタ返していた。
【 × 】:All of shops were very crowded.
【 ○ 】:All of the shops were very crowded.
(= All the shops were very crowded.)
→話題にしている「すべての店」を指すので"shops"(店)に定冠詞(the)を付ける、"of"はよく省略する

all (of) + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞all:all of 〜(〜の全部、〜のすべて)(1)

「all of + 名詞」の意味は「(複数いる中の)例外なくすべて、(複数ある中の)例外なくすべて」です。複数の選択肢からすべてを選ぶので、"all of"の次の名詞はたいてい複数形です。"of"はよく省略します。

【例文】:森の木はすべてが松だった。
【 × 】:All of the tree in the woods was pine.
【 ○ 】:All of the trees in the woods were pine.
(= All the trees in the woods were pine.)
→"of"の次は複数形の"trees"を使う、"of"はよく省略する

動詞の「数」は"of"の次の名詞の「数」に合わせます。【例文】の場合は複数の"trees"に合わせてbe動詞は"were"を使います。

all (of) + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞all:all of 〜(〜の全部、〜のすべて)(2)

「all of + 集合名詞」場合、集合名詞は単数形を使います。"of"はよく省略します。

【例文】:従業員と客の全員が店舗から無事に避難した。
【 × 】:All of the staffs and customers safely evacuated the store.
【 ○ 】:All of the staff and customers safely evacuated the store.
(= All the staff and customers safely evacuated the store.)
→"staff"(従業員)は集合名詞、単数形で使う、"of"はよく省略する

all (of) + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞all:all of 〜(〜の全部、〜のすべて)(3)

「all of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。"of"はよく省略します。

【例文】:中学生たちが海岸のゴミをすべて拾ってくれた。
【 × 】:All of the trashes on the beach were picked up by the middle school students.
【 ○ 】:All of the trash on the beach was picked up by the middle school students.
(= All the trash on the beach was picked up by the middle school students.)
→"trash"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK、"of"はよく省略する

【例文】の場合、"trash"は「数えられない名詞」なのでbe動詞は単数形の"was"を使います。

all of + us/you/it/them
不定代名詞all:all of 〜(〜の全部、〜のすべて)(4)

「all of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞は直前に出て来た名詞の言い換えなので、「all of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて〜である」というニュアンスがあります。

「all of + 人称代名詞」の場合、"of"の省略は不可です。

【例文】:卵を一ダース買った。びっくりしたのは全部黄身が二つ入っていた。
【 × 】:I've bought a dozen of eggs. Amazingly, all them had twin yolks.
【 ○ 】:I've bought a dozen of eggs. Amazingly, all of them had twin yolks.
→"them" = "a dozen of eggs"、"of"の省略は不可

【例文】:一週間前の浜辺はガレキで埋め尽されていたが、すべて片づけられた。
【 × 】:The beach was covered with debris a week ago, but all it was cleaned up.
【 ○ 】:The beach was covered with debris a week ago, but all of it was cleaned up.
→"it" = "debris"、"of"の省略は不可

【関連トピック】

all of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞all:all of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(5)

「all of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Dozens of people fell into the sinkhole, all of whom were confirmed safe.
(= Dozens of people fell into the sinkhole, but all of them were confirmed safe.)
【和訳】:陥没した穴に数十人が落下しましたが全員無事が確認されました。

【例文】:The menu had a variety of hamburgers, all of which were huge and looked delicious.
(= The menu had a variety of hamburgers, and all of them were huge and looked delicious.)
【和訳】:メニューにはいろいろなタイプのハンバーガーが載っていてどれも巨大でおいしそうだった。

【関連トピック】

「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)
不定代名詞all(4)

不定代名詞の"all"を主語に置いて「all + (that) + 主語 + 動詞」や「all that + 動詞」という構文を作ることができます。

「all + 主語 + 動詞」の構文
  1. all + (that) + 主語 + 動詞
    【例】:all you have do is 〜(あなたがすべきことは〜だけだ)
  2. all + that + 動詞
    【例】:all that is seen is 〜(目に見えるのは〜だけだ)

"that"は関係代名詞です。"that"に「主語 + 動詞」が続く場合は"that"を省略します。動詞のみが続く場合は"that"が主格なので省略は不可です→【参照】:『関係代名詞の省略

"all that 〜"の直訳は「〜であるすべてこと」です。和訳ではわかりやすくするためたいてい「〜である唯一のこと」とします。

"all"を単独で主語に使うことはあまりありません。代わりに"everybody, everyone"を使います→【参照】:『似た意味の単語(both, everybody, etc):allとeverybody, everyone

【例文】:あなたに唯一必要なのは集中力だ。
【 × 】:All you need are concentration.
【 ○ 】:All you need is concentration.
(= The only thing that you need is concentration.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"is"を使う

【例文】:目が覚めたとき見えたのは煙だけだった。
【 × 】:All that were seen were smoke when I woke up.
【 ○ 】:All that was seen was smoke when I woke up.
(= The only thing that was seen was smoke when I woke up.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"was"を使う
【例文】:聞こえるのは風が唸る音だけだ。
【 × 】:All that are heard are the howling wind.
【 ○ 】:All that is heard is the howling wind.
(= The only thing that is heard is the howling wind.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"is"を使う

"all"があるから複数の"are, were"を使うような気がしますが、不可。単数の"is, was"を使います。"all you need (= the only thing you need)"の意味は「あなたに唯一必要なこと」なので意味的にも単数です。

【関連トピック】

「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)
不定代名詞all(5)

不定代名詞の"all"は名詞の前に置いて形容詞として使うこともできます。

「all + 名詞」の構文
  1. all + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:all deserts(地球上のすべての砂漠)
  2. all + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:all people(地球上のすべての人々)
  3. all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【期間】
    【例】:all (the) day(一日中)
  4. all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられる名詞)【場所】
    【例】:all the world(世界中、世界中の人々)
  5. all + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:all the passengers(乗客全員)
  6. all + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:all the people(全員)
  7. all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    【例】:all my money(私のお金全部)

all + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(1)

「all + 名詞」の意味は「範囲を限定せず人や動物や物事に関して例外なくすべて」です。名詞定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けません。

【例文】:A massive meteorite collison can destroy all living things.
【和訳】:巨大隕石が衝突すると地球上の全生物が滅亡する可能性がある。
→"all living things"の意味は「地球にいる全生物」

all + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(2)

「all + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:私たちはすべての人々に対して人種や性別の違いなどに関係なく平等に接するべきだ。
【 × 】:We should treat all peoples equally, regardless of their race or sex.
【 ○ 】:We should treat all people equally, regardless of their race or sex.
→"people"は集合名詞、単数形で使う、"all people"の意味は「地球上の全人類」

all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【期間】
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(3)

「all + the + 単数形の名詞【期間】」は、指定された期間の全般に渡ることを表わします。"the"はよく省略します→【参照】:『不定代名詞all:「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)

【例文】:My neighbor's dog was barking all night.
(= My neighbor's dog was barking all the night.)
【和訳】:隣の家の犬が夜通し吠えていた。
→"all the night"(夜通し)の"the"は省略可能

all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【場所】
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(4)

「all + the/my/this/etc + 単数形の名詞【場所】」は、指定された場所の全域やそこに住む人全員を指します。日本語でも「全世界の人々が驚いた」の意味で「全世界が驚いた」と表現することがあります。

【例文】:All the world is watching how the war is going.
【和訳】:この先戦争はどうなるのか全世界が注視している。
→"all the world"の意味は「全世界の人々」

all + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(5)

「all + the/my/these/etc + 複数形の名詞」の意味は、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて〜」です。

【例文】:All the towns were destroyed by bombing.
(= All of the towns were destroyed by bombing.)
【和訳】:複数の町がすべて空爆で破壊された。
→"all"は複数存在する"town"(町)のすべてを表わす

all + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(5)

「all + the/my/these/etc + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:あの人たちはみんな向こうで何をしているの。
【 × 】:What are all those peoples doing over there?
【 ○ 】:What are all those people doing over there?
→"people"は集合名詞、単数形を使う

all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(7)

「all + the/my/this/etc + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【例文】:All the ice has melted.
(= All of the ice has melted.)
【和訳】:氷はすっかり融けてしまった
→"ice"(氷)は「数えられない名詞」、"all the ice"の意味は「氷の全体」

【関連トピック】

「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)
不定代名詞all(6)

「all + 時を表わす名詞(day, week, etc)」で「その期間中ずっと継続して」の意味を表わします。時を表わす名詞は単数形を使います→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)

「all + 時を表わす名詞」の主な表現
  • 【一日】:all day(一日中ずっと), all morning(午前中ずっと), all afternoon(午後の間ずっと), all evening(夕方の間ずっと), all night(一晩中ずっと)
  • 【日々】:all weekend(週末ずっと), all week(一週間ずっと), all month(一カ月ずっと), zall year(一年中ずっと)
  • 【四季】:all spring(春の間ずっと), all summer(夏の間ずっと), all fall/all autumn(秋の間ずっと), all winter(冬の間ずっと)
  • 【生涯】:all one's life(一生の間ずっと)
  • 【期間】:all this time(この時までずっと、今までずっと), all the time(その間ずっと、いつも), all the while(その間ずっと)

"the"を入れて"all the morning"(午前中ずっと)や"all the summer"(夏の間ずっと)なども可能ですが、"the"はよく省略します。

不定代名詞all(4)「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)【一日】

【例文】:I stayed at home and did housework like cleaning and washing all day.
【和訳】:一日中家にこもり、掃除、洗濯などの家事に勤しんでいました。
【例文】:It was raining all morning and snowing all afternoon.
【和訳】:午前中はずっと雨でしたが午後からはずっと雪が降り続いていました。

不定代名詞all(4)「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)【日々】

【例文】:I was studying for the tests all weekend.
【和訳】:週末はずっと試験勉強に明け暮れていました。
【例文】:That's the happiest news I've got all week.
【和訳】:それは今週一番のうれしいニュースだ。

不定代名詞all(4)「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)【四季】

【例文】:In the lake we can swim all summer and can skate all winter.
【和訳】:この湖では夏の間はずっと泳ぐことができて冬の間はずっとスケートができる。

不定代名詞all(4)「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)【生涯】

【例文】:My grandfather was a fisherman all his life.
【和訳】:祖父は生涯漁師をしていました。

不定代名詞all(4)「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)【期間】

【例文】:After all this time I still contact many of my friends in my elementary school days.
【和訳】:今でもずっと小学生時代の友人の多くと連絡を取っています。

"all the time"は「特定の期間中ずっと」と「いつも、毎回、しょっちゅう」の意味があります。

【例文】:A cat was rubbing itself around his leg all the time the professor was lecturing.
【和訳】:教授が講義をしている最中ずっと猫が教授の足にじゃれついていました。
→"all the time 〜"の意味は「〜している間ずっと」
【例文】:"Tom left the door open again." "It happens all the time."
【和訳】:「またトムがドアを開けっ放しにした」「いつものことさ」
→"all the time"の意味は「いつも、しょっちゅう」

【例文】:The weather was bad all the while I was there.
【和訳】:そっちにいた時はずっと天気がぐずついていた。

否定文で使うall
不定代名詞all(7)

"all"の否定文は二つの意味を持つことがあります。

【例文】:All cats don't hate bathing.
【和訳1】:すべての猫が風呂嫌いというわけではない。
(= 風呂嫌いの猫は一部だ = Some cats hate bathing.)
【和訳2】:すべての猫は風呂嫌いではない。
(= 風呂嫌いの猫はいない = No cats hate bathing.)

【例文】の場合、普通は【和訳1】の意味を表わします。ただし、【例文】のままでは文全体の意味があいまいになるので、【和訳1】「全部が〜というわけではない、〜は一部だ」の意味を表わすときは「not all + 名詞」の形をよく使います。

【例文】:Not all cats hate bathing.
【和訳】:すべての猫が風呂嫌いというわけではない。
(= 風呂嫌いの猫は一部だ = Some cats hate bathing.)

【和訳2】「すべてが〜ではない、〜であるものはいない」の意味を表わすときは、あいまいになるのを避けて"all"ではなく"no"や"none"を使うことがあります。

【例文】:No cats hate bathing.
【和訳】:風呂が嫌いな猫などいない
【例文】:None of my five cats hate bathing.
【和訳】:うちの猫は五匹とも風呂が嫌いではない

似た意味の単語(both, everybody, etc)
不定代名詞all(8)

不定代名詞の"all"と似た意味の単語をまとめます。

allとその類義語
allとboth, each
  1. allは三つ以上、bothは二つ、eachは二つ以上の人やものを指す
  2. たいていall, bothは複数扱い、eachは単数扱い
allとeverybody, everyone
  1. everybody, everyoneは単独で主語として使える、allはあまり使わない
  2. all of 〜はよく使う、everybody of 〜, everyone of 〜は不可
allとwhole
  1. 語順が異なる(all my life = my whole life)
  2. 「all + 数えられない名詞」は可能、「whole + 数えられない名詞」はたいてい不可
  3. 「all + 名詞(複数)」は可能、「whole + 名詞(複数)」はたいてい不可
【関連トピック】

allとboth, each
不定代名詞all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(1)

"all, both, each"はいずれも人やものが全部であることを表わします。

"all"のニュアンスは三つ以上の人やものを指して「すべて」です。"both"のニュアンスは二つの人やものを指して「両方とも」です。"each"のニュアンスは二つ以上の人やものを指して「どれも」です。"all"と"both"は複数扱い、"each"は単数扱いです。

【例文】:All of the cats have long and fluffy tails.
(= All the cats have long and fluffy tails.)
【和訳】:(三匹以上いる猫に対して)すべての猫の尻尾は長くてふわふわだ。
【例文】:Both of the cats have long and fluffy tails.
(= Both cats have long and fluffy tails.)
【和訳】:(二匹の猫に対して)どちらの猫も尻尾が長くてふわふわだ。
【例文】:Each of the cats has long and fluffy tails.
(= Each cat has long and fluffy tails.)
【和訳】:(二匹以上いる猫に対して)どの猫も尻尾は長くてふわふわだ。
→"all, both"は複数扱い、"each"は単数扱い

【関連トピック】

allとeverybody, everyone
不定代名詞all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(2)

"all, everybody, everyone"はいずれも人が全員であることを表わします。

"everybody, everyone"は単独で主語として使うことができます。"all"は単独で主語として使うことはあまりありません。"all of 〜"は主語としてもよく使います。"everybody of 〜, everyone of 〜"は文法的に不可です。

「all + 主語 + 動詞」(all you need)や「all + that + 動詞」(all that is seen)の形で"all"を主語に使うことはあります→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)

【例文】:全員が微弱な揺れを感じた。
【 △ 】:All felt slight tremors.
【 ○ 】:Everybody felt slight tremors.
【 ○ 】:Everyone felt slight tremors.
→"all"一語の主語はあまり使わない

【例文】:建物の中にいた全員が微弱な揺れを感じた。
【 × 】:Everybody of the people in the building felt slight tremors.
【 × 】:Everyone of the people in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:Everybody in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:Everyone in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:All of the people in the building felt slight tremors.
(= All the people in the building felt slight tremors.)
→"everybody, everyone, everything"に"of 〜"を続けるのは不可

allとwhole
不定代名詞all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(3)

"whole"はたいてい名詞(単数形)の前において「全体、全部」を表わします。

【例文】:The whole town was submerged.
【和訳】:町全体が水没した。
【例文】:The whole school was evacuated.
【和訳】:全校生徒が避難した。

"all"と"whole"はいずれも人や物事の全体を表わします。"the"や人称代名詞this, thatなどは"all"の後ろ、"whole"の前に置きます。

【例文】:スコットは生涯独身だった。
【 × 】:Scott was single his all life.
【 × 】:Scott was single whole his life.
【 ○ 】:Scott was single all his life.
【 ○ 】:Scott was single his whole life.
→"his"の位置は"all"の後ろ、"whole"の前

「whole + 数えられない名詞」は不可、代わりに「whole of + 数えられない名詞」か「all + 数えられない名詞」を使います。

【例文】:海岸のごみはすべて片づけました。
【 × 】:We cleaned up the whole litter on the beach.
【 ○ 】:We cleaned up the whole of the litter on the beach.
【 ○ 】:We cleaned up all the litter on the beach.
(= We cleaned up all of the litter on the beach.)
→"litter"(ごみ)は数えられない名詞、"the whole litter"は不可

「whole + 複数名詞」はたいてい不可、代わりに「whole of + 複数名詞」か「all + 複数名詞」を使います。

【例文】:乗客は全員無事だ。
【 × 】:The whole passengers are safe.
【 ○ 】:The whole of the passengers are safe.
【 ○ 】:All the passengers are safe.
(= All of the passengers are safe)
→"passengers"(乗客)は複数名詞、"the whole passengers"は不可

強調の形容詞としての"all"
不定代名詞all(9)

"all"は名詞の前に置いて形容詞として名詞の意味を強調することがあります。イディオム的な定型表現が多いのでここでまとめます。

強調の形容詞としての"all"を使う定型表現

be + all + 名詞
不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(1)

【目次】:be + all + 名詞

「be + all + 体の部位」で人の様子や特徴を表わす表現を作ることがあります。

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(1)be + all + 名詞:be all ears

【例文】:The children were all ears while the earthquake early warning was broadcasting on radio.
【和訳】:ラジオで緊急地震速報が流れている間、子供たちは耳を傾けて聞いていました。
→"ears"は複数形、"A + be + all ears"の意味は「Aは熱心に聞いている」

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(1)be + all + 名詞:be all eyes

【例文】:The class were all eyes when the new homeroom teacher came into the classroom.
【和訳】:新しい担任の先生が教室に入って来たとき、クラス全員が目を皿のようにして見つめていた
→"eyes"は複数形、"A + be + all eyes"の意味は「Aは注意して見る」

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(1)be + all + 名詞:be all mouth, be all talk

【例文】:Politicians promise this and that but they are all mouth.
【例文】:Politicians promise this and that but they are all talk.
【和訳】:政治家はあれやこれやと約束はするが口先だけで実行はしない
→"mouth", "talk"は単数形、"A + be + all mouth/talk"の意味は「Aは口先だけだ」

"be all mouth"と"be all talk"はほぼ同じ意味です。

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(1)be + all + 名詞:be all smiles

【例文】:The preschoolers were all smiles as they met Santa Claus.
【和訳】:園児たちはサンタさんに会えてニコニコしていた
→"smiles"は複数形、"A + be + all smiles"の意味は「Aは笑顔で一杯だ」

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(1)be + all + 名詞:be all thumbs

【例文】:I'm all thumbs and can't tie my shoes.
【和訳】:不器用なので靴のひもも結べません。
→"thumbs"は複数形、"A + be + all thumbs"の意味は「Aは手先が不器用だ、動きがぎこちない」です

beyond + all + 名詞
不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(2)

「beyond + all 名詞」で名詞が表わす思考や概念をはるかに超えることを表わします。

【目次】:beyond + all + 名詞
不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(2)beyond + all + 名詞:beyond all doubt

【例文】:It has been prove beyond all doubt that our greenhouse gases are causing global warming.
【和訳】:温室効果ガスが地球温暖化の原因であることは疑いの余地なく証明されている。
→"beyond all doubt"の意味は「疑いの余地なく明らかに」

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(2)beyond + all + 名詞:beyond all expectations

【例文】:The shop has succeeded beyond all expectations.
【和訳】:その店は予想に反して繁盛していた。
→"expectations"は複数、"beyond all expectations"の意味は「予想がいいほうに裏切られる」

不定代名詞all(8)強調の形容詞としての"all"(2)beyond + all + 名詞:beyond all recognition

【例文】:My hometown has changed beyond recognition due to urbanization.
【和訳】:私の故郷は都市化によって様相がすっかり変わってしまった

in + all + 名詞
不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(3)

【目次】:in + all + 名詞

「in + all 名詞」で名詞が表わす状況や状態であることを強調します。

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(3):in all haste

【例文】:I wore odd socks because I left in all haste.
【和訳】:大急ぎで出て来たんで左右別々の靴下を履いて来てしまった。
→"in all haste"の意味は「非常に急いで」

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(3):in all honesty

【例文】:In all honesty, the horror movie wasn't scary at all.
【和訳】:正直なところ、そのホラー映画は全然怖くなかった。
→"in all honesty"の意味は「本音を言えば、実は」

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(3):in all seriousness

【例文】:In all seriousness, I wonder if there really will be a world without war.
【和訳】:まじめな話、戦争のない世界は本当にやって来るのだろうか。
→"in all seriousness"の意味は「冗談は抜きにして、真剣な話なのだが」

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(3):in all likelihood, in all probability

【例文】:Microplastics will in all likelihood accumulate in our bodies.
【例文】:Microplastics will in all probability accumulate in our bodies.
【和訳】:十中八九、マイクロプラスチックは人の体内に蓄積されていくだろう。
→"in all likelihood"と"in all probability"はほぼ同じ意味

with + all + 名詞
不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(4)

【目次】:with + all + 名詞

「with + all 名詞」で名詞が表わす状況や状態であることを強調します。

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(4):with all one's heart

【例文】:I hope with all my heart that the war will end as soon as possible.
(= I hope with my whole heart that the war will end as soon as possible.)
【和訳】:この戦争が一日も早く終わることを心から願っています。
→"with all my heart"(= with my whole heart)の意味は「心の奥底から」

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(4):with all one's might

【例文】:I pulled the doorknob with all my might and it came out.
【和訳】:ドアノブを力任せに引っ張ったら抜けちゃった。
→"with all might"の意味は「あらん限りの力で、ありったけの力で」

不定代名詞all:強調の形容詞としての"all":(4):with all one's strength

【例文】:I tried to lift the rock with all my strength but it didn't move in the least.
【和訳】:その岩を全力で持ち上げようとしたけど微動だにしなかった。
→"with all strength"の意味は「全力で、力一杯」

強調の副詞としての"all"(まったく〜、すっかり〜)
不定代名詞all(10)

"all"は副詞として形容詞やほかの副詞の意味を強調することがあります。ニュアンスは「まったく〜、すっかり〜、完全に〜」です。

【例文】:When the kids came home in the rain, they were all soaked and muddy.
【和訳】:雨の中帰って来た子供たちはずぶぬれで泥まみれだった。
→"all"は"soaked"(ずぶぬれの)と"muddy"(泥で汚れた)の意味を強調する

【例文】:The audience got all excited about the match.
【和訳】:試合を見ていた観客は興奮の極みに達した。
→"all"は"excited"(興奮した)の意味を強調する

【例文】:I saw a puppy sitting all alone in the rain.
【和訳】:雨の中で一匹だけで座っている子犬を見かけた。
→"all"は"alone"(一匹で)の意味を強調する

【例文】:My son made this sand castle all by himself.
【和訳】:この砂のお城は息子がたった一人で作り上げました。
→"all"は"by himself"(息子一人で)の意味を強調する

【関連トピック】

"all"を使うイディオム
不定代名詞all(11)

【目次】:"all"を使う主なイディオム

"all(すべて)"を使う主なイディオムをまとめます。

all the + 比較級(かえって〜、余計に〜)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(1)

"all"は「all the + 比較級」の形で「もともとの状態は〜だったがさらにいっそう」のニュアンスを表わすことがあります。たいてい、比較級の次に原因を表わす"because 〜"や"for 〜"や"with 〜"を置きます。

状態の変化が予想通りだった場合、和訳は「ますます、よりいっそう」などを使います。状態の変化が予想外だった場合、和訳は「かえって、むしろ」などを使います。

【例文】:I felt all the happier because we met for the first time in ten years.
【和訳】:十年ぶりに会えて喜びもいっそうだった。
→"all the"は"happier"の意味を強調する

【例文】:I started commuting by bike. I am all the healthier for it.
【和訳】:自転車通勤を始めたらかえって体調がよくなった
→"all the"は"healthier"の意味を強調する

【例文】:The Internet will be all the more dangerous with the flood of unreliable information.
【和訳】:不確かな情報があふれるとインターネットはかえって危険です。
→"all the"は"dangerous"の意味を強調する

【関連トピック】

all but 〜(〜を除くすべて、ほとんど〜)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(2)

"all but 〜"の意味は「〜を除くすべて」です。"but"は前置詞なので次には名詞代名詞を置きます。

【例文】:The earthquake has damaged all but one of the houses in the village.
(= The earthquake has damaged every house except one in the village.)
【和訳】:地震のため集落の家屋は一軒を除いてすべて損壊した。

"all but"は形容詞の前に置いて「ほとんど〜、ほぼ〜、〜も同然」の意味を表わすことがあります。

【例文】:It is all but impossible to bridge the gap between young and old in any era.
(= It is almost impossible to bridge the gap between young and old in any era.)
【和訳】:いつの時代でも若者とお年寄りの間にある溝を埋めるのはほぼ不可能だ。
→"all but"は副詞として機能する

above all(とりわけ、何よりも)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(3)

"above all"は一番大切なことやもっとも注意を払うべきことを表わします。

【例文】:Keep calm and do not panic, above all, when an emergency occurs.
【和訳】:とりわけ緊急時には落ち着いてパニックに陥らないようにしましょう。

【関連トピック】

after all(結局、何と言っても)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(4)

"after all"は結果が予想外であることを表わします。

【例文】:This painting is, after all, a fake.
【和訳】:結局、この絵は偽物だった。
→当初、絵は本物だと思われていた

【関連トピック】

もう一つ、"after all"は自分の発言に対して後から理由を付け足します。

【例文】:They should accept the evacuees. After all they fled from the war.
【和訳】:避難民を受け入れるべきです。何と言っても彼らは戦火を逃れて来たのですから。
→"after all"は予想外の結果ではなく自説に対する理由を導く

【関連トピック】

all in all(結論として、全体的に見ると)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(5)

"all in all"は結果としての意見、あるいは細かいことは抜きにして全体を見た意見を表わします。

【例文】:All in all the testimony was false.
【和訳】:結果としてその証言は間違いだった。

【例文】:The students worked in a real workplace. All in all it would be a good experience for them.
【和訳】:職場体験は全体として生徒たちの良い経験になっただろう。

all of 〜(たったの〜、たっぷりの〜)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(6)

"all of 〜"は数や量が多いことや少ないことを強調します。"of"の次はたいてい数字を置きます。驚きや失望などのニュアンスを含むことがあります。

【例文】:The torrential downpour lasted all of two hours.
【和訳】:滝のような豪雨が二時間もの間続いた。
→"all of"は豪雨が予測を超えて長時間続いたことを表わす

【例文】:I am all of three minutes older than my twin brother.
【和訳】:私は双子の弟より三分だけ年上です。
→"all of"は時間がごく短いことを表わす

all at once(突然、いっせいに)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(7)

"all at once"は予想外の出来事が起こることを表わします。

【例文】:All at once I became aware of the smell of something burning.
【和訳】:不意に何かが焦げる臭いが鼻についた。

もう一つ、"all at once"は複数の物事を同時に行うことや複数の出来事が同時に起こることを表わします。

【例文】:I don't think most people can do multiple things all at once.
【和訳】:たいていの人はいくつものことを同時にこなすなんてできないと思う。

all of a sudden(突然、いきなり)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(8)

"all of a sudden"は思いがけない出来事が突然起こることを表わします。

【例文】:The sun was shining but all of a sudden it started hailing.
【和訳】:太陽は照っていたけれど突如ひょうが降り出した。

all over(至る所で、いかにも〜らしい)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(9)

"all over"は前置詞として特定の場所のあちらこちらを表わします。

【例文】:Red rashes spread all over my body when I become exhausted.
【和訳】:疲れがひどくなると全身にじんましんが広がります。
→"all over"は前置詞、意味は「〜の至る所で」

もう一つ、"all over"は特定の人物にありがちなことを強調します。たいてい会話で使います。

【例文】:"Elsa lost her wallet, didn't she? That's her all over."
【和訳】:「エルザが財布を失くしたんだって。それは彼女らしいね
→"all over"は"Elsa"がよく物を失くすことを表わします

all manner of 〜(あらゆる種類の〜、いろいろな〜)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(10)

"all manner of 〜"はありとあらゆる種類があることやいろいろ違ったタイプの種類があることを表わします。"of"の次の名詞はたいてい複数形ですが"manner"自体は常に単数形で使います。

【例文】:You can get all manner of things in this shopping mall.
【和訳】:このショッピングセンターに来ればありとあらゆる物が手に入る。

【例文】:All manner of plants and animals live in the undeveloped land.
【和訳】:人の手が入っていないこの土地ではさまざまな種類の植物や動物が生息しています。

once and for all(これっきり、きっぱりと)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(11)

"once and for all"はこれが最後でもうこの後はないことを表わします。話し手の強い意志決定を表わすことがあります。

【例文】:Once and for all, we must stop discriminating on the basis of race.
【和訳】:人種に基づく差別はきっぱりと止めねばならない。
→"once and for all"は差別との断固とした決別を表わす

【例文】:I'll never ride a roller coaster once and for all.
【和訳】:金輪際ジェットコースターには乗らない。
→"once and for all"は話し手の強い意志を表わす

at all(少しも、少しは)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(12)

"at all"は否定や疑問、条件の意味を強調します。

【例文】:You haven't changed at all.
【和訳】:あなたはまったく変わっていない。
→"at all"は否定の意味を強調する

【例文】:Have I changed at all?
【和訳】:少しは昔と変わったかな。
→"at all"は疑問の意味を強調する

【例文】:I want to change myself if at all possible.
【和訳】:もう出来ることなら少しでも自分を変えたい。
→"at all"は条件の意味を強調する

【例文】:If detergent gets in your eyes at all, rinse immediately with water.
【和訳】:もし万が一にも洗剤が目に入ったらすぐに水で洗い流して下さい。
→"at all"は条件の意味を強調する

for all 〜(〜にもかかわらず、〜だが)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(13)

"for all 〜"は前置詞として使います。ある物事がほかの物事からたいした影響を受けないことを表わします。

【例文】:For all their difficulties, the firefighters saved all the people in the upper floors.
【和訳】:作業は難航したけれど消防士は上層階にいた人々全員を救出した。
→"for all"は前置詞、"their difficulties"は名詞句

【関連トピック】

all the way(道すがらずっと、時間内ずっと、全面的に)
不定代名詞all:"all"を使うイディオム(14)

"all the way"は距離的にあるいは時間的に最初から最後までを表わします。

【例文】:Yesterday a kitten cat followed me all the way home from the station.
【和訳】:昨日、子猫が駅から家までずっとついて来ちゃいました。
→子猫は途中でどこかに行くこともなくついて来た

【例文】:The queue went all the way around the city hall.
【和訳】:人の列は市役所をぐるりと一周するほどの長さでした。
→列には途切れがなかった

【例文】:I was sleeping all the way through the movie.
【和訳】:映画の上映中ずっと寝てました。
→途中で起きることはなかった

もう一つ、"all the way"はあらゆる努力を注ぎ込むことや最後までやり遂げることを表わします。

【例文】:We will support war refugees all the way.
【和訳】:私たちは戦争による難民を全面的に支援します。
→難民を全力でサポートする

【例文】:Shut the door all the way to prevent a draft coming in.
【和訳】:隙間風が入らないようにドアはきちんと閉めて下さい。
→隙間ができないようにドアを完全に閉める

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ゼロから始める代名詞(49)
不定代名詞(6)
each(めいめい、それぞれ) 先頭へ

「全員の中の一人一人」を強調する"each"

【目次】:不定代名詞"each"

each(めいめい、それぞれ)
不定代名詞each(1)

"each"のニュアンスは「指定されたものすべて」です。比較的少ない数の人やものに対して「めいめい、それぞれ」の意味を表わします。

【例文】:I have two sons and two daughters. Each is living in a different prefecture.
【和訳】:私には息子と娘が二人ずついますが、みんなそれぞれ別の県に住んでいます。
→"each" = "each of my two sons and two daughters"(私の二人の息子と二人の娘それぞれ)

【例文】:Each of the students was handed a graduation certificate.
【和訳】:生徒一人一人が卒業証書を受け取った。

【例文】:水が入ったバケツを両手に一つずつ持って運んだ。
【和訳】:I carrried a pail of water in each hand.
→"each hand"(両手、左右の手)

単独で使うeach
不定代名詞each(2)

【目次】:単独で使うeachの意味と用法

主語や目的語
不定代名詞each:単独で使うeach(1)

不定代名詞"のeach"は前に出て来た名詞の代わりに主語や目的語として使います。

【例文】:We have five part-timers. Each has a different nationality.
【和訳】:アルバイトを五人います。国籍はそれぞれ別々です。
→"each" = "each of the five part-timers"(五人のアルバイトそれぞれ)

【例文】:There were ten examinees. The examiner distributed the question sheet and answer sheet to each.
【和訳】:受験者は十人だった。試験官は受験者一人一人に問題用紙と解答用紙を配った。
→"each" = "each of the ten examinees"(十人の受験者一人一人)

主語の意味の補足
不定代名詞each:単独で使うeach(2)

不定代名詞の"each"を動詞の前、あるいは助動詞be動詞の後ろに置いて「主語がそれぞれ〜である」の意味を表わすことがあります。助動詞be動詞が合計二個以上あるときは、最初に出て来た助動詞の次に"each"を置きます。

主語の意味を補足する"each"の位置
  1. 主語 + each + 動詞
    【例】:My children each live alone.(子供たちはそれぞれ一人暮しをしている)
  2. 主語 + be動詞 + each
    【例】:We are each healthy.(みんなそれぞれ健康だ)
  3. 主語 + be動詞 + each + 動詞
    【例】:The pupils are each playing alone.(児童はみんな一人一人で遊んでいる)
  4. 主語 + 助動詞 + each + 動詞
    【例】:You can each buy three tickets.(チケットは一人三枚まで買えます)
  5. 主語 + 動詞 + 金額や量などの数値 + each
    【例】:We paid ten dollars each.(一人十ドル払った)

"each"を主語の意味の補足として使う場合、"each"の前に置く名詞(主語)は複数形を使います。「数」も複数扱いです→【参照】:『不定代名詞"each"の意味:"each"は単数扱い

【例文】:Our cats each have their own dishes and places to sleep.
(= Each of our cats has its own dish and place to sleep.)
【和訳】:うちの猫たちはそれぞれ自分だけの皿と寝床を持っています。
→"each"の意味は「それぞれ」、位置は動詞(have)の前

【例文】:We were each at work when the earthquake struck.
【和訳】:地震発生時私たちはそれぞれ仕事中でした。
→"each"の意味は「それぞれ」、位置はbe動詞(were)の後ろ

【例文】:The drivers have each been fined a hundred dollars for speeding.
【和訳】:運転手たちは速度超過でめいめい百ドルの罰金を払った。
→"each"の意味は「めいめい」、位置は助動詞(have)の後ろ、be動詞(been)の前

「一本百円」や「一人につき五キロ」のように数量を具体的な数値で表わすときはたいてい"each"を文尾に置きます。

【例文】:These canned coffees cost 100 yen each.
(= Each of these canned coffees cost 100 yen.)
【和訳】:缶コーヒーはどれも一本百円だ。
→"each"の意味は「どれも」、金額を表わすので"each"は文尾に置く

目的語の意味の補足
不定代名詞each:単独で使うeach(3)

不定代名詞の"each"を目的語の次に置いて「一人一人、それぞれ」を表わします。

目的語の意味を補足する"each"の位置
  1. 動詞の目的語 + 〜 + each
    【例】:I made them a cup of coffee each.(一人一人にコーヒーをいれてあげた)
  2. 動詞の目的語 + each + 〜
    【例】:I bought them each an ice cream.(一人一人にアイスを買ってあげた)

eachを置く位置は目的語の直後と文尾の二通りが可能です。「二個ずつ」や「三枚ずつ」のように数量を具体的な数値で表わす場合はeachを文末に置くのが普通です。

【例文】:The police officer gave the children each a personal alarm.
【和訳】:警察官は子供たち一人一人に防犯ブザーを渡した。
→"each"は"the children"(目的語)の補足、語順は"the children each"

【例文】:The mother gave her children three cookies each.
【和訳】:母親は子供たち一人一人にクッキーを三枚ずつあげました。
→"each"は"the children"(目的語)の補足、"three cookies"が数量を表わすので"each"は文末に置く

each of 〜(〜のうちのめいめい、〜のうちのそれぞれ)
不定代名詞each(3)

"each of 〜"の意味は「〜のうちのめいめい、〜のうちのそれぞれ」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や複数形の人称代名詞の目的格(us, you, them)を置きます。

each of 〜の構文
  1. each of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:I ate each of the cookies(どのクッキーも私が食べた)
  2. each of + us/you/them
    【例】:Each of us ate lunch.(みんな昼御飯を食べた)
  3. each of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:I have ten lizards, each of which has a name.(飼っている十匹のトカゲにはそれぞれ名前がある)

「each of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してめいめいが〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:子猫たちはそれぞれ色や柄がまったく異なる。
【 × 】:Each of kittens has totally different colors and patterns.
【 ○ 】:Each of the kittens has totally different colors and patterns.
→話題にしている「子猫たち」を指すので"kittens"に定冠詞(the)を付ける

each of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞each:each of 〜(〜のうちのめいめい、〜のうちのそれぞれ)(1)

"each of 〜"の意味は「〜のうちの一人一人、〜のうちの一つ一つ」です。複数の選択肢の中のそれぞれ一つ一つを表わすので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

【例文】:子供たちは一人一人が異なる個性を持っている。
【 × 】:Each of the child has a different personality.
【 ○ 】:Each of the children has a different personality.
→"of"の次は複数形の"children"を使う

"each of 〜"の「数」は"each"に合わせて単数にするのが普通です。【例文】の場合、動詞は単数形の"has"使います→【参照】:『不定代名詞"each"の意味:"each"は単数扱い

each of + us/you/them
不定代名詞each:each of 〜(〜のうちのめいめい、〜のうちのそれぞれ)(2)

「each of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「each of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関していずれも〜である」というニュアンスがあります。

【例文】:このあたりには複数の島があります。各島ごとに異なる方言があります。
【英訳】:There are several islands in this area. Each of them has a different dialect.
→"them" = "the islands"

each of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞each:each of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(3)

「each of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:A team is comprised of four members, each of whom runs 200 meters.
(= A team is comprised of four members, and each of them runs 200 meters.)
【和訳】:チームは四人編成で、それぞれが二百メートルを走ります。

【例文】:A dice has six sides, each of which has a different number of dots from one to six.
(= A dice has six sides, and each of them has a different number of dots from one to six.)
【和訳】:さいころは六面ある。それぞれの面に一から六までの異なる数が点で書かれている。

【関連トピック】

"each"は単数扱い
不定代名詞each(4)

"each"の場合、正式には単数扱いです。受ける人称代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では人称代名詞に複数形の"they, their, them"を使うことがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞:"each"

最近、人称代名詞は複数形の"they, their, them"を使うのが普通になりつつあります。

【例文】:犬を四匹飼っています。それぞれ自分の好みの食べ物がある。
【英訳】:I have four dogs. Each has its favorite food.
→正式な表現、単数形の"its"を使う
【英訳】:I have four dogs. Each has their favorite food.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通
【例文】:犬たちはそれぞれ自分の好みの食べ物がある。
【英訳】:Each dog has its favorite food.
→正式な表現、単数形の"its"を使う
【英訳】:Each dog has their favorite food.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通
【英訳】:Each of the dogs has its favorite food.
→正式な表現、単数形の"its"を使う
【英訳】:Each of the dogs has their favorite food.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

ただし、"each"を主語の意味の補足として使う場合は複数扱いです→【参照】:『不定代名詞:each単独で使うeach:主語の意味の補足

【例文】:運転手はそれぞれ視力検査を受ける必要がある。
【 × 】:Each of the drivers have to take an eyesight test.
【 ○ 】:Each of the drivers has to take an eyesight test.
→"each + of the/my/these/etc + 名詞(複数形)"で使う、単数扱いが普通
【 × 】:Each drivers have to take an eyesight test.
【 ○ 】:Each driver has to take an eyesight test.
→"each + 名詞(単数形)"で使う、単数扱い
【 × 】:The driver each has to take an eyesight test.
【 ○ 】:The drivers each have to take an eyesight test.
→"each"は主語(drivers)の補足、"drivers each"は複数扱いなので"have"を使う

【関連トピック】

each + 名詞(めいめいの〜、それぞれの〜)
不定代名詞each(5)

不定代名詞の"each"は名詞の前に置いて形容詞として使うこともできます。名詞は必ず単数形を使います。

each + 名詞の構文
  • each + 単数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:each boy(それぞれの男の子)

【例文】:それぞれの猫が自分専用のお皿と寝床を持っています。
【 × 】:Each cats have their own dish and place to sleep.
【 ○ 】:Each cat has its own dish and place to sleep.
(= Each of the cats has its own dish and place to sleep.)
→"each cat(単数形)"の形で使う

【例文】:道の側には鬱蒼とした森が広がっていた。
【 × 】:There were a dense woods on each sides of the road.
【 ○ 】:There were a dense woods on each side of the road.
(= There were a dense woods on both sides of the road.)
(= There were a dense woods on either side of the road.)
→"each side(単数形)"の形で使う

"each"は否定文では使わない
不定代名詞each(6)

通例、"each"は否定文では使いません。代わりに"none"や"nobody, no one"などを使います。

【例文】:けがをした子供は一人もいなかった。
【 × 】:Each of the children was not hurt.
【 ○ 】:None of the children were hurt.
→"each 〜 not"は不可、"none"を使う

【例文】:寝坊した人はいなかった。
【 × 】:Each person didn't oversleep.
【 ○ 】:No one overslept.
→"each 〜 not"は不可、"no one"を使う

似た意味の単語(all, every)
不定代名詞each(7)

不定代名詞の"each"と似た意味の単語をまとめます。

eachとその類義語
eachとall, both
  1. eachは二つ以上、bohtは二つ、allは三つ以上の人やものを指す
  2. たいていeachは単数扱い、all, bothは複数扱い
eachとevery
  1. eachは一つ一つを強調、everyは例外なくすべてを強調
  2. eachは二つ以上、everyは三つ以上の人やものを指す
  3. everyは形容詞のみ
  4. almost/nearly/not + eachは不可、almost/nearly/not + everyは可能
【関連トピック】

eachとall, both
不定代名詞each:似た意味の単語(all, both, every)(1)

"each, all, both"はいずれも人やものが全部であることを表わします。

"each"のニュアンスは二つ以上の人やものを指して「どれも」です。"all"のニュアンスは三つ以上の人やものを指して「すべて」です。"both"のニュアンスは二つの人やものを指して「両方とも」です。"each"は単数扱い、"all"と"both"は複数扱いです。

【例文】:All of the tablets are ouf of battery.
(= All the tablets are ouf of battery.)
【和訳】:(三台以上のタブレットに対して)すべてのタブレットは電池切れだ。
【例文】:Both of the tablets are ouf of battery.
(= Both tablets are ouf of battery.)
【和訳】:(二台のタブレットに対して)どちらのタブレットも電池切れだ。
【例文】:Each of the tablets is ouf of battery.
(= Each tablet is ouf of battery.)
【和訳】:(二台以上のタブレットに対して)どのタブレットも電池切れだ。
→"each"は単数扱い、"all, both"は複数扱い

eachとevery
不定代名詞each:似た意味の単語(all, both, every)(2)

"each"は個人を強調します。everyは例外がなくすべてであることを強調します。

【例文】:A plastic bottle of green tea and a rice ball were provided to each evacuee.
【和訳】:避難された方一人一人にペットボトルのお茶とおにぎりが配られた。
→"each"のニュアンスは「一人一人に対して」
【例文】:Plastic bottles of green tea and rice balls were provided to every evacuee.
【和訳】:避難された方全員にペットボトルのお茶とおにぎりが配られた。
→"every"のニュアンスは「例外なく全員に」

"every"の意味は「(三つ以上のものに対して)それぞれの」です。二つしかないものに対しては"each"か"both"を使います。

【例文】:目に目薬を一滴ずつさして下さい。
【 × 】:Put an eye drop into every eye.
【 ○ 】:Put an eye drop into each eye.
【 ○ 】:Put an eye drop into both eyes.
→"eye"(目)は二つなので"every"は不可

"every"は形容詞として使います。名詞としての用法はありません。"each"はどちらでも使えます。

【例文】:歩いて行ける範囲にコンビニが三軒あるけど、どこもトマトやジャガイモなどの野菜を売っている。
【 × 】:There are three convenience stores within walking distance. Every sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Every store sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Each sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Each store sells vegetables like tomatoes and potatoes.
→"every"のみは不可、"every store"か"each", "each store"とする

eachの前に"almost, nearly, not"を置くことはできません。代わりにeveryを使います。

【例文】:地震でほとんどすべての皿が割れてしまいました。
【 × 】:Almost each dish has been broken due to the earthquake.
【 × 】:Nearly each dish has been broken due to the earthquake.
【 ○ 】:Almost every dish has been broken due to the earthquake.
【 ○ 】:Nearly every dish has been broken due to the earthquake.
→"almost each", "nearly each"は不可、"every"を使う

【例文】:水族館は毎日開いてるわけではない
【 × 】:Not each day the aquarium is open.
【 ○ 】:Not every day the aquarium is open.
→"not each"は不可、"every"を使う

"each"を使うイディオム
不定代名詞each(8)

【目次】:"each"を使う主なイディオム

"each"を使う主なイディオムをまとめます。

each and every 〜(〜の誰もがみんな、〜のどれもこれも)
不定代名詞each:"each"を使うイディオム:(1)

"each and every 〜"は"each 〜"のニュアンスを強調します。意味は「(複数ある中で)誰もがみんな、どれもこれも」です。

【例文】:Each and every person has their own history.
【和訳】:人一人一人にはそれぞれ独自の歴史がある。

【例文】:War severely affects each and every country's politics and economy.
【和訳】:戦争は一つ一つの国の政治や経済に甚大な影響を及ぼす。

each other(お互い、相互)
不定代名詞each:"each"を使うイディオム:(2)

"each other"は一語の代名詞のように使うことができます。意味は「お互い、相互、それぞれ」です。相互に何らかの影響を与えることを表わします。"one another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"one"の意味:"one"を使うイディオム:one another(お互い)

"each other"も"one another"も一語の代名詞として使うので、動詞前置詞の目的語としてよく使います。

【例文】:Two cats were licking each other in the face.
【和訳】:二匹の猫がそれぞれの顔をなめ合っていた。
→"each other"は動詞"lick"(〜をなめる)の目的語、意味は「それぞれ」

前置詞(at, to, with, etc) + each other」で「お互いに、相互に、それぞれに」の意味を表わします。

【例文】:The man and chimpanzee carefully looked at each other.
【和訳】:男性とチンパンジーはお互いの顔をまじまじと見つめていた。
→"each other"は前置詞"at"の目的語、意味は「お互い」

【例文】:I think birds can communicate with each other using their own language.
【和訳】:鳥は鳥にしかわからない言葉でお互いに意思の疎通ができると思うよ。
→"each other"は前置詞"with"の目的語、意味は「お互い」

each time 〜(〜するたびに、〜するごとに)
不定代名詞each:"each"を使うイディオム:(3)

"each time"は接続詞のように使います。意味は「〜するたびに、〜すると毎回、〜するといつも」です。

【例文】:Each time the earth revolves around the sun, another year passes.
【和訳】:地球が太陽の周りを一周するたびに一年が過ぎ去る。

"every time"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:Every time the earth revolves around the sun, another year passes.
【和訳】:地球が太陽の周りを一周するたびに一年が過ぎ去る。

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(50)
不定代名詞(7)
every 〜(あらゆる〜、全部の〜) 先頭へ

形容詞の"every"

【目次】:不定代名詞"every"

every 〜(あらゆる〜、全部の〜)
不定代名詞every(1)

"every"は単独で不定代名詞として使うことはありません。たいてい、名詞の前に置いて形容詞として使います。しかし、意味が"all"や"each"と似ているのでここで扱います。

"every"の次に置く名詞はたいてい単数形です。

# every + 名詞(単数形)(あらゆる〜、全部の〜)
【例】:every child(あらゆる子供), every station(すべての駅)

【例文】:先進国は温室効果ガスの排出を削減すべきだ。
【 × 】:Every developed countries should reduce greenhouse gas emissions.
【 ○ 】:Every developed country should reduce greenhouse gas emissions.
(= Each developed country should reduce greenhouse gas emissions.)
(= All developed countries should reduce greenhouse gas emissions.)
→"every"の次の名詞は単数形(country)を使う

【例文】の場合、「各先進国」は複数の国を指します。"every"を使って「各先進国」を表現すると"every developed country"です。単数形の"country"を使います。

"every"が間隔(〜ごとに、〜おきに)を表わす場合、「every + 名詞(複数形)」を使うことがあります→【参照】:『不定代名詞"every":間隔を表わす"every"(〜ごとに、〜おきに)

【例文】:I applied the sunscreen cream every three hours.
【和訳】:日焼け止めは三時間ごとに塗っていました。
→"every"の意味は「〜ごとに、〜おきに」

「every + 名詞」は単数扱い
不定代名詞every(2)

「every + 名詞(単数形)」の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では代名詞を複数形にすることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞:「every + 名詞」

【例文】:生徒はそれぞれ自分の靴を自分のロッカーに入れなければならない
【英訳】:Every student has to put his shoes in his locker.
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【英訳】:Every student has to put his or her shoes in his or her locker.
→堅い書き言葉、単数形の"his or her"を使う
【英訳】:Every student has to put his/her shoes in his/her locker.
→堅い書き言葉、単数形の"his/her"を使う
【英訳】:Every student has to put their shoes in their locker.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

【関連トピック】

"every one of 〜"(〜のうちの全員、〜のうちのそれぞれ)
不定代名詞every(3)

"every one of 〜"の意味は「〜のうちの全員、〜のうちのそれぞれ」です。"every"は形容詞なので"every of 〜は文法的に不可。代わりに不定代名詞の"one"を入れて"every one of 〜"とします。

"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や複数形の人称代名詞の目的格(us, you, them)を置きます。

every one of 〜の構文
  1. every one of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:Every one of the boats was off shore.(どのボートも沖に出ていた)
  2. every one of + us/you/them
    【例】:Every one of us is ready.(全員が準備完了)

複数の選択肢の中のそれぞれ一つ一つを表わすので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

【例文】:スイカはどれもサイコロのような立方体の形をしていました。
【 × 】:Every one of the watermelon was cube shaped.
【 ○ 】:Every one of the watermelons was cube shaped.
→"of"の次は複数形の"watermelons"を使う

"every one of 〜"の「数」は"every one"に合わせて単数にするのが普通です。【例文】の場合、動詞は単数形の"was"使います→【参照】:『不定代名詞"every":「every + 名詞」は単数扱い

「every one of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してそれぞれが〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:スイカはどれもサイコロのような立方体の形をしていました。
【 × 】:Every one of watermelon was cube shaped.
【 ○ 】:Every one of the watermelons was cube shaped.
→話題にしている立方体型スイカを指すので"watermelons"に"the"を付ける

「every one of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「every one of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関していずれも〜である」というニュアンスがあります。

【例文】:Twelve people were saved from under the rubble. Every one of them was slightly injured.
【和訳】:がれきの下から十二人が救助された。全員が軽傷だった。
→"them" = "twelve people"

【関連トピック】

"every one"と"everyone"の違い
不定代名詞every(4)

"evey one"も"everyone"も意味は「全員、すべての人」です→【参照】:『不定代名詞"everybody, everyone"(誰でも、全員、みんな)

"every one"と"everyone"の違い
  1. "every one"は「形容詞 + 代名詞」、"everyone"は一語の代名詞
  2. "everyone"は人を指す、"every one"は人でも人以外でも使える
  3. "of 〜"が続く場合、"every one of 〜"は可、"everyone of 〜"は不可、"everybody of 〜"も不可

【例文】:五匹の野生のサルが校舎に侵入した。五匹とも捕獲された。
【 × 】:Five wild monkeys intruded into the school building. Everyone was captured.
【 ○ 】:Five wild monkeys intruded into the school building. Every one was captured.
→"five wild monkeys"を指すので"everyone"は不可

【例文】:子供たちはみんな粘土で何かを作っていた。
【 × 】:Everyone of the children was making something out of clay.
【 ○ 】:Every one of the children was making something out of clay.
→"of 〜"(〜の中の)が続く場合は"every one of 〜"を使う

【例文】:社員は十人です。全員が自転車通勤です。
【 × 】:The company has ten employees. Everyone of them commute by bicycle.
【 × 】:The company has ten employees. Everybody of them commute by bicycle.
【 ○ 】:The company has ten employees. Every one of them commute by bicycle.
→"of 〜"(〜の中の)が続く場合は"every one of 〜"を使う

【関連トピック】

"every day"と"everyday"の違い
不定代名詞every(5)

"every day"は副詞、"everyday"は形容詞です。一語で綴る"everyday"は形容詞なのでたいてい名詞の前に置いて使います。

【例文】:台風シーズンが日に日に迫って来た。
【 × 】:The typhoon season is drawing nearer everyday.
【 ○ 】:The typhoon season is drawing nearer every day.
→"draw"は動詞なので副詞の"every day"を使う、"everyday"は不可

【例文】:この地区では銃による殺人が日常的な出来事と化している。
【 × 】:Murder by gun is an every day occurrence in this area.
【 ○ 】:Murder by gun is an everyday occurrence in this area.
→"occurrence"は名詞なので形容詞の"everyday"を使う、"every day"は不可

"every 〜"の強調は"every single 〜"
不定代名詞every(6)

"every"の意味は"single"で強調できます。

【例文】:I ate instant noodle every day when I was a college student.
【和訳】:大学生のころは毎日インスタント麺を食べていました。
【例文】:I ate instant noodle every single day when I was a college student.
【和訳】:大学生のころは来る日も来る日もインスタント麺を食べていました。
→"single"は"every"(それぞれの)の意味を強調する

【例文】:I taste every dish I make.
【和訳】:自分で作った料理は全部味見をします。
【例文】:I taste every single dish I make.
【和訳】:自分で作った料理は一つ一つ必ず味見をします。
→"single"は"every"(全部)の意味を強調する

"every 〜"の否定は「すべてが〜とは限らない」
不定代名詞every(7)

否定文で"every"を使う場合は"not"をeveryの前に置くのが普通です。意味は「全員が〜とは限らない、すべてが〜とは限らない」です。

"everybody, everyone, everything"の場合も"not"は"everybody, everyone, everything"の前に置くのが普通です→【参照】:『不定代名詞"everybody, everyone":everybody, everyone"の否定は「誰もが〜とは限らない」』『不定代名詞everything:everything"の否定は「すべてが〜とは限らない」

【例文】:あらゆる日本人が納豆や豆腐が好きというわけではない
【 △ 】:Every Japanese doesn't like natto or tofu
【 ○ 】:Not every Japanese likes natto or tofu.
→"not"を"every"の前に置くのが普通

【例文】:すべてのバラにとげがあるわけではない
【 △ 】:Every rose doesn't have thorns.
【 ○ 】:Not every rose has thorns.
→"not"を"every"の前に置くのが普通

【関連トピック】

"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜)
不定代名詞every(8)

"every"は人や動物やものではなく、"confidence"(確信)や"reason"(理由)など抽象的な概念を表わす名詞の前に置くことがあります。この時の"every"のニュアンスは「可能な限りの〜、考えうるすべての〜」です。複数存在する概念のすべてを指すのではなく、その概念の意味を強調します。

"every"が強調する主な抽象名詞
不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):effort(努力)

【例文】:Every effort is being made to extinguish the wildfire.
【和訳】:山火事を消し止めるために最大限の努力がなされている。
→"every effort"は「可能な限りの努力」を表わす

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):confidence(信頼、確信)

【例文】:The students had every confidence in their teacher.
(= The students had complete confidence in their teacher.)
【和訳】:生徒たちは先生に対して絶大な信頼を寄せていた。
→"every confidence"は「最大限の信頼」を表わす
【例文】:I have every confidence that the ceasefire agreement will be broken soon.
【和訳】:停戦合意はすぐに破棄されると確信を強くしている。
→"every confidence"は「最大限の確信」を表わす

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):intention(意図、目論見)

【例文】:I had every intention of getting up early this morning, but went back to sleep.
【和訳】:今朝はなんとしてでも早起きするつもりだったが二度寝してしまった。
→"every intention"は「強い意志」を表わす

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):opportunity(機会)

【例文】:Even adults should have every opportunity to acquire new skills.
【和訳】:大人であってもおさおさ怠らずに新しい技術を身につけるべきです。
→"every opportunity"は「ありとあらゆる機会」を表わす
【例文】:My cat tries to sleep on the keyboard at every opportunity.
【和訳】:うちの猫はことあるごとにキーボードの上で寝ようとします。
→"every opportunity"は「ありとあらゆる機会」を表わす

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):prospect(見込み、可能性)

【例文】:There's every prospect that the war will end within a few days.
【和訳】:戦争が数日以内に終結する可能性は充分にある。
→"every prospect"の意味は「高い可能性」

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):effort(理由、根拠)

【例文】:There is every reason to believe global warming causes this abnormal heatwave.
【和訳】:地球温暖化がこの異常な熱波を引き起こしていると考えるに充分な根拠がある。
→"every reason"は「確実な根拠」を表わす

不定代名詞every:"every 〜"(可能な限りの〜、考えうるすべての〜):right(権利)

【例文】:Parents have every right to know what their children are being taught at school.
【和訳】:両親は自分の子供が学校でどんなことを教えられているのか知る当然の権利があります。
→"every right"は「正当な権利」を表わす

間隔を表わす"every"(〜ごとに、〜おきに)
不定代名詞every(9)

"every"を使って時間や距離などの間隔が空くことを表現できます。

間隔を表わす"every"
  • every + 名詞(単数形)
    【例】:every second(一秒に一回), every minute(一分に一回), every hour(一時間に一回)
    【訳】:every day(毎日), every second day(二日ごとに), every third day(三日ごとに)
  • every + 名詞(複数形)
    【例】:every two days(二日ごと), every three days(三日ごとに)
    【訳】:every ten miles(十マイルごとに), every one hundred meters(百メートルごとに)
    【例】:every ten steps(十歩ごとに)

「二日ごとに、一日おきに、二日に一回」は"every second day"や"every two days"のほかに"every other day"も使えます→【参照】:『不定代名詞every:"every"を使うイディオム:every other 〜(〜の一つおきに)

日本語の「三日ごとに」は「二日おきに」「三日に一回」とも表現できます。英語では"every third day", "every three days"です。"third"(三番目の)を使うときは"day"を単数形、"three"(三つの)を使うときは"days"を複数形にします。

"every second(一秒に一回), every minute(一分に一回), every hour(一時間に一回)"は"one"を入れて"every one second, every one minute, every one hour"と言うこともありますが、"one"なしのほうをよく使います。

【例文】:This geyser every hour ejects boiling water 100 meters into the air.
【和訳】:この間欠泉は一時間ごとに熱湯を百メートル吹き上げます。

【例文】:Weak volcanic earthquakes have been observed every other day for these two weeks.
【和訳】:ここ二週間の間、一日おきに微弱な火山性地震が観測されている。

【例文】:The photographer stopped every four steps to take photos of the lake.
【和訳】:カメラマンは四歩ごとに立ち止まって湖の写真を撮った。

【例文】:I have seen the restaurant billboard every few kilometers.
【和訳】:このレストランの看板は数キロごとに見かけた。

時を表わす"every second, every minute, every hour"は名詞として使うこともあります。意味は「特定の範囲内のあらゆる時間」です。

【例文】:I remembered every second of that day.
【和訳】:あの日の一秒一秒をまざまざと思い出した。
→"every second"の意味は「一秒一秒、すべての瞬間」

【例文】:I hated every minute of practicing.
【和訳】:練習時間の一分一秒がすべてが嫌いだった。
→"every minute"の意味は「特定の時間のすべて」

【例文】:I spent every waking hour learning computer programming by myself.
【和訳】:起きている時間のすべてを費やして一人でコンピューターのプログラミングを勉強しました。
→"every waking hour"の意味は「起きている時間のすべて」

似た意味の単語(each, all)
不定代名詞every(10)

"every"と似た意味の単語をまとめます。

everyとその類義語
everyとeach
  1. everyは例外なくすべてを強調、eachは一つ一つを強調
  2. everyは三つ以上、eachは二つ以上の人やものを指す
  3. everyは形容詞のみ
  4. almost/nearly/not + eachは不可、almost/nearly/not + everyは可能
everyとall
  1. everyは一つ一つがまとまった全体を指す、allは全体そのものを指す
  2. たいていeveryは単数扱い、allは複数扱い
  3. 「every + 数えられない名詞」は不可、「all + 数えられない名詞」は可能

everyとeach
不定代名詞every:似た意味の単語(each, all)(1)

"every"は例外がなくすべてであることを強調します。"each"は個人を強調します。

【例文】:The government provided medical assistance to every refugee from the war.
【和訳】:政府は戦火を逃れてきた難民全員に医療援助を提供した。
→"every"のニュアンスは「例外なく全員に」
【例文】:The government provided medical assistance to each refugee from the war.
【和訳】:政府は戦火を逃れてきた難民一人一人に医療援助を提供した。
→"each"のニュアンスは「一人一人に対して」

"every"の意味は「(三つ以上のものに対して)それぞれの」です。二つしかないものに対しては"each"か"both"を使います。

【例文】:(三つ以上ある)エレベーターはどれも閉鎖していた。
【 ○ 】:Every elevator was closed.
【 ○ 】:Each elevator was closed.
【例文】:(二つしかない)エレベーターはどちらも閉鎖していた。
【 × 】:Every elevator was closed.
【 ○ 】:Each elevator was closed.
【 ○ 】:Both elevators were closed.
→"every"は三つ以上の人やものを指す、二つのときは"each"か"both"を使う

"every"は形容詞として使います。名詞としての用法はありません。"each"はどちらでも使えます。

【例文】:この村では昔はどの家族も牛の一頭や二頭を飼っていたものだ。
【 × 】:Every of family in this village used to have one or two cows.
【 ○ 】:Every one of the family in this village used to have one or two cows.
→"every"は形容詞、"every of + 名詞"は不可
【 ○ 】:Each family in this village used to have one or two cows.
【 ○ 】:Each of the family in this village used to have one or two cows.
→"each + 名詞"も"each of + 名詞"も可能

eachの前に"almost, nearly, not"を置くことはできません。代わりにeveryを使います。

【例文】:ほぼすべての県庁所在地で気温が摂氏三十五度を超えました。
【 × 】:The temperature rose above 35 degrees Celsius in almost each prefectual capital.
【 ○ 】:The temperature rose above 35 degrees Celsius in almost every prefectual capital.
→"almost each"は不可

【例文】:山あいのこのあたりの谷ではほぼ毎年鉄砲水が発生する。
【 × 】:Flash floods have occurred nearly each year in this mountain valley.
【 ○ 】:Flash floods have occurred nearly every year in this mountain valley.
→"nearly each"は不可

【例文】:すべてのハチが人を刺すわけではありません
【 × 】:Not each bee stings us.
【 ○ 】:Not every bee stings us.
→"not each"は不可

【関連トピック】

everyとall
不定代名詞every:似た意味の単語(each, all)(2)

"every"は一人一人、一つ一つに焦点を当てて「例外なく全部」です。"all"は全体を一まとめにして「全部」です。

【例文】:The biology teacher showed every student his collection of fossils.
(= The biology teacher showed each student his collection of fossils.)
【和訳】:生物の先生が生徒一人一人に化石のコレクションを見せてくれた。
【例文】:The biology teacher showed all the students his collection of fossils.
【和訳】:生物の先生が生徒全員に化石のコレクションを見せてくれた。

「化石のコレクション」を生徒一人一人に順番に見せたのなら"every student"か"each student"、全員の前でハイこれですと見せたのなら"all the students"を使います。

【例文】:I spend every morning jogging 1km.
(= I spend each morning jogging 1km)
【和訳】:私は朝一キロのジョギングします。
【例文】:I have spent all morning jogging 1km.
【和訳】:私は午前中ずっと一キロのジョギングをしている。

「来る日も来る日も朝にはジョギング」なら"every morning"か"each morning"、「午前中の間ずっとジョギングを続ける」なら"all morning"を使います。

【例文】:どの犬も首に赤いバンダナをつけている。
【 × 】:Every dogs wear a red bandana around its neck.
【 ○ 】:Every dog wears a red bandana around its neck.
→「every + 名詞(単数形)」、動詞も単数形を使う
【例文】:すべての犬は首に赤いバンダナをつけている。
【 × 】:All the dog wears a red bandana around their neck.
【 ○ 】:All the dogs wear a red bandana around their neck.
(= All of the dogs wear a red bandana around their neck.)
→「all + 名詞(複数形)」、動詞も複数形を使う

たいてい「every + 名詞(単数形)」の形で使います。【例文】を英訳する場合、動詞も"wears"と単数形を使います。一方、"all"は次に置く名詞は複数形、動詞も複数形の"wear"を使います。

【例文】:砂糖を全部こぼしてしまった。
【 × 】:I spilled every sugar.
【 ○ 】:I spilled all the sugar.
→「every + sugar(数えられない名詞)」は不可

「every + 数えられない名詞」は不可です。"every"は複数の人やものが集まった全体を表わすので、次に置く名詞は必ず「数えられる名詞」です。「数えられない名詞」の全体を表わす場合は"all"を使います。

【関連トピック】

"every"を使うイディオム
不定代名詞every(11)

【目次】:"every"を使う主なイディオム

"every"を使う主なイディオムをまとめます。

every corner(至る所、さまざまな場所)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(1)

"every corner"は特定の範囲内のいろいろな場所を指します。場所全体ではありません。

【例文】:In every town, on every corner in Japan there is a vending machine.
【和訳】:日本ではあらゆる町の至る所に自動販売機があります。
→"every corner"は町の中のいろいろな場所を表わす

【例文】:The virus has spread to every corner of the world, and the cases have been increasing rapidly.
【和訳】:そのウイルスは世界のすみずみまで広がり、患者数は急速に増えている。
→"every corner"は世界中のいろいろな国や地域を表わす

every inch(どう見ても、あらゆる点で)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(2)

"every inch"のニュアンスは人物を評価して「本物の、正真正銘の、完全に」です。"every inch"は副詞として使うのでたいてい動詞の次に置きます。

【例文】:The passer-by who saved an old lady from fire is every inch a hero.
(= The passer-by who saved an old lady from fire is completely a hero.)
【和訳】:火の中からお年寄りの女性を救い出したその通りすがりの人物は正真正銘の英雄だ。

every inch of 〜(〜のあらゆる場所、〜の隅々)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(3)

"every inch of 〜"のニュアンスは「特定の場所や部位の隅から隅まで」です。

【例文】:I searched every inch of the room but was unable to find my missing wrist watch.
【和訳】:部屋の隅々まで捜したけれど失くした腕時計は見つからなかった。

every last 〜(〜の最後まですべて、〜の残らず全部)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(4)

"every last 〜"のニュアンスは「最後の一人まで全員、最後の一つまですべて」です。

【例文】:Every last resident of the village has been evacuated after the eruption.
【和訳】:火山の噴火のあと村の住人は一人残らず避難した。

【例文】:I squeezed out every last drop of toothpaste.
【和訳】:練り歯磨きを最後の最後までしぼり出した。

every now and then(時々、ときたま)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(5)

"every now and then"のニュアンスは「同じ物事が間隔をおいてときどき発生する」です。間隔は一カ月以上の長いこともあれば、数秒や数分程度の短い間隔であることもあります。

"now and then, every now and again, every so often"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:Every now and then a bug hit the window and made a clink noise.
(= Now and then a bug hit the window and made a clink noise.)
(= Every now and again a bug hit the window and made a clink noise.)
(= Every so often a bug hit the window and made a clink noise.)
【和訳】:ときおり虫が窓にぶち当たってカチンという音をたてた。

【例文】:Every now and then I receive email from an unknown sender and delete it at once.
(= Now and then I receive email from an unknown sender and delete it at once.)
(= Every now and again I receive email from an unknown sender and delete it at once.)
(= Every so often I receive email from an unknown sender and delete it at once.)
【和訳】:ときどき見知らぬ人からメールが届きますがすぐに削除しています。

【関連トピック】

every other 〜(〜の一つおきに)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(6)

"every other 〜"の意味は「〜を一つ飛ばしにして次の」です→【参照】:『不定代名詞"every":間隔を表わす"every"(〜ごとに、〜おきに)

【例文】:We have an online class every other Monday.
【和訳】:月曜日は一週間おきにオンラインでの授業があります。
→オンライン授業の開催は第一、第三、第五月曜日、あるいは第二、第四月曜日

【例文】:Write your answers every other line so that we can correct them.
【和訳】:添削するので解答は一行おきに書いて下さい。
→解答は一行あけて二行ごとに書く

【例文】:Orange traffic cones were placed on every other parking space.
【和訳】:一つおきの駐車スペースにオレンジ色のパイロンが置いてあった。
→隣のスペースには駐車できないようにしてあった

"every other 〜"は「〜のほかはことごとくすべて」の意味を表わすこともあります。

【例文】:Every other runner tripped over the hurdle.
【和訳】:ほかの走者は全員ハードルでつまずいて転倒した。
→"every other 〜"の意味は「ほかのすべての〜」

every hour on the hour(一時間ごとに、一時間おきに)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(7)

the付きの"the hour"の意味は「一時ちょうどや二時ちょうど」です。なので"every hour on the hour"の意味は「(一時ちょうどや二時ちょうどのように)一時間ごとに」です。"every hour on the half hour"なら「(一時ちょうどや一時半ちょうどのように)三十分ごとに」です。

【例文】:A long time ago a siren sounds around every hour on the hour in the daytime as a time signal.
【和訳】:昔は昼の間、時報として一時間ごとにサイレンが鳴り渡りました。

【例文】:Buses leave every hour on the half hour.
【和訳】:バスは毎時三十分に出ています。

every time 〜(〜するたびに、〜するといつも)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(8)

"every time"は接続詞として使います。意味は「〜すると毎回」です。

【例文】:I get carsick every time you drive.
【和訳】:あなたの運転だといつも車酔いしてしまう。

"each time"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:I get carsick each time you drive.
(= I get carsick every time you drive.)
【和訳】:あなたの運転だといつも車酔いしてしまう。

【関連トピック】

at every turn(いつも、しょっちゅう)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(9)

"at every turn"のニュアンスは「何かを意図的に繰り返して行う、物事が連続して発生する」です。

【例文】:My little brother opposes me at every turn.
【和訳】:弟はことあるごとに私に反抗的な態度をとる。

【例文】:It rains at every turn in these three days
【和訳】:ここ三日間ほど毎日雨が降る。

in every way(あるゆる点において、どこをとっても)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(10)

"in every way"のニュアンスは「人や動物や物事を判断してあらゆる点において」です。"way"の意味は「観点、見方」です。

【例文】:Smith looked in every way another man when he wore a brand new suit.
【和訳】:スミスが新品のスーツを着るとあらゆる点で別人に見えた。
→"way"の意味は「観点、見方(= respect)」

"way"の意味が「方法、やり方」のとき、"in every way"の意味は「あるゆる方法で、考えられる限りのやり方で」です。

【例文】:We have to reduce greenhouse gas emissions in every way we can to stop global warming.
【和訳】:地球温暖化を阻止するためには可能なあらゆる手を使って温室効果ガスの排出を削減しなければならない。
→"way"の意味は「方法、やり方(= method)」

every which way(四方八方に、バラバラに)
不定代名詞every:"every"を使うイディオム:(11)

"every which way"は「四方八方に動く動作、あらゆる方向に伸びた様子」を表わします。

【例文】:Kids go every which way to hide when they play hide-and-seek.
【和訳】:かくれんぼをするとき子供たちは隠れるためにあらゆる方向に散って行きます。

【例文】:Some of the walls were cracked every which way after the earthquake.
【和訳】:地震発生後、いくつかの壁でひびが四方八方に広がっていた。

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ゼロから始める代名詞(51)
不定代名詞(8)
some(ある程度の数、ある程度の量、誰か、何か、およそ) 先頭へ

数や量が全部ではないことを表わす"some"

【目次】:不定代名詞"some"

"some"は「ゼロではない」ことを暗示する
不定代名詞some(1)

"some"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。"some"は数や量について「ゼロではない」ことを暗示します。なので、"some"はよく肯定文で使います。

疑問文否定文では"some"の代わりによく"any"を使います。"any"には「ゼロかもしれない」というニュアンスがあります→【参照】:『不定代名詞any:"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する

【例文】:I have visited some of these prefectures.[※肯定文]
【和訳】:この中でいくつかの県には行ったことがある。
→二つ以上の県が訪問ずみ
【例文】:Have you visited any of these prefectures?[※疑問文]
【和訳】:この中で行ったことがある県がいくつかありますか。
→訪問ずみの県はゼロかもしれない
【例文】:I've not visited any of these prefectures.[※否定文]
【和訳】:この中で行ったことがある県は一つもない。
→訪問ずみの県はゼロ

"some"を疑問文で使うこともあります→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:疑問文で使う"some"

【関連トピック】

単独で使うsome
不定代名詞some(2)

【目次】:単独で使うsomeの意味と用法

some(いくつか、いくらか、一部)
不定代名詞some:単独で使うsome(1)

不定代名詞の"some"は前に出て来た名詞の代わりに使います。

"some"ニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。「ゼロではないが全部でもない」ことを表わすので、意味的にはかなり幅があります。和訳は「数えられる名詞」なら「少数、一部、若干、いくつか」、「数えられない名詞」なら「少し、一部、若干、いくらか」などが可能です。

【例文】:If you need paper clips, you can take some on my desk.
【和訳】:紙クリップがいるのなら私の机の上にあるのをいくつか持って行ってもいいよ。
→"some" = "some of the paper clips"(いくつかの紙クリップ)

【例文】:They had enough drink, so we carried some to another evacuation center.
【和訳】:飲み物は充分にあったので一部をもう一つの避難所へ運びました。
→"some" = "some of the drink"(飲み物の一部)

some(数人、一部の人)
不定代名詞some:単独で使うsome(2)

"some"のみで人が何人かいることを表わします。ニュアンスは「多勢ではないがある程度の数の人」です。二人以上を指すので「数」は複数扱いです。

【例文】:Some cast a negative vote.
【和訳】:数名が反対票を投じた。
→"some"の意味は「数人、一部の人」、複数扱い

【例文】:Some say global warming is just a part of a natural cycle.
【和訳】:地球温暖化は自然の移り変わりの一環に過ぎないというがいます。
→"some"の意味は「数人、一部の人」、複数扱い

"some"は"others"とペアで使うこともあります→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:"some"と"others"

疑問文で使う"some"
不定代名詞some(3)

"some"はよく肯定文で使います→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:"some"は「ゼロではない」ことを暗示する

疑問文で"some"を使うと「肯定の返事」が返って来ることを期待するニュアンスを表わします。"any"を使うと「否定の返事」が返って来るかもしれないことを表わします→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する

【例文】:I've baked tons of cookies. Would you like some?
【和訳】:クッキーをたくさん焼いて来ましたよ。お一ついかが。
→相手がクッキーを食べてくれることを期待している
【例文】:I've baked tons of cookies. Would you like any?
【和訳】:クッキーをたくさん焼いて来ましたよ。召し上がりますか。
→相手がクッキーを食べてくれるかどうかはわからない

some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)
不定代名詞some(4)

"some of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのいくらか」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や集合名詞(単数形)、「数えられない名詞」(単数形)、人称代名詞の目的格(us, you, it, them)などを置きます。

some of 〜の構文
  1. some of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:I ate some of the cookies(クッキーを数枚食べた).
  2. some of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:Some of the people were surprised.(数名がびっくりした)
  3. some of + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    【例】:I drank some of the tea(紅茶を少し飲んだ)
  4. some of + us/you/it/them
    【例】:Some of us ate lunch.(数人が昼御飯を食べた)
  5. some of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:Lots of people, some of whom were children, gathered.(子供を含む多勢の人が集まった)

「some of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"this, these, that, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:神社の中には二千年以上前に建てられたものがあるそうです。
【 × 】:I hear some of Shinto shrines were built more than 2000 years ago.
【 ○ 】:I hear some of the Shinto shrines were built more than 2000 years ago.
→話題にしている「日本の神社」を指すので"Shinto shrines"には定冠詞(the)を付ける

some of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞some:some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(1)

"some of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのいくらか」です。複数の選択肢の中の一部を表わすので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

【例文】:私たちの学校の生徒数人が国際数学オリンピックに参加しました。
【 × 】:Some of our school student has participated in the International Mathematical Olympiad.
【 ○ 】:Some of our school students have participated in the International Mathematical Olympiad.
→"some of"の次の「数えられる名詞」は"students"(複数形)を使う

"some of 〜"の「数」は"of"の次に置く名詞に合わせるのが普通です。【例文】の場合、"students"(複数)に合わせて動詞は"have"を使います→【参照】:『不定代名詞に「数」はあるの?:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞"some"

some of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞some:some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(2)

「some of + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:社員のうち数名が在宅勤務です。
【 × 】:Some of our staffs work from home.
【 ○ 】:Some of our staff work from home.
→"staff"(社員)は集合名詞、単数形を使う

some of + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞some:some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(3)

「some of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【和訳】:電気の一部は太陽光発電でまかなっています。
【 × 】:Some of the electricities is generated by solar panels.
【 ○ 】:Some of the electricity is generated by solar panels.
→"electricity"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

some of + us/you/it/them
不定代名詞some:some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(4)

「some of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「some of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスがあります。

【例文】:My class has thirty students. Some of them live in the dormitory.
【和訳】:私のクラスには三十人の生徒がいます。そのうち数名が寮住まいです。
→"them" = "students"(数えられる名詞)

【例文】:Most of the temple was rebuilt in the Edo period and some of it was build in the Nara period.
【和訳】:その寺の大部分は江戸時代に再建されましたが一部は奈良時代に建てられたものです。
→"it" = "the temple"(数えられる名詞)

【例文】:We hear so much news every day. Some of it is happy and some of it is sad.
【和訳】:毎日たくさんのニュースを耳にする。うれしいニュースもあれば悲しいニュースもある。
→"it" = "news"(数えられない名詞)

【関連トピック】

some of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞some:some of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(5)

「some of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:The apartment dwellers, some of whom were in pajamas, helped to extinguish the fire.
(= The apartment dwellers, and some of them were in pajamas, helped to extinguish the fire.)
【和訳】:アパートの住人たちが中にはパジャマ姿のままで消火活動を手伝った。

【例文】:There are many different types of mushrooms, some of which are edible and some of which are poisonous.
(= There are many different types of mushrooms, and some of them are edible and some of them are poisonous.)
【和訳】:キノコにはたくさんの種類がある。食べられるものもあるし毒を持つものもある

【関連トピック】

「some + 名詞」
不定代名詞some(5)

不定代名詞の"some"は名詞の前に置いて形容詞として使うこともできます。

some + 名詞の構文
「some + 名詞」(いくつかの、いくらかの)
  • 「some + 複数形の名詞(数えられる名詞)」
    【例】:some holes(いくつかの穴)
  • 「some + 単数形の名詞(数えられない名詞)」
    【例】:some sault(少々の塩)
「some + 名詞」(かなりの、相当な)
  • 「some + 複数形の名詞(数えられる名詞)」
    【例】:some days(何日も)
  • 「some + 単数形の名詞(数えられない名詞)」
    【例】:some distance(かなりの距離)
「some + 名詞」(詳細不明な誰か、何か)
  • 「some + 複数形の名詞(数えられる名詞)」
    【例】:some boy(ある少年), some town(どこかの町)

「some + 名詞」(いくつかの、いくらかの)
不定代名詞some:「some + 名詞」(1)

「some + 名詞」で数や量や程度などが「ゼロではないが多くもない」ことを表わします。

"some"のニュアンスは「ゼロではないある程度の数、ゼロではないある程度の量」なので、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」の場合は単数形のままでOK。

【例文】:If I put some pieces, then I will eventually finish this huge jigsaw.
【和訳】:あとピース置けば、この巨大ジグソーパズルもようやく完成です。
→"piece"(ジグソーパズルのピース)は「数えられる名詞」なので複数形"pieces"を使う

【例文】:We can do anything with some bravery and some patience.
【和訳】:少々の勇気と少々の忍耐さえあれば何だってできる。
→"bravery"(勇気)と"patience"(忍耐)は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

「some + 名詞」で数や量や程度などが「かなり大きい」ことも表現可能です→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:「some + 名詞」(かなりの、相当な)

「some + 名詞」(かなりの、相当な)
不定代名詞some:「some + 名詞」(2)

「some + 名詞」で数や量がかなり多い、程度がかなり大きいことを表わします。たいてい、距離や時間、喜怒哀楽の感情を表わす表現を強調します。

"some"の次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」の場合は単数形のままでOK。

【例文】:I was forced to push my bike for some miles since the tire had gone flat.
【和訳】:タイヤがパンクしたので何マイルも自転車を押していく羽目に陥りました。
→"some"は"miles"がかなり多いことを表わす、"mile"(マイル)は数えられる名詞

【例文】:The train has been stranded in heavy snow for some hours.
【和訳】:列車が大雪の中で数時間も立ち往生している。
→"some"は"hours"がかなり多いことを表わす、"hour"(時間)は数えられる名詞

【例文】:It was some time before the second earthquake came.
【和訳】:二回目の揺れが来るまでかなりの時間がありました。
→"some"は"time"がかなり多いことを表わす、"time"(時間)は数えられない名詞

【例文】:It was with some delight that I lost one kilogram in weight.
【和訳】:一キロやせてかなりうれしかった
→"some"は"delight"がかなり大きいことを表わす、"delight"(喜び)は数えられない名詞

「some + 名詞」で数や量や程度などが「ゼロではないが多くもない」ことも表現可能です→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:「some + 名詞」(いくつかの、いくらかの)

【関連トピック】

「some + 名詞」(詳細不明な誰か、何か)
不定代名詞some:「some + 名詞」(3)

「some + 名詞の単数形」でよくは知らない、はっきりとはわからない人やものを指すことがあります。たいてい「数えられる名詞」(単数形)の前に置きます。

【例文】:Some person donated a hundred million yen to the disaster victims.
【和訳】:とある人物が被災者のためにと一億円を寄付してくれた。
→「人物」の年齢や性別などくわしい情報は不明

【例文】:I believe there is some mistake in this calculation.
【和訳】:この計算式にはどこかに誤りがあるはずだ。
→間違いの箇所が具体的にどこなのかは不明

「some + 名詞の単数形 + or other」という形もあります。詳細不明のニュアンスを強調します→【参照】:『不定代名詞other:"other"を使うイディオム:some 〜 or other(〜か何か、〜のようなもの)

【例文】:I heard there was a small fire in some nearby shop or other.
【和訳】:近所の店かどこかでボヤがあったらしい。
→ボヤが発生した正確な場所はまったく不明

【関連トピック】

"some"と"others"
不定代名詞some(6)

"some"はよく"others"とペアで使います。グループ対グループの対比を表わします。意味は「〜の人もいれば、〜の人もいる」「〜のものもあれば、〜のものある」です。複数形の"others"に合わせて"some"は複数扱いです→【参照】:『不定代名詞"other":"some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)

"others"の代わりに"some"を使うこともあります。"some"単独で「数人、一部の人」の意味を表わすこともあります→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:some(数人、一部の人)

【例文】:ビール党もいれば、日本酒党もいる
【 × 】:Some likes beer, and others prefer sake.
【 × 】:Some likes beer, and some prefer sake.
【 ○ 】:Some like beer, and others prefer sake.
【 ○ 】:Some like beer, and some prefer sake.
→"some"は複数扱いなので動詞は"like, prefer"を使う

「some + 複数名詞 + 〜, others + 〜」や「some + 複数名詞 + 〜, some + 〜」の形も可能です。

【例文】:早朝の勉強のほうがはかどる生徒もいれば、夜遅くの勉強のほうがはかどる生徒もいる。
【 × 】:Some students studies better in the early morning, while others study better late at night.
【 ○ 】:Some students study better in the early morning, while others study better late at night.
【 ○ 】:Some students study better in the early morning, while some study better late at night.
→「数」は"students"に合わせるので動詞は"study"を使う

「some + 比較級 + than + others」の形も可能です。

【例文】:Some cats and dogs are much smarter than others.
【和訳】:ほかの犬や猫たちと比べるとはるかに賢い犬や猫がいる。
(= Some cats and dogs are much smarter than other cats and dogs.)

【関連トピック】

「some + 数字」(約、およそ)
不定代名詞some(7)

"some"は数字の前に置いて「約、およそ、だいたい」の意味を表わします。

【例文】:The quake's epicenter was some 10 km underground.
【和訳】:震源の深さは十キロでした。

"something like"や"about"や"approximately"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:The quake's epicenter was something like 10 km underground.
【例文】:The quake's epicenter was about 10 km underground.
【例文】:The quake's epicenter was approximately 10 km underground.
(= The quake's epicenter was some 10 km underground.)
【和訳】:震源の深さは十キロでした。

副詞としての"some"(少し、やや)
不定代名詞some(8)

"some"は副詞として形容詞やほかの副詞を意味を補足することがあります。ニュアンスは「少し〜、やや〜、ちょっと〜」です。会話でよく使います。

たいてい、形容詞比較級(better, etc)の前や文尾に置いて使います。

【例文】:I feel some better than yesterday.
(= I feel somewhat better than yesterday.)
【和訳】:昨日よりはいくらか具合はいいです。
→"some"は副詞、意味は「いくらか、少し」、比較級"better"の意味を補足する

【例文】:It's still raining some outside.
(= It's still raining a little outside.)
【和訳】:外はまだ少し雨が降っている。
→"some"は副詞、意味は「少し、いくらか」、動詞"raining"の意味を補足する

"some"を使うイディオム
不定代名詞some(9)

【目次】:"some"を使う主なイディオム

"some"を使う主なイディオムをまとめます。

some day(いつか、そのうち)
不定代名詞some:"some"を使うイディオム:(1)

"some day"のニュアンスは「未来に」です。近い未来、遠い将来の両方を表わします。

一語で"someday"と綴ることもあります。特徴的な出来事や事件の発生を表わす場合は二語に分けた"some day"のほうをよく使います。

【例文】:The typhoon approaches Japan some day next week.
【和訳】:来週の何曜日かに台風が日本に接近します。
→"some day"の意味は「近い未来のある日に」

【例文】:Someday discrimination and prejudice will be eliminated frome the world.
【和訳】:いつの日か差別や偏見はこの世からなくなるでしょう。
→"some day"の意味は「漠然と未来では」

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some time(しばらくの間、いつか、過去のある時)
不定代名詞some:"some"を使うイディオム:(2)

"some time"のニュアンスは「ある程度の長さの時間」です。和訳は「しばらくの間、かなりの時間」です。名詞として使います。

"some"には形容詞として「かなりの〜、相当な〜」の意味があります→【参照】:『不定代名詞"some"の意味:「some + 名詞」(かなりの、相当な)

【例文】:I need some time before I make a decision.
【和訳】:決心する前にある程度の時間が必要です。
→"some time"の意味は「ある程度の長さの時間」(名詞)

"some time"は過去や未来のある時点を表わすこともあります。和訳は「いつか、そのうち、あるとき、昔」です。副詞として使います。一語で"sometime"と綴ることもあります。

【例文】:This temple is believed to be built some time in the Edo period.
(= This temple is believed to be built sometime in the Edo period.)
【和訳】:この寺は江戸時代のいつかに建てられたと考えられている。
→"sometime"の意味は「過去のあるときに」(副詞)

【例文】:Some time in the future humans will start to live on Mars.
(= Sometime in the future humans will start to live on Mars.)
【和訳】:将来いつか人類は火星に住むようになるだろう。
→"some time"の意味は「漠然と未来では」(副詞)

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some other time(いつかまた、別の機会に)
不定代名詞some:"some"を使うイディオム:(3)

"some other time"のニュアンスは「今ではなく別の時に」です。

【例文】:We'll talk about it some other time.
【和訳】:そのことについてはまた別の機会に話し合いましょう。

【例文】:"Would you like to go for a drink tonight?" "Sorry, maybe some other time."
【和訳】:「今夜飲みに行きませんか」「ごめん、またにしようかな」

to some degree(いくぶん、かなり)
不定代名詞some:"some"を使うイディオム:(4)

"to some degree"のニュアンスは「ある程度までは、部分的には」です。"to a degree"や"to a certain degree"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:The view was to some degree blurred by rain.
【和訳】:雨である程度視界がぼやけていた。

【例文】:I like horror movies to a certain degree, but I prefer action moives.
【和訳】:ホラー映画もそこそこ好きだがアクション映画のほうが好きだ。

"degree"の代わりに"extent"を使う"to some extent, to an extnet, to a certain extent"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:I think you are, to an extent, responsible for the traffic accident.
(= I think you are, to a degree, responsible for the traffic accident.)
【和訳】:あなたにも交通事故の責任の一端はあると思う。

【例文】:I agree, to some extent, to restart nuclear plants so that we can reduce CO2 emissions.
(= I agree, to some degree, to restart nuclear plants so that we can reduce CO2 emissions.)
【和訳】:二酸化炭素の排出削減のための原発再稼働はある程度賛成します。

take some 〜ing(〜するのは困難だ、〜するのはむつかしい)
不定代名詞some:"some"を使うイディオム:(5)

"take some 〜ing"のニュアンスは「〜することには困難が伴なう」です。

【例文】:Taking my dog to the vet takes some doing.
【和訳】:うちの犬をお医者さんのところへ連れて行くのは大変だ
→"A take some doing"の意味は「Aをするのが困難だ」

【例文】:The park took some clearing because there were piles of fallen leaves.
【和訳】:公園の掃除は落ち葉が一杯で大変だった
→"A take some 〜ing"の意味は「Aを〜するのが困難だ」

【例文】:It takes some doing to sit on an exercise ball and keep our balance.
【和訳】:バランスボールに座ってバランスを保つのはむつかしい
→"it take some doing to 〜"の意味は「〜するのが困難だ」

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ゼロから始める代名詞(52)
不定代名詞(9)
any(ある程度の数、ある程度の量、いかなる) 先頭へ

数や量が全部ではないことを表わす"any"

【目次】:不定代名詞"any"
  1. "any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する
  2. 単独で使う"any"(誰か、どれか、一人も、一つも)
  3. any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)
    1. any of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    2. any of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    3. any of + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    4. any of + us/you/it/them
    5. any of + whom/which(関係代名詞)
  4. 「any + 名詞」
    1. 【疑問文】:「any + 名詞」(誰か、どれか、少しは)
    2. 【否定文】:「any + 名詞」(誰も、何も、少しも)
  5. "any 〜 not"の語順は不可
  6. 肯定文で使う"any"
    1. 単独の"any"
    2. "any of 〜"
    3. 「any + 名詞(単数形)」
  7. if文で使う"any"
  8. 否定語句(never, without, etc) + any
  9. 副詞としての"any"(少しは、少しも)
  10. "any"を使うイディオム
    1. any day now(すぐに、数日中に)
    2. any time(いつでも、いつ何時)
    3. any amount of(たくさんの、どれだけでも)
    4. by any chance(もしかすると、ひょっとすると)
    5. at any cost(どんな犠牲を払っても、なんとしてでも)
    6. at any price(どんな犠牲を払っても、何がなんでも)
    7. at any rate(いずれにせよ、とにかく、そもそも)
    8. in any case(いずれにせよ、とにかく)
    9. in any event(いずれにせよ、とにかく)
    10. by any stretch of the imagination(想像をどんなにたくましくしても)
    11. in any shape or form(どんな種類の〜も、いかなる〜も)
    12. any longer(もはや、すでに)
    13. any more(もはや、もうこれ以上)
      1. 【過去との対比】:「もはや、すでに、とっくに」
      2. 【継続、続行】:「もう、今では、これからは」
      3. 【量や程度】:「これ以上、これほど、ここまで」
    14. by any means(決して、どうしても)

"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する
不定代名詞any(1)

"any"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。似た意味の"some"とは異なり、"any"は「数や量がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、"any"は疑問文否定文でよく使います→【参照】:『"some"は「ゼロではない」ことを暗示する

【例文】:Have you eaten any of these ice creams?[※疑問文]
【和訳】:この中のアイスでどれか食べたことがありますか。
→食べたことのあるアイスはゼロかもしれない
【例文】:I've not eaten any of these ice creams.[※否定文]
【和訳】:この中のアイスはどれも食べたことがない。
→食べたことのあるアイスはゼロ
【例文】:I have eaten some of these ice creams.[※肯定文]
【和訳】:この中のアイスでいくつかは食べたことがある。
→数種のアイスを食べたことがある

接続詞の"if"を使う文では肯定文でも"any"を使うことがあります。もしもの条件を表わす場合、可能性がほぼゼロの物事を表現するときに"any"を使います。可能性がゼロではない物事を表現するときは"some"を使います。

【例文】:If you encounter any difficulty, you should ask advice for someone.
【和訳】:もし壁にぶち当たったら誰かに相談しなさい。
→ニュアンスは「壁にぶち当たることはないと思うけれどもし…」
【例文】:If you encounter some difficulty, you should ask advice for someone.
【和訳】:もし壁にぶち当たったときは誰かに相談しなさい。
→ニュアンスは「おそらく壁にぶた当たるだろうけれどその時は…」

【関連トピック】

単独で使う"any"(誰か、どれか、一人も、一つも)
不定代名詞any(2)

不定代名詞の"any"は直前に出て来た名詞の代わりに使います。「数えられる名詞」と「数えられない名詞」のどちらを指すこともできます。

"any"のニュアンスは「(ゼロかもしれないが)ある程度の数、ある程度の量」」です。「数や量がある程度は存在するがゼロの可能性もある」ことを表わすので意味的にはかなり幅があります。和訳は疑問文なら「誰か、どれか、いくつか、いくらか」、否定文なら「一人も、一つも、少しも」などが可能です。

【例文】:I have old unused cell phones. Do you have any?
【和訳】:使わなくなった古い携帯電話を何台か持っています。あなたもいくつか持っていますか。
→"any"のニュアンスは「持っていないかもしれないが使わない古い携帯電話が一台でも」

【例文】:I think I bought five custard puddings but there isn't any left in the fridge.
【和訳】:プリンは五つ買ったはずだが冷蔵庫には一つも残っていない。
→"any"のニュアンスは「買った五つのプリンの中の一つさえも」

肯定文不定代名詞の"any"を使うときは「複数ある中でどれでもよいが」というニュアンスを表わすので、和訳は「誰でも、どれも、どれでも」などが可能です→【参照】:『不定代名詞anyの意味:肯定文で使う"any"

【例文】:"Which of these macarons do you want?" "Any."
【和訳】:「この中のマカロンどれがいいですか」「どれでもいいですよ
→"any"のニュアンスは「複数あるマカロンのうちどれでもOK」

any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)
不定代名詞any(3)

"any of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのどれか」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や集合名詞(単数形)、数えられない名詞(単数形)、人称代名詞の目的格(us, you, it, them)などを置きます。

たいてい"any"は「数や量がゼロかもしれない」ことを暗示するので"any of 〜も"疑問文否定文でよく使います→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する

any of 〜の構文
  1. any of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:I didn't eat any of the cookies(クッキーは食べなかった).
  2. any of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
    【例】:Was any of the people surprised?(びっくりした人はいましたか)
  3. any of + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
    【例】:I didn't drink any of the tea(紅茶は飲まなかった)
  4. any of + us/you/it/them
    【例】:Did any of them eat lunch?(昼御飯を食べた人はいましたか)
  5. any of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:The walls are cracked, any of which can collapse.(複数の壁に亀裂が入り、どれも倒壊しそうだ)

「any of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:売れ残った弁当の一部は廃棄されるのですか。
【 × 】:Are any of unsold box lunches disposed of?
【 ○ 】:Are any of the unsold box lunches disposed of?
→話題にしている「売れ残りの弁当」を指すので"unsold box lunches"に"the"を付ける

any of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞any:any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(1)

"any of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのいくらか」です。複数の選択肢の中の一部を表わすので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

【例文】:この中にあなたの自転車はありますか。
【英訳】:Does any of these bikes belong to you?
【英訳】:Do any of these bikes belong to you?
→"of"の次の名詞は複数形の"bikes"を使う

"any of 〜"の「数」は"any"に合わせて単数が基本です。しかし、"of"の次に置く名詞に合わせて複数にすることもあります。【例文】の場合、「数」を"any"に合わせた単数、"bikes"に合わせた複数の両方が可能です→【参照】:『不定代名詞に「数」はあるの?:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:"any"

any of + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞any:any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(2)

「any of + 集合名詞」の場合、集合名詞はたいてい単数形を使います。

【例文】:知っている人はこの写真に映っていません。
【 × 】:I don't know any of the peoples in this picture.
【 ○ 】:I don't know any of the people in this picture.
→"people"は集合名詞、単数形を使う

any of + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞any:any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(3)

「any of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【例文】:夏休みの宿題はどれもまったく手付かずだ。
【 × 】:I've not started any of my summer homeworks.
【 ○ 】:I've not started any of my summer homework.
→"homework"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

any of + us/you/it/them
不定代名詞any:any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)(4)

「any of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「any of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスがあります。

【例文】:I met some of my old firends at the class reunion, but I didn't recognize any of them.
【和訳】:同窓会で数人の旧友と会ったけれど、誰一人としてわからなかった。
→"them" = "friends"(数えられる名詞)

【例文】:We had heavy snow yesterday, but I haven't finished shoveling any of it.
【和訳】:昨日は大雪だった。だが、雪かきがまったくはかどらない。
→"it" = "snow"(数えられない名詞)

【関連トピック】

any of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞any:any of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(5)

「any of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。"one"を入れて「any one of + whom/which(関係代名詞)」と表現することもあります。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Please be cautious when you make meals for young children, any of whom might have an allergy.
(= Please be cautious when you make meals for young children, because any of them might have an allergy.)
【和訳】:小さい子に食事を作るときは注意して下さい。中にはアレルギーのある子がいるかもしれません。

【例文】:In this country there are several faults, any of which could cause a massive earthquake.
(= In this country there are several faults, and any of them could cause a massive earthquake.)
【和訳】:この国には複数の断層が存在し、いずれも巨大地震を引き起こす可能性がある。

【関連トピック】

「any + 名詞」
不定代名詞any(4)

不定代名詞any名詞の前に置いて形容詞として使うことができます。

any + 名詞の構文
【疑問文】:「any + 名詞」(誰か、どれか、少しは)
  • 「any + 複数形の名詞(数えられる名詞)」
    【例】:Do you have any pets?(何かペットを飼っていますか)
  • 「any + 単数形の名詞(数えられない名詞)」
    【例】:Do we have any time?(少しは時間があるのかな)
【否定文】:「any + 名詞」(誰も、何も、少しも)
  • 「any + 複数形の名詞(数えられる名詞)」
    【例】:We don't have any customers today.(今日は客が一人も来ない)
  • 「any + 単数形の名詞(数えられない名詞)」
    【例】:We don't sell any alcohol.(酒類は置いていません)

【疑問文】:「any + 名詞」(誰か、どれか、少しは)
不定代名詞any:「any + 名詞」(1)

「any + 名詞」は疑問文で数や量が「ゼロかもしれないがおそらく少しはある」ことを表わします。

"any"のニュアンスは「(ゼロかもしれないが)ある程度の数、ある程度の量」なので、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【例文】:Do I have any chances to run a full marathon?
【和訳】:フルマラソンを走る機会一度はあるだろうか。
→"chance"(機会)は「数えられる名詞」なので複数形の"chances"を使うのが普通

【例文】:Does outer space have any air?
【和訳】:宇宙空間には少しは空気がありますか。
→"air"(空気)は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

【否定文】:「any + 名詞」(誰も、何も、少しも)
不定代名詞any:「any + 名詞」(2)

「any + 名詞」は否定文で数や量が「完全にゼロである」ことを表わします。

"any"のニュアンスは「(ゼロかもしれないが)ある程度の数、ある程度の量」なので、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。

【例文】:I haven't watched any horror movies in my life.
【和訳】:生まれてこのかたホラー映画なんて一度も見たことがない。
→"movie"(映画)は「数えられる名詞」なので複数形の"chances"を使うのが普通

【例文】:There's not any caffeine in the coffee.
【和訳】:このコーヒーにはカフェイン少しも入っていない。
→"caffeine"(カフェイン)は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

"any 〜 not"の語順は不可
不定代名詞any(5)

"any"は「数や量がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する

否定文で「一人も〜ない、一つも〜ない」を表現するとき、"any"の後ろに"not"を置く"any 〜 not"や「not any + 名詞」の語順は文法的に不可です。代わりに「no + 名詞」を使います。

【例文】:学校に遅刻した生徒は一人もいなかった
【 × 】:Any students were not late for school.
【 × 】:Not any students were late for school.
【 ○ 】:No students were late for school.
→"any 〜 not"の語順や「not any + 名詞」は文法的に不可、代わりに「no + 名詞」を使う

【関連トピック】

肯定文で使う"any"
不定代名詞any(6)

any"は「数や量がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います。→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する

"any"を肯定文で使うこともあります。ニュアンスは「複数の選択肢があるがいずれを選んでも」です。どれを選んでも大した違いがないことを表わします。

肯定文のanyの構文
  1. 単独の"any"
    【例】:Any will do.(どれでもいいです)
  2. "any of 〜"
    【例】:any of the dogs(その犬の中のどれも), any of the food(その食べ物の中のどれも)
  3. 「any + 名詞(単数形)」
    【例】:any dog(どんな犬も), any food(どの食べ物も)
【関連トピック】

単独の"any"
不定代名詞any:肯定文で使う"any"(1)

単独で使う"any"は前に出て来た名詞の代わりです。「数えられる名詞」と「数えられない名詞」のどちらを指すこともできます。肯定文で使うとき"any"のニュアンスは「誰も、どれも」です。

【例文】:The tsunami was higher than any that had come.
【和訳】:今まで来たどの津波よりも高い津波だった。
→"any" = "any tusnamis"、"tsunami"(津波)は数えられる名詞

【例文】:We can offer seven kinds of tea. Drink any that you like.
【和訳】:紅茶は七種類を用意しています。好きなものを飲んで下さい。
→"any" = "any tea"、"tea"(紅茶)は数えられない名詞

【関連トピック】

"any of 〜"
不定代名詞any:肯定文で使う"any"(2)

"any of 〜"の場合、複数の選択肢の中から選び出すニュアンスを強調するので、"any of"の次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形を使います。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。肯定文で使うとき"any"のニュアンスは「〜のうちの誰も、〜のうちのどれも」です。

【例文】:テレビカメラはいずれも幽霊の姿を捉えることに成功した。
【 × 】:Any of these television camera succeeded in recording the figure of a ghost.
【 ○ 】:Any of these television cameras succeeded in recording the figure of a ghost.
→"any of"の次の「数えられる名詞」は"cameras"(複数形)を使う

【例文】:海外で暮らした経験についてどんなことでも教えて下さい
【 × 】:Please tell me any of your experiences when you lived abroad.
【 ○ 】:Please tell me any of your experience when you lived abroad.
→"experience"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK

【関連トピック】

「any + 名詞(単数形)」
不定代名詞any:肯定文で使う"any"(3)

形容詞として使う"any 〜"の場合、一つを選び出すニュアンスを強調するので、"any"の次に置く「数えられる名詞」はたいてい単数形を使います。「数えられない名詞」も単数形のままでOK。肯定文で使うとき"any"のニュアンスは「どんな〜でも、どの〜でも」です。

【例文】:このパスがあれば町中のどの温泉でも自由に入ることができる。
【 △ 】:This pass allows you to use any spas freely in this town.
【 ○ 】:This pass allows you to use any spa freely in this town.
→"any"の次の「数えられる名詞」は"spa"(単数形)を使うのが普通

【例文】:テロ対策のためどんな荷物でも預けなければならない。
【 × 】:We are supposed to deposit any luggages to prevent terrorism.
【 ○ 】:We are supposed to deposit any luggage to prevent terrorism.
→"of"の次の「数えられない名詞」は"luggage"(単数形)のままでOK

【関連トピック】

if文で使う"any"
不定代名詞any(7)

接続詞の"if"を使ったもしもの条件を表わす文では肯定文でも否定文でも"any"を使うことができます。ニュアンスは「(数や量がゼロかもしれないがもし)ある程度の数、ある程度の量」」です。

【例文】:If a child has accidentally swallowed any of your tablets, consult a doctor immediately.
【和訳】:もし子供が間違ってあなたの薬を一粒でも飲み込んだ場合はすぐに医師に相談して下さい。
→if文(肯定文)の"any"、ニュアンスは「ないとは思うがもし飲み込んだ場合は…」

【例文】:If I hadn't received any first aid training, I might not have able to save the man.
【和訳】:もし私が応急処置の訓練を一切受けていなかったら男性を救うことができなかったかもしれない。
→if文(否定文)の"any"、ニュアンスは「訓練をまったく受けていなかったとしたら…」

if文の場合、「数や量がゼロかもしれない」ことを強調するときは"any"を使います。「数や量がゼロではない」ことを強調するときは"some"を使います。

【例文】:If you come across any word you don't know, you should look it up in a dictionary.
【和訳】:もし意味がわからない単語に一つでも出くわしたら辞書を引いてみましょう。
→ニュアンスは「意味がわからない単語はないと思うけれどもしあったら…」(知らない単語はゼロかもしれない)
【例文】:If you come across some word you don't know, you should look it up in a dictionary.
【和訳】:もし意味がわからない単語に出くわしたら辞書を引いてみましょう。
→ニュアンスは「意味がわからない単語があった場合は…」(知らない単語はゼロではない)

【関連トピック】

否定語句(never, without, etc) + any
不定代名詞any(8)

"any"は"no"や"not"で表わす否定文のほかに、意味的に否定を表わす語句(never, without, etc)がある文でも使います。"any"のニュアンスは「(ゼロかもしれないが)ある程度の数、ある程度の量」です。

否定を表わす主な表現
【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:neither

【例文】:両機ともトラブルの報告は一切なかったがレーダーから機影が消えてしまった。
【 × 】:Neither plane had reported some trouble but they disappeared from radar.
【 ○ 】:Neither plane had reported any trouble but they disappeared from radar.
→否定の意味を表わす"neither"(どちらも〜ない)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:hardly, scarcely

【例文】:ガソリンがほとんど残っていない。
【 × 】:There is scarcely some gas left.
【 ○ 】:There is scarcely any gas left.
→否定の意味を表わす"scarcely"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:rarely, seldom

【例文】:住宅地で野生のイノシシやサルを見かけたことはめったにありませんでした。
【 × 】:We have seldom seen some wild boars or monkeys in the residential area.
【 ○ 】:We have seldom seen any wild boars or monkeys in the residential area.
→否定の意味を表わす"seldom"(めったに〜ない)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:little

【例文】:容疑者の誰かが暗殺に関与していたという証拠はほとんどない。
【 × 】:There is little evidence that some of the suspects was involved in the assassination.
【 ○ 】:There is little evidence that any of the suspects was involved in the assassination.
→否定の意味を表わす"little"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:never

【例文】:私たちは行方不明になった飼い猫が帰って来ると信じて疑っていません。
【 × 】:We've never had some doubt that our cat which went missing will return.
【 ○ 】:We've never had any doubt that our cat which went missing will return.
→否定の意味を表わす"never"(決して〜ない)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】
不定代名詞any:否定語句(never, without, etc) + any」:without

【例文】:何の前触れもなく道路の中央が陥没した。
【 × 】:The sinkhole appeared in the middle of the road without some warning.
【 ○ 】:The sinkhole appeared in the middle of the road without any warning.
→否定の意味を表わす"without"(〜なしで)があるので肯定文だが"any"を使う

【関連トピック】

副詞としての"any"(少しは、少しも)
不定代名詞any(9)

"any"は副詞として使うことができます。

"any"を形容詞やほかの副詞の前に置いて「最小限度でいいから、最小限度であっても」というニュアンスを表わします。たいてい"any"を形容詞副詞比較級の前や"different"(異なった)の前に置いて使います。"any"を動詞動詞の目的語の次に置くこともあります。会話でよく使います。

副詞の"any"の構文
  1. any + 比較級(形容詞)
    【例】:Fishing isn't any easier.(釣りはそんなにやさしくない)
  2. any + 比較級(副詞)
    【例】:Can't you swim any faster?(もう少し速く泳げませんか)
  3. any + differnet
    【例】:You're not any different from what you were.(昔のあなたと少しも変わらない)
  4. 自動詞 + any
    【例】:I don't care any.(ちっとも気にならない)
  5. 他動詞 + 目的語 + any
    【例】:It didn't hurt me any.(少しも痛くなかった)

"any"のニュアンスは疑問文では「少しは」、否定文では「すこしも〜ない」です。

不定代名詞any:副詞としての"any"(少しは、少しも):any + 比較級(形容詞)

【例文】:Are electric cigarettes healthier for you body?
【和訳】:電子たばこは体の健康のためによりよいのですか。
【例文】:Are electric cigarettes any healthier for you body?
【和訳】:電子たばこは体の健康のために少しはよくなるのですか。
→"any"は副詞、形容詞の"healthier"(より健康に良い)の意味を補足する

不定代名詞any:副詞としての"any"(少しは、少しも):any + 比較級(副詞)

【例文】:Can't you talk louder?
【和訳】:もっと大きな声で話してくれませんか。
【例文】:Can't you talk any louder?
【和訳】:もう少し大きな声で話してくれませんか。
→"any"は副詞、副詞の"louder"(もっと大声で)の意味を補足する

不定代名詞any:副詞としての"any"(少しは、少しも):any + differnet

【例文】:Are today's bikes different from the old ones?
【和訳】:最近の自転車は昔のとは違うのかな。
【例文】:Are today's bikes any different from the old ones?
【和訳】:最近の自転車は昔のとは少しは違うのかな。
→"any"は副詞、形容詞の"different"(違う)の意味を補足する

不定代名詞any:副詞としての"any"(少しは、少しも):自動詞 + any

【例文】:It hasn't rained since the 1st of May.
【和訳】:五月の一日から雨は降っていません。
【例文】:It hasn't rained any since the 1st of May.
(= It hasn't rained at all since the 1st of May.)
【和訳】:五月の一日から雨はまったく降っていません。
→"any"は副詞、自動詞の"rained"の意味を補足する

不定代名詞any:副詞としての"any"(少しは、少しも):他動詞 + 目的語 + any

【例文】:Can't you help me?
【和訳】:手伝ってくれませんか。
【例文】:Can't you help me any?
【和訳】:少しは手伝ってくれませんか。
→"any"は副詞、他動詞の"help"の意味を補足する

"any"を使うイディオム
不定代名詞any(10)

【目次】:"any"を使う主なイディオム

"any"を使う主なイディオムをまとめます。

any day now(すぐに、数日中に)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(1)

"any day now"のニュアンスは「すぐに、二三日のうちに、数日中にでも」です。"now"を省略して"any day"とすることもあります。

【例文】:The acceptance letter is going to arrive any day now.
【和訳】:合格通知はすぐに(二三日中に)届くでしょう。

"day"を"moment(瞬間), second(秒), minute(分), time(時)"に替えて「すぐに」のニュアンスを変化させることができます。

【例文】:The bus is going to leave any moment now.
【和訳】:バスは今にも(次の瞬間にも)出るでしょう。
【例文】:The bus is going to leave any second now.
【和訳】:バスはすぐにでも(数秒のうちに)出るでしょう。
【例文】:The bus is going to leave any minute now.
【和訳】:バスはすぐに(数分のうちに)出るでしょう。
【例文】:The bus is going to leave any time now.
【和訳】:バスはもうすぐ(程なく)出るでしょう。

any time(いつでも、いつ何時)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(2)

"any time"のニュアンスは「過去から現在未来を通じていつの時点においても」です。和訳は「いつでも、いかなる時でも、いつ何時」です。

一語で"anytime"と綴ることもあります。イギリス英語では"at"を入れて"at any time"と表現します。

【例文】:You can buy stamps any time at a convenience store.[※アメリカ英語]
【例文】:You can buy stamps anytime at a convenience store.[※アメリカ英語]
【例文】:You can buy stamps at any time at a convenience store.[※イギリス英語]
【和訳】:切手ならコンビニでいつでも買えるよ。

【例文】:Accidents can happen any time to anyone, no matter how skilled they are.[※アメリカ英語]
【例文】:Accidents can happen anytime to anyone, no matter how skilled they are.[※アメリカ英語]
【例文】:Accidents can happen at any time to anyone, no matter how skilled they are.[※イギリス英語]
【和訳】:事故はいつ何時、どんなに熟練の人の身にも起りうる。

any amount of(たくさんの、どれだけでも)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(3)

"any amount of"は数や量が必要にして充分にたくさんあることを表わします。

【例文】:The pharmacy sells any amount of herbal medicines.
【和訳】:この薬局ではたくさんの漢方薬を売っています。
→"any amout of"は「数」がたくさんあることを表わす

【例文】:There was any amount of food and water in the storehouse.
【和訳】:倉庫には大量の水と食料が蓄えてあった。
→"any amout of"は「量」がたくさんあることを表わす

イディオムではなく"any"の意味が「どれだけでも、いくらでも」のときもあります。

【例文】:Any amount of donation will be appreciated.
【 × 】:大量の寄付はありがたく思われます。
【 ○ 】:寄付はいくらでもけっこうです。
→"any amount of"の意味は「いくらでも」、イディオムではない

by any chance(もしかすると、ひょっとすると)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(4)

"by any chance"のニュアンスは「確信はないけれどもしかして」です。質問やお願いなどで直接的な物言いを避けて表現を和らげる効果があります。

【例文】:Are you Japanese?
【和訳】:あなたは日本人ですか。
【例文】:Are you Japanese, by any chance?
【和訳】:もしかすると、日本の方ですか。
→"by any chane"を使うと表現がやや丁寧になる

【例文】:Don't you make fun of me?
【和訳】:私のことからかっていませんか。
【例文】:Don't you make fun of me, by any chance?
【和訳】:ひょっとして私のことからかっていませんか。
→"by any chane"を使うと表現がやや控え目になる

at any cost(どんな犠牲を払っても、なんとしてでも)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(5)

"at any cost"のニュアンスは「どんな犠牲を払っても計画を実行する、なんとしてでも望ましくない出来事を未然に阻止する」です。"at all costs"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:At any cost we must stop prevent the use of nuclear weapons.
(= At all costs we must stop prevent the use of nuclear weapons.)
【和訳】:どんな犠牲を払おうとも我々は核兵器の使用を阻止しなければならない。
→核戦争勃発を未然に阻止するため全力を尽くす

否定文でのニュアンスは「どんなことがあっても〜しない、断じて〜をやらない」です。

【例文】:We must not destroy woods to make room for solar panels at any cost.
(= We must not destroy woods to make room for solar panels at all costs.)
【和訳】:森林を破壊してまで太陽電池パネルを設置する場所を確保することは絶対にしてはならない。
→無益な森林破壊をなんとしても阻止する

at any price(どんな犠牲を払っても、何がなんでも)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(6)

"at any price"のニュアンスは「目的を達成するためにはどんなことをしてでも」です。

【例文】:We must prevent a nuclear war at any price.
【和訳】:核戦争だけはなんとしても防がなければならない。
→どんな犠牲を払っても核戦争を防ぐ

否定文でのニュアンスは「どんなことがあっても〜しない、断じて〜をやらない」です。

【例文】:I don't want to eat GM foods (genetically modified foods) at any price.
【和訳】:遺伝子組み換え食品は断じて食べたくありません。
→何があっても食べない

at any rate(いずれにせよ、とにかく、そもそも)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(7)

【目次】:イディオム"at any rate"の意味

"at any rate"は複数の意味を表わします。

【関連トピック】

【核心、本題】:「いずれにせよ、とにかく」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(7)at any rate(いずれにせよ、とにかく、そもそも)(1)

"at any rate"は「今までの話はさて置いてさらに重要なことは」のニュアンスを表わします。和訳は「いずれにせよ、どちらにせよ、とにかく」です。

【例文】:Politicians often withdraw what they have said. At any rate I completely distrust them.
【和訳】:政治家はすぐに前言を翻す。いずれにせよ、彼らはまったく信用できない。

【最優先、最重要】:「とにかく、どうしても、何がなんでも」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(7)at any rate(いずれにせよ、とにかく、そもそも)(2)

"at any rate"は「どんな理由や事情があるとしても行動を実行する、あるいはやめておく」のニュアンスを表します。和訳は「とにかく、どうしても、何がなんでも」です。

【例文】:The traffic has been paralyzed by snowstorm. At any rate I have to go to work.
【和訳】:吹雪で交通が麻痺しているがとにかく仕事に行かなければ。

【追加説明】:「少なくとも、最低でも」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(7)at any rate(いずれにせよ、とにかく、そもそも)(3)

"at any rate"は文の最後に追加の情報の付け足しを表わします。和訳は「少なくとも、最低でも」です。

【例文】:Everyone agreed with me. At any rate no one disagreed.
【和訳】:みんなが私の意見に賛成してくれました。少なくとも反対はしませんでした。

in any case(いずれにせよ、とにかく)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(8)

"in any case"のニュアンスは「どんな理由や事情があるとしても」です。"in any event"や"at all events"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:In any case peace negotiations should continue.
(= In any event peace negotiations should continue.)
(= At all events peace negotiations should continue.)
【和訳】:何があろうと和平交渉は続けるべきだ。
→和平が成立する見込みがほぼゼロでも交渉は続ける

【例文】:The tsunami warning was canceled, but in any case we should still keep away from the shore.
(= The tsunami warning was canceled, but in any event we should still keep away from the shore.)
(= The tsunami warning was canceled, but at all events we should still keep away from the shore.)
【和訳】:津波警報は解除されたけれど、いずれにしてもまだ海岸から離れておくべきだ。
→警報の有無にかかわらず海岸にはまだ近づくべきではない

【関連トピック】

in any event(いずれにせよ、とにかく)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(9)

"in any event"のニュアンスは「どんな理由や事情があるとしても」です。"at all events"や"in any case"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:In any event, the summer vacation ends tomorrow.
(= At all events, the summer vacation ends tomorrow.)
(= In any case, the summer vacation ends tomorrow.)
【和訳】:いずれにせよ夏休みは明日で終わりだ。
→夏休みはいつかは終る

【例文】:Disasters come without warning. In any event, we need to prepare for them every day.
(= Disasters come without warning. At all events, we need to prepare for them every day.)
(= Disasters come without warning. In any case, we need to prepare for them every day.)
【和訳】:災害は何の前触れもなく発生する。とにかく、我々は日々備えておく必要がある。
→備えは前もってしておく

【関連トピック】

by any stretch of the imagination(想像をどんなにたくましくしても)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(10)

"by any stretch of the imagination"のニュアンスは「想像よりも現実は〜だ」です。たいてい否定文で「予想や想像に反して現実は〜ではない」という強い否定を表わします。

【例文】:Having a pet is not easy by any stretch of the imagination.
【和訳】:ペットを飼うということはどう考えても簡単なことではない
→飼う前に想像していたよりもはるかにむつかしい

in any shape or form(どんな種類の〜も、いかなる〜も)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(11)

"in any shape or form"のニュアンスは「種類や形態を問わずすべての」です。たいてい否定文で「いかなるものも〜ではない」という強い否定を表わします。

"in any shape or form"は名詞の次に置いて形容詞のように使います。

【例文】:We do not allow discrimination or harassment in any shape or form.
【和訳】:いかなる形であれ差別や嫌がらせは絶対に認めません
→"in any shape or form"は名詞の後ろに置く、たいてい否定文で使う

any longer(もはや、すでに)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(12)

"any longer"のニュアンスは「昔はそうだったが今は違う」です。通例、否定文で使います。"not any more"や"no longer"もほぼ同じ意味を表わします。

"any longer"は文尾に置いて副詞として使います。

【例文】:This island is not inhabited any longer.
(= This island is not inhabited any more.)
(= This island is no longer inhabited.)
【和訳】:この島にはもう人は住んでいない
→昔は住んでいたがが今は無人

【関連トピック】

any more(もはや、もうこれ以上)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(13)

【目次】:イディオム"any more"の意味

"any more"には複数の意味があります。どの意味でもたいてい否定文で使い、"any more"は文尾に置いて副詞として使います。

【過去との対比】:「もはや、すでに、とっくに」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム:any more(もはや、もうこれ以上)

"any more"は「昔はそうだったが今は違う」のニュアンスを表わします。"not any longer"や"no longer"もほぼ同じ意味を表わします。

アメリカ英語では一語で"anymore"と表記します。

【例文】:I'm not a vegetarian any more.[※イギリス英語]
【例文】:I'm not a vegetarian anymore.[※アメリカ英語]
(= I'm not a vegetarian any longer.)
(= I'm no longer a vegetarian.)
【和訳】:私はもう菜食主義者ではありません
→昔はそうだったが今は違う

【関連トピック】

【継続、続行】:「もう、今では、これからは」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム:any more(もはや、もうこれ以上)

"any more"は「過去や現在のある時点からそれ以降は」のニュアンスを表わします。

アメリカ英語では一語で"anymore"と表記します。

【例文】:Since you broke your promises, we couldn't trust you any more.[※イギリス英語]
【例文】:Since you broke your promises, we couldn't trust you anymore.[※アメリカ英語]
【和訳】:あなたは過去に何度も約束を破ってきたのでもう信用していません
→過去から現在にかけておそらく未来においても信用しない

【例文】:We must not increase GHG (greenhouse gas) emissions any more.[※イギリス英語]
【例文】:We must not increase GHG (greenhouse gas) emissions anymore.[※アメリカ英語]
【和訳】:温室効果ガスの排出量をこれ以上増やしてはならない
→これから未来にかけて増やしてはいけない

【量や程度】:「これ以上、これほど、ここまで」
不定代名詞any:"any"を使うイディオム:any more(もはや、もうこれ以上)

"any more"は「量や程度がこれ以上は」のニュアンスを表わします。

【例文】:What food do you want to eat until you can't eat any more?
【和訳】:もうこれ以上は無理だというほど食べてみたい食べ物はなんですか。
→一口も入らないほどまでに食べる

by any means(決して、どうしても)
不定代名詞any:"any"を使うイディオム(14)

"by any means"は否定文で強い否定を表わします。

【例文】:It is not by any means easy to stop using fossil fuels.
(= It is by no means easy to stop using fossil fuels.)
【和訳】:化石燃料の使用停止は決してたやすいものではない
→"not"の次に"by any means"を置く

【例文】:Science is not omnipotent, by any means.
【和訳】:科学は決して万能ではない
→"by any means"を文尾に置くこともある

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(53)
不定代名詞(10)
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二つあるうちの両方ともを表わす"both"

【目次】:不定代名詞"both"

"both"は「二つのうちどちらとも」を表わす
不定代名詞both(1)

"both"のニュアンスは「二つあるうちのどちらとも」です。三つ以上のすべてを表わすときは"all"を使います。

【例文】:Both of these countries are economic giants.
【和訳】:国とも経済大国です。
→話題にしている国の数は二つ
【例文】:All of these countries are economic giants.
【和訳】:これらすべての国は経済大国です。
→話題にしている国の数は三つ以上

【例文】:My children have both gone to school.
【和訳】:子供は二人とも学校へ行きました。
→私の子供は二人
【例文】:All my children have gone to school.
【和訳】:子供はみんな学校へ行きました。
→私の子供は三人以上

単独で使う"both"(どちらも、両方とも)
不定代名詞both(2)

不定代名詞の"both"は直前に出て来た名詞の代わりに使います。

【例文】:I've bought two huge bags of chips. You ate both?
【和訳】:特大ポテトチップスを二つ買ったんだが、二つとも食べちゃったのかな。
→"both" = "both of the huge bags of chips"(特大ポテトチップス二袋)

"both"は数えられない名詞二つを指すこともできます。

【例文】:Do you like rice, pasta, or both?
【和訳】:ごはんが好き、パスタが好き、それとも両方好き?
→"rice"(米)と"pasta"(パスタ)はどちらも数えられない名詞

both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)
不定代名詞both(3)

"both of 〜"の意味は「二つのうちのどちらとも」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

both of 〜の構文
  1. both of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:both of my hands(両手)
  2. both of + us/you/them
    【例】:Both of us are married.(二人とも結婚している)
  3. both of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:I have two dogs, both of which are poodles.(飼っている二匹の犬はどちらもプードルだ)

「both of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して二つとも〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:両目でこの円を見て下さい。
【 × 】:Look at this circle with both of eyes.
【 ○ 】:Look at this circle with both of your eyes.
→「あなたの両目」なので"eyes"に"your"を付ける

both of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞both:both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(1)

"both of 〜"の意味は「二人いるうちの二人とも、二つあるうちの両方とも」です。必ず「二つ」を指すので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。

【例文】:この男性は二人とも採用するつもりです。
【 × 】:I'm going to employ both of these man.
【 ○ 】:I'm going to employ both of these men.
→"of"の次の名詞は複数形の"men"を使う

【例文】:どちらの言語も消滅の危機に瀕している。
【 × 】:Both of the language are severely endangered.
【 ○ 】:Both of the languages are severely endangered.
→"of"の次の名詞は複数形の"languages"を使う

「both of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)」の場合、"of"を省略することができます。

【例文】:I'm going to employ both these men.
(= I'm going to employ both of these men.)
【和訳】:この男性は二人とも採用するつもりです。
→"of"は省略可能

【例文】:Both the languages are severely endangered.
(= Both of the languages are severely endangered.)
【和訳】:どちらの言語も消滅の危機に瀕している。
→"of"は省略可能

二つのどちらか一つのみを指すときは"either"を使います。

【例文】:Both of the men were all in black.
(= Both the men were all in black.)
【和訳】:男は二人とも完全な黒ずくめだった。
→"both"は「二人とも」を表わす
【例文】:Either of the men was all in black.
【和訳】:二人の男うち一人は完全な黒ずくめだった。
→"either"は「二人のうちどちらか一人」を表わす

both of + us/you/them
不定代名詞both:both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(2)

「both of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「both of + 人称代名詞(us/you/them)」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して両方とも〜である」というニュアンスがあります。

"both of + us/you/them"の場合、"of"の省略は不可です。

【例文】:野球の試合中に選手二人が激しく衝突した。二人とも無傷だった。
【 × 】:Two players collided violently during the baseball game. Both them were unhurt.
【 ○ 】:Two players collided violently during the baseball game. Both of them were unhurt.
→"them" = "two players"、"of"の省略は不可

【例文】:私たち二人は同じ高校に通っていました。
【 × 】:Both us went to the same high school.
【 ○ 】:Both of us went to the same high school.
→"of"の省略は不可

both of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞both:both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)(3)

「both of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:There were two nurses among the passengers, both of whom gave first aid to the injured.
(= There were two nurses among the passengers, and both of them gave first aid to the injured.)
【和訳】:乗客の中に看護師が二人いて、二人ともけが人に応急処置を施しました。

【例文】:The river has two dams, both of which have greatly affected the local ecosystem.
(= The river has two dams, and both of them have greatly affected the local ecosystem.)
【和訳】:この川には二つのダムがある。どちらも地域の生態系に多大な影響を与えている。

【関連トピック】

主語や目的語の意味を補足する"both"
不定代名詞both(4)

"both"は単独で主語や目的語の意味を補足することがあります。意味は「主語は二つとも」「目的語を二つとも」です。主語から離れた位置に"both"を置くこともあります。

"both"の位置
主語の意味を補足
  1. both + the/my/these/etc + 主語 + 動詞 + 〜
    【例】:Both the boys ate pizzas.(男の子は二人ともピザを食べた)
  2. 主語 + both + 動詞 + 〜
    【例】:The boys both ate pizzas.(男の子は二人ともピザを食べた)
  3. 主語 + be動詞 + both + 動詞 + 〜
    【例】:The boys were both eating pizzas.(男の子は二人ともピザを食べていた)
  4. 主語 + 助動詞 + both + 動詞 + 〜
    【例】:The boys have both eaten pizzas.(男の子は二人ともピザを食べ終えた)
目的語の意味を補足
  1. 主語 + 動詞 + both + the/my/these/etc + 目的語
    【例】:I ate both the pizzas.(ピザを二枚とも食べた)
  2. 主語 + 動詞 + 目的語(us/you/them) + both
    【例】:There were two pizzas. I ate them both.(ピザは二枚あった。二枚とも食べた)
  3. 前置詞 + both + the/my/these/etc + 目的語
    【例】:I bought pizzas for both my sons.(息子二人のためにピザを買って来た)
  4. 前置詞 + 目的語(us/you/them) + both
    【例】:I bought pizzas for you both.(二人のためにピザを買って来た)

主語の意味を補足
不定代名詞both:主語や目的語の意味を補足する"both":(1)

主語の意味を補足する"both"の構文はたいてい"both of 〜"で同じ意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"both":both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)

"both"が主語の意味を補足する場合、"both"をbe動詞助動詞の後ろ、動詞の前に置くことができます。

「both + the + 名詞」の場合、"the"は省略できます。

【例文】:その家は二軒とも避雷針を備えている。
【英訳】:Both the houses have lightning rods.
【英訳】:Both houses have lightning rods.
【英訳】:The houses both have lightning rods.
(= Both of the houses have lightning rods.
→"the"は省略可能、"both"は動詞の前にも置くことができる

【例文】:どっちの荷物もぺしゃんこにつぶれててひどく破けてる。
【英訳】:Both the packages have been crushed flat and ripped severely.
【英訳】:Both packages have been crushed flat and ripped severely.
【英訳】:The packages have been both crushed flat and ripped severely.
(= Both of the packages have been crushed flat and ripped severely.
→"the"は省略可能、"both"は動詞の前、be動詞の後ろにも置くことができる

【例文】:兄さんは二人ともNASAで働いています。
【英訳】:Both my elder brothers work at NASA.
【英訳】:My elder brothers both work at NASA.
(= Both of my elder brothers work at NASA.)
→"my"の省略は不可、"both"は動詞の前にも置くことができる

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目的語の意味を補足
不定代名詞both:主語や目的語の意味を補足する"both":(2)

目的語の意味を補足する"both"の構文はたいてい"both of 〜"で同じ意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"both":both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)

目的語が名詞の場合、"both"は名詞の前に置きます。目的語が人称代名詞(us, you, them)の場合、"both"は人称代名詞(us, you, them)次に置きます。

「both + the + 名詞」の場合、"the"は省略できます。

【例文】:息子がドーナツを二つとも食べてしまった。
【英訳】:My son has eaten both the donuts.
【英訳】:My son has eaten both donuts.
(= My son has eaten both of the donuts.)
→"both"は名詞の前に置く、"the"は省略可能

【例文】:目を大きく開けて下さい。
【英訳】:Please open both your eyes widely.
(= Please open both of your eyes widely.)
→"both"は名詞の前に置く、"your"の省略は不可

【例文】:あなた方二人が真実を話してくれることを望みます。
【英訳】:I want you both to tell the truth.
(= I want both of you to tell the truth.)
→"both"は人称代名詞"you"の次に置く

【例文】:彼ら二人だけでおじいちゃんの家へ行くのは無理でしょう。
【英訳】:It would be impossible for them both alone to go to their grandpa's house.
(= It would be impossible for both of them alone to go to their grandpa's house.)
→"both"は人称代名詞"them"の次に置く

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"the both 〜"や"my both 〜"は不可
不定代名詞both(5)

「both + the/my/these/etc + 名詞」の場合、"both"は必ず定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, our, your, his, her, their)、指示形容詞(these, those)の前に置きます。

ただし、"both"で主語や目的語の意味を補足する場合は"the/my/these/etc"の後ろに"both"を置くことがあります→【参照】:『不定代名詞"both":主語や目的語の意味を補足する"both":主語の意味を補足

【×】:the/my/these/etc + both + 名詞
【○】:both + the/my/these/etc + 名詞

【例文】:国とも核兵器を所持している。
【 × 】:The both countries have nuclear weapons.
【 ○ 】:Both the countries have nuclear weapons.
【 ○ 】:The countries both have nuclear weapons.)
(= Both of the countries have nuclear weapons.)
(= Both countries have nuclear weapons.)
→"both"は"the"の前に置く、動詞"have"の前に置くこともできる

【例文】:手首をねんざした。
【 × 】:I sprained my both wrists.
【 ○ 】:I sprained both my wrists.
(= I sprained both of my wrists.)
→"both"は"my"の前に置く

【例文】:これらの二件の火災の原因は火のついたたばこでした。
【 × 】:These both fires were caused by lit cigarette butts.
【 ○ 】:Both these fires were caused by lit cigarette butts.
【 ○ 】:These fires were both caused by lit cigarette butts.)
(= Both of these fires were caused by lit cigarette butts.)
→"both"は"these"の前に置く、be動詞"were"の後ろ、動詞"caused"の前に置くこともできる

"not 〜 both"の意味は「二つとも〜というわけではない」
不定代名詞both(6)

"both"を否定文で使うと意味は「二つとも〜というわけではない(= どちらか一方が〜である)」です。「どちらも〜ではない」は"neither"か"not 〜 either"で表わします→【参照】:『不定代名詞"either":"not 〜 either"の意味は「二つとも〜ではない」

【例文】:The police didn't arrest both of those men.
【和訳】:警察はあの二人の男を両方逮捕したわけではなかった
(= あの二人の男のどちらかを逮捕した)
【例文】:The police didn't arrest either of those men.
【例文】:The police arrested neither of those men.
【和訳】:警察はあの二人の男を両方とも逮捕しなかった

【例文】:I don't like both coffee and tea.
【和訳】:コーヒーと紅茶の両方を好きというわけではない
(= コーヒーと紅茶のどちらか一つのみが好きだ)
【例文】:I like neither coffee nor tea.
【例文】:I don't like either coffee or tea.)
【和訳】:コーヒーと紅茶はどちらも好きではない

【例文】:I haven't visited both countries.
【和訳】:どちらの国にも行ったことがあるわけではない
(= どちらか一つの国に行ったことがある)
【例文】:I haven't visited either countries.
【例文】:I have visited neither countries.
【和訳】:どちらの国にも行ったことがない

主語に"both"を使うとは「どちらも〜というわけではない」と「どちらも〜ではない」の両方に解釈できる場合があります。

【例文】:Both of the coffees were not hot.
【和訳】:コーヒーは両方とも温かいということはなかった。
(= どちらか一つは冷めていた)
【和訳】:コーヒーは両方とも温かくはなかった。
(= どちらも冷めていた)

英作文の場合は「どちらも〜というわけではない」は"both 〜 not"で、「どちらも〜ではない」は"neither"で表わすのが無難です。

【例文】:コーヒーは両方とも温かいということはなかった。
【英訳】:Both of the coffees were not hot.
(= どちらか一つは冷めていた)
【例文】:コーヒーは両方とも温かくはなかった。
【英訳】:Neither of the coffees were hot.
(= どちらも冷めていた)

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"both A and B"(AもBもどちらも、AもBも両方とも)
不定代名詞both(7)

"both A and B"のニュアンスは「AとBの両方に同じ共通の特徴がある」あるいは「ある一つの人や物事に対して二つの異なる特徴がある」です。

「二つのうちのどちらか」は"either A or B"で表わします→【参照】:『不定代名詞"either":"either A or B"(AあるいはB、AかBかのどちらか)。「二つのうちのどちらも〜ない」は"neither A nor B"で表わします→【参照】:『不定代名詞neither":"neither A nor B"(AもBも〜ない)

【例文】:Both my brother and sister and I are left-handed.
【和訳】:兄も姉もそして私もみんな左利きです。
→"both A and B"は二人の人物に共通の一つの特徴があることを表わす
【例文】:I am both a politician and a dairy farmer.
【和訳】:私は政治家であり酪農家でもあります。
→"both A and B"は一人の人物に二つの特徴があることを表わす

"both A and B"の場合、"both"の次に単数形の名詞を使うこともあります。

【例文】:Both the spoon and fork were dirty at the restaurant.
【和訳】:そのレストランで出されたスプーンとフォークは両方とも汚れていた。
→"fork, spoon"は単数形、スプーンとフォークは一本ずつ出された
【例文】:Both the spoons and forks were dirty at the restaurant.
【和訳】:そのレストランで出されたスプーンとフォークはどれも汚れていた。
→"forsk, spoons"は複数形、スプーンとフォークはどちらとも複数出された

"both A and B"の場合、"both"の次に「数えられない名詞」を使うこともできます。

【例文】:We bought both new furniture and new home appliances.
【和訳】:家具も家電も買い替えました。
→"furniture"(家具)は数えられない名詞、"appliance"(器具)は数えられる名詞

"both A and B"は名詞代名詞以外についても「両方である」ことを表現できます。

【例文】:The end of the movie was both unexpected and shocking.
【和訳】:その映画の最後は意外ショッキングなのものでした。
→"unexpected"と"shocking"は二つとも形容詞

【例文】:Wild lions currently exist both in Africa and in Asia.
→"in Africa"と"in Asia"は二つとも副詞句
【例文】:Wild lions currently exist in both Africa and Asia.
【和訳】:野生のライオンは現在アフリカとアジアの両方に棲息しています。
→"Africa"と"Asia"は二つとも固有名詞

【例文】:Picture books are designed to entertain and to educate children.
【和訳】:絵本というものは子供たちを楽しませて学ばせるように作られている。
→"to entertain"と"to educate"は二つともto不定詞

【例文】:The drone can both fly and move underwater.
【和訳】:このドローンは空も飛べるし水中でも動くことができる。
→"fly"と"move"は二つとも動詞

【関連トピック】

"both"は必ず複数扱い
不定代名詞both(8)

不定代名詞の"bothは必ず複数扱いです。受ける代名詞も複数、動詞も複数です→【参照】:『必ず複数扱いの不定代名詞:both

【例文】:どちらの町にも歴史的に重要な建物が数多く存在します。それらの建物が世界中の観光客を魅了します。
【 × 】:Both of the towns has many historic buildings. It attracts tourists from all over the world.
【 ○ 】:Both of the towns have many historic buildings. They attract tourists from all over the world.
→"both"は複数扱いなので複数形の"has, they, attract"を使う

【例文】:両親も私も卵アレルギーです。
【 × 】:Both my parents and I am allergic to eggs.
【 ○ 】:Both my parents and I are allergic to eggs.
→"both"は複数扱いなので複数形の"are"を使う

【関連トピック】

"both"を使うイディオム
不定代名詞both(9)

【目次】:"both"を使う主なイディオム

"both"を使う主なイディオムをまとめます。

the best of both worlds(一挙両得)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(1)

"the best of both worlds"のニュアンスは「性質が異なる二つの利点」です。よく「主語 + have the best of both worlds.」(主語は一挙両得だ)や「主語 + get/make the best of both worlds.」(主語にとって一挙両得だ)の形で使います。

【例文】:Working from home is the best of both worlds. We don't need to commute and to wear a suit.
【和訳】:在宅勤務は一挙両得だ。通勤しなくてすむしスーツを着る必要もない。

【例文】:If our meals mainly consist of vegetables, we can get the best of both worlds. They are healthy and easy to cook.
【和訳】:野菜中心の食事にすれば一挙両得だ。健康にいい上に作るのに手間がかからない。

burn the candle at both ends(自分を酷使する、無理をする)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(2)

"burn the candle at both ends"のニュアンスは「精根尽き果てるほどに朝から晩まで働く」です。和訳は「一日中働く、無理をする」などを当てます。

【例文】:I have burned the candle at both ends and paid off my debts.
【和訳】:朝から晩まで身を粉にして働いて借金を返した。

cut both ways(諸刃の剣だ、一長一短がある)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(3)

"cut both ways"のニュアンスは「ある物事について非常に良い面もあれば同じくらい良くない面もある」です。

【例文】:Wearing a face mask cuts both ways. It can prevent viruses from spreading but makes it difficult to communicate.
【和訳】:マスクの着用は諸刃の剣です。ウイルスの拡散を防ぐことはできますが意思の疎通がむつかしくなります。

have it both ways(二股をかける、いいとこ取りをする)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(4)

"have it both ways"のニュアンスは「相反する二つのことを両立させる」です。たいてい、否定文で「主語 + can't have it both ways.」の形で使います。ニュアンスは「相反する二つのことを両立させることはできない(なのでどちらか一つを選ぶしかない)」です。

【例文】:Nuclear power plants emit no greenhouse gases while the risk of radioactive contamination increases. They can't have it both ways.
【和訳】:原子力発電所は温室効果ガスの排出がゼロだが放射能汚染のリスクは高くなる。あちらを立てればこちらが立たぬだ

make both ends meet(ぎりぎりの生活をする)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(5)

"make both ends meet"のニュアンスは「借金をせずに自分の収入の範囲内でなんとかやりくりして生活する」です。"both"を省略して"make ends meet"と表記することもあります。

【例文】:It's hard to make both ends meet because prices have been rising and salaries remain flat.
(= It's hard to make ends meet because prices have been rising and salaries remain flat.)
【和訳】:物価は上がる一方で給料は横ばい状態なので日々の生活のやりくりが大変です。
→"both"は省略可能

take one's courage in both hands(勇気を奮い起こす)
不定代名詞both:"both"を使うイディオム:(6)

"take one's courage in both hands"のニュアンスは「恐怖を克服して困難なことや危険をことををやってみる」です。"courage"の意味は「勇気、度胸」です。

【例文】:I took my courage in both hands and crossed the old, dilapidated suspension bridge.
【和訳】:勇気をふり絞ってその古くて今にも壊れそうな吊り橋を渡った。

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ゼロから始める代名詞(54)
不定代名詞(11)
either(二つのうちのいずれか一つ、両方とも) 先頭へ

二つのうちの一つを表わす"either"

【目次】:不定代名詞"either"

"either"は「二つのうちのいずれか一つ」を表わす
不定代名詞either(1)

"either"のニュアンスは「二つのうちからどちらか一つ」です。二つともを表わすときは"both"を使います。

【例文】:Either of the hot dogs is super spicy.
【和訳】:どちらかが激辛ホットドッグである。
→激辛は二つあるうちのどちらか一つのみ
【例文】:Both of the hot dogs are super spicy.
【和訳】:どちらも激辛ホットドッグである。
→激辛は二つあるうちの両方

【例文】:Either you or I must have miscalculated.
【和訳】:あなたと私のどちらかが計算ミスをしたにちがいない。
→計算ミスをしたのは二人のうちの一人のみ
【例文】:Both you and I must have miscalculated.
【和訳】:あなたと私の両方が計算ミスをしたにちがいない。
→計算ミスをしたのは二人のうちの両方

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単独で使う"either"(いずれか、どちらも)
不定代名詞either(2)

不定代名詞の"either"は直前に出て来た名詞の代わりに使います。不定代名詞の"either"は単数扱いです→【参照】:『不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い:either(代名詞) → 単数扱い

【例文】:Boris and Samson began fighting. Before either was hurt badly, their teacher intervened.
【和訳】:ボリスとサムソンはけんかを始めた。どちらかがひどいけがをする前に二人の担任の先生が仲裁に入った。
→"either" = "Boris or Samson"(ボリスかあるいはサムソンが)

"either"は「数えられない名詞」を指すこともできます。

【例文】:"Would you like chicken or fish?" "Either will do."
【和訳】:「料理は鶏にしますか魚にしますか」「どちらでもけっこうです」
→"either" = "chicken or fish"、"chicken"(鶏)と"fish"(魚)はどちらも数えられない名詞

【関連トピック】

either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ)
不定代名詞either(3)

"either of 〜"の意味は「二つのうちのどちらか一つ」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。"either of 〜"自体は単数と見なすのが正式です。会話やくだけた文章では複数と見なすこともあります→【参照】:『不定代名詞"either":either of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

either of 〜の構文
  1. either of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【例】:either of the caps(二つある野球帽のどちらか)
  2. either of + us/you/them
    【例】:Either of us will go with you.(私たちのどちらかが一緒に行く)
  3. either of + whom/which(関係代名詞)
    【例】:The robbers were two men, either of whom was plump.(強盗は男二人、一人は小太りだった)

「either of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらかが〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:飼い猫のどちらかが私の夕飯の焼き魚を食べたにちがいない。
【 × 】:It is certain that either of cats ate the roasted fish for my dinner.
【 ○ 】:It is certain that either of my cats ate the roasted fish for my dinner.
→私の飼い猫を指すので"cats"に"my"を付ける

either of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞either:either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ)(1)

"either of 〜"の意味は「二人いるうちのどちらか一人、二つあるうちのどちらか一つ」です。必ず「二つのうちの一つ」を指すので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います→【参照】:『不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い:either of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:どちらかの車が中央線を越えて走っていた模様です。
【 × 】:Either of the car seemed to be going across the centerline.
【 ○ 】:Either of the cars seemed to be going across the centerline.
→"of"の次は複数形の"cars"を使う

【例文】:私は二人いる兄さんたちほど背は高くありません。
【 × 】:I'm not as tall as either of my brother.
【 ○ 】:I'm not as tall as either of my brothers.
→"of"の次は複数形の"brothers"を使う

【関連トピック】

either of + us/you/them
不定代名詞either:either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ)(2)

「either of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「either of + 人称代名詞(us/you/them)」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらかは〜である」というニュアンスがあります。

【例文】:Our dad is stronger in arm wrestling than either of us.
【和訳】:父さんは私たちのどちらよりも腕相撲が強い。

【例文】:Which will you choose chemistry or physics if you have to study either of them?
【和訳】:どちらか一つを勉強しなければならないとしたら、化学と物理学、どちらを選びますか。
→"them" = "chemistry or physics"

either of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞either:either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ)(3)

「either of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Their stories are contradictory, either of whom has told a lie.
(= Their stories are contradictory, and either of them has told a lie.)
【和訳】:二人の話は矛盾している。どちらかがうそをついている。

【例文】:I have a dog and a cat, either of which was soon accustomed to the other.
(= I have a dog and a cat, and either of them was soon accustomed to the other.)
【和訳】:犬と猫を一匹ずつ飼っています。どちらもすぐに相手と仲良しになりました。

「either + 単数名詞」(二つのうちのいずれか一つの)
不定代名詞either(4)

「either of the + 名詞」から"of the"を省略した「either + 名詞」の形も可能です。"either"の次に置く名詞は単数形です→【参照】:『不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い:either + 名詞(単数形) → 単数扱い

一方、「either of + 名詞」の場合、名詞は複数形です→【参照】:『不定代名詞"either":either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ」

「either + 名詞」の構文
  • either + 数えられる名詞(単数形)
    【例】:either dog(二匹の犬のどちらか)
    (= either of the dogs)

ごく少数の定型表現で「either + 単数名詞」が「二つのうちのどちらも、両方とも」の意味を表わすことがあります→【参照】:『不定代名詞"either":「either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも)

【例文】:新入りのどちらかが私たちの仕事を手伝ってくれるだろう。
【 × 】:Either newcomers will help us to work.
【 ○ 】:Either newcomer will help us to work.
(= Either of the newcomers will help us to work.)
→"either"の次の名詞は単数形を使う

【例文】:どちらかの惑星で人類は生存可能かもしれない。
【 × 】:Human beings might be able to survive on either planets.
【 ○ 】:Human beings might be able to survive on either planet.
(= Human beings might be able to survive on either of the planets.)
→"either"の次の名詞は単数形を使う

【関連トピック】

「either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも)
不定代名詞either(5)

「either + 単数名詞」は通例、二つあるうちのどちらか一つを表わします→【参照】:『不定代名詞"either":「either + 単数名詞」(二つのうちのいずれか一つの)

ごく少数の定型表現で「either + 単数名詞」が「二つのうちのどちらも、両方とも」の意味を表わすことがあります。よく見かける表現は四つのみ。"either"が"each"や"both"とほぼ同じ意味を表わします。

よく見かける「either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも)
不定代名詞either(5)either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも):direction

【例文】:This door can open in either direction.
(= This door can open in each direction.)
(= This door can open in both directions.)
【和訳】:このドアは手前側にも向こう側にも開けることができる。
→"either direction (= each direction, both directions)"の意味は「両方の方向」

不定代名詞either(5)either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも):end

【例文】:Never stop at either end of an escalator.
(= Never stop at each end of an escalator.)
(= Never stop at both ends of an escalator.)
【和訳】:エスカレーターの乗り口や降り口では絶対に立ち止まらないで下さい。
→"either end (= each end, both ends)"の意味は「エスカレーターの乗り口と降り口」

不定代名詞either(5)either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも):hand

【例文】:I saw a man with five or six plastic bags in either hand come out of the convenience store.
(= I saw a man with five or six plastic bags in each hand come out of the convenience store.)
(= I saw a man with five or six plastic bags in both hands come out of the convenience store.)
【和訳】:両手にレジ袋を五六個下げた男性がコンビニエンスストアから出て来るのを見ました。
→"either hand (= each hand, both hands)"の意味は「両方の手」

不定代名詞either(5)either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも):side

【例文】:There were cherry trees on either side of the road.
(= There were cherry trees on each side of the road.)
(= There were cherry trees on both sides of the road.)
【和訳】:道の両側には桜が植えてあった。
→"either side (= each side, both sides)"の意味は「両方の側」

【関連トピック】

"either A or B"(AあるいはB、AかBかのどちらか)
不定代名詞either(6)

"either A or B"で「二つのうちのどちらか」を表わすことができます。

「二つのうちのどちらとも」は"both A and B"で表わします→【参照】:『不定代名詞"both":"both A and B"(AもBもどちらも、AもBも両方とも)。「二つのうちのどちらも〜ない」は"neither A nor B"で表わします→【参照】:『不定代名詞neither":"neither A nor B"(AもBも〜ない)

"either A or B"を主語に使うとき「数」や人称は正式にはBに合わせます。ただし、会話やくだけた文章では"either A or B"を複数として扱います→【参照】:『不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い:either A or B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:あなたと私のどちらかが会議に出席することになる。
【英訳】:Either you or I am to attend the meeting.
→正式な表現、数と人称を"I"に合わせてbe動詞は"am"を使う
【英訳】:Either you or I are to attend the meeting.
→会話やくだけた文章では数を複数と見なしてbe動詞は"are"を使う

"or"の前後には「数えられない名詞」も使えます。

【例文】:All pasta entrees are served with either soup or salad.
【和訳】:すべてのパスタ料理にはスープサラダのどちらかが付いています。
→"soup"(スープ)と"salad"(サラダ)は数えられない名詞

三つ以上の項目を並べることもできます。

【例文】:Do you speak either French, German, Spanish or Portuguese?
【和訳】:フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語のいずれかを話せますか。
→"either A, B, C or D"で四者からの択一を表わす

"either A or B"は名詞代名詞以外についても「どちらか一つであること」を表現できます。

【例文】:If you could either go to the past or go to the future, which will you choose?
【和訳】:過去未来のどちらかに行く機会があるとしたらどちらを選びますか。
→"go to the past"と"go to the future"はどちらも動詞+前置詞句

【例文】:At lunchtime, children are free either to go home for lunch or to eat their lunch boxes at school.
【和訳】:昼休みに子供たちは家に帰って昼御飯を食べる学校で自分の弁当を食べるかを自由に選べます。
→"to go 〜 lunch"と"to eat 〜 boxes"はどちらもto不定詞

【例文】:If you feel either cold or dizzy, you should go to see a doctor.
【和訳】:もし寒気目まいのどちらかを感じたら、医者に診てもらって下さい。
→"cold"と"dizzy"は二つとも形容詞

【例文】:You can contact me either by phone or by email when you have trouble.
【和訳】:困ったときは電話メールかのどちらかで連絡しなさい。
→"by phone"と"by email"は二つとも前置詞句

【関連トピック】

文尾に置く"either"(〜もまた、さらに〜)
不定代名詞either(7)

"either"は単独で文尾に置いて「〜も、〜もまた」の意味を表わします。たいてい、直前の否定文に続けて同じく否定文で使います。"neither"を使ってほぼ同じ意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"neither":倒置になる"neither"

【例文】:My big sister doesn't like seafood. I don't like it either.
(= My big sister doesn't like seafood. Neither do I.)
【和訳】:姉は海産物が嫌いだし、私嫌いです。
→二つの文はどちらも否定文

【関連トピック】

肯定文では"also"や"too", "as well"を使います。

【例文】:My big sister likes seafood. I like it too.
【例文】:My big sister likes seafood. I like it as well.
【例文】:My big sister likes seafood. I also like it.
【和訳】:姉は海産物が好きだし、私好きです。
→二つの文はどちらも肯定文

"either"が肯定文に続く文で否定の情報の追加を表わすことがあります。和訳は「〜もまた」ではなく「その上、さらに、おまけに」です。

【例文】:Newborn babies have weak immunity, and cannot get vaccinated either.
【和訳】:新生児は免疫力が弱く、さらに予防接種を受けることができない。
→"either"がある文は否定文、前の文は肯定文

【例文】:The view from the observation platform is spectacular, and it isn't very crowded either.
【和訳】:この展望台からの見晴らしは壮観です。それにそれほど人が来ません。
→"either"がある文は否定文、前の文は肯定文

"not 〜 either"の意味は「二つとも〜ではない」
不定代名詞either(8)

"either"を否定文で使うと意味は「二つとも〜ではない」です。"neither"でほぼ同じ意味を表わすことができます。

「二つとも〜というわけではない(= どちらか一方が〜である)」は"not 〜 both"で表わします→【参照】:『不定代名詞"both":"not 〜 both"の意味は「二つとも〜というわけではない」

【例文】:I haven't watched either of the movies.
(= I have watched neither of the movies.)
【和訳】:その二つの映画はどちらも見たことがない
→"not 〜 either of A = neither of A"(Aのどちらも〜ない)
【例文】:I haven't watched both of the movies.
【和訳】:その二つの映画はどちらかは見たことがない
(= 二つの映画はどちらかは見たことがある)
→"not 〜 both of A"(Aのどちらかは〜ない)

【例文】:Jim doesn't have either a bike or a motorcycle.
(= Jim has neither a bike nor a motorcycle)
【和訳】:ジムは自転車とバイクのどちらも持っていません
→"not 〜 either A or B = neither A or B"(AとBのうちのどちらも〜ない)
【例文】:Jim doesn't have both a bike and a motorcycle.
【和訳】:ジムは自転車とバイクのどちらかを持っていない
(= ジムは自転車とバイクのどちらかを持っている)
→"not 〜 both A and B"(AとBのうちのどちらかは〜ない)

【例文】:I have not read either comic book.
(= I have read neither comic book.)
【和訳】:その二冊の漫画はどちらとも読んだことはない。
→"not 〜 either A = neither A"(Aのどちらも〜ない)
【例文】:I have not read both comic books.
【和訳】:その二冊の漫画のどちらかは読んだことはない。
(= 二冊のうちのどちらかは読んだ)
→"not 〜 both A"(Aのどちらかは〜ない)

【関連トピック】

"either 〜 not"の語順は不可
不定代名詞either(9)

否定文で「二人のうちのどちらも〜ない、二つのうちのどちらも〜ない」を表現するとき、"either"を主語に置いて後ろに"not"を置く語順は文法的に不可です。代わりに"neither"を使います。

【例文】:どちらの手もふさがっていた。
【 × 】:Either hand was not free.
【 ○ 】:Neither hand was free.
→「either + 名詞 〜 not」は不可、"neither"を使う

【例文】:どちらの道路も舗装されていない。
【 × 】:Either of the roads is not asphalted.
【 ○ 】:Neither of the roads is asphalted.
→「either of + 名詞 〜 not」は不可、"neither of"を使う

【関連トピック】

"either"は正式には単数扱い
不定代名詞either(10)

不定代名詞の"either"を主語で使う場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞は単数、動詞も単数形を使います。ただし、会話やくだけた文章では複数扱いになることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞:"either"(二つのうちのいずれか一つ、両方とも)

"either"の「数」の扱いについてまとめます。

"either"の「数」の扱い
  1. either(代名詞) → 単数扱い
    【例】:"Which do you want?" "Either is OK. "(どっちがいい。どっちでもいいよ)
  2. either + 名詞(単数形) → 単数扱い
    【例】:Either egg is raw.(二つの卵のどちらかが生だ)
  3. either of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)
    【例】:Either of the eggs is raw.(二つの卵のどちらかが生だ)[※正式]
    【例】:Either of the eggs are raw.(二つの卵のどちらかが生だ)[※略式]
  4. either A or B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)
    【例】:Either you or I am mistaken.(あなたか私が間違っている)[※正式]
    【例】:Either you or I are mistaken.(あなたか私が間違っている)[※略式]
【関連トピック】
不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い(1):either + 名詞(単数形) → 単数扱い

【例文】:「"grey"と"gray"のスペルはどちらが正しいですか」「どちらも正しいです」
【 × 】:'Which spelling is correct: "gray" or "grey"?' 'Either are correct.'
【 ○ 】:'Which spelling is correct: "gray" or "grey"?' 'Either is correct.'

不定代名詞"either"は単数扱いです。be動詞は"is"を使います。

【関連トピック】
不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い(2):either + 名詞(単数形) → 単数扱い

【例文】:二つあるタブレットのどちらかは満充電です。
【 × 】:Either tablets are fully charged.
【 ○ 】:Either tablet is fully charged.

"either"の次の名詞は単数形を使います。「either + 名詞」は単数扱い、be動詞は"is"を使います。

【関連トピック】
不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い(3):either of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:客のどちらかが傘を置き忘れて行ったようだ。
【 ○ 】:Either of the guests appears to have left his umbrella behind.
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【 ○ 】:Either of the guests appear to have left their umbrella behind.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

"either of"の次の名詞は複数形を使います。「either of + 名詞」は正式には単数扱い、複数扱いはくだけた表現です。

【関連トピック】
不定代名詞"either":"either"は正式には単数扱い(4):either A or B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:息子と私のどちらかがマラソン大会に参加するつもりです。
【 ○ 】:Either my son or I am going to take part in a marathon race.
→正式な表現、単数形の"am"を使う
【 ○ 】:Either my son or I are going to take part in a marathon race.
→くだけた表現、複数形の"are"を使う、話し言葉では普通

"either A or B"の場合、正式には数や人称をBに合わせます。複数扱いはくだけた表現です。

【関連トピック】

"either"を使うイディオム
不定代名詞either(11)

【目次】:"either"を使う主なイディオム

"either"を使う主なイディオムをまとめます。

either way(どちらにしても、どっちみち)
不定代名詞either:"either"を使うイディオム:(1)

"either way"のニュアンスは「可能性が二つあるうちのどちらが起っても結果はたいして変わらない」です。"in either case"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:If you stay home or evacuate, you need to prepare your emergency kits either way.
(= If you stay home or evacuate, you need to prepare your emergency kits in either case.)
【和訳】:自宅に留まるにせよ避難するにせよ、どちらにしても防災セットは準備する必要がある。

If you chase two rabbits, you will not catch either one.(二兎を追う者は一兎をも得ず)
不定代名詞either:"either"を使うイディオム:(2)

ことわざです。和訳の「二兎を追う者は一兎をも得ず」はそのまま日本語でも使います。

【例文】:"The government plans to cut taxes and simultaneously increase defense budget." "If you chase two rabbits, you will not catch either one."
【和訳】:「政府は減税と同時に国防費を増やすつもりだ」「二兎を追う者は一兎をも得ずだ

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ゼロから始める代名詞(55)
不定代名詞(12)
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二つとも違うことを表わす"neither"

【目次】:不定代名詞"neither"

"neither"は「二つのうちのどちらも〜ない」を表わす
不定代名詞neither(1)

"neither"のニュアンスは「二つあるうちのどちらも〜ではない」です。"neither"自体が「〜ではない」という否定の意味を持っています。「三つ以上の人やものに対して〜ではない」を表わすときは"none"を使います。

【例文】:Neither of the shops was open.
【和訳】:どちらの店も開いていなかった
→二軒の店のどちらも閉まっていた
【例文】:None of the shops was open.
【和訳】:どの店も開いていなかった
→三軒以上あるの店のどれも閉まっていた

【例文】:Neither dish is difficult to make.
【和訳】:どちらの料理も作るのはむつかしくありません
→二品ある料理のどちらも作るのは簡単
【例文】:None of the dish is difficult to make.
【和訳】:どの料理も作るのはむつかしくありません
→三品以上ある料理のどれも作るのは簡単

【関連トピック】

単独で使う"neither"(二つとも〜ない、どちらも〜ない)
不定代名詞neither(2)

不定代名詞の"neither"は直前に出て来た名詞の代わりに使います。不定代名詞の"neither"は単数扱いです→【参照】:『不定代名詞"neither":"neither"は正式には単数扱い:neither(代名詞) → 単数扱い

【例文】:"Which man did you see?" "I saw neither".
【和訳】:「見かけたのはどちらの男性ですか」「どちらでもありません
→"neither" = "not 〜 either man"(二人の男性のどちらも〜ない)

【例文】:I took two kinds of medicine. Neither could relieve my heartburn.
【和訳】:二種類の薬を飲んでみたがどちらも胸焼けには効かなかった
→"neither" = "the two kinds of medicine 〜 not"(その二種類の薬のどちらも〜ない)

【関連トピック】

neither of 〜(〜は二つとも〜ない)
不定代名詞neither(3)

"neither of 〜"の意味は「二つのうちのどちらも〜ない」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。"neither of 〜"自体は単数と見なすのが正式です。会話やくだけた文章では複数と見なすこともあります→【参照】:『不定代名詞"neither":"neither"は正式には単数扱い:neither of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

neither 〜 ofの構文
  1. neither of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
    【訳】:I ate neither of the cakes.(どっちのケーキも食べなかった)
  2. neither of + us/you/them
    【訳】:Neither of them came.(二人とも来なかった)
  3. neither of + whom/which(関係代名詞)
    【訳】:I found two batteries, neither of which worked.(乾電池を二本見つけたがどちらも切れていた)

「neither of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらも〜でない」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)人称代名詞形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。

【例文】:バイクを運転していた二人はどちらともヘルメットをしていなかった。
【 × 】:Neither of riders was wearing a helmet.
【 ○ 】:Neither of the riders was wearing a helmet.
→話題にしているバイク乗り二人を指すので"riders"に"the"を付ける

neither of + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞neither:neither of 〜(〜は二つとも〜ない)(1)

"neither of 〜"の意味は「二人いるうちのどちらも〜ない、二つあるうちのどちらも〜ない」です。必ず「二つのうちの二つとも」を指すので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います→【参照】:『不定代名詞"neither":"neither"は正式には単数扱い:neither of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:トラックは横転したがどちらの運転手にもけがはなかった模様だ。
【 × 】:Neither of the driver would be injured though their trucks overturned.
【 ○ 】:Neither of the drivers would be injured though their trucks overturned.
→"of"の次は複数形の"drivers"を使う

【例文】:どっちのゲームもプレイしたことはない
【 × 】:I have played neither of the game.
【 ○ 】:I have played neither of the games.
→"of"の次は複数形の"games"を使う

neither of + us/you/them
不定代名詞neither:neither of 〜(〜は二つとも〜ない)(2)

「neither of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。人称代名詞は直前に出て来た名詞の言い換えなので、「neither of + 人称代名詞(us/you/them)」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらも〜ではない」というニュアンスがあります。

【例文】:I have two brothers. Neither of them resemble me.
【和訳】:兄が二人います。どっちも私には似ていません
→"them" = "my two brothers"

【例文】:There were two pieces of information about the missing airliner, but neither of them were true.
【和訳】:行方不明の旅客機に関して二つの情報があったが、いずれも事実とは異なっていた
→"them" = "the two pieces of information"

neither of + whom/which(関係代名詞)
不定代名詞neither:neither of 〜(〜は二つとも〜ない)(3)

「neither of + whom/which(関係代名詞)」も可能です。関係代名詞は前にコンマ(,)がある関係代名詞をよく使います→【参照】:『前にコンマ(,)がある関係代名詞

【例文】:Both drivers, neither of whom worn a seat belt, were thrown from the cars and seriously injured.
【和訳】:双方の運転手はシートベルトをしておらず、二人とも車から投げ出され重傷を負った。
→"whom" = "both drivers"

【例文】:I bought two flash drives, neither of which worked well.
(= I bought two flash drives, but neither of them worked well.)
【和訳】:USBメモリを二つ買ったけれど二つとも正常に動作しなかった
→"whom" = "the two flash drives"

「neither + 単数名詞」(二つとも〜ない)
不定代名詞neither(4)

「neither of + 名詞」から"of the"を省略した「neither + 名詞」の形も可能です。"neither"の次に置く名詞は単数形です→【参照】:『不定代名詞"neither":"neither"は正式には単数扱い:neither + 名詞(単数形) → 単数扱い

一方、「neither of + 名詞」の場合、名詞は複数形です→【参照】:『不定代名詞neither":neither of 〜(〜は二つとも〜ない)

「neither + 名詞」の構文
  • neither + 数えられる名詞(単数形)
    【例】:Neither cat was wearing a collar.(どっちの猫も首輪をしていなかった)
    (= Neither of the cats was wearing a collar.)

【例文】:両選手は激突したあと立ち上がれなかった
【 × 】:Neither players rose after the collision.
【 ○ 】:Neither player rose after the collision.
(= Neither of the players rose after the collision.)
→"neither"の次の名詞は単数形を使う

【例文】:どちらの地震でも被害や死傷者はまったく出なかった
【 × 】:Neither earthquakes caused any damage or casualties.
【 ○ 】:Neither earthquake caused any damage or casualties.
(= Neither of the earthquakes caused any damage or casualties.)
→"neither"の次の名詞は単数形を使う

【関連トピック】

"neither A nor B"(AもBも〜ない)
不定代名詞neither(5)

"neither A nor B"で「二つのうちのどちらも〜ない」を表わすことができます。

「二つのうちのどちらか」は"either A or B"で表わします→【参照】:『不定代名詞"either":"either A or B"(AあるいはB、AかBかのどちらか)。「二つのうちのどちらとも」は"both A and B"で表わします→【参照】:『不定代名詞"both":"both A and B"(AもBもどちらも、AもBも両方とも)

"neither A nor B"を主語に使うとき「数」や人称は正式にはBに合わせます。ただし、会話やくだけた文章では"neither A or B"を複数として扱います→【参照】:『不定代名詞"neither":"neither"は正式には単数扱い:neither A nor B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:夫も私もここの出身ではないので、ここには親戚がいません。
【英訳】:Neither my husband nor I was born here, so we have no relatives here.
→正式な表現、数と人称を"I"に合わせてbe動詞は"was"を使う
【英訳】:Neither my husband nor I were born here, so we have no relatives here.
→会話やくだけた文章では数を複数と見なしてbe動詞は"were"を使う

"nor"の前後には「数えられない名詞」も使えます

【例文】:Neither wind power nor solar power is constantly available.
【和訳】:風力発電も太陽光発電も常時利用できるわけではない。
→"wind power"(風力発電)と"solar power"(太陽光発電)は数えられない名詞

三つ以上の項目を並べることもできます。

【例文】:I eat neither beef, pork, poultry, fish, nor eggs.
【和訳】:私は牛肉も豚肉も鶏肉も魚もそして卵のどれも食べません。
→"neither A, B, C, D, nor E"で五者の否定を表わす

"neither"は名詞代名詞以外についても「二つとも〜ない」を表現できます。

【例文】:O'Donel neither agreed nor disagreed.
【和訳】:オドンネルは賛成も反対もしなかった。
→"agree"と"disagree"は二つとも動詞

【例文】:I want neither to order others nor to be ordered by anyone.
【和訳】:誰にも命令したくないし、誰にも命令されたくもありません。
→"to order others"と"to be 〜 anyone"は二つともto不定詞

【例文】:Your new cake was highly appreciated because it was neither too sweet nor too mild.
【和訳】:甘すぎもせず淡白でもなかったので、あなたが作った新しいケーキは非常に好評でした。
→"sweet"と"mild"は二つとも形容詞

【例文】:You can access the island neither by ship nor by plane.
【和訳】:その島へは船も飛行機も出ていない。
→"by ship"と"by plane"は二つとも前置詞句

【関連トピック】

倒置になる"neither"
不定代名詞neither(6)

"neither"や"either"を使って文のダブった部分を省略することがあります。この時、"neither"は倒置を使います。一方、"either"は倒置を使わずに"either"をそのまま文尾へ置きます→【参照】:『不定代名詞"either":文尾に置く"either"(〜もまた、さらに〜)

【例文】:私は花粉症ではありませんし、兄弟姉妹たちも花粉症ではありません
【英訳】:I don't suffer from hay fever, and neither do my siblings.
【英訳】:I don't suffer from hay fever, and my siblings don't either.
(= I don't suffer from hay fever, and my siblings don't suffer from hay fever)

二つの【英訳】で省略した部分は"suffer from hay fever"です。"neither"の場合、語順は「neither + 助動詞 + 主語」です。一方、"either"の場合、語順は「主語 + 助動詞 + either」です。

"neither"の代わりに"nor"を使うこともできます。"nor"の場合も倒置を使います。

【例文】:「スマートフォンは持っていない」「私も持っていません」
【英訳】:"I don't have a smartphone." "Nor do I."
(= "I don't have a smartphone." "Neither do I.")
(= "I don't have a smartphone." "I don't either.")

【関連トピック】

"neither"は正式には単数扱い
不定代名詞neither(7)

不定代名詞の"neither"を主語に使う場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞は単数、動詞も単数形を使います。ただし、会話やくだけた文章では複数扱いになることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞:"neither"(二つあるうちどちらも〜ない、どちらも〜ない)

"neither"の「数」の扱いについてまとめます。

"neither"の「数」の扱い
  1. neither(代名詞) → 単数扱い
    【例】:"Which do you want?" "Neither is OK. "(どっちがいい。どっちもいらない)
  2. neither + 名詞(単数形) → 単数扱い
    【例】:Neither egg is raw.(二つの卵はどちらも生ではない)
  3. neither of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)
    【例】:Neither of the eggs is raw.(二つの卵はどちらも生ではない)[※正式]
    【例】:Neither of the eggs are raw.(二つの卵はどちらも生ではない)[※略式]
  4. neither A nor B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)
    【例】:Neither you nor I am angry.(あなたも私も怒っていない)[※正式]
    【例】:Neither you nor I are angry.(あなたも私も怒っていない)[※略式]
【関連トピック】
不定代名詞neither:"neither"は正式には単数扱い:(1):neither(代名詞) → 単数扱い

【例文】:猫を二匹飼っていますがどちらも父に懐いていません。
【 × 】:We have two cats. Neither are familiar with my father.
【 ○ 】:We have two cats. Neither is familiar with my father.
→代名詞"neither"は単数扱い、be動詞は"is"を使う

【関連トピック】
不定代名詞neither:"neither"は正式には単数扱い:(2):neither + 名詞(単数形) → 単数扱い

【例文】:どちらの飲み物にもアルコールは入っていません。
【 × 】:Neither drinks contain any alcohol.
【 ○ 】:Neither drink contains any alcohol.
→「neither + 名詞」は単数扱い、動詞は"contains"を使う

"neither"の次の名詞は必ず単数形を使います。

【関連トピック】
不定代名詞neither:"neither"は正式には単数扱い:(3):neither of + 名詞(複数形) → 単数扱い(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:どちらのチームも全力を出し切れなかった
【 ○ 】:Neither of the teams was able to do his best.
→正式な表現、単数形の"was"を使う
【 ○ 】:Neither of the teams were able to do their best.
→くだけた表現、複数形の"were"を使う、話し言葉では普通

"neither of"の次の名詞は必ず複数形を使います。

【関連トピック】
不定代名詞neither:"neither"は正式には単数扱い:(4):neither A nor B → 数と人称はBに合わせる(正式)、複数扱い(略式)

【例文】:父さんも私もこのイチゴジャムの瓶を開けることができない。
【 ○ 】:Neither my dad nor I am able to open the jar of strawberry jam.
→正式な表現、単数形の"am"を使う
【 ○ 】:Neither my dad nor I are able to open the jar of strawberry jam.
→くだけた表現、複数形の"are"を使う、話し言葉では普通

"neither A nor B"の場合、正式には数や人称をBに合わせます。複数扱いはくだけた表現です。

【関連トピック】

"neither"を使うイディオム
不定代名詞neither(8)

【目次】:"neither"を使う主なイディオム

"neither"を使う主なイディオムをまとめます。

neither here nor there(見当外れな、取るに足らない)
不定代名詞neither:"neither"を使うイディオム:(1)

"neither here nor there"のニュアンスは「人物や物事がたいして重要ではない」です。

【例文】:Who started a war is neither here nor there. The most important thing is how we end the war.
【和訳】:誰が戦争を始めたかは重要ではない。もっとも大切なことはどうやってその戦争を終わらせるかだ。

neither fish nor fowl(得体の知れない、どっちつかずの)
不定代名詞neither:"neither"を使うイディオム:(2)

"neither fish nor fowl"のニュアンスは「ある人物や物事について二面性があり正体がはっきりとはわからない」です。"neither fish, fowl nor good red herring"と表現することもあります。"fowl"の意味は「ニワトリなどの家禽」、"red herring"の意味は「燻製のニシン」です。

"neither one thing nor the other"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:I feel AI announcers are neither fish nor fowl. I can't tell them from real humans.
(= I feel AI announcers are neither fish, flesh nor good red herring. I can't tell them from real humans.)
(= I feel AI announcers are neither one thing nor the other. I can't tell them from real humans.)
【和訳】:AIで作られたアナウンサーは得体が知れない気がする。私には本物の人間と区別がつかない。

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ゼロから始める代名詞(56)
不定代名詞(13)
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特に限定しない一人を表わす"somebody, someone"

【目次】:不定代名詞"somebody, someone"

somebody, someone(誰か)
不定代名詞somebody, someone(1)

"somebody, someone"は「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と一人の人物」を指します。"somebody"と"someone"はほぼ同じ意味ですが、"someone"のほうが多少丁寧に聞こえます。

"somebody, someone"は、"some"と同様に、たいてい「人数がゼロではない」ことを暗示します。なので、"somebody, someone"は肯定文でよく使います。疑問文否定文で「名前も顔も知らない人、よくわからない人」を表わすときは"anybody, anyone"を使います→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone"(誰か、誰でも)

【例文】:Someone is waving at me. But who is it?
【和訳】:誰かがこっちに向かって手を振っているけど、誰だろう。
→知り合いなのかどうかは今の時点ではわからない

"somebody, someone"は誰になるのか決まっていない後釜や後任などの「不特定や未決定の一人」を指すこともあります。

【例文】:It is very hard to find someone who can replace Kirk as a captain.
【和訳】:キャプテンとしてカークの後釜を務めることができる人物を探すのは非常にむつかしい。
→後釜が具体的には誰なのかわからない

知っている人物だけどわざと名前を伏せる場合も"somebody, someone"を使います。

【例文】:Someone you know very well told me the rumor about you.
【和訳】:あなたがよく知っている人物があなたに関する噂を話してくれました。
→噂を話してくれた人を話し手は知っているがあえて名前は言わないでいる

「〜に類する人、〜か誰か」を表わすときは"〜 or somebody", "〜 or someone"を使います。

【例文】:We should know what to do if a passer-by or someone collapses.
【和訳】:通りすがりの人や誰かが突然倒れたら何をすべきか知っておくべきだ。
→"or someone"の意味は「(通りすがりの人以外に)偶然居合わせた人や同行していた人など」

【関連トピック】

"some one"と"someone"の違い
不定代名詞somebody, someone(2)

"someone"の意味は「誰か」です。"some one"の意味は「誰か一人、どれか一つ」です。

"someone"と"some one"の違い
  1. "someone"は一語の代名詞(誰か)、"some one"は「形容詞 + 代名詞」(誰か一人、どれか一つ)
  2. "someone"は人を指す、"some one"は人でも人以外でも使える
  3. "of 〜"が続く場合、"some one of 〜"は可、"someone of 〜"は不可、"somebody of 〜"も不可

【例文】:プチトマトをひとパック買ってきた。一個虫が食っていた。
【 × 】:I bought a pack of cherry tomatoes. Someone of them was wormy.
【 × 】:I bought a pack of cherry tomatoes. Somebody of them was wormy.
【 ○ 】:I bought a pack of cherry tomatoes. Some one of them was wormy.
→"cherry tomato"(プチトマト)を指すので"someone"は不可

【例文】:駅は人でごった返していました。その中の誰か一人が線路に落ちた子供を救助しました。
【 × 】:There was a crowd of people on the platform. Someone of them saved the child who fell on the railroad.
【 × 】:There was a crowd of people on the platform. Somebody of them saved the child who fell on the railroad.
【 ○ 】:There was a crowd of people on the platform. Some one of them saved the child who fell on the railroad.
→"of 〜"(〜の中の)が続く場合は"some one"を使う

疑問文や否定文やif文での"somebody, someone"
不定代名詞somebody, someone(3)

"somebody, someone"は「人数がゼロではない」ことを暗示するので主に肯定文で使います→【参照】:『不定代名詞"somebody, someone":somebody, someone:(誰か)

疑問文否定文やif文で"somebody, someone"を使うと「人数がゼロではない」というニュアンスを強調します。"anybody, anyone"を使うと「人数がゼロかもしれない」というニュアンスを強調します。

【例文】:Is there somebody in the classroom?
【和訳】:教室に誰かがいるのかな。
→話し手は誰かがいるような気がしている
【例文】:Is there anybody in the classroom?
【和訳】:教室に誰かいるのかな。
→話し手は誰もいないかもしれないと思っている

【例文】:ケニーは敵に回したくないだ。
【 × 】:Kenny is not anyone who you want to have as an enemy.
【 ○ 】:Kenny is not someone who you want to have as an enemy.
→"Kenny"は実在の人物なので否定文だが"someone"を使う

【例文】:What do you do if someone is bullied in their group?
【和訳】:もしグループの中の誰かがいじめられていたらあなたならどうしますか。
→現実にいじめが行われている可能性がゼロではない
【例文】:What would you do if anyone was bullied in their group?
【和訳】:もしグループの中の誰かがいじめられているとしたらあなたならどうしますか。
→現実にいじめが行われている可能性はほぼゼロ

【関連トピック】

somebody, someone(偉い人、大人物)
不定代名詞somebody, someone(4)

"somebody, someone"は「偉い人、大人物、偉人」の意味を表わすことがあります。たいてい、肯定文で使います。意味的には代名詞ではなく名詞ですが、"somebody, someone"の前に不定冠詞(a)を置かないのが普通です。複数形の"somebodies, someones"も可能です。

疑問文否定文ではよく"anybody, anyone"を使います→【参照】:『不定代名詞anybody, anyone(偉い人、大人物)

【例文】:You should make every effort not to be someone but to do something.
【 × 】:誰かになるためではなく、何かをするためにあらゆる努力をするべきだ。
【 ○ 】:偉人になるためではなく、偉業を成し遂げるために心血を注ぐべきだ
→"someone"の意味は「偉人、偉い人」、"someone"の前の不定冠詞(a)はよく省略する

【例文】:Lawmakers might be somebodies, but I don't even know most of them by name.
【 × 】:議員というものは誰かかもしれないが、ほとんどの議員については名前さえ知らないよ。
【 ○ 】:議員というものは有力者かもしれないが、ほとんどの議員については名前さえ知らないよ。
→"somebodies"の意味は「有力者、偉い人」

【関連トピック】

somebody else, someone else(ほかの誰か)
不定代名詞somebody, someone(5)

"somebody else, someone else"は「自分たち以外の誰か」を表わします。特定の人物を想定した話の場合は疑問文否定文でも"somebody else"や"someone else"を使います。

【例文】:I accidentally sent an email to someone else.
【和訳】:うっかりして誰かほかの人にメールを送ってしまった。
→"someone else"は話し手と聞き手以外の第三者を指す(肯定文)

【例文】:You shouldn't expect someone else to have the same opinion as you.
【和訳】:他人があなたと同じ意見を持っていると期待してはいけません。
→"someone else"は話し手と聞き手以外の第三者を指す(否定文)

"somebody else"や"someone else"は"'s"を付けて「〜の」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"somebody, someone":somebody's, someone's(誰かの〜)

【関連トピック】

somebody's, someone's(誰かの〜)
不定代名詞somebody, someone(6)

"somebody, someone"は"'s"を付けて「誰かの〜」の意味を表わすことができます。特定の人物を想定した話の場合は疑問文否定文でも"somebody's"や"someone's"を使います。

【例文】:Someone's car is parked in front of my house.
【和訳】:家の前に誰かの車が止めてある。
→"someone's"の意味は「誰かの〜」(肯定文)

【例文】:Is this someone's notebook?
【和訳】:これは誰のノートですか。
→"someone's"の意味は「誰かの〜」(疑問文)

【例文】:Don't steal someone's parking space.
【和訳】:他人の駐車スペースに勝手に止めてはいけません
→"someone's"の意味は「誰かの〜」(否定文)

"somebody's, someone's"は"somebody is, somebody has, someone is, someone has"の省略形として使うこともあります→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方:語句の短縮を表わす……「不定代名詞 + is/has」の場合

【例文】:I have a feeling somebody's watching me
【和訳】:誰かに見られている気がする。
→"somebody's" = "somebody is"

【例文】:Somebody's eaten my cheese cake.
【和訳】:誰かが私のチーズケーキを食べた。
→"somebody's" = "somebody has"

"somebody else, someone else"も"'s"を付けて「ほかの誰かの〜」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"somebody, someone":somebody else, someone else(ほかの誰か)

【例文】:I mistakenly took someone else's suitcase from the airport to my house.
【和訳】:間違えて誰かのスーツケースを空港から家まで持って帰って来てしまった。
→"someone else's"の意味は「自分以外のほかの誰かの〜」(肯定文)

【例文】:Can I use somebody else's PC?
【和訳】:誰かのパソコンを使わせてもらえますか。
→"someone else's"の意味は「自分以外のほかの誰かの〜」(疑問文)

【例文】:Don't blame me for someone else's mistake.
【和訳】:誰かほかの人のミスで私を責めるのは止めて下さい。
→"someone else's"の意味は「自分以外のほかの誰かの〜」(否定文)

【関連トピック】

「somebody + 形容詞」「someone + 形容詞」
不定代名詞somebody, someone(7)

"somebody, someone"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"somebody, someone"の後ろに置きます。

# somebody + 形容詞
【例】:somebody nice(すてきな人)
# someone + 形容詞
【例】:someone reliable(信頼できる人物)

【例文】:背が高い人の隣にいると自分がいかに小柄なのかを実感する。
【 × 】:I realize how short I am when tall somebody is next to me.
【 ○ 】:I realize how short I am when somebody tall is next to me.
(= I realize how short I am when a tall person is next to me.)
→形容詞"short"(小柄な)は"somebody"の後ろに置く

【例文】:次の市長はもっと若い人がいいと思います。
【 × 】:I think that the next mayor should be younger someone.
【 ○ 】:I think that the next mayor should be someone younger.
(= I think that the next mayor should be a younger person.)
→形容詞"younger"(より若い)は"someone"の後ろに置く

【関連トピック】

動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞somebody, someone(8)

不定代名詞の"somebody, someone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では複数形の人称代名詞(they, their, them)を使うことがあります。

【例文】:誰かが机の上に携帯電話を置いたままにしている。
【英訳】:Somebody has left his cell phone on the desk.
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【英訳】:Somebody has left his or her cell phone on the desk.
→堅い書き言葉、単数形の"his or her"を使う
【英訳】:Somebody has left their cell phone on the desk.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

不定代名詞の"somebody, someone"の場合、付加疑問文では人称代名詞を複数形の"they"で受けるのが普通です。

【例文】:今誰か写真を撮りましたよね。
【 × 】:Somebody has taken a picture, hasn't he?
【 ○ 】:Somebody has taken a picture, haven't they?
→付加疑問の場合、"somebody"は"they"で受ける、動詞も"haven't"を使う

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(57)
不定代名詞(14)
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知らない物事を表わす"something"

【目次】:不定代名詞"something"
【関連トピック】

something(何か)
不定代名詞something(1)

"something"は「よく知らないこと、よくわからない物事、漠然と何か」を指します。

"something"は、"some"と同様に、たいてい「物事の数がゼロではない」ことを暗示します。なので、肯定文でよく使います。疑問文否定文で「よく知らないこと、わからない物事」を表わすときは"anything"を使います→【参照】:『不定代名詞anything(何か、どれでも)

【例文】:I feel I forgot something.
【和訳】:何か忘れているような気がする。
→話し手は何を忘れたか思い出せない

"something"はとりあえず内容を伏せておきたい物事を表わすこともあります。

【例文】:I have something to tell you.
【和訳】:ちょっと君に話したいことがある。
→話し手は話の内容をわざと伏せている

【関連トピック】

something else(ほかの何か)
不定代名詞something(2)

"something else"は「ほかの何か」を表わします。たいてい肯定文で使います。疑問文否定文では"anything else"を使います→【参照】:『不定代名詞anything:anything else(ほかの何か、ほかのあらゆるもの)

【例文】:The explosion is thought to have been caused by something else other than gas leak.
【和訳】:その爆発はガス漏れ以外が原因だったと考えられています。
→"something else"はガス漏れ以外の爆発原因を指す

"something else"はイディオムとして「別格、特別」の意味があります→【参照】:『不定代名詞something:"something"を使うイディオム:something else(別格、特別)

【関連トピック】

something(多少、少し、いくらか、相当)
不定代名詞something(3)

"something"は量や程度がゼロではないが多くもないことを表わします。ニュアンスは「多少、少し、いくらか、相当、けっこう、かなり」です。

【例文】:I know something about fishing.
【和訳】:釣りのことなら少しは知っているよ。
→"something"は釣りに関する知識をそこそこ持っていることを表わす

【例文】:I can understand something of what you want to say.
【和訳】:あなたの言いたいことはある程度は理解できます。
→"something"は完璧な理解ではなく部分的な理解であることを表わす

「数字や人名 + something」(〜ごろ、〜あたり、〜なんとか)
不定代名詞something(4)

"something"は固有名詞や数字などの次に置いて正確にはわからないことを表わします。

【例文】:The man was taken to hospital at ten something at night.
【和訳】:男性は夜の十時ごろに病院へ運ばれてきた。
→"something"は十時の何分であるのか正確な時刻が不明であることを表わす

【例文】:I think my English teacher's name was Joe something.
【和訳】:英語の先生の名前はジョー・なんとかだったと思う。
→"something"は名前を覚えていないことを表わす

twenty-something(二十歳台の人)
不定代名詞something(5)

「数字 + ハイフン(-) + something」で特定の年齢層や特定の年齢層の人々を表わします。"twenty-something"の意味は「二十歳台、二十歳台の人」。複数形の"twenty-somethings"の意味は「二十歳台の人々」です。

【例文】:I guess Peter is forty-something.
【和訳】:ピーターは四十代だと思う。
→"forty-somehting"は四十歳から四十九歳までの人を指す

【例文】:Twenty-somethings seem to feel a vague anxiety about their future.
【和訳】:二十台の人たちは自分たちの将来について漠然とした不安を感じているようです。
→"twenty-somehtings"は二十歳から二十九歳までの年齢を指す

【関連トピック】

疑問文や否定文やif文での"something"
不定代名詞something(6)

"something"は「物事の数がゼロではない」ことを暗示するので主に肯定文で使います→【参照】:『不定代名詞something:something:(何か)

疑問文否定文やif文で"something"を使うと「数がゼロではない」というニュアンスを強調します。"anything"を使うと「数がゼロかもしれない」というニュアンスを強調します。

【例文】:Have you ever experienced something supernatural?
【和訳】:常識では説明のつかない何かを経験したことは今までにありますか。
→話し手は聞き手がそんな経験をしたことがあるかもしれないと思っている
【例文】:Have you ever experienced anything supernatural?
【和訳】:常識では説明のつかない何かを経験したことは今までにありますか。
→話し手は聞き手がそんな経験をしたことはないだろうと踏んでいる

【例文】:地球温暖化は一国だけで阻止できるものではない。
【 × 】:Global warming is not anything that a single country can stop.
【 ○ 】:Global warming is not something that a single country can stop.
→「地球温暖化」は現実に存在するので否定文だが"something"を使う

【例文】:If there's something wrong with the car, you need to contact the dealer.
【和訳】:車に何かトラブルが生じたら販売店に連絡する必要がある。
→話し手はトラブルが発生するかもしれないと考えている
【例文】:If there's anything wrong with the car, please contact us immediately.
【和訳】:もし車に何かトラブルが生じたらすぐに連絡をお願いします。
→話し手はトラブルが発生しないだろうと考えている

【関連トピック】

something(重要な事、良い事、たいした人、優秀な人物)
不定代名詞something(7)

"something"は「重要な物事や重要な人物」を表わすことがあります。たいてい、肯定文で使います。意味的には代名詞ではなく名詞ですが、"something"の前に不定冠詞(a)を置かないのが普通です。

疑問文否定文ではよく"anything"を使います→【参照】:『不定代名詞anything:anything(重要な事、良い事、たいした人、優秀な人物)

【例文】:There was something in what the students said.
【 × 】:生徒たちが言ったことには何かがあった。
【 ○ 】:生徒たちの言い分にも一理あった。
→"something"の意味は「重要な事、耳を傾けるべき所」、"something"の前に不定冠詞(a)は不要

【例文】:One who thinks he is something is often actually a nothing.
【 × 】:自分を何かだと考える人はしばしば実際は誰でもない。
【 ○ 】:自分を優秀な人と考える人ほどたいてい実際はつまらない人間である。
→"something"の意味は「重要人物、大物」、"something"の前に不定冠詞(a)は不要

【関連トピック】

「something + 形容詞」
不定代名詞something(8)

"something"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"something"の後ろに置きます。

# something + 形容詞
【例】:something unusual(ずば抜けた何か)

【例文】:顔に何か黄色いものが付いているよ。
【 × 】:You have yellow something on your face.
【 ○ 】:You have something yellow on your face.
→形容詞"yellow"は"something"の後ろに置く

【例文】:この部屋は何か臭い
【 × 】:There is smelly something in this room.
【 ○ 】:There is something smelly in this room.
→形容詞"smelly"は"something"の後ろに置く

"a little something"はイディオムとして「何か少し、ちょっとしたもの」を表わします→【参照】:『不定代名詞something:"something"を使うイディオム:a little something(何か少し、ちょっとしたもの)

【関連トピック】

"something"は必ず単数扱い
不定代名詞something(9)

不定代名詞の"something"は必ず単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。

【例文】:この部屋から何かが無くなっている。しかし、それが何なのかわからない。
【 × 】:Something have disappeared from this room, but I don't know what they are.
【 ○ 】:Something has disappeared from this room, but I don't know what it is.
→"something"は必ず単数扱いなので、単数形の"has"や"it is"を使う

"something"は付加疑問文でも必ず単数扱いです。

【例文】:何か焦げてない?
【 × 】:Something is burning, aren't they?
【 ○ 】:Something is burning, isn't it?
→"something"は付加疑問でも単数扱い、単数形の"isn't it"を使う

【関連トピック】

"something"を使うイディオム
不定代名詞something(10)

【目次】:"something"を使う主なイディオム

"something"を使う主なイディオムをまとめます。

a little something(何か少し、ちょっとしたもの)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(1)

"a little something"はイディオムとして「軽食や少量の飲み物、ちょっとした贈り物」などを表わします

【例文】:I want to eat a little something before we start drinking.
【和訳】:酒を飲む前にちょっと腹ごしらえをしたいな。
→"a little something"の意味は「軽い食事」

【例文】:It is said that you should drink a little something to stop hiccups.
【和訳】:しゃっくりを止めるには何か飲み物を少し飲むといいと言われている。
→"a little something"の意味は「少量の飲み物」

【例文】:Here's a little something to show my appreciation for your help.
【和訳】:これは助けていただいたことに対するほんの感謝の気持です。
→"a little something"の意味は「ささいな贈り物」

"a little something"以外の場合、形容詞はたいてい"something"の次に置きます→【参照】:『不定代名詞something:「something + 形容詞」

【関連トピック】

something else(別格、特別)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(2)

イディオムとしての"something else"の意味は「ほかから抜きん出てすぐれた人や物事」です。イディオムではない"something else"の意味は「ほかの何か」です→【参照】:『不定代名詞something:something else(ほかの何か)

【例文】:Ten pianists participated in the contest and only one of them was something else.
【和訳】:コンテストには十人のピアニストが参加したが一人だけが別格だった。
→一人がずば抜けて上手だった

【例文】:I drank fresh milk at a cow farm. That was something else.
【和訳】:牧場で飲んだ新鮮な牛乳は格別だった。
→過去に飲んだ牛乳とは比較にならないほどおいしかった

【関連トピック】

something like 〜(〜に似た人、〜に似た何か、〜のように)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(3)

"something like 〜"の意味は「〜に似た人、〜に似た何か」です。見た目の類似だけでなく、人や物事の性質や特徴などの類似も表わします。たいてい、肯定文で使います。

疑問文否定文では"anything like 〜"を使います→【参照】:『不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム:anything like 〜(〜に似た人、〜に似た何か、〜のように)

【例文】:The man threatened a bank clerk with something like a knife.
【和訳】:男はナイフのようなもので銀行員を脅した。
→"something like 〜"は外見の類似を表わす

【例文】:My parents wanted me to be something like a doctor or a lawyer.
【和訳】:両親は私が医者や弁護士のようなものになることを望んでいました。
→"something like 〜"は職業の性質の類似を表わす

【関連トピック】

something like + 数字(およそ、約)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(4)

"something like"は数字の前に置いてあまり正確ではない数値を表わします。和訳は「約、およそ、だいたい、ざっと」などです。

【例文】:This mountain is something like five hundred meters.
【和訳】:この山の高さはおよそ500メートルです。

"some"や"about"や"approximately"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:This mountain is some five hundred meters.
【例文】:This mountain is approximately five hundred meters.
【例文】:This mountain is about five hundred meters.
(= This mountain is something like five hundred meters.)
【和訳】:この山の高さはおよそ500メートルです。

【関連トピック】

something of a 〜(かなりの〜、ちょっとした〜)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(5)

"something of a 〜"は人や物事について、事実や定義が完全ではないがある程度は当てはまることを表わします。たいてい肯定文で使います。

疑問文否定文では"anything of a 〜"を使います→【参照】:『不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム:anything of a 〜(少しは〜、少しも〜)

【例文】:Our teacher is interesting but has something of a short temper.
【和訳】:先生は面白いけれどちょっと怒りっぽい。
→「先生」はいつもではないがときどき怒ることがある

【例文】:There was something of a panic among the passeners after the train suddenly stopped.
【和訳】:列車が緊急停止したあと車内の乗客はちょっとしたパニック状態に陥った。
→本格的なパニックに陥る手前だった

"something of a 〜"は人に対して褒め言葉として使うことがあります。

【例文】:The teacher is something of a soccer player.
【和訳】:先生のサッカーの腕前は相当なものだ
→素人とは思えないレベルだ

【関連トピック】

something or other(何か)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(6)

"something or other"の意味は「わからない何か、何かはっきりしないと」です。"or other"を付けると"something"単体よりも不明のニュアンスを強調します。

【例文】:My cat was watching something in the air.
【和訳】:飼い猫が空中の何かを見ていた。
【例文】:My cat was watching something or other in the air.
【和訳】:飼い猫が空中の何か見えないものを見ていた。
→"or other"を付けると「猫が見ていたもの」が不明であることを強調する

something tells A that 〜(Aは〜という気がする、〜だと思える)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(7)

"something tells A that 〜"は予感や予想を表わします。自分の意見を控え目に表明するときにも使います。"that"はよく省略します。

【例文】:When Noel saw a car zigzagging, something told him that the driver lost consciousness.
【和訳】:ジグザグ走行をする車を見てノエルはドライバーが気を失っていると感じた
→"something told him that 〜"は予測、予想を表わす

【例文】:Something tells me we should have turned right at that crossroads.
【和訳】:さっきの交差点は右に曲ればよかったような気がする
→"something tells me 〜"は控え目な意見表明を表わす

A have something going for A(Aには何かいいところがある)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(8)

"A have something going for A"の意味は「Aには美点一つは長所や美点がある」です。主語のAは人も人以外も可能です。

【例文】:The president has something going for him that attracts people.
【和訳】:人々を魅了する何か美点を大統領は持っている

"something"を"anything, everything, nothing, a lot, plenty, much"などに替えて「長所や美点の多い少ない」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Does the president have anything going for him that attracts people?
【和訳】:人々を魅了する何か美点を大統領は持っていますか。
【例文】:The president has nothing going for him that attracts people.
(= The president doesn't have anything going for him that attracts people.)
【和訳】:人々を魅了する美点を大統領は一つも持っていない
【例文】:The president has everything going for him that attracts people.
【和訳】:人々を魅了するあらゆる美点を大統領は持っている。
【例文】:The president has a lot going for him that attracts people.
【和訳】:人々を魅了する美点をたくさん大統領は持っている。
【例文】:The president has plenty going for him that attracts people.
【和訳】:人々を魅了する美点をたくさん大統領は持っている。
【例文】:The president doesn't have much going for him that attracts people.
【和訳】:人々を魅了する美点を大統領はあまり持っていない。
→"A have much going for A"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

A have something on(Aは何か予定がある)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(9)

"A have something on"の意味は「Aはやらなければならないことが何かある」です。主語の予定がすでに詰まっていることを表わします。

【例文】:I have something on that evening, so I won't be able to go to karaoke.
【和訳】:その日の夜は予定があるのでカラオケには行けません。
→"have something on"の意味は「何か予定がある」

"something"を"anything, nothing, a lot"などに替えて「予定のあるなし」の表現を変えることができます。

【参考】

【例文】:I don't have anything on that evening, so I'll be able to go to karaoke.
【和訳】:その日の夜は何も予定がないのでカラオケに行けます。
【例文】:I have nothing on that evening, so I'll be able to go to karaoke.
【和訳】:その日の夜は何も予定がないのでカラオケに行けます。
【例文】:I have a lot on that evening, so I won't be able to go to karaoke.
【和訳】:その日の夜は予定がたくさんあるのでカラオケには行けません。

【関連トピック】

A have something to do with B(AはBと関係がある)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(10)

"A have something to do with B"はAとBとの間に何らかの関連があることを表わします。

【例文】:The series of earthquakes has something to do with the volcanic eruption last month.
【和訳】:一連の地震は先月の噴火と何か関係があります

"something"を"anything, nothing, little, a lot, much, very much"などに替えて「関連の浅い深い」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Does the series of earthquakes have anything to do with the volcanic eruption last month?
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とは何か関係がありますか。
【例文】:The series of earthquakes has nothing to do with the volcanic eruption last month.
(= The series of earthquakes doesn't have anything to do with the volcanic eruption last month.)
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とはまったく関係ありません
【例文】:The series of earthquakes has little to do with the volcanic eruption last month.
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とはほとんど関係ありません
【例文】:The series of earthquakes has a lot to do with the volcanic eruption last month.
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とは大いに関係があります。
【例文】:The series of earthquakes doesn't have much to do with the volcanic eruption last month.
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とはあまり関係がありません
→"have much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い
【例文】:The series of earthquakes doesn't have very much to do with the volcanic eruption last month.
【和訳】:一連の地震は先月の噴火とは深い関係はありません
→"have very much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

make something of 〜(〜を重要視する、〜を気にかける)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(11)

"make something of 〜"の意味は「人や物事を重要視する、大切に扱う」です。

【例文】:The Prime Minister makes something of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率を重要視している

"something"を"nothing, little, a lot, much, too much"などに替えて重要視の度合を変化させることができます。

【参考】

【例文】:The Prime Minister make nothing of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率をまったく重要視していない
【例文】:The Prime Minister makes little of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率をほとんど重要視していない
【例文】:The Prime Minister makes a lot of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率を非常に重要視している。
【例文】:The Prime Minister makes much of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率を大いに重要視している。
【例文】:The Prime Minister makes too much of the government approval rating.
【和訳】:総理大臣は内閣支持率をあまりに重要視し過ぎている

【関連トピック】

make something of oneself(成功する、出世する)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(12)

"make something of oneself"のニュアンスは「人が人生において成功する」です。

【例文】:This is a story about a man who made something of himself from nothing.
【和訳】:これは無一文から人生で成功を勝ち得たある男の話です。

"make something of one's life"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:Gordon left his home town to make something of his life.
(= Gordon left his home town to make something of himself.)
【和訳】:ゴードンは一旗揚げるため故郷を後にした。

【関連トピック】

see something of 〜(〜とときどき会う、〜とたまに顔を合わせる)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(13)

"see something of 〜"の意味は「人とときどき会う、人とたまに顔を合わせる」です。たいてい肯定文で使います。

【例文】:We saw something of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはときどき会っていました

"something"を"nothing, little, a lot, much, very much, more, less"などに替えて「会う頻度」を増減させることができます。

【参考】

【例文】:We saw nothing of each other in our high school days.
(= We didn't see anything of each other in our high school days.)
【和訳】:高校時代、私たちは会ったことがありませんでした
【例文】:We saw little of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはほとんど会ったことがありませんでした
【例文】:We saw a lot of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはよく会っていました。
【例文】:We didn't see much of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはあまり会っていませんでした
→"see much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:We didn't see very much of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはそれほど会っていまぜんでした
→"see very much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:We saw more of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはよく会うようになりました
【例文】:We saw less of each other in our high school days.
【和訳】:高校時代、私たちはあまり会わなりました

【関連トピック】

〜 or something(〜か何か、〜のようなもの)
不定代名詞something:"something"を使うイディオム(14)

"or something"は名詞形容詞動詞などの後ろに置いて「〜か何か、〜のようなもの」の意味を表わします。詳細不明の物事に対して断定を避ける表現です。たいてい肯定文で使います。

疑問文否定文では"〜 or anything"を使います→【参照】:『不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム:〜 or anything(〜か何か、〜のようなもの)

【例文】:It seemed that the high-speed vessel hit a whale or something.
【和訳】:高速船はクジラか何かに衝突したようだ。
→衝突した相手を「クジラ(a whale)」とは断定していない

【例文】:"My ankle is just sparined or something, not broken."
【和訳】:「足首をねじったか何かしただけだ。骨は折れていない」
→足首を「ねじった(sprained)」とは断定していない

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(58)
不定代名詞(15)
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知らない人物を表わす"anybody, anyone"

【目次】:不定代名詞"anybody, anyone"

anybody, anyone(誰か)
不定代名詞anybody, anyone(1)

"anybody, anyone"は「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と人物」を指します。"anybody"と"anyone"はほぼ同じ意味です。

"anybody, anyone"は、"any"と同様に、たいてい「人数がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、"anybody, anyone"は疑問文否定文でよく使います。肯定文で「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と人物」を表わすときは"somebody, someone"を使います→【参照】:『不定代名詞"somebody, someone"(誰か)

【例文】:Has anyone experienced sleep paralysis?
【和訳】:寝ているときに金縛りになったことがあるはいますか。
→金縛りにあった人はゼロかもしれない(疑問文)

【例文】:I haven't talked with anyone today.
【和訳】:今日は誰とも話をしていない。
→言葉を交わした人数がゼロ(否定文)

"any one"と"anyone"の違い
不定代名詞anybody, anyone(2)

"anyone"の意味は「誰か」です。"any one"の意味は「誰か一人、どれか一つ」です。

"anyone"と"any one"の違い
  1. "anyone"は一語の代名詞(誰か)、"any one"は「形容詞 + 代名詞」(誰か一人、どれか一つ)
  2. "anyone"は人を指す、"any one"は人でも人以外でも使える
  3. "of 〜"が続く場合、"any one of 〜"は可、"anyone of 〜"は不可、"anybody of 〜"も不可

【例文】ポロシャツの色にこだわりはないからなんでもいいよ。
【 × 】:I don't care about the color of a polo shirt, so anyone will do.
【 ○ 】:I don't care about the color of a polo shirt, so any one will do.
→"color"(色)を指すので"anyone"は不可

【例文】:みんなの中で誰かこの絵を今までに見たことがある人はいますか。
【 × 】:Has anyone of you ever seen this painting?
【 × 】:Has anybody of you ever seen this painting?
【 ○ 】:Has any one of you ever seen this painting?
→"of 〜"(〜の中の)が続く場合は"any one of 〜"を使う

"anybody 〜 not", "anyone 〜 not"の語順は不可
不定代名詞anybody, anyone(3)

"anybody, anyone"は「人数がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone":anybody, anyone(誰か)

否定文で「一人も〜ない」を表現するとき、"anybody, anyone"の後ろに"not"を置く"anybody 〜 not"や"anyone 〜 not"の語順は文法的に不可です。代わりに"nobody, no one"を使います。

【例文】:なぜ空港が閉鎖されているのか誰も理由を知らなかった
【 × 】:Anybody didn't know why the airport was closed.
【 ○ 】:Nobody knew why the airport was closed.
→"anyone 〜 not"の語順は文法的に不可、代わりに"nobody"を使う

【例文】:幸いなことに、ミサイル攻撃で死者やけが人は出ませんでした
【 × 】:Fortunately, anyone was not injured or killed in the missile attacks.
【 ○ 】:Fortunately, no one was injured or killed in the missile attacks.
→"anyone 〜 not"の語順は文法的に不可、代わりに"no one"を使う

【関連トピック】

肯定文で使う"anybody, anyone"(誰でも、どんな人でも)
不定代名詞anybody, anyone(4)

anybody, anyoneは「人数がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います→【参照】:『anybody, anyone":anybody, anyone(誰か)

anybody, anyone肯定文で使うこともあります。一つの物事が誰にでも当てはまることを表わします。

【例文】:The ability to talk with anyone is your virtue.
(= The ability to talk with any people is your virtue.)
【和訳】:誰とでも話ができることはあなたの長所だ。
→"anyone"の意味は「(話をする相手が)誰であろうとも」

【例文】:Anybody can take the hot spring for free.
【和訳】:この温泉は誰でも無料で入ることができる。
→"anybody"の意味は「(温泉を利用する人が)誰であろうとも」

【関連トピック】

if文で使う"anybody, anyone"
不定代名詞anybody, anyone(5)

接続詞の"if"を使ったもしもの条件を表わす文では肯定文でも否定文でも"anybody, anyone"を使うことができます。ニュアンスは「(誰もいないかもしれないがもし)誰かが、誰かに、誰かを」です。

【例文】:If you see anyone throwing litter from a vehicle, contact the police.
【和訳】:もし誰かが乗り物からごみを投げ捨てるのを目撃したら警察に連絡して下さい。
→if文(肯定文)の"anyone"、ニュアンスは「いないかもしれないがもし誰かのポイ捨てを目撃したら…」

【例文】:If you don't see anyone in the store, ring the bell for attention.
【和訳】:店内に誰もいない場合は呼び鈴を鳴らして呼んで下さい。
→if文(否定文)の"anyone"、ニュアンスは「店の者がいないことがあるのでもし誰もいない場合は…」

if文の場合、「人数がゼロかもしれない」ことを強調するときは"anybody, anyone"を使います。「人数がゼロではない」ことを強調するときは"somebody, someone"を使います。

【例文】:If you see anyone being bullied, let us know.
【和訳】:もし誰かがいじめられているのを見たら知らせなさい。
→ニュアンスは「いじめは行われていないと思うけれどもし見かけたら…」(人数はゼロかもしれない)
【例文】:If you see someone being bullied, let us know.
【和訳】:もし誰かがいじめられているのを見たときは知らせなさい。
→ニュアンスは「いじめが行われているかもしれないので目撃したその時は…」(人数はゼロではない)

【関連トピック】

否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone
不定代名詞anybody, anyone(6)

"anybody, anyone"は"no"や"not"で表わす否定文のほかに、意味的に否定を表わす語句(never, without, etc)がある文でも使います。"anybody, anyone"のニュアンスは「誰も(〜ではない)、一人も(〜ではない)」です。

否定を表わす主な表現
【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:neither

【例文】:私を含めて建物の中にいた人は誰も地震の揺れを感じなかった。
【 × 】:Neither I nor someone else in the building felt the earthquake shaking.
【 ○ 】:Neither I nor anyone else in the building felt the earthquake shaking.
→否定の意味を表わす"neither"(〜もまた〜ない)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:hardly, scarcely

【例文】:突如道路が陥没したけれどけが人はほとんどいなかった。
【 × 】:The sinkhole suddenly opened up on the road but hardly someone was hurt.
【 ○ 】:The sinkhole suddenly opened up on the road but hardly anyone was hurt.
→否定の意味を表わす"hardly"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:rarely, seldom

【例文】:小学生のころの私は誰ともめったに口をききませんでした。
【 × 】:I rarely talked with someone when I was an elementary school student.
【 ○ 】:I rarely talked with anyone when I was an elementary school student.
→否定の意味を表わす"rarely"(めったに〜ない)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:little

【例文】:そんな時間に誰かがここを歩いている可能性などほとんどない。
【 × 】:There is little likelihood that somebody was walking here at that hour.
【 ○ 】:There is little likelihood that anybody was walking here at that hour.
→否定の意味を表わす"little"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:never

【例文】:歩いていて隕石に当たった人なんて聞いたことがない。
【 × 】:I've never heard of someone hit by a meteorite while walking.
【 ○ 】:I've never heard of anyone hit by a meteorite while walking.
→否定の意味を表わす"never"(決して〜ない)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】
不定代名詞"anybody, anyone":否定語句(never, without, etc) + anybody/anyone:without

【例文】:自分以外の誰にも頼らずに生きて行くことはむつかしい。
【 × 】:It is difficult for us to live without depending on someone else but ourselves.
【 ○ 】:It is difficult for us to live without depending on anyone else but ourselves.
→否定の意味を表わす"without"(〜なしで)があるので肯定文だが"anyone"を使う

【関連トピック】

anybody, anyone(偉い人、大人物)
不定代名詞anybody, anyone(7)

"anybody, anyone"は「偉い人、大人物、偉人」の意味を表わすことがあります。たいてい、疑問文否定文で使います。意味的には代名詞ではなく名詞ですが、"anybody, anyone"の前に不定冠詞(an)を置かないのが普通です。

肯定文ではよく"somebody, someone"を使います→【参照】:『不定代名詞somebody, someone(偉い人、大人物)

【例文】:Sam wasn't anybody when he was a college student.
【 × 】:大学生のころのサムは誰でもなかった
【 ○ 】:大学生のころのサムはたいした人間ではなかった。
→"anybody"の意味は「偉大な人物、大物」

【関連トピック】

anybody else, anyone else(ほかの誰か)
不定代名詞anybody, anyone(8)

"anybody else, anyone else"は「自分たち以外の誰か」を表わします。「自分たち以外のいかなる人物」を表わす場合は肯定文でも"anybody else"や"anyone else"を使います。

【例文】:Does anybody else need this applicaiton form?
【和訳】:この申込用紙が必要な人はほかにいますか。
→"anyone else"は話し手とすでに申込用紙をもらった人以外の人を指す(一人もいないかもしれない)

【例文】:I had to protect myself by myself, because I couldn't count on anyone else.
【和訳】:ほかの人は頼りにできなかったので自分の身は自分で守るしかありませんでした。
→"anyone else"は話し手以外の誰か第三者を指す

【例文】:I rushed to the school kiosk to get my favorite bread before anyone else got it.
【和訳】:ほかの人に先を越されないようにお気に入りのパンを買うため学校の売店に走った。
→"anyone else"は話し手以外のあらゆる第三者(生徒や先生など)を指す

"anybody else"や"anyone else"は"'s"を付けて「〜の」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone":anybody's, anyone's(誰かの〜)

【関連トピック】

anybody's, anyone's(誰かの〜)
不定代名詞anybody, anyone(9)

anybody, anyoneは"'s"を付けて「誰かの〜」の意味を表わすことができます。「いかなる人物の〜」を表わす場合は肯定文でも"anybody's"や"anyone's"を使います。

【例文】:Was my snoring disturb anybody's sleep?
【和訳】:私のいびきで誰か眠れなかったかな。
→"anybody's"の意味は「誰かの〜」(疑問文)

【例文】:Don't let anyone's opinions or comments affect you.
【和訳】:他人の意見や話に振り回されないようにしましょう。
→"anybody's"の意味は「誰かの〜」(否定文)

【例文】:I was fairly shy and reserved because I was scared to hurt anyone's feelings.
【和訳】:誰かの感情を傷つけるのが怖くて私はかなり内気で控え目でした。
→"anybody's"の意味は「いかなる人物の〜」(肯定文)

"anybody's, anyone's"は"anybody is, anybody has, anyone is, anyone has"の省略形として使うこともあります→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方:語句の短縮を表わす……「不定代名詞 + is/has」の場合

【例文】:I don't think anyone's worried about you.
【和訳】:誰もあなたの心配などしていないと思うよ。
→"anyone's" = "anyone is"

【例文】If anybody's been to a website, they often get irritated with ads.
【和訳】:ホームページを見ると誰でも広告にいらつくことがよくある。
→"anyone's" = "anyone has"

"anybody else, anyone else"も"'s"を付けて「ほかの誰かの〜」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone":anybody else, anyone else(ほかの誰か)

【例文】:Do anyone else's cats love the snow like our cat?
【和訳】:よその猫もうちの猫みたいに雪が大好きなんだろうか。
→"anyone else's"の意味は「自分以外のほかの誰かの〜」(疑問文)

【例文】:Don't use anybody else's tablet without permission.
【和訳】:許可なくほかの人のタブレットを使ってはいけません。
→"anybody else's"の意味は「自分以外のほかの誰かの〜」(否定文)

【例文】:I am disinclined to listen to anyone else's opinion.
【和訳】:自分以外のいかなる人間の意見に耳を貸すつもりはない。
→"anyone else's"の意味は「自分以外のいかなる人の〜」(肯定文)

【関連トピック】

「anybody + 形容詞」「anyone + 形容詞」
不定代名詞anybody, anyone(10)

"anybody, anyone"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"anybody, anyone"の後ろに置きます。

# anybody + 形容詞
【例】:anybody healthy(健康な人)
# anyone + 形容詞
【例】:anyone thirsty(のどが渇いた人)

【例文】:時間にルーズな人とはお友達になれそうもありません。
【 × 】:I wouldn't like to be friends with unpunctual anybody.
【 ○ 】:I wouldn't like to be friends with anybody unpunctual.
(= I wouldn't like to be friends with an unpunctual person.)
→形容詞"unpunctual"(時間にルーズな)は"anybody"の後ろに置く

【例文】:未成年の方に酒類を販売することはできません。
【 × 】:We are not allowed to sell alcohol drinks to underage anyone.
【 ○ 】:We are not allowed to sell alcohol drinks to anyone underage.
(= We are not allowed to sell alcohol drinks to an underage person.)
→形容詞"underage"(未成年の)は"anyone"の後ろに置く

【関連トピック】

動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞anybody, anyone(11)

不定代名詞の"anybody, anyone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では複数形の人称代名詞(they, their, them)を使うことがあります。

【例文】:自分の血液型を知らない人はいますか。
【英訳】:Is there anyone who doesn't know his blood type?
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【英訳】:Is there anyone who doesn't know his or her blood type?
→堅い書き言葉、単数形の"his or her"を使う
【英訳】:Is there anyone who doesn't know their blood type?
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

不定代名詞の"anybody, anyone"の場合、付加疑問文では人称代名詞を複数形の"they"で受けるのが普通です。

【例文】:浜辺にいた人たち全員にも警報は聞こえましたよね。
【 × 】:Anybody on the beach has heard the warning, hasn't he?
【 ○ 】:Anybody on the beach has heard the warning, haven't they?
→付加疑問の場合、"anybody"は"they"で受ける、動詞も"haven't"を使う

【関連トピック】

"anybody, anyone"を使うイディオム
不定代名詞anybody, anyone(12)

【目次】:"anybody, anyone"を使う主なイディオム

"anybody, anyone"を使う主なイディオムをまとめます。

anybody's guess(予測不可能であること)
不定代名詞anybody, anyone:"anybody, anyone"を使うイディオム(1)

"anybody's guess"のニュアンスは「確かなことは誰にもわからない物事や状態」です。

たいてい「主語 + be動詞 + anybody's guess」の形で使います。"guess"の意味は「根拠のない推測、憶測」です。"anyone's guess"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:When and where an earthquake will occur is anyone's guess.
【和訳】:いつどこで地震が発生するかは誰にもわからない

【例文】:It is anyone's guess how the huge snake escaped from the cage.
【和訳】:そんな巨大なヘビがどうやって檻を抜け出したのか誰にもわからない

anybody who is anybody(大物、重要人物)
不定代名詞anybody, anyone:"anybody, anyone"を使うイディオム(2)

"anybody who is anybody"のニュアンスは「有名で影響力のある重要人物」です。"anyone who is anyone"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:Anybody who was anybody in music around the world was on the stage.
【和訳】:ステージには世界の音楽界の重鎮たちが勢揃いした。

【例文】:Anyone who is anyone in business and politics is to attend the conference.
【和訳】:政財界の大物が一堂に会してその会議に参加する予定だ。

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ゼロから始める代名詞(59)
不定代名詞(16)
anything(何か、どれでも) 先頭へ

知らない物事を表わす"anything"

【目次】:不定代名詞"anything"

anything(何か)
不定代名詞anything(1)

"anything"は「よく知らないこと、よくわからない物事、漠然と何か」を指します。

"anything"は、"any"と同様に、たいてい「物事がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、疑問文否定文でよく使います。肯定文で「よく知らないこと、わからない物事」を表わすときは"something"を使います→【参照】:『不定代名詞something(何か)

【例文】:Do you have anything to worry about?
【和訳】:何か心配でもありますか。
→「心配事」はないかもしれない(疑問文)

【例文】:I don't know anything about smartphones.
【和訳】:スマートフォンのことはさっぱりわかりません。
→スマホに関する知識がまったくない(否定文)

【関連トピック】

anything else(ほかの何か、ほかのあらゆるもの)
不定代名詞anything(2)

"anything else"は疑問文否定文では「ほかの何か」を表わします。肯定文では「ほかのあらゆるもの」を表わします。

肯定文で「ほかの何か」を表わすときは"something else"を使います→【参照】:『不定代名詞something:something else(ほかの何か)

【例文】:Is there anything else I have to prepare?
【和訳】:ほかに何か事前に準備しておくことはありますか。
→"anything else"の意味は「ほかの何か」(疑問文)

【例文】:Since I was wearing earphones, I couldn't hear anything else than music.
【和訳】:イヤフォンをしていたので音楽以外は何も聞こえませんでした。
→"anything else"の意味は「ほかの何か」(否定文)

【例文】:Our team values teamwork and tenacity above anything else.
【和訳】:うちのチームはチームワークと粘り強さを何よりも大切にしています。
→"anything else"の意味は「ほかのあらゆるもの」(肯定文)

【関連トピック】

"anything 〜 not"の語順は不可
不定代名詞anything(3)

"anything"は「数がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います→【参照】:『不定代名詞anything:anything(何か)

否定文で「一つも〜ない」を表現するとき、anythingの後ろに"not"を置く"anything 〜 not"の語順は文法的に不可です。代わりに"nothing"を使います。

【例文】:何も怪しいことは起らなかった
【 × 】:Anything strange didn't happen.
【 ○ 】:Nothing strange happened.
→"anything 〜 not"の語順は文法的に不可、代わりに"nothing"を使う

【関連トピック】

肯定文で使う"anything"(どれでも、何でも)
不定代名詞anything(4)

"anything"は「数がゼロかもしれない」ことを暗示するので主に疑問文否定文で使います→【参照】:『不定代名詞anything:anything(何か)

"anything"を肯定文で使うこともあります。ニュアンスは「複数の中からどれを選んでも、複数あるうちのいずれも」です。

【例文】:I've eaten anything since I was a child.
(= I've eaten any food since I was a child.)
【和訳】:子供のころから食べ物の好き嫌いはない
→どんな食べ物でも食べることができる

【関連トピック】

if文で使う"anything"
不定代名詞anything(5)

接続詞の"if"を使ったもしもの条件を表わす文では肯定文でも否定文でも"anything"を使うことができます。ニュアンスは「(何もないかもしれないがもし)何かが、何かに、何かを」です。

【例文】:Will you tell me if you notice anything odd with this outfit?
【和訳】:この服装でどこか変なところがあったら教えて下さい。
→if文(肯定文)の"anything"、ニュアンスは「変なところはないかもしれないがもしあったら…」

【例文】:If we don't do anything to solve climate change, we humans will ruin our planet.
【和訳】:気候変動に解決するために何も手を打たなかったら、我々人類は地球を死の星と化してしまうだろう。
→if文(否定文)の"anything"、ニュアンスは「もし何もしなかったら…」

if文の場合、「数がゼロかもしれない」ことを強調するときは"anything"を使います。「数がゼロではない」ことを強調するときは"something"を使います。

【例文】:If you find anything suspicious, leave it where it is and call the police.
【和訳】:不審な物を見かけたら手を触れずに警察へ連絡して下さい。
→ニュアンスは「不審物などないとは思われるがもし見かけたら…」(不審物はゼロかも知れない)
【例文】:If you find something suspicious, leave it where it is and call the police.
【和訳】:不審な物を見かけたときは手を触れずに警察へ連絡して下さい。
→ニュアンスは「不審物があるかもれしないのでもし見かけたら…」(不審物が一つはあるかもしれない)

【関連トピック】

否定語句(never, without, etc) + anything
不定代名詞anything(6)

"anything"は"no"や"not"で表わす否定文のほかに、意味的に否定を表わす語句(never, without, etc)がある文でも使います。"anything"のニュアンスは「何も(〜ではない)、どれも(〜ではない)」です。

否定を表わす主な表現
【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:neither

【例文】:子供のころの兄は二人とも特に目立つところはありませんでした。
【 × 】:Neither of my brothers had something noticeable in their childhood.
【 ○ 】:Neither of my brothers had anything noticeable in their childhood.
→否定の意味を表わす"neither"(〜どちらも〜ない)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:hardly, scarcely

【例文】:やっと風邪が治ったけれど、まだにおいや味がほとんどわからない。
【 × 】:Though I've finally recovered from my cold, still I can hardly smell or taste something.
【 ○ 】:Though I've finally recovered from my cold, still I can hardly smell or taste anything.
→否定の意味を表わす"hardly"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:rarely, seldom

【例文】:スコットはいつも冗談ばかり言っていてまじめな話はめったにしない。
【 × 】:Scott is always a joker and seldom says something serious.
【 ○ 】:Scott is always a joker and seldom says anything serious.
→否定の意味を表わす"seldom"(めったに〜ない)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:little

【例文】:仕事以外のことにはほとんど興味を示さない人がいます。
【 × 】:Some people have little interest in something other than work.
【 ○ 】:Some people have little interest in anything other than work.
→否定の意味を表わす"little"(ほとんど〜ない)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:never

【例文】:現実でもそしてまたネット上でも他人を傷つけるようなことをしてはいけません。
【 × 】:We should never do something to hurt other people in reality and also online.
【 ○ 】:We should never do anything to hurt other people in reality and also online.
→否定の意味を表わす"never"(決して〜ない)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】
不定代名詞anything:否定語句(never, without, etc) + anything:without

【例文】:傷一つつけずに家具を移動させるのは予想以上に大変だ。
【 × 】:It's harder than expected to move furniture without damaging something.
【 ○ 】:It's harder than expected to move furniture without damaging anything.
→否定の意味を表わす"without"(〜なしで)があるので肯定文だが"anything"を使う

【関連トピック】

anything(重要な事、良い事、たいした人、優秀な人物)
不定代名詞anything(7)

"anything"は「重要な物事や重要な人物」を表わすことがあります。たいてい、疑問文否定文で使います。代名詞ではなく名詞として使いますが、"anything"の前に不定冠詞(an)を置かないのが普通です。

肯定文ではよく"something"を使います→【参照】:『不定代名詞something(重要な事、良い事、たいした人、優秀な人物)

【例文】:Tax cut hasn't done anything for office workers.
【 × 】:減税はサラリーマンのための何かをしていない。
【 ○ 】:減税はサラリーマンにとって何の役にも立っていない。
→"anything"の意味は「役に立つこと」、"anything"の前に不定冠詞(an)は不要

【例文】:Carl isn't anything more than an average athlete.
【 × 】:カールは平均的なアスリートを超えるほどの何かではない。
【 ○ 】:カールはアスリートとして平均を超えるほどの逸材ではない。
→"anything"の意味は「優秀な人物」、"anything"の前に不定冠詞(an)は不要

【関連トピック】

「anything + 形容詞」
不定代名詞anything(8)

"anything"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"anything"の後ろに置きます。

# anything + 形容詞
【訳】:anything important(何か大切なこと)

【例文】:歯にしみるので冷たいものは一切飲むことができません。
【 × 】:I can't drink cold anything because I get toothaches.
【 ○ 】:I can't drink anything cold because I get toothaches.
→形容詞"cold"は"anything"の後ろに置く

【例文】:この世にゴキブリより怖いものなんてあるの。
【 × 】:Is there more horrible anything in the world than a cockroach?
【 ○ 】:Is there anything more horrible in the world than a cockroach?
→形容詞"more horrible"は"anything"の後ろに置く

【関連トピック】

"anything"は必ず単数扱い
不定代名詞anything(9)

不定代名詞の"anything"は必ず単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。

【例文】:要らないものがあるかい。ゴミに出すよ。
【 × 】:Are there anything useless? I'll put them out as garbage.
【 ○ 】:Is there anything useless? I'll put it out as garbage.
→"anything"は単数扱いなので、単数形の"is"や"it"を使う

不定代名詞の"anything"は付加疑問文でも必ず単数扱いです。

【例文】:値段の安いものが何でもお買い得とは限りませんよね。
【 × 】:Anything cheap is a bargain, aren't they?
【 ○ 】:Anything cheap is a bargain, isn't it?
→"anything"は付加疑問でも単数扱い、単数形の"isn't it"を使う

【関連トピック】

"anything"を使うイディオム
不定代名詞anything(10)

【目次】:"anything"を使う主なイディオム

"anything"を使う主なイディオムをまとめます。

as 〜 as anything(ものすごく〜、とても〜)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(1)

"as 〜 as anything"は程度や度合が非常に大きいことを表わします。

【例文】:I didn't have lunch today and I'm as hungry as anything.
(= I didn't have lunch today and I'm very hungry.)
【和訳】:今日は昼御飯抜きだったのでお腹がぺこぺこだ

anything but 〜(〜どころではない、とても〜ではない)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(2)

"anything but 〜"はイディオムとして使えます。強い否定を表わします。"but"は前置詞で意味は「〜以外の」(= except)。"anything but 〜"の直訳は「〜以外の何か」つまり「〜どころではない」です。

強い否定を表わす"anything but"はたいてい形容詞の前に置いて副詞として使います。

【例文】:An encounter with aliens from outer space is anything but fictional.
(= An encounter with aliens from outer space is far from fictional.)
【 × 】:外宇宙からの宇宙人との遭遇は何かで、しかし虚構だ。
【 ○ 】:異星人との遭遇は決して絵空事ではない

【関連トピック】

anything like 〜(〜に似た人、〜に似た何か、〜のように)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(3)

"anything like 〜"の意味は「〜に似た人、〜に似た何か」です。見た目の類似だけでなく、人や物事の性質や特徴などの類似も表わします。たいてい疑問文否定文で使います。

肯定文では"something like 〜"を使います→【参照】:『不定代名詞something:"something"を使うイディオム:something like 〜(〜に似た人、〜に似た何か、〜のように)

【例文】:Do I look anything like any celebrity?
【和訳】:私って誰か有名人に似てるかな。
→"anything like 〜"は外見の類似を表わす

【例文】:I'm not anything like my mother.
【和訳】:私はちっとも母に似ていない。
→"anything like 〜"は外見の類似を表わす

【例文】:My smarthphone's battery isn't anything like as long-lasting as yours.
【和訳】:私のスマートフォンのバッテリーはあなたのスマートフォンのバッテリーのようには長持ちしない。
→"anything like 〜"は機器の性能の類似を表わす

【関連トピック】

anything of a 〜(少しは〜、少しも〜)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(4)

"anything of a 〜"は人や物事について、事実や定義がまったく当てはまらないこと、あるいは当てはまるかどうか疑問であることを表わします。たいてい、疑問文否定文で使います。

肯定文では"something of a 〜"を使います→【参照】:『不定代名詞something:"something"を使うイディオム:something of a 〜(かなりの〜、ちょっとした〜)

【例文】:Am I anything of a baseball manager?
【和訳】:少しは野球の監督らしくしているかな
→監督としての合格かどうかはやや疑問

【例文】:Several politicians were arrested for bribery. It wasn't anything of a surprise.
【和訳】:複数の政治家が収賄で逮捕された。たいして驚くほどのことではない
→逮捕はまったく意外ではなかった

【関連トピック】

A have anything going for A(Aには何かいいところがある)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(5)

"A have anything going for A"の意味は「Aには何か一つは長所や美点がある」です。主語のAは人も人以外も可能です。たいてい疑問文否定文で使います。

【例文】:Allan is a fisrt-class basketball player. Does he has anything going for him in his schooldays?
【和訳】:アランは一流のバスケットボール選手です。学生時代のアランは何かいいところがありましたか。

"anything"を"something, everything, nothing, a lot, plenty, much"などに替えて「長所や美点の多い少ない」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Allan had something going for him in his schooldays.
【和訳】:学生時代、アランは何かいいところを持っていた。
【例文】:Allan had nothing going for him in his schooldays.
(= Allan doesn't have anything going for him in his schooldays.)
【和訳】:学生時代、アランはいいところを一つも持っていなかった
【例文】:Allan had everything going for him in his schooldays.
【和訳】:学生時代、アランはあらゆるいいところ持っていた
【例文】:Allan had a lot going for him in his schooldays.
【和訳】:学生時代、アランはいいところをたくさん持っていた。
【例文】:Allan had plenty going for him in his schooldays.
【和訳】:学生時代、アランはいいところをたくさん持っていた。
【例文】:Allan doesn't have much going for him in his schooldays.
【和訳】:学生時代、アランはいいところをあまり持っていなかった
→"A have much going for A"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

A have anything on(Aは何か予定がある)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(6)

"A have anything on"の意味は「Aはやらなければならないことが何かある」です。主語の予定がすでに詰まっていることを表わします。たいてい疑問文否定文で使います。

【例文】:Do you have anything on tomorrow?
【和訳】:あした何か予定がありますか。
→"have anything on"の意味は「何か予定がある」

"anything"を"something, nothing, a lot"などに替えて「予定のあるなし」の表現を変えることができます。

【参考】

【例文】:I have something on tomorrow.
【和訳】:明日は予定があります。
【例文】:I don't have anything on tomorrow.
【和訳】:明日は何も予定はありません。
【例文】:I have nothing on tomorrow.
【和訳】:明日は何も予定はありません
【例文】:I have a lot on tomorrow.
【和訳】:明日はたくさんの予定があります。

【関連トピック】

A have anything to do with B(AはBと関係がある)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(7)

"A have anything to do with B"はAとBとの間に何らかの関連があることを表わします。たいてい疑問文否定文で使います。

【例文】:Does deforestation have anything to do with global warming?
【和訳】:森林破壊は地球温暖化と何か関係がありますか。

"anything"を"nothing, little, something, a lot, much, very much"などに替えて「関連の浅い深い」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Deforestation has nothing to do with global warming.
(= Deforestation don't have anything to do with global warming.)
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とはまったく関係ありません
【例文】:Deforestation has little to do with global warming.
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とはほとんど関係ありません
【例文】:Deforestation has something to do with global warming.
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とは何か関係があります。
【例文】:Deforestation has a lot to do with global warming.
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とは大いに関係があります。
【例文】:Deforestation doesn't have much to do with global warming.
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とはあまり関係はありません
→"have much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い
【例文】:Deforestation doesn't have very much to do with global warming.
【和訳】:森林破壊は地球温暖化とは深い関係はありません
→"have very much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

make anything of 〜(〜を理解する、〜がわかる)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(8)

"make anything of 〜"の意味は「人の発言や考えなどを理解する、物事や状況などを把握する」です。たいてい、疑問文否定文で"can/could + make nothing of 〜"の形で使います。

【例文】:I couldn't make anything of what language the men were speaking.
【和訳】:男性たちが何語でしゃべっているのかまったくわかりませんでした

【例文】:Can you make anything of this handwritten note?
【和訳】:この手書きのメモはなんて書いてあるのかわかりますか

"anything"を"nothing, little, much"などに替えて「理解の度合」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:I could make nothing of what language the men were speaking.
(= I couldn't make anything of what language the men were speaking.)
【和訳】:男性たちが何語でしゃべっているのかまったくわかりませんでした。
【例文】:I could make little of what language the men were speaking.
【和訳】:男性たちが何語でしゃべっているのかほとんどわかりませんでした。
【例文】:I couldn't make much of what language the men were speaking.
【和訳】:男性たちが何語でしゃべっているのかあまりわかりませんでした。
→"make much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い

【関連トピック】

see anything of 〜(〜と会う、〜と顔を合わせる)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(9)

"see anything of 〜"の意味は「人と会う、人と顔を合わせる」です。たいてい疑問文否定文で使います。

【例文】:My father is often out of town for business, so I rarely see anything of him.
【和訳】:父は出張が多いのでめったに会えません

【例文】:Have you seen anything of Roger after our promotion?
【和訳】:進級後、ロジャーと会いましたか

"anything"を"something, nothing, little, a lot, much, very much, more, less"などに替えて「会う頻度」を増減させることができます。

【参考】

【例文】:I have seen something of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはときどき会う。
【例文】:I have seen nothing of Roger after our promotion.
(= I haven't seen anything of Roger after our promotion.)
【和訳】:進級後、ロジャーとはまったく会わない
【例文】:I have seen little of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはほとんど会わない
【例文】:I have seen a lot of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはよく会う。
【例文】:I haven't seen much of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはあまり会わない
→"see much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:I haven't seen very much of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはそれほど会わない
→"see very much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:I have seen more of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはよく会うようになった
【例文】:I have seen less of Roger after our promotion.
【和訳】:進級後、ロジャーとはあまり会わなくなった

【関連トピック】

A would not 〜 for anything(Aは絶対に〜しない、Aはどうしても〜しようとしない)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(10)

"A would not 〜 for anything"はAが何かをすることを頑固に拒否することを表わします。

【例文】:My cats wouldn't let me cut their nails for anything.
【和訳】:うちの猫たちはどうしても爪を切らせてくれない

過去の拒否を表わす場合は"A would not have 〜 for anything"を使います。

【例文】:The soldiers said that they wouldn't have gone back to a battlefield for anything.
【和訳】:兵士たちは二度と戦場にもどりたくはないと語った。

if anything(どちらかと言えば、むしろ)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(11)

"if anything"は状況が実はまったく逆であることを表わします。イディオムとして使うときはたいてい文頭や文尾に置いてコンマ(,)で区切ります。

【例文】:Business is declining rather than improving, if anything.
【和訳】:景気は良くなるどころかむしろ悪化している。

【例文】:I'm not a little eater. If anything, everybody else is a very big eater.
【和訳】:私は少食ではありません。と言うか、ほかのみんなが超大食漢です。

イディオムではない場合、"if anything"の意味は「もし何かが〜、たとえ何かが〜」です。

【例文】:If anything happens to me, I want you to look after my wife and children.
【和訳】:もし私の身に何かがあれば、妻と子供たちのことをよろしくお願いします。
→"if"は条件を表わす接続詞、"anything"は"happen"の主語

like anything(ひどく、猛烈に)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(12)

"like anything"は程度や度合が甚だしいことを表わします。副詞として使います。

【例文】:I bumped my foot against the table. My foot thumb hurts like anything.
【和訳】:テーブルに足をぶつけて足の親指がものすごく痛い。

イディオムではない場合、"like anything"の意味は「〜のような何か、〜のようなものを好む」です。"like"は前置詞あるいは動詞です。

【例文】:A shadow appeared from behind the tree. It didn't look like anything human.
【和訳】:木の向こうから影が現われた。それは人間のようには見えなかった。
→"like"は前置詞、意味は「〜のような」

【例文】:I don't like anything spicy.
【和訳】:辛いものは好きではありません。
→"like"は動詞、意味は「〜を好き」

〜 or anything(〜か何か、〜のようなもの)
不定代名詞anything:"anything"を使うイディオム(13)

"or anything"は名詞形容詞動詞などの後ろに置いて「〜か何か、〜のようなもの」の意味を表わします。詳細不明の物事に対して断定を避ける表現です。たいてい疑問文否定文で使います。

肯定文では"〜 or something"を使います→【参照】:『"something"を使うイディオム:〜 or something(〜か何か、〜のようなもの)

【例文】:Did the monkey snatch a snack or anything from a tourist?
【和訳】:サルが観光客のお菓子か何かを引ったくって逃げたのか。
→奪われたものは「お菓子(a snack)」とは断定していない

【例文】:Nobody got hurt or anything.
【和訳】:誰もけがなどはしていません。
→「けがする(get hurt)」とは断定していない

【関連トピック】
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不定代名詞(17)
everybody, everyone(誰でも、全員、みんな) 先頭へ

例外なく全員であることを表わす"everybody, everyone"

【目次】:不定代名詞"everybody, everyone"

everybody, everyone(誰でも、全員、みんな)
不定代名詞everybody, everyone(1)

"everybody, everyone"は「話題になっている人たち全員、これから話題になる人すべて」を指します。"everybody"と"everyone"はほぼ同じ意味です。

【例文】:Everyone in the building realized the shaking.
【和訳】:建物の中にいた人は全員揺れに気がついた。
→"everyone"は建物の中にいた人のすべてを指す

"everybody, everyone"は漠然と一般の人々を指すことがあります。

【例文】:Everyone has a right to live a happy life.
【和訳】:誰でも幸せに生きる権利がある。
→"everyone"の意味は「世の中のすべての人一人一人」

【関連トピック】

"everyone"と"every one"の違い
不定代名詞everybody, everyone(2)

"everyone"も"evey one"も意味は「誰でも、全員、みんな」です。

"everyone"と"every one"の違い
  1. "everyone"は一語の代名詞、"every one"は「形容詞 + 代名詞」
  2. "everyone"は人を指す、"every one"は人でも人以外でも使える
  3. "of 〜"が続く場合、"every one of 〜"は可、"everyone of 〜"は不可、"everybody of 〜"も不可

【例文】:かご一杯のイチゴを摘んだ。どのイチゴもニワトリの卵ほどの大きさだった。
【 × 】:I picked a basket of strawberries. Everyone was as large as hens' eggs.
【 ○ 】:I picked a basket of strawberries. Every one was as large as hens' eggs.
→"strawberries"(イチゴ)を指すので"everyone"は不可

【例文】:生徒全員が42.195キロメートルを完走した。
【 × 】:Everyone of the students completed running 42.195km.
【 × 】:Everybody of the students completed running 42.195km.
【 ○ 】:Every one of the students completed running 42.195km.
→"of 〜"(〜の中の)が続く場合は"every one of 〜"を使う

【関連トピック】

"everybody, everyone"の否定は「誰もが〜とは限らない」
不定代名詞everybody, everyone(3)

否定文で"everybody, everyone"を使う場合、"not"はeverybody, everyoneの前に置くのが普通です。意味は「全員が〜とは限らない」です→【参照】:『不定代名詞"every":"every 〜"の否定は「すべてが〜とは限らない」

【例文】:寒いときはみんなが外に出たいとは限らない
【 △ 】:Everybody doesn't want to go outdoors when it's cold.
【 ○ 】:Not everybody wants to go outdoors when it's cold.
→"not"を"everybody"の前に置くのが普通

【例文】:全員がヘビやトカゲを嫌いというわけではない
【 △ 】:Everyone doesn't dislike snakes and lizards.
【 ○ 】:Not everyone dislikes snakes and lizards.
→"not"を"everyone"の前に置くのが普通

【関連トピック】

everybody else, everyone else(ほかのみんな)
不定代名詞everybody, everyone(4)

"everybody else, everyone else"は自分たち以外の全員を指します。

【例文】:Everybody else was out and I was home alone when the earthquake hit.
【和訳】:地震発生時、ほかのみんなは外出中で家には私一人でした。
→"everybody else"は話し手以外の家族全員を指す

【例文】:Don't tell it to everyone else.
【和訳】:このことはほかの人には話さないで下さい。
→"everybody else"は話し手と聞き手以外のあらゆる人々を指す

"everybody else"や"everyone else"は"'s"を付けて「〜の」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"everybody, everyone":everybody's, everyone's(みんなの〜)

【関連トピック】

everybody's, everyone's(みんなの〜)
不定代名詞everybody, everyone(5)

everybody, everyoneは"'s"を付けて「みんなの〜」の意味を表わすことができます。

【例文】:I don't know everyone's name, so please introduce yourselves one by one.
【和訳】:みなさんの名前を知っているわけではないので一人一人自己紹介をお願いします。
→"everyone's"の意味は「みんなの〜」

【例文】:A natural disaster is sometimes far beyond everyone's imagination.
【和訳】:自然災害はときにあらゆる人々の想像をはるかに超えたものとなる。
→"everyone's"の意味は「みんなの〜」

"everybody's, everyone's"は"everybody is, everybody has, everyone is, everyone has"の省略形として使うこともあります→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方:語句の短縮を表わす……「不定代名詞 + is/has」の場合

【例文】:Everyone's surprised when I tell them my age.
【和訳】:年齢を教えるとみんな驚きます。
→"everyone's" = "everyone is"

【例文】:Everybody's made mistakes. Nobody's perfect.
【和訳】:誰だってミスをする。ミスのない人はいない。
→"everybody's" = "everybody has"

"everybody else, everyone else"も"'s"を付けて「ほかのみんなの〜」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"everybody, everyone":everybody else, everyone else(ほかのみんな)

【例文】:The voice of children matters as much as everyone else's voice.
【和訳】:子供たちの声も子供たち以外の人たちの声と同じくらい重要です。
→"everyone else's"の意味は「子供以外の人全員の〜」

【例文】:You don't need compare your appearance to everyone else's at all.
【和訳】:自分の容姿と他人の容姿を比較する必要はまったくありません。
→"everybody else's"の意味は「自分以外の人全員の〜」

【関連トピック】

「everybody + 形容詞」「everyone + 形容詞」
不定代名詞everybody, everyone(6)

"everybody, everyone"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"everybody, everyone"の後ろに置きます。

# everybody + 形容詞
【例】:everybody present(出席者全員)
# everyone + 形容詞
【例】:everyone senior(年長者全員)

【例文】:欠席者には全員メールを送りました。
【 × 】:I sent emails to absent everybody.
【 ○ 】:I sent emails to everybody absent.
→形容詞"absent"(欠席した)は"everybody"の後ろに置く

【例文】:炭坑が閉鎖されると若者はみんな村を出て行ってしまいました。
【 × 】:After the coal mines closed, young everyone left the village.
【 ○ 】:After the coal mines closed, everyone young left the village.
→形容詞"young"(若い)は"everyone"の後ろに置く

【関連トピック】

動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞everybody, everyone(7)

不定代名詞の"everybody, everyone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では複数形の人称代名詞(they, their, them)を使うことがあります。

【例文】:みんな自分の水筒を用意して来ていた。
【英訳】:Everyone has his water bottle with him.
→正式な表現、単数形の"his, him"を使う
【英訳】:Everyone has his or her water bottle with him or her.
→堅い書き言葉、単数形の"his or her, him or her"を使う
【英訳】:Everyone has their water bottles with them.
→くだけた表現、複数形の"their, them"を使う、話し言葉では普通

不定代名詞の"everybody, everyone"の場合、付加疑問文では人称代名詞を複数形の"they"で受けるのが普通です。

【例文】:今時誰でもスマートフォンを持っていますよね。
【 × 】:Everyone has a smartphone nowadays, doesn't he?
【 ○ 】:Everyone has a smartphone nowadays, don't they?
→付加疑問の場合、"everyone"は"they"で受ける、動詞も"don't"を使う

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(61)
不定代名詞(18)
everything(何もかも) 先頭へ

例外なく全部であることを表わす"everything"

【目次】:不定代名詞"everything"

everything(すべてのもの、あらゆるもの)
不定代名詞everything(1)

"everything"は「話題になっている物事すべて」を指します。

【例文】:It is sad that many people lost everything in the earthquake and tsunami.
【和訳】:悲しいことに、多くの人々が地震と津波で何もかも失ってしまいました。

everything else(ほかのすべて)
不定代名詞everything(2)

"everything else"は「その他のすべてのもの」を指します。

【例文】:Keeping the workers safe takes priority over everything else in our company.
【和訳】:従業員の安全確保は当社においてほかの何よりも重要な事項です。
→"everything else"は「ほかのすべて」を表わす

"everything"の否定は「すべてが〜とは限らない」
不定代名詞everything(3)

否定文で"everything"を使う場合、意味は「すべてが〜とは限らない」です。「すべてが〜ではない」ではありません→【参照】:『不定代名詞"every":"every 〜"の否定は「すべてが〜とは限らない」

【例文】:Even if you are a millionaire, you cannot get everything you want.
【 × 】:たとえあなたが大富豪になったとしても、欲しいものをすべて手に入れることはできない
【 ○ 】:たとえあなたが大富豪になったとしても、欲しいものがすべて手に入るわけではない
→"not 〜 everything"の意味は「すべてが〜というわけではない

【関連トピック】

everything(最も大切な人、最も大切なもの)
不定代名詞everything(4)

"everything"は「最重要の人やもの」を表わすことがあります。日本語にも「お金がすべてだ(= お金が一番大事だ)」という表現があります。

【例文】:Good health is everything to everyone.
【和訳】:誰にとっても一番大切なのは健康だ。
→"everything" = "the most important thing"

【例文】:My family and our dogs mean everything to me.
【和訳】:私にとって一番大切なのは家族とペットの犬たちです。
→"everything"は「最重要の人」を表わすこともできる

【関連トピック】

everything(その場の状況、人物の様子)
不定代名詞everything(5)

"everything"は漠然とその場の状況や雰囲気の善し悪し、人物の様子や具合を表わすことがあります。

【例文】:You always only talk about yourself and spoil everything!
【和訳】:あんたはいつも自分の話ばかりして雰囲気をぶち壊す。
→"everything"は「場の雰囲気」を表わす

【例文】:It was reported that a military coup had broken out but everything in the capital was quiet.
【和訳】:軍事クーデターが発生したが首都の状況は平穏だと伝えられた。
→"everything"は「場所の様子」を表わす

【例文】:You look fairly pale. Is everything all right?
【和訳】:顔色がかなり悪いよ。は大丈夫かい。
→"everything"は「人の様子や具合」を表わす

「everything + 形容詞」
不定代名詞everything(6)

"everything"の意味を形容詞で補足する場合、形容詞は"everything"の後ろに置きます。

# everything + 形容詞
【例】:everything possible(実行可能なすべてのこと)

【例文】:甘い物はどれもニキビの元さ。
【 × 】:Sweet everything causes acne.
【 ○ 】:Everything sweet causes acne.
→形容詞"sweet"は"everything"の後ろに置く

【例文】:閉じ込められた炭坑員の救出のため人の手でできるあらゆることを行うつもりです。
【 × 】:We are goin to do humanly possible everything to rescue the trapped miners.
【 ○ 】:We are goin to do everything humanly possible to rescue the trapped miners.
→形容詞"possible"は副詞の"humanly"とともに"everything"の後ろに置く

【関連トピック】

"everything"は必ず単数扱い
不定代名詞everything(7)

不定代名詞の"everything"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も単数、動詞も単数です。

【例文】:最初のうちは見慣れないものは何でも奇妙に見えるけど、すぐに慣れてしまう。
【 × 】:At first everything foreign to you look weird, but soon you think it natural.
【 ○ 】:At first everything foreign to you looks weird, but soon you think it natural.
→"everything"は必ず単数扱い、単数形の"looks"や"it"を使う

不定代名詞の"everything"は付加疑問文でも必ず単数扱いです。

【例文】:今目に見えているものってすべて幻ですよね。
【 × 】:Everything we see now is an illusion, aren't they?
【 ○ 】:Everything we see now is an illusion, isn't it?
→"everything"は付加疑問でも単数扱い、単数形の"isn't it"を使う

【関連トピック】

"everything"を使うイディオム
不定代名詞everything(8)

【目次】:"everything"を使う主なイディオム

"everything"を使う主なイディオムをまとめます。

and everything(そのほかあれこれ、そのた何でもかんでも)
不定代名詞everything:"everything"を使うイディオム(1)

"and everything"は「すでに述べたことのほかにさらにいろいろなこと」を表わします。会話でよく使います。

【例文】:Today I have to do the cleaning and washing and everything.
【和訳】:今日は掃除や洗濯、そのほかにもやることがたくさんです。

drop everything(すべてを中止する、何もかも放り出す)
不定代名詞everything:"everything"を使うイディオム(2)

"drop everything"は「今行っていることをすべてやめる」です。

【例文】:When the shaking started, all the workers dropped everything and got out of the building.
【和訳】:揺れが始まるとすべての作業員はあらゆる作業を中止して建物の外に出て来た。

【例文】:Millions of people dropped everything and fled abroad after the war broke out.
【和訳】:戦争勃発後、何百万人もの人々がすべてを捨てて国外へ脱出しました。

動詞の"drop"には「やめる、中止する」の意味があります。

【例文】:I dropped the piano when I entered middle school.
【和訳】:中学入学後にピアノを止めました
→"drop the piano"の意味は「ピアノレッスンの受講をやめる」

everything but the kitchen sink(一切合財、何でもかんでも)
不定代名詞everything:"everything"を使うイディオム(3)

"everything but the kitchen sink"は「必要なものや必要で無いものまで含めて一切合財」を表わします。

【例文】:I always pack everything but the kitchen sink into a suitcase when I prepare for a trip.
【和訳】:旅支度をするときいつも何でもかんでもいらないものまでもスーツケースに詰め込んでしまう。

everything under the sun(ありとあらゆること、可能な限りのすべてのこと)
不定代名詞everything:"everything"を使うイディオム(4)

"everything under the sun"は「この世に存在するありとあらゆること」を表わします。数や種類が豊富に存在することを誇張した表現です。

【例文】:Today, we can get everything under the sun on online shopping.
【和訳】:今や通販でありとあらゆるものが手に入る。

A have everything going for A(Aはいいところばかりだ)
不定代名詞everything:"everything"を使うイディオム(5)

"A have everything going for A"は「Aには長所や美点が数え切れないくらいある」ことを表わします。主語のAは人も人以外も可能です。

【例文】:The family had everything going for them, but floods took away their house and farm.
【和訳】:その家族は何もかも恵まれていましたが、洪水が家も農場も奪い去ってしまいました。

"everything"を"something, anything, nothing, a lot, plenty, much"などに替えて「長所や美点の多い少ない」を変化させることができます。

【例文】:The family had something going for them.
【和訳】:その家族は何か一つは恵まれたところがあった。
【例文】:Did the family have anything going for them?
【和訳】:その家族は何か一つはに恵まれたところがありましたか。
【例文】:The family had nothing going for them.
(= The family didn't have anything going for them.)
【和訳】:その家族は何一つ恵まれたところはなかった
【例文】:The family had a lot going for them.
【和訳】:その家族はたくさんのことに恵まれていた。
【例文】:The family had plenty going for them.
【和訳】:その家族はたくさんのことに恵まれていた。
【例文】:The family didn't have much going for them.
【和訳】:その家族はあまり多くのことに恵まれてはいなかった。
→"A have much going for A"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】
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ゼロから始める代名詞(62)
不定代名詞(19)
nobody, no one(誰も〜ない) 先頭へ

一人も該当しないことを表わす"nobody, no one"

【目次】:不定代名詞"nobody, no one"

nobody, no one(誰も〜ない、みんな〜ない)
不定代名詞nobody, no one(1)

"nobody, no one"は「誰一人として当てはまらないこと」を表わします。"nobody"と"no one"はほぼ同じ意味です。"no one"は"noone"とはせずに、二語に分けて"no one"と書きます。間にハイフン(-)を入れて"no-one"と書くこともあります。

【例文】:Nobody is absent today.
【和訳】:今日は欠席者なし
→"nobody"の意味は「誰一人〜ない」

【例文】:Warm up enough, and no one will get hurt.
(= Warm up enough, and no-one will get hurt.)
【和訳】:入念に準備運動を行なえば誰もけがすることはありません
→"no one, no-one"の意味は「誰一人〜ない」

"nobody, no one"はすでに「否定の意味」を含みます。なので、「誰もいない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。

【例文】:今日は欠席者なし
【 × 】:Nobody is not absent today.
【 ○ 】:Nobody is absent today.
"→not"は不要

"not"を付け加えると意味は「今日は欠席者がいないことはない(= 今日は欠席者ばかりだ)」となり、意味が正反対です。

【例文】:入念に準備運動を行なえば誰もけがすることはありません
【 × 】:Warm up enough, and no one will not get hurt.
【 ○ 】:Warm up enough, and no one will get hurt.
"→not"は不要

"not"を付け加えると意味は「けがしないものはいない(= みんなけがをする)」となり、意味が正反対です。

nobody else, no one else(ほかの誰も〜ない)
不定代名詞nobody, no one(2)

"nobody else, no one else"は「自分以外のほかの人たちが〜ではない」ことを表わします。

【例文】:There must be nobody else but us in the house.
【和訳】:家の中には私たちのほかには誰もいないはずだ。
→"nobody else"は話し手と聞き手以外の人が家の中にいないことを表わす

【例文】:If no one else will eat the salad, then I will.
【和訳】:誰も食べないのならサラダは私が食べます。
→"no one else"は話し手以外の人が食べないことを表わす

"nobody else"や"no one else"は"'s"を付けて「〜の」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"nobody, no one":nobody's, no one's(誰かの〜ない)

【関連トピック】

nobody's, no one's(誰かの〜ない)
不定代名詞nobody, no one(3)

"nobody, no one"は"'s"を付けて「誰かの〜ない」の意味を表わすことができます。

【例文】:If I lose the election, it's nobody's fault but my own.
【和訳】:もし私が落選したとしても、それは誰のせいでもなく私自身が原因です。
→"nobody's"の意味は「誰の〜でもない」

【例文】:Continuring the strike is in no one's interest
【和訳】:ストライキの続行は誰の利益にもならない
→"no one's"の意味は「誰の〜でもない」

"nobody's, no one's"は"nobody is, nobody has, no one is, no one has"の省略形として使うこともあります→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方:語句の短縮を表わす……「不定代名詞 + is/has」の場合

【例文】:Nobody's ever experienced so much snow.
【和訳】:これまでに誰も経験したことがないほどの大雪だ。
→"nobody's" = "nobody has"

【例文】:No one's allowed to smoke here.
【和訳】:ここでの喫煙は禁止されています。
→"no one's" = "no one is"

"nobody else, no one else"も"'s"を付けて「ほかの誰かの〜ではない」の意味を表わすことができます→【参照】:『不定代名詞"nobody, no one":nobody else, no one else(ほかの誰も〜ない)

【例文】:No one else's opinions matter more than your own.
【和訳】:あなた自身の考えよりも重要な他人の考えなどありはしません
→"no one else's"の意味は「ほかの誰かの〜ではない」

【関連トピック】

nobody(平凡な人、取るに足らない人)
不定代名詞nobody, no one(4)

"nobody"に限り「平凡な人、取るに足らない人」の意味を表わすことがあります。日本語でも、他人をけなすとき「どこの誰だかわからん奴」と表現することがあります。代名詞ではなく名詞として使うのでたいてい"nobody"の前に不定冠詞(a)を置きます。複数形の"nobodies"も可能です。

"nothing"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞nothing(つまらない人やもの、取るに足りない人やもの)

【例文】:The man just a nobody trying to get some attention from media.
【 × 】:その男は誰でもなくマスコミの注目を得ようとしている。
【 ○ 】:その男はマスコミの注目を浴びたいだけのつまらない奴だ。 
→"nobody"は名詞、意味は「つまらない奴」

【例文】:We are nobodies, but each of us has our own character and personality.
【 × 】:我々は誰でもない。しかし、一人一人にそれぞれの個性と人格があります。
【 ○ 】:我々は取るに足らない人間です。しかし、一人一人にそれぞれの個性と人格があります。
→"nobodies"は名詞、意味は「取るに足らない人々」

【関連トピック】

動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞nobody, no one(5)

不定代名詞の"nobody, no one"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。ただし、会話やくだけた文章では複数形の人称代名詞(they, their, them)を使うことがあります。

【例文】:誰も責められるべきではない。全員がベストを尽くした。
【英訳】:No one is to be blamed. He did do his best.
→正式な表現、単数の"he, his"で受ける
【英訳】:No one is to be blamed. He or she did do his or her best.
→堅い書き言葉、単数の"he or she, his or her"で受ける
【英訳】:No one is to be blamed. They did do their best.
→くだけた表現、複数の"they, their"で受ける、話し言葉では普通

不定代名詞の"nobody, no one"の場合、付加疑問文では不定代名詞を複数形の"they"で受けるのが普通です。

【例文】:具合の悪い人はいませんよね。
【 × 】:No one is sick, is he?
【 ○ 】:No one is sick, are they?
→付加疑問の場合、"no one"は"they"で受ける、動詞も"are"を使う

【関連トピック】

"nobody, no one"を使うイディオム
不定代名詞nobody, no one(6)

【目次】:"nobody, no one"を使う主なイディオム

"nobody, no one"を使う主なイディオムをまとめます。

be nobody's fool(抜け目がない、愚かではない)
不定代名詞nobody, no one:"nobody, no one"を使うイディオム(1)

"no body's fool"は「知識や経験が豊富で頭がいいので簡単にはだまされない人」を表わします。たいてい"A is nobody's fool"(Aは抜け目がない、Aは愚かではない)の形で使います。"no fool"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:My daughter is only seven years old, but she is nobody's fool when it comes to money.
(= My daughter is only seven years old, but she is no fool when it comes to money.)
【和訳】:娘は七歳のくせにお金のことに関しては抜け目がない

【例文】:Younger generation are nobody's fools, because they are more concerned about climate change than older generation.
(= Younger generation are no fools, because they are more concerned about climate change than older generation.)
【和訳】:若い世代は愚かではない。なぜなら彼らは年上の世代よりも気候変動に関して懸念を抱いている。
→主語が複数の場合は"nobody's fools"とする

like nobody's business(大変上手に、すごく速く)
不定代名詞nobody, no one:"nobody, no one"を使うイディオム(2)

"like nobody's business"は「程度や度合がものすごく大きい」ことを表わします。和訳は「桁外れに大きい、ものすごくうまい、極端に速い」などです。副詞として使います。

【例文】:The wind was blowing like nobody's business.
【和訳】:猛烈な風が吹いていた。

【例文】:My cat can open the refrigerator like nobody's business.
【和訳】:うちの猫は冷蔵庫を開けるのがことのほか上手だ。

【例文】:Nick can pitch like nobody's business.
【和訳】:ニックは豪速球を投げることができる。

Nobody's perfect.(完璧な人いない、誰にでもミスはある)
不定代名詞nobody, no one":nobody, no one"を使うイディオム(3)

"Nobody's perfect."の意味は「誰にでも間違いはあるよ、間違えない人なんていない」です。ミスを責められたときやミスをした人をなぐさめるときに使う決まり文句です。会話でよく使います。

【例文】:"Nobody's perfect. Some mistakes will teach you useful lessons."
【和訳】:「ミスをしない人はいません。ミスはときにあなたにとってためになる教訓となるでしょう」

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ゼロから始める代名詞(63)
不定代名詞(20)
nothing(何も〜ない) 先頭へ

一つも該当しないことを表わす"nothing"

【目次】:不定代名詞"nothing"
  1. nothing(何も〜ない、どれも〜ない)
  2. nothing else(ほかのすべて〜ない)
  3. nothing(つまらない人やもの、取るに足りない人やもの)
  4. nothing(ゼロ、0)
  5. 「nothing + 形容詞」
  6. 必ず単数扱い
  7. "nothing"を使うイディオム
    1. for nothing(無料で、無駄に)
    2. good for nothing(役に立たない、役立たず)
    3. have nothing on 〜(〜にはかなわない)
    4. if nothing else(少なくとも、最低限は)
    5. in nothing flat(すぐに、あっという間に)
    6. like nothing on earth(すごく奇妙な、奇抜な)
    7. not for nothing(充分な理由がある、充分に納得できる)
    8. nothing but 〜(〜に過ぎない、ただ〜だけ)
    9. nothing daunted(くじけずに、ひるむことなく)
    10. nothing if not 〜(とても〜、何にもまして〜)
    11. nothing less than 〜(まさに〜、〜にほかならない)
    12. nothing more than 〜(〜に過ぎない、〜でしかない)
    13. nothing like 〜(〜に似ていない、〜には程遠い)
    14. A have nothing going for A(Aにはいいところが何もない)
    15. A have nothing on
      1. A have nothing on(Aは服を何も着ていない)
      2. A have nothing on(Aは何も予定がない)
    16. A have nothing to with B(AはBと何の関係もない)
    17. make nothing of 〜
      1. make nothing of 〜(〜を理解できない、〜がわからない)
      2. make nothing of 〜(平気で〜する、〜を物ともしない)
    18. see nothing of 〜(〜と会わない、〜と顔を合わせない)
    19. think nothing of 〜
      1. think nothing of 〜(〜は苦にならない、〜するのは平気だ)
      2. think nothing of 〜(〜を軽視する、〜をないがしろにする)
    20. something for nothing(楽して儲けること、ずるして稼ぐこと)
    21. stop at nothing to 〜(〜するために何でもする)
    22. there is nothing for it but to 〜(〜する以外にない、〜しかできない)
    23. there is nothing like 〜(〜ほどよいものはない、〜は至高だ)
    24. there is nothing to 〜(〜は実に簡単だ、〜は事実ではない)
    25. to say nothing of 〜(〜は言うまでもなく、〜はもちろんだが)

nothing(何も〜ない、どれも〜ない)
不定代名詞nothing(1)

"nothing"は「物事が一つも当てはまらないこと」を表わします。

【例文】:Nothing interests me at all.
【和訳】:面白いものは何一つないな

"nothing"はすでに「否定の意味」を含みます。なので、「何もない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。

【例文】:面白いものは何一つないな
【 × 】:Nothing doesn't interest me at all.
【 ○ 】:Nothing interests me at all.
→"doesn't"は不要

"not"を付け加えると意味は「何一つないことはない」となり、意味が正反対です。

nothing else(ほかのすべて〜ない)
不定代名詞nothing(2)

"nothing else"は「そのほかのすべて〜ではない」ことを表わします。

【例文】:There was nothing else for children to play with in the park.
【和訳】:公園にはほかに子供たちが遊べるような遊具がなかった
→"nothing else"の意味は「ほかには〜ない」

【例文】:Nothing else matters to me except the happiness of my family.
【和訳】:家族の幸せ以外に私にとって重要なものなどありません
→"nothing else"の意味は「ほかには〜ない」

nothing(つまらない人やもの、取るに足りない人やもの)
不定代名詞nothing(3)

"nothing"は「さして重要ではない人やもの」を表わします。代名詞ではなく名詞として使うので"nothing"の前に不定冠詞(a)を置くことがあります。複数形の"nothings"も可能です。

【例文】:Don't make a fuss about nothing.
【 × 】:何もないことに騒ぐな。
【 ○ 】:つまらんことで騒ぐな。
→"nothing"の意味は「つまらないこと」

特に、会話文でお礼の返事に「どういたしまして、たいしたことではありませんよ」のニュアンスでよく使います。

【例文】:"Thanks a lot." "Oh, it's nothing."
【 × 】:どうもありがとう。おお、それは何もない
【 ○ 】:どうもありがとう。いいえ、どういたしまして
→"nothing"の意味は「たいしたことではないこと」

【例文】:This is a story about a man who went from a nothing to a something.
【 × 】:この物語は何もないから何かまで成り上がった男の話だ。
【 ○ 】:この物語はパッとしない一人の人間から大物にまで成り上がった男の話だ。
→"a nothing"の意味は「つまらない人間」

【例文】:It would be rash to regard all criminals as nothings.
(= It would be rash to regard all criminals as nobodies.)
【 × 】:すべての犯罪者を何もないと断じるのは早計だろう。
【 ○ 】:すべての犯罪者を取るに足らない人間と断じるのは早計だろう。
→"nothings"の意味は「つまらない人間」

人物については"nobody, no one"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞nobody, no one(平凡な人、取るに足らない人)

【関連トピック】

nothing(ゼロ、0)
不定代名詞nothing(4)

"nothing"は数字のゼロを表わします。特にスポーツの試合結果で得点ゼロを表現するときによく使います。

【例文】:The final score was Hawks five, Lions nothing .
(= The final score was Hawks five, Lions no points.)
【和訳】:最終スコアはホークス五点、ライオンズは零点だった。

「nothing + 形容詞」
不定代名詞nothing(5)

形容詞は"nothing"の後ろに置きます。

# nothing + 形容詞
【例】:nothing new(新しいことは〜ない)

【例文】:あなたにお話しするようなことは特にありません
【 × 】:There's particular nothing to tell you.
【 ○ 】:There's nothing particular to tell you.
→形容詞"particular"は"nothing"の後ろに置く

【例文】:警察が家宅捜査を行なったが怪しいものは何も見つからなかった。
【 × 】:The police found suspicious nothing in the house.
【 ○ 】:The police found nothing suspicious in the house.
→形容詞"suspicious"は"nothing"の後ろに置く

【関連トピック】

必ず単数扱い
不定代名詞nothing(6)

不定代名詞の"nothing"は必ず単数扱いです。受ける代名詞動詞も単数です。

【例文】:昔のままで残っているものは何もない。
【 × 】:Nothing remain as they were.
【 ○ 】:Nothing remains as it was.
→"nothing"は必ず単数扱いなので、単数形の"remains, was"や"it"を使う

不定代名詞の"nothing"は付加疑問文でも必ず単数扱いです。

【例文】:何も壊れていませんよね。
【 × 】:Nothing is broken, aren't they?
【 ○ 】:Nothing is broken, isn't it?
→"nothing"は付加疑問でも単数扱い、単数形の"isn't it"を使う

【関連トピック】

"nothing"を使うイディオム
不定代名詞nothing(7)

【目次】:"nothing"を使う主なイディオム
  1. for nothing(無料で、無駄に)
  2. good for nothing(役に立たない、役立たず)
  3. have nothing on 〜(〜にはかなわない)
  4. if nothing else(少なくとも、最低限は)
  5. in nothing flat(すぐに、あっという間に)
  6. like nothing on earth(すごく奇妙な、奇抜な)
  7. not for nothing(充分な理由がある、充分に納得できる)
  8. nothing but 〜(〜に過ぎない、ただ〜だけ)
  9. nothing daunted(くじけずに、ひるむことなく)
  10. nothing if not 〜(とても〜、何にもまして〜)
  11. nothing less than 〜(まさに〜、〜にほかならない)
  12. nothing more than 〜(〜に過ぎない、〜でしかない)
  13. nothing like 〜(〜に似ていない、〜には程遠い)
  14. A have nothing going for A(Aにはいいところが何もない)
  15. A have nothing on
    1. A have nothing on(Aは服を何も着ていない)
    2. A have nothing on(Aは何も予定がない)
  16. A have nothing to with B(AはBと何の関係もない)
  17. make nothing of 〜
    1. make nothing of 〜(〜を理解できない、〜がわからない)
    2. make nothing of 〜(平気で〜する、〜を物ともしない)
  18. see nothing of 〜(〜と会わない、〜と顔を合わせない)
  19. think nothing of 〜
    1. think nothing of 〜(〜は苦にならない、〜するのは平気だ)
    2. think nothing of 〜(〜を軽視する、〜をないがしろにする)
  20. something for nothing(楽して儲けること、ずるして稼ぐこと)
  21. stop at nothing to 〜(〜するために何でもする)
  22. there is nothing for it but to 〜(〜する以外にない、〜しかできない)
  23. there is nothing like 〜(〜ほどよいものはない、〜は至高だ)
  24. there is nothing to 〜(〜は実に簡単だ、〜は事実ではない)
  25. to say nothing of 〜(〜は言うまでもなく、〜はもちろんだが)

"nothing"を使う主なイディオムをまとめます。

for nothing(無料で、無駄に)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(1)

"for nothing"の意味は「無料で、ただで」です。

【例文】:People over sixty-five can use buses, trams, and subways for nothing.
(= People over sixty-five can use buses, trams, and subways for free.)
【和訳】:六十五才以上の方はバス、路面電車、地下鉄を無料でご利用できます。
→"for nothing"の意味は「無料で」(= for free)

"for nothing"は「結果が無駄になること、何の役にも立たないこと」というニュアンスを表わすこともあります。

【例文】:My worries were for nothing because there was little damage from the earthquake.
(= My worries were in vain because there was little damage from the earthquake.)
【和訳】:地震の被害はほぼゼロだったので私の心配は無用だった
→"for nothing"の意味は「無駄に」(= in vain)

good for nothing(役に立たない、役立たず)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(2)

"good for nothing"は怠け者や役立たずのような「価値のない人間」を表わします。名詞として使います。ハイフン(-)を入れて"good-for-nothing"と綴ることもあります。

【例文】:Don't label yourself as a good for nothing.
【和訳】:自分自身に役立たずというレッテルを貼ってはいけません。
→"good for nothing"は名詞、意味は「役立たず」

"good for nothing"は形容詞として使うこともできます。

【例文】:Older people tend to regard younger people as good-for-nothing layabouts.
【和訳】:年寄りは若者を役に立たない怠け者と見なしがちだ。
→"good-for-nothing"は形容詞、意味は「役立たずの」

have nothing on 〜(〜にはかなわない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(3)

"have nothing on 〜"の意味は「人が能力や才能、勉強、仕事などで〜に太刀打ちできない」です。

【例文】:I have nothing on my little brother when it comes to video games.
【和訳】:ゲームに関しては弟にかなわない
→"have nothing on 〜"の意味は「〜には勝てない〜にはかなわない」

【関連トピック】

if nothing else(少なくとも、最低限は)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(4)

"if nothing else"の直訳は「ほかのことは何もないとしても」です。ニュアンスは「ほかのことはさて置いてもっとも大切なことは」です。

【例文】:If nothing else, you should prepare food and water for three days.
(= You should at least prepare food and water for three days.)
【和訳】:最低限、三日分の食料と水を用意しておいて下さい。

in nothing flat(すぐに、あっという間に)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(5)

"in nothing flat"のニュアンスは「非常に短い時間で」です。副詞として使います。

【例文】:Some ambulances arrived at the accident scene in nothing flat.
(= Some ambulances arrived at the accident scene immediately.)
【和訳】:事故現場にはすぐに数台の救急車が到着した。

like nothing on earth(すごく奇妙な、奇抜な)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(6)

"like nothing on earth"の直訳は「地球上の何ものにも似ていない」です。ニュアンスは「この世のものとは思えないほどに奇妙な」です。形容詞として使います。

【例文】:The fish looked like nothing on earth but tasted good.
(= The fish looked weird but tasted good.)
【和訳】:この魚は見た目は不気味だったが味はよかった。

not for nothing(充分な理由がある、充分に納得できる)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(7)

"not for nothing"は二重否定(〜でないことはない)なので一種の強調表現です。直訳すると「理由がまったくないということはない」つまり「必要かつ充分な理由がある」です。

【例文】:It's not for nothing that cyclists should also wear a helmet because accidents can happen.
【和訳】:事故は起るものなので自転車に乗るときもヘルメットをかぶるべきというのはもっともな理由です

nothing but 〜(〜に過ぎない、ただ〜だけ)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(8)

"nothing but 〜"のニュアンスは「まさしく〜そのものだ」です。直訳すると「〜以外の何ものでもない」つまり「〜に過ぎない、ただ〜だけ」です。"but"の意味は「〜以外」(= except)です。たいてい、「nothing but + 名詞」の形で使います。

【例文】:Everything the president said is nothing but racial discrimination.
【和訳】:大統領の発言はすべて人種差別にほかならない
(= 大統領の発言はすべて人種差別以外の何ものでもない)

【例文】:We could hear nothing but birds singing after we went into the woods.
(= We could only hear birds singing after we went into the woods.)
【和訳】:森の中に入ると聞こえるのは鳥のさえずりだけだった。
(= 森の中に入ると鳥のさえずり以外は何も聞こえなかった。)

「do nothing but + "to"のない不定詞(原形不定詞)」の形で「ただ〜するのみ」の意味を表わします。

【例文】:We were forced to stay at home because it did nothing but rain the whole day.
【和訳】:一日中雨ばかり降り続いていたので家にこもらざるを得なかった。
→"rain"は"to"のない不定詞(原形不定詞)

【関連トピック】

nothing daunted(くじけずに、ひるむことなく)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(9)

"nothing daunted"のニュアンスは「困難や苦難があるとしてもくじけずに」です。"daunt"の意味は「気力をくじく、自信を失わせる」です。

【例文】:Nothing daunted, the rescue team made their way to the isolated village in a downpour.
【和訳】:土砂降りの中、救助隊は臆することなく孤立した村へ歩を進めました。

nothing if not 〜(とても〜、何にもまして〜)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(10)

"nothing if not 〜"は二重否定(〜でないことはない)なので一種の強調表現です。直訳すると「もし〜でなかったら何でもない」つまり「〜以外の何ものでもない、非常に〜だ」です。副詞として使います。

【例文】:Good-looking teeth mean nothing if not healthy.
(= Good-looking teeth mean very healthy.)
【和訳】:きれいな歯はとても健康であることを意味します。

nothing less than 〜(まさに〜、〜にほかならない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(11)

"nothing less than 〜"は二重否定(〜でないことはない)なので一種の強調表現です。直訳すると「〜以下の何ものでもない」つまり「まさに〜だ、〜にほかならない」です。

【例文】:There was no casualty in the derailment accident. It was nothing less than a miracle.
【和訳】:列車脱線事故で死傷者は一人もいなかった。それは奇跡にほかならなかった

【関連トピック】

nothing more than 〜(〜に過ぎない、〜でしかない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(12)

"nothing more than 〜"の直訳は「〜以上のものでは決してない」です。ニュアンスは「どれほどよいほうに考えてもせいぜい〜である」です。

【例文】:My right arm wasn't broken. It was nothing more than a bruise.
【和訳】:右腕の骨は折れていなかった。ただの打ち身だった。

"no more than 〜"や"only"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:My right arm wasn't broken. It was no more than a bruise.
(= My right arm wasn't broken. It was nothing more than a bruise.)
(= My right arm wasn't broken. It was only a bruise.)
【和訳】:右腕の骨は折れていなかった。ただの打ち身だった。

【関連トピック】

nothing like 〜(〜に似ていない、〜には程遠い)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(13)

"nothing like 〜"は見た目や特徴がちっとも似ていないことを表わします。

【例文】:College life is nothing like what I expected it to be.
【和訳】:大学生活は自分が予想していたものとは似ても似つかぬものでした

"nothing like 〜"は強い否定(〜どころではない)を表わすこともあります。副詞として使います。

【例文】:There was nothing like enough space for 300 people in the hall.
【和訳】:そのホールには三百人を収容するほどのスペースはまったくありませんでした。

A have nothing going for A(Aにはいいところが何もない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(14)

"A have nothing going for A"の意味は「Aには長所や美点が何一つない」です。主語のAは人も人以外も可能です。

【例文】:The apartment had nothing going for it, but it was very accessible.
(= The apartment didn't have anything going for it, but it was very accessible.)
【和訳】:そのアパートにはいいところは何もなかったが交通の便だけは非常によかった。

"nothing"を"something, anything, everything, a lot, plenty, much"などに替えて「長所や美点の多い少ない」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:The apartment had something going for it.
【和訳】:そのアパートには何かいいところがあった。
【例文】:Did the apartment have anything going for it?
【和訳】:そのアパートには何かいいところがありましたか。
【例文】:The apartment had everything going for it.
【和訳】:そのアパートにはあらゆるいいところがあった。
【例文】:The apartment had a lot going for it.
【和訳】:そのアパートにはいいところがたくさんあった。
【例文】:The apartment had plenty going for it.
【和訳】:そのアパートにはいいところがたくさんあった。
【例文】:The apartment didn't have much going for it.
【和訳】:そのアパートにはいいところがあまりなかった。
→"A have much going for A"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

A have nothing on
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(15)

【目次】:イディオム"A have nothing on"の意味

イディオム"A have nothing on"には複数の意味があります。

【関連トピック】

A have nothing on(Aは服を何も着ていない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:A have nothing on(1)

"A have nothing on"の意味は「Aは全裸である」です。

【例文】:I always have nothing on except underpants when I sleep.
【和訳】:寝るときはいつもパンツ以外は何も着ていない
→"have nothing on"の意味は「服を着ていない」

A have nothing on(Aは何も予定がない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:A have nothing on(2)

"A have nothing on"のもう一つの意味は「Aは何かをする予定がない」です。

【例文】:I have nothing on next Sunday, so I'm going to fish.
(= I don't have anything on next Sunday, so I'm going to fish.)
【和訳】:次の日曜日は何もないので釣りに出掛けるつもりです。
→"have nothing on"の意味は「何も予定がない」

"nothing"を"something, anything, a lot"などに替えて「予定のあるなし」の表現を変えることができます。

【参考】

【例文】:I have something on next Sunday, so I can't go fishing.
【和訳】:次の日曜日は何か予定があるから釣りには行けない。
【例文】:Do you have anything on next Sunday?
【和訳】:次の日曜日は何か予定がありますか。
【例文】:I have a lot on next Sunday, so I can't go fishing.
【和訳】:次の日曜日は予定がたくさんあるので釣りに行けない。

【関連トピック】

A have nothing to with B(AはBと何の関係もない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(16)

「A + have nothing to do with B」の意味は「AはBとはまったく無関係だ、AはBとは一切関わりがない」です。

【例文】:The food we eat has nothing to do with our health.
(= The food we eat doesn't have anything to do with our health.)
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とはまったく関係ありません

"nothing"を"anything, little, something, a lot, much, very much"などに替えて「関連の浅い深い」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Does the food we eat have anything to do with our health?
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とは何か関係がありますか。
【例文】:The food we eat has little to do with our health.
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とはほとんど関係ありません
【例文】:The food we eat has something to do with our health.
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とは何か関係があります。
【例文】:The food we eat has a lot to do with our health.
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とは大いに関係があります。
【例文】:The food we eat doesn't have much to do with our health.
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とはあまり関係がありません
→"have much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い
【例文】:The food we eat doesn't have very much to do with our health.
【和訳】:私たちが口にする食べ物は私たちの健康とは深い関係はありません
→"have very much to do with 〜"は否定文か疑問文で使うことが多い

【関連トピック】

make nothing of 〜
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(17)

【目次】:イディオム"make nothing of 〜"の意味

イディオム"make nothing of 〜"には複数の意味があります。

make nothing of 〜(〜を理解できない、〜がわからない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:make nothing of(1)

"make nothing of 〜"の意味は「人の発言や考えなどを理解できない、物事や状況などを把握できない」です。たいてい、"can/could + make nothing of 〜"の形で使います。

【例文】:The boy's voice was so low that I could make nothing of what he was trying to say.
(= The boy's voice was so low that I couldn't make anything of what he was trying to say.)
【和訳】:男の子の声はひどく小さかったので何を言おうとしているのかまったくわかりませんでした

"nothing"を"anything, little, much"などに替えて「理解の度合」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Could you make anything of what the boy was trying to say?
【和訳】:男の子が何を言おうとしているのか何かわかりましたか。
【例文】:The boy's voice was so low that I could make little of what he was trying to say.
【和訳】:男の子の声はひどく小さかったので何を言おうとしているのかほとんどわかりませんでした。
【例文】:The boy's voice was so low that I couldn't make much of what he was trying to say.
【和訳】:男の子の声はひどく小さかったので何を言おうとしているのかあまりわかりませんでした。
→"make much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い

【関連トピック】

make nothing of 〜(平気で〜する、〜を物ともしない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:make nothing of(2)

"make nothing of 〜"のもう一つ意味は「危険や困難などを楽に乗り切る」です。

【例文】:じいちゃんは山男だから一日十キロぐらい平気で歩く。
【和訳】:My gradpa is a mountaineer and makes nothing of walking 10 kilometers a day.

see nothing of 〜(〜と会わない、〜と顔を合わせない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(18)

"see nothing of 〜"の意味は「人とまったく会わない、人とまったく顔を合わせない」です。

【例文】:I've seen nothing of my parents since I left my home town.
(= I've not seen anything of my parents since I left my home town.)
【和訳】:故郷を離れて以来、両親にまったく会っていない

"nothing"を"something, little, a lot, much, very much, more, less"などに替えて「会う頻度」を増減させることができます。

【参考】

【例文】:I've seen something of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはときどき会う。
【例文】:I've seen little of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはほとんど会わない
【例文】:I've seen a lot of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはよく会う。
【例文】:I haven't seen much of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはあまり会わない
→"see much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:I haven't seen very much of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはそれほど会わない
→"see very much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い
【例文】:I've seen more of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはよく会うようになった
【例文】:I've seen less of my parents since I left my home town.
【和訳】:故郷を離れて以来、両親とはあまり会わなくなった

【関連トピック】

think nothing of 〜
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(19)

【目次】:イディオム"think nothing of 〜"の意味

イディオム"think nothing of 〜"には複数の意味があります。

think nothing of 〜(〜は苦にならない、〜するのは平気だ)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:think nothing of 〜(1)

"think nothing of 〜"の意味は「ほかの人とは違って自分は〜を楽にこなすことができると思う」です。

【例文】:I think nothing of lining up all night long to get a concert ticket.
(= I think little of lining up all night long to get a concert ticket.)
【和訳】:コンサートのチケットを買うために徹夜して並ぶのは平気だよ

think nothing of 〜(〜を軽視する、〜をないがしろにする)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム:think nothing of 〜(2)

"think nothing of 〜"のもう一つの意味は「人や物事に低い評価を与える、人や物事を重要視しない」です。

【例文】:Initially, I thought nothing of the backache.
(= Initially, I didn't think anything of the backache.)
【和訳】:始めはこの腰痛はたいしたことはないと思っていました

"nothing"を"little, a lot, much"などに替えて「評価、重要視の度合」を変化させることができます。

【参考】

【例文】:Initially, I thought little of the backache.
(= Initially, I thought nothing of the backache.)
【和訳】:始めはこの腰痛はたいしたことはないと思っていました。
【例文】:From the beginning, I thought a lot of the backache.
【和訳】:最初からこの腰痛は大ごとだと思っていました。
【例文】:Initially, I didn't think much of the backache.
【和訳】:始めはこの腰痛はあまりたいしたことはないと思っていました。
→"think much of 〜"は疑問文か否定文で使うことが多い

something for nothing(楽して儲けること、ずるして稼ぐこと)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(20)

"something for nothing"のニュアンスは「必要な努力をせずに何かを得ること」です。

【例文】:I cannot rely on the people who try to get something for nothing.
【和訳】:労せずして儲けようとする人を当てにすることはできません。

stop at nothing to 〜(〜するために何でもする)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(21)

"stop at nothing to 〜"のニュアンスは「目的達成のために何でも行う」です。直訳すると「〜するために止めることはない」です。たいてい「will/would" + stop at nothing + to不定詞」の形で使います。

【例文】:The father would stop at nothing to prove that his son was innocent.
【和訳】:父親は息子の無実を証明するためにあらゆる手を尽くした

不正や非道徳的な手を使うというニュアンスを含むこともあります。

【例文】:Cyber criminals will stop at nothing to get your personal information.
【和訳】:ネット上の犯罪者たちは個人情報を手に入れるために手段を選ばない

there is nothing for it but to 〜(〜する以外にない、〜しかできない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(22)

「There is nothing for it but + to不定詞」は二重否定(〜でないことはない)なので一種の強調表現です。直訳すると「〜すること以外にそれに対して何もない」つまり「それに対して〜すること以外に手の打ちようがない、それに対して〜するほかない」です。"but"の意味は「〜以外」(= except)です。

【例文】:There was nothing for it but to wait until the fog lifted.
【和訳】:霧が晴れるまで待つしかなかった

there is nothing like 〜(〜ほどよいものはない、〜は至高だ)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(23)

"there is nothing like 〜"の直訳は「〜に似たものは一切存在しない」です。ニュアンスは「〜を上回るものは存在しない、〜は最高だ」です。

【例文】:There's nothing like stretching my arms and legs after a long car ride.
【和訳】:長時間車に乗ったあとに手足を伸ばすときほど気持いいものはない

there is nothing to 〜(〜は実に簡単だ、〜は事実ではない)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(24)

"there is nothing to 〜"のニュアンスは「〜には何一つむつかしいところはない」です。直前の話の内容を"it"で受けて"There's nothing to it."(それは簡単だ)の形でよく使います。

【例文】:I think anyone can play ukulele. There's nothing to it really.
【和訳】:ウクレレは誰でも弾けると思うよ。本当に簡単さ

"there is nothing to 〜"のもう一つの意味は「〜は事実ではない、〜はでまかせである」です。

【例文】:There's nothing to the rumor that the volcano is going to erupt soon.
【和訳】:その火山がもうすぐ噴火するという噂は真っ赤なうそだ

to say nothing of 〜(〜は言うまでもなく、〜はもちろんだが)
不定代名詞nothing:"nothing"を使うイディオム(25)

"to say nothing of 〜"のニュアンスは「〜は当然のこととして」です。話の内容を強調するために「〜はもとより」の意味で"to say nothing of 〜"付け加えます。

【例文】:It takes time to prepare dinner, to say nothing of cooking it.
(= It takes time to prepare dinner, not to mention cooking it.)
【和訳】:夕食を作るのはもちろん、準備にも時間がかかります。

【例文】:Even specialists can be fooled, to say nothing of common people, by online fake information.
【和訳】:一般人はもちろんのこと、専門家さえもネット上の偽情報にだまされる可能性がある。

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不定代名詞の「数」

ゼロから始める代名詞(64)
不定代名詞に「数」はあるの? 先頭へ

不定代名詞にも「数」はある

「不定」という名前からして「数」など関係なさそうですが、不定代名詞にも状況に応じて「数」が決まります。

複数形があるのは"other"と"one"のみ。語尾に複数を表わす"s"が付いて"others, ones"になります。この二つ以外のすべての不定代名詞は単数と複数で同じ形です。

単数と複数が同形だと「数」をどう扱うかで二つの疑問が出て来ます。

不定代名詞の「数」の疑問
  1. 主語になったとき、動詞の「数」はどうするのか
    たとえば、"somebody"が主語のとき、動詞は"have"なのか"has"なのか。
    あるいは、過去時制のとき、"was"なのか"were"なのか。
  2. 人称代名詞で受けるとき、「数」はどうするのか
    たとえば、前の文に出て来た"each"を受けるとき、"he"を使うのか"they"使うのか。
    あるいは、"everything"を受けるとき、"it"使うのか"they"使うのか。
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ゼロから始める代名詞(65)
不定代名詞の「数」の扱い方 先頭へ

単数扱いのものと複数扱いのもの

「数」の扱い方に関して、不定代名詞全体が六つのグループに分かれます。

不定代名詞の「数」の扱い

原則として、単数扱いと複数扱いの両方で使える不定代名詞は正式な表現では単数扱いとなり、会話やくだけた文章では複数扱いとなります。

必ず単数扱い
不定代名詞の「数」の扱い方(1)

必ず単数扱いの不定代名詞

主語になれば動詞は必ず単数形、人称代名詞で受けるときは必ず"he, his, him, she, her, it"などの単数形を使います。

another(もう一人、もう一つ)
不定代名詞の「数」の扱い方:必ず単数扱いの不定代名詞(1)

不定代名詞の"another"は必ず単数扱いです。

【例文】:If you now buy this magnetic necklace, you get another. Of course, it is free.
【和訳】:今この磁気ネックレスを買えば、もう一つ付いてきます。もちろん、無料です。
→"another"は必ず単数扱いなので動詞は単数の"is"、代名詞は"it"を使う

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something(何か)
不定代名詞の「数」の扱い方:必ず単数扱いの不定代名詞(2)

不定代名詞の"something"は必ず単数扱いです。

【例文】:There is something wrong with this television.
【和訳】:このテレビはどっか壊れている。
→"something"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う

【例文】:I saw something black run away. Probably it was a cat.
【和訳】:何か黒いものが走って逃げるのが見えた。たぶん猫だ。
→"something"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"was"、代名詞は"it"を使う

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anything(何か、どれでも)
不定代名詞の「数」の扱い方:必ず単数扱いの不定代名詞(3)

不定代名詞の"anything"は必ず単数扱いです。

【例文】:Please call me if anything happens.
【和訳】:何かあったら、私に電話して下さい。
→"anything"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"happens"を使う

【例文】:Take anything you want. I'll give it to you.
【和訳】:好きなのを持って行って下さい。差し上げますよ。
→"anything"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う

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everything(何もかも)
不定代名詞の「数」の扱い方:必ず単数扱いの不定代名詞(4)

不定代名詞の"everything"は必ず単数扱いです。

【例文】:Everything is OK. We captured all invaders.
【和訳】:万事問題ない。侵入者は全員引っ捕らえた。
→"everything"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う

【例文】:I'll buy everything you want. No matter how expensive it is.
【和訳】:欲しいものは何でも買ってあげる。どんなに高価でもかまわない。
→"everything"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う

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nothing(何も〜ない)
不定代名詞の「数」の扱い方:必ず単数扱いの不定代名詞(5)

不定代名詞の"nothing"は必ず単数扱いです。

【例文】:Nothing is more important than our own life.
【和訳】:自分自身の命よりも大切なものはない。
→"nothing"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う

【例文】:We have nothing to eat. It was stolen by pirates.
【和訳】:食べ物は何もない。海賊たちに奪われてしまった。
→"nothing"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う

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原則として単数、たまに複数扱い
不定代名詞の「数」の扱い方(2)

原則として単数扱いの不定代名詞

原則として単数扱いだけど、会話やくだけた文章では動詞人称代名詞も複数形を使います。

ただし、付加疑問文では、"anybody, anyone, somebody, someone, everybody, everyone, nobody, no one"は複数扱いです→【参照】:『間違えやすい付加疑問文:"Somebody is 〜, aren't they?"

【例文】:みんな帰っちゃったかな。
【 × 】:Everybody has gone home, hasn't he?
【 ○ 】:Everybody has gone home, haven't they?
→付加疑問文では"everybody"は複数扱い、"have", "they"を使う

each(めいめい、それぞれ)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(1)

【例文】:私の友達はみんな自分の携帯電話を持っている。
【英訳】:Each of my friends has his cell phone.
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【英訳】:Each of my friends has his or her cell phone.
→堅い書き言葉、単数形の"his or her"を使う
【英訳】:Each of my friends has their cell phone.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

"each"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"や"his or her"を使います。

複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

「every + 名詞」(全部、あらゆる)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(2)

"every"は形容詞ですが、「every + 名詞」で"each"と似たような意味を持つので「every + 名詞」の形をここで扱います。

【例文】:児童はみんなそれぞれ自分の箸を持っている。
【英訳】:Every pupil has his own chopsticks.
→正式な表現、単数形の"his"を使う
【英訳】:Every pupil has his or her own chopsticks.
→堅い書き言葉、単数形の"his or her"を使う
【英訳】:Every pupil has their own chopsticks.
→くだけた表現、複数形の"their"を使う、話し言葉では普通

「every + 名詞」は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"や"his or her"を使います。

複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

either(二つのうちのいずれか一つ、両方とも)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(3)

【例文】:このチーズーバーガーはどちらかが食品サンプルです。ロウでできています。
【英訳】:Either of these cheese burgers is fake. It is made from wax.
→正式な表現、単数形の"is", "it"を使う
【英訳】:Either of these cheese burgers are fake. They are made from wax.
→くだけた表現、複数形の"are", "they"を使う、話し言葉では普通

"either"は単数扱いなので正式な言い方では動詞は単数形の"is"を使います。人称代名詞で受ける場合は単数形の"it"を使います。

複数形の動詞"are"や複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

neither(二つとも〜ない、どちらも〜ない)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(4)

【例文】:兄は二人とも今は自分の車を持っていない。
【英訳】:Neither of my brothers has his car.
→正式な表現、単数形の"has", "his"を使う
【英訳】:Neither of my brothers have their cars.
→くだけた表現、複数形の"have", "their"を使う、話し言葉では普通

"neither"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"を使います。

複数形の動詞"have"や複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

somebody, someone(誰か)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(5)

【例文】:何者かが基地内に侵入した。スパイだと思われる。
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. It seems that he is an agent.
→正式な表現、単数形の"he"を使う
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. It seems that he or she is an agent.
→堅い書き言葉、単数形の"he or she"を使う
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. It seems that they are agents.
→くだけた表現、複数形の"they"を使う、話し言葉では普通

"somebody, someone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"he"や"he or she"を使います。

複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

anybody, anyone(誰か、誰でも)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(6)

【例文】:この温泉は誰でも利用できます。料金を請求されることもありません。
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. He is never charged.
→正式な表現、単数形の"he"を使う
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. He or she is never charged.
→堅い書き言葉、単数形の"he or she"を使う
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. They are never charged.
→くだけた表現、複数形の"they"を使う、話し言葉では普通

"anybody, anyone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"is"を使い、人称代名詞で受ける場合は、単数形の"he"や"he or she"を使います。

複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

everybody, everyone(誰でも、全員、みんな)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(7)

【例文】:みんな宿題があります。自力でやらないといけません。
【英訳】:Everybody has homework. He has to do it without help.
→正式な表現、単数形の"he"を使う
【英訳】:Everybody has homework. He or she has to do it without help.
→堅い書き言葉、単数形の"he or she"を使う
【英訳】:Everybody has homework. They have to do it without help.
→くだけた表現、複数形の"they"を使う、話し言葉では普通

"everybody, everyone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"he"や"he or she"を使います。

複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

nobody, no one(誰も〜ない)
不定代名詞の「数」の扱い方:原則として単数扱いの不定代名詞(8)

【例文】:一人で生きてきた人なんていない。見知らぬ誰かにきっと助けられているはずだ。
【英訳】:Nobody has lived alone. He is sure to be helped by someone unknown.
→正式な表現、単数の"he"で受ける
【英訳】:Nobody has lived alone. He or she is sure to be helped by someone unknown.
→堅い書き言葉、単数の"he or she"で受ける
【英訳】:Nobody has lived alone. They are sure to be helped by someone unknown.
→くだけた表現、複数の"they"で受ける、話し言葉では普通

"nobody, no one"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"he"や"he or she"を使います。

複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。

【関連トピック】

必ず複数扱い
不定代名詞の「数」の扱い方(3)

必ず複数扱いの不定代名詞

"both"は語尾に複数を表わす"s"は付きませんが、必ず複数扱いです。

both(二つのうちのどちらも、両方とも)
必ず複数扱いの不定代名詞(1)

【例文】:Both of my eyes are itchy due to hay fever. Eyewash can't cure them.
【和訳】:花粉症のせいで両目がかゆい。目薬も効かない。

"both"は必ず複数扱いなので、動詞は複数形の"are"を使い、人称代名詞は"them"で受けます。

【関連トピック】

原則として複数、たまに単数扱い
不定代名詞の「数」の扱い方(4)

原則として複数扱いの不定代名詞

"none"は原則として複数扱いです。主語になれば動詞は複数形、人称代名詞で受けるときは"they, their, them"などの複数形を使います。

ただし、かしこまった書き言葉では動詞に単数形を使い、人称代名詞も単数形を使うことがあります。

none(誰も〜ない、どれも〜ない)
原則として複数扱いの不定代名詞(1)

【例文】:私の絵は一枚も売れなかったで、燃やしてしまった。
【 ○ 】:None of my paintings has sold, so I burnt it.[※かしこまった表現]
【 ○ 】:None of my paintings have sold, so I burnt them.[※無難な表現]

"none"は原則として複数扱いなので、動詞は複数形の"have"、人称代名詞も複数形の"them"が普通です。

単数形の"has"や"it"を使うのはかしこまった表現です。

【関連トピック】

文脈に応じて単数と複数両方ありうる
不定代名詞の「数」の扱い方(5)

一部の不定代名詞は前後の文脈に応じて意味が変化するので、単数と複数のどちらもありえます。よく見かける構文について、いくつか例を挙げます。

文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞

some
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(1)

「some of + 名詞」を主語に置くとき、「数」は名詞に合わせます。なので、単数と複数の両方がありえます。

【例文】:同級生の中には食中毒で倒れた人もいた
【 × 】:Some of my classmates has come down with food poisoning.
【 ○ 】:Some of my classmates have come down with food poisoning.
→動詞の「数」は"classmates"に合わせて「複数」

【例文】:集められたお金の一部はユネスコに寄付された。
【 × 】:Some of the money collected were donated to UNESCO.
【 ○ 】:Some of the money collected was donated to UNESCO.
→動詞の「数」は"money"に合わせて「単数」、"money"は「数えられない名詞」

【関連トピック】

any
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(2)

「any of + 複数名詞」を主語に置くとき、単数と複数いずれも可能です。

【例文】:ここにある絵はどれも偽物だ。
【 ○ 】:Any of these paintings are fake.
【 ○ 】:Any of these paintings is fake.
→正式な表現では「単数」をよく使う

【関連トピック】

other
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(3)

"other"は、ほかの不定代名詞とは異なり、複数形では語尾に"s"を付けます。

【例文】:一人が牛丼を食べて、もう一人がカレーライスを食べている。
【 × 】:One is eating beef bowl, and the others are eating curry and rice.
【 ○ 】:One is eating beef bowl, and the other is eating curry and rice.
→"other"は「もう一人の人間」を表わすので単数扱い

【例文】:一人が牛丼を食べて、ほかのみんなはカレーライスを食べている。
【 × 】:One is eating beef bowl, and the other is eating curry and rice.
【 ○ 】:One is eating beef bowl, and the others are eating curry and rice.
→"others"は「二人以上の複数の人間」を表わすので複数扱い

【関連トピック】

all
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(4)

【目次】:不定代名詞allの「数」

「all of + 名詞」……「数」は名詞に合わせる
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:all(1)

「all of + 名詞」を主語に置くとき、「数」は名詞に合わせます。なので、単数と複数の両方がありえます。

【例文】:日本人ならみんながみんな寿司を好きというわけではない。
【 × 】:All of the Japanese people doesn't like sushi.
【 ○ 】:All of the Japanese people don't like sushi.
→"people"に合わせて「数」は複数

【例文】:町全体に雪が降り積もった。
【 × 】:All of the town were covered with snow.
【 ○ 】:All of the town was covered with snow.
→"town"に合わせて「数」は単数

【関連トピック】

「all + 主語 + 動詞」……通例、単数扱い
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:all(2)

「all + 主語 + 動詞」で文全体の主語になるときは通例、単数扱いです。この場合の"all"の意味は「最も望まれること、一番大切なこと、これだけは譲れないこと」です。「〜の全員、〜の全部」ではありません。

【例文】:あなたに必要なものはやる気のみです。
【 × 】:All you need are incentive.
【 ○ 】:All you need is incentive.
→"all you need"は単数扱い

【関連トピック】

one
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(5)

【目次】:不定代名詞oneの「数」

「one + of + 複数名詞」……「数」はoneに合わせて単数
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:one(1)

「one + of + 複数名詞」の意味は「〜の中の一人、〜の中の一つ」です。"one + of"の次には必ず複数形の名詞を使います。ただし、動詞の「数」は"one"のほうに合わせて単数形を使います。

【例文】:これらのダイヤの指輪のうち一つは偽物だ。
【 × 】:One of these diamond rings are fake.
【 ○ 】:One of these diamond rings is fake.
→"one"に合わせて「数」は単数

【関連トピック】

単独のone……何を指しているかによってoneとonesを使い分ける
不定代名詞の「数」の扱い方:文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:one(2)

不定代名詞の"one"を単独で使うときは、何を指しているかによって"one"と"ones"を使い分けます。"one"の意味は「一、一つ」なのに複数形の"ones"が存在するのは奇妙にも思えますが、英語ではごく普通に"ones"を不定代名詞として使います。

【例文】:父さんは自分のバイクを持っているが、オレは持っていない。
【 ○ 】:My father has his motorcycle, but I don't have one.
→"motorcycle"「単数」なので、単数形の"one"で受ける
【例文】:父さんは数枚のクレジットカードを持っているが、私は一枚も持っていない。
【 ○ 】:My father has several credit cards, but I don't have ones.
→"credit cards"「複数」なので、複数形の"ones"で受ける

【関連トピック】
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再帰代名詞

ゼロから始める代名詞(66)
再帰代名詞(myself, ourselves, etc) 先頭へ

自分自身を表わす再帰代名詞

【目次】:再帰代名詞

再帰代名詞の一覧
再帰代名詞(1)

たまに見かける再帰代名詞、意味は「〜自身」です。

【再帰代名詞】

一人称二人称三人称
単数 myselfyourselfhimself, herself, itself
複数 ourselvesyourselvesthemselves

再帰代名詞は人称と数が変わると形が変化します。

現代の英語で使うのは上記の八つのみ。"Iself"や"meself", "heself", "hisself", "sheself"などの再帰代名詞は存在しません。「私自身に〜」と目的語になるときでも"meself"とはせずに、ちょっとヘンですが「所有格 + self」の"myself"を使います。

複数形は存在するので、"ourself, themself"ではなく"ourselves, themselves"と語尾を複数形にします。"yourself"の複数形は"yourselves"です。

oneself
再帰代名詞(2)

不定代名詞oneを「一般に人々」の意味で使うとき、再帰代名詞の"oneself"を使うことがあります。やや堅苦しい表現です。意味的には複数ですが単数形で使います。"oneselves"という単語は存在しません。

【例文】:In case of disaster, one needs to protect oneself.
【和訳】:災害発生時、自分の身は自分で守る必要がある。
→"oneself"は"one"(= people)の再帰代名詞

"oneself"は英和辞典ですべての再帰代名詞をまとめて指すときによく使います。

【例】:for oneself(自分で)
→"oneself"は"himself", "herself"など再帰代名詞すべてを指す

再帰代名詞の用法
再帰代名詞(3)

【目次】:再帰代名詞の用法

再帰代名詞の用法をまとめます。

動詞の目的語
再帰代名詞:再帰代名詞の用法(1)

再帰代名詞動詞の目的語として使います。主語が主語自身に何かを行うことを表します。和訳の際、日本語らしくするために「自分自身」以外の日本語が必要なときもあります。

【例文】:Can you control yourself when you are drunk?
【和訳】:酒に酔ったときに自分自身をコントロールできますか。
→"yourself"は動詞"control"の目的語

【例文】:I taught myself to play guitar.
【和訳】:私は独学でギターの弾き方を学んだ。
(= 私は自分自身にギターの弾き方を教えた)
→"myself"は動詞"teach"の目的語

【例文】:Dry yourself with this bath towel after bathing.
【和訳】:風呂から上がったらこのバスタオルで体を拭いて下さい。
(= 風呂から上がったらこのバスタオルで自分自身を拭いて下さい)
→"yourself"は動詞"dry"の目的語

前置詞の目的語
再帰代名詞:再帰代名詞の用法(2)

再帰代名詞前置詞の目的語として使います。主語が主語自身に何かを行うことを表します。和訳の際、日本語らしくするために「自分自身」以外の日本語が必要なときもあります。

【例文】:Everybody doesn't like the people who only talk about themselves.
【和訳】:自分の話ばかりする人は好かれません。
→"themselves"は前置詞"about"の目的語

【例文】:The cat was fighting with itself in the mirror.
【和訳】:猫は鏡の中の自分と戦っていた。
→"itself"は前置詞"with"の目的語

【例文】:Some people talk to themselves to collect thoughts.
【和訳】:考えをまとめるために独り言を言う人もいます。
(= 考えをまとめるために自分自身に話しかける人もいます。)
→"themselves"は前置詞"to"の目的語

名詞や代名詞を強調する
再帰代名詞:再帰代名詞の用法(3)

再帰代名詞は主語や目的語などの名詞人称代名詞の意味を強調します。和訳は「〜自身、〜そのもの、〜自体、ほかならぬ〜」です。再帰代名詞を置く位置は原則として強調する語句のすぐ後ろです。

【例文】:The pizza itself was delicious but it was too big in size.
【和訳】:ピザ自体はうまかったけれど、サイズがデカ過ぎた。
→"itself"は主語の"the pizza"を強調する

主語を強調する場合、再帰代名詞が強調する名詞人称代名詞から位置的に離れることもあります。

【例文】:The stationmaster was selling some box lunches himself.
(= The stationmaster himself was selling some box lunches.)
【和訳】:駅長自らが駅弁を売っていました。
→主語の"the stationmaster"を強調する"himself"は文尾に置くこともできる

再帰代名詞の強調は主語以外も可能です。

【例文】:I don't value money itself.
【和訳】:お金自体に価値があるとは思いません。
→"itself"は動詞の目的語の"money"を強調する
【例文】:I want to talk with the President himself.
【和訳】:大統領自身と話がしたい。
→"himself"は前置詞の目的語の"the President"を強調する

日本語の「自分で」を「他人の力を借りずに自分の力だけで」の意味で英訳する場合、再帰代名詞の強調用法を使います。

【例文】:宿題は自分でやりなさい。
【英訳】:Do your homework yourself.
→「自分で」は「他人任せにしないで自分で」の意味

「いつもの自分、正常な自分」
再帰代名詞:再帰代名詞の用法(4)

再帰代名詞は一部のイディオム的な表現で「いつもの自分、正常な自分」という意味を表わすことがあります。日本語でも「落ち着く、平静になる」の意味で「自分を取りもどす」という表現を使います。

"oneself"の意味が「いつもの自分、正常な自分」の表現
再帰代名詞:再帰代名詞の用法:「いつもの自分、正常な自分」:be oneself(いつも通りの自分である、体の調子がよい)

【例文】:I'm always not myself when I take a test.
【和訳】:テストを受けるときはいつも平常心を失ってしまう。
【例文】:I've been myself since I stopped smoking last month.
【和訳】:先月に禁煙して以来ずっと調子がいい

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:「いつもの自分、正常な自分」:come oneself(我に返る、意識を取りもどす)

【例文】:I came to myself and realized it was me who made a mistake.
【和訳】:我に返ると間違えていたのは自分だということに気づいた。
【例文】:I came to myself and found myself lying on the hospital bed.
【和訳】:意識を取りもどすと自分が病院のベッドに寝かされているのに気づいた。

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:「いつもの自分、正常な自分」:feel oneself(体の調子がよい)

【例文】:Morris said he didn't feel himself and left school early.
【和訳】:モリスは具合が悪いといって早退しました。
→"feel oneself"は否定文で使うことが多い

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:「いつもの自分、正常な自分」:forget oneself(自制心を失う、取り乱す)

【例文】:Our parents have never forgotten themselves and shouted at us.
【和訳】:両親は我を失って私たちを怒鳴りつけたことなどは一度もありません。

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:「いつもの自分、正常な自分」:look/seem oneself(体の調子がよいようだ)

【例文】:Mira seems herself today more than yesterday.
【和訳】:ミラは昨日よりは体調が良いようだ。

"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞
再帰代名詞(4)

再帰代名詞他動詞の目的語として使います→【参照】:『再帰代名詞:再帰代名詞の用法:動詞の目的語。一部の他動詞は目的語に再帰代名詞を使うとき、"oneself"を「自分自身」と和訳すると日本語として不自然になります。

【例文】:The defendant absented himself from the trial.
【直訳】:被告人は自分自身を裁判から欠席させた。
【和訳】:被告人は裁判を欠席した
→「自分自身を欠席させる」という和訳は日本語として不自然

【例文】の直訳は「被告人は自分自身を裁判から欠席させた」です。"absent"は他動詞なので英語では「自分自身を欠席させる」という表現(absent oneself)を使います。ただし、日本語としてはひどく不自然です。和訳の際は「主語が主語自身を〜させる」を「主語が〜する」と考えて「〜から自分自身を欠席させる」を「〜を欠席する」とします。

同様に動詞の目的語の"oneself"の和訳が不要な他動詞をまとめます。

"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞
再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:absent oneself from 〜(〜を欠席する)

【例文】:Twenty or more students absented themselves from school due to influenza.
【直訳】:二十人以上の生徒がインフルエンザのため自分自身を学校から欠席させております。
【和訳】:二十人以上の生徒がインフルエンザのため学校を欠席しております

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:accustom oneself to 〜(〜に慣れる)

【例文】: I've finally accustomed myself to getting up early.
【直訳】:やっと早起きに自分自身を慣れさせました
【和訳】:やっと早起きに慣れました
→「主語 + accustom oneself to + 〜ing」(主語は〜することに慣れる)

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:amuse oneself by/with 〜(〜を楽しむ)

【例文】:Children amused themselves by playing around the river.
(= Children amused themselves playing around the river.)
【直訳】:子供たちは川で水遊びをして自分たちを楽しませた
【和訳】:子供たちは川で水遊びを楽しんだ
→"by"は省略可能
【例文】:Kids can amuse themselves with a gigantic slide, swings and jungle gyms.
【直訳】:ちびっ子は巨大すべり台やブランコ、ジャングルジムなどで自分たちを楽しませることができます。
【和訳】:ちびっ子は巨大すべり台やブランコ、ジャングルジムなどで楽しむことができます。

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:busy oneself with 〜(〜で忙しい)

【例文】:I busied myself with preparing for the test.
【直訳】:テストの準備で自分を忙しくしていた
【和訳】:テストの準備で忙しかった

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:concern oneself about 〜(〜を心配する)

【例文】:The father concerned himself about his son who had been inovoled in an accident.
【直訳】:父親は事故に巻き込まれた息子に関して自分自身を心配させた
【和訳】:父親は事故に巻き込まれた息子のことを心配していた

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:concern oneself with 〜(〜に関わる)

【例文】:Drought and floods concern themselves with climate change.
【直訳】:干ばつや洪水はそれら自身を気候変動と関係させている
【和訳】:干ばつや洪水は気候変動と関係がある

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:enjoy oneself(楽しむ)

【例文】:We enjoyed ourselves walking around the woods
【直訳】:私たちは森林を散策して自分たちを楽しませました
【和訳】:私たちは森林散策を楽しみました
→「主語 + enjoy oneself + ing形」(主語が〜をして楽しむ)

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:excuse oneself from 〜(〜から途中で抜ける)

【例文】:Atkins excused himself from the conversation and answered the call.
【直訳】:アトキンスは会話から自分を失礼させて電話に出た。
【和訳】:アトキンスは会話を途中で抜けて電話に出た。

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:exsert oneself to 〜(〜するために努力する)

【例文】:Several countries exert themselves to realize a ceasefire.
【直訳】:複数の国が停戦の実現に向けて自分たちを働かせている
【和訳】:複数の国が停戦の実現に向けて尽力している
「主語 + exert oneself + to不定詞」(主語は〜するために努力する)

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:hurt oneself(けがをする)

【例文】:I caught my finger in the drawer and hurt myself.
【直訳】:引き出しに指をはさんで自分自身にけがを負わせた
【和訳】:引き出しに指をはさんでけがをした
→"hurt"は主に痛みを伴うけがを指す

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:injure oneself(けがをする)

【例文】:The player injured himself in training.
【直訳】:選手は練習中に自分自身にけがをさせた
【和訳】:選手は練習中にけがをした

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:nerve oneself to 〜(勇気を奮い起こして〜する)

【例文】:Irene nerved herself to jump off the plane.
【直訳】:アイリーンは自分自身を元気づけて飛行機からジャンプした。
【和訳】:アイリーンは勇気を奮い起こして飛行機からジャンプした。
「主語 + nerve oneself + to不定詞」(主語は勇気を奮い起こして〜する)

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:pride oneself on 〜(〜を自慢する)

【例文】:The company prides itself on its quality products and excellent customer support.
【直訳】:その会社は高品質の製品と万全の顧客サービスについて自社を誇っている
【和訳】:その会社は高品質の製品と万全の顧客サービスを誇りにしている

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:seat oneself(座る)

【例文】:Batman seated himself on the bench in the park.
【直訳】:バットマンは公園のベンチに自分自身を座らせた
【和訳】:バットマンは公園のベンチに腰を下ろした
【例文】:I seated myself next to the window with a nice view.
【直訳】:眺めのいい窓側の席に自分自身を座らせた
【和訳】:眺めのいい窓側の席に座った

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:sun oneself(日なたぼっこする)

【例文】:A orange tabby cat was sunning itself on the roof.
【直訳】:茶トラ猫が屋根の上で自分自身を日に当てていた
【和訳】:茶トラ猫が屋根の上で日なたぼっこをしていた

再帰代名詞:再帰代名詞の用法:"oneself"(自分自身)の和訳が不要な他動詞:throw oneself 〜(体を素早く動かして〜する)

【例文】:A man threw himself at the bank robber.
【直訳】:男性が銀行強盗に自分自身を投げた
【和訳】:男性が銀行強盗に飛びかかった
→「主語 + throw oneself at 〜」(主語が〜目がけて飛びかかる)
【例文】:I threw myself down on the sofa.
【直訳】:ソファの上に自分を投げた
【和訳】:ソファにどすんと座った
→「主語 + throw oneself down on 〜」(主語が〜の上へ身を投げ出す)
【例文】:The dog threw itself into the river to save its owner.
【直訳】:その犬は飼主を救出するために川へ自分自身を投げた
【和訳】:その犬は飼主を救出するために川へどぼんと飛び込んだ
→「主語 + throw oneself into 〜」(主語が〜の中へ飛び込む)
【例文】:Don't throw yourself out of the window.
【直訳】:窓から自分自身を投げないで下さい。
【和訳】:窓から身を乗り出さないで下さい。
→「主語 + throw oneself out of 〜」(主語が〜から身を乗り出す)
【例文】:I heard an explosion and I hastily threw myself to the ground.
【直訳】:爆発音が聞こえたので私はあわてて地面に私自身を投げた
【和訳】:爆発音が聞こえたので私はあわてて地面に身を伏せた
→「主語 + throw oneself to the ground」(主語が地面に身を伏せる)

再帰代名詞を使うイディオム
再帰代名詞(5)

【目次】:再帰代名詞を使う主なイディオム

再帰代名詞を使う主なイディオムをまとめます。

beside oneself(気が動転した、我を忘れた)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(1)

"beside oneself"のニュアンスは「何かが原因で冷静でいることができない」です。冷静さを失う原因は喜怒哀楽のいずれもありえます。

【例文】:My family were beside ourselves with sadness when our dog was dead.
【和訳】:ペットの犬が死んだとき家族は悲嘆に暮れていました。
→"beside ourselves"の意味は「悲しみのために気が動転して」

【例文】:My dog is beside himself with happiness when he is taken for a walk.
【和訳】:うちの犬は散歩に連れて行ってもらうときは幸せで我を忘れんばかりになります。
→"beside himself"の意味は「喜びのために気が動転して」

by oneself(自分だけで、自力で、他人を排除して)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(2)

"by oneself"のニュアンスは「他人の力を借りずに自分だけで、他人を意図的に排除して自分だけで」です。特に、自分から好んで一人になるときは、"alone"もほぼ同じ意味を表わします。

【例文】:My son is training to ride a bicycle by himself.
【和訳】:息子は一人で自転車に乗れるよう練習中です。
→"by himself"の意味は「他人の力を借りずに一人で」

【例文】:I like traveling by myself.
(= I like traveling alone.)
【和訳】:一人で旅をするのが好きです。
→"by myself"の意味は「自分から好んで一人で」

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for oneself(自分自身のために)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(3)

"for oneself"のニュアンスは「自分の利益のために、自分が何かをするために」です。

【例文】:I grow vegetables for myself and not for selling them.
【和訳】:自分のために野菜を育てているのであって、売るためではありません。

「(他人の力を借りずに)自分一人で」は、前置詞を"by"に替えて"by oneself"で表わします。

【例文】:このテレビは私一人で動かすには重過ぎます。
【 × 】:This television is too heavy for me to move for myself.
【 ○ 】:This television is too heavy for me to move by myself.
→"for myself"の意味は「私自身の利益のために」

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to oneself(自分専用の、自分が自由に使える)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(4)

"to oneself"のニュアンスは「自分のみが自由に使用できる」です。「A(名詞) + to oneself」の形でよく使います。意味は「〜専用のA(名詞)」です。

【例文】:I want to have a computer to myself.
【和訳】:自分専用のコンピューターが欲しい。
→"a computer to myself"の意味は「私のみが自由に使えるコンピューター」

【例文】:I didn't have a room to myself when I was a little child.
【和訳】:小さいころは自分の部屋がなかった。
→"a room to myself"の意味は「私専用の部屋」

apply oneself(努力する、一生懸命にやる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(5)

"apply oneself"のニュアンスは「ある程度の時間をかけて物事に全力で取り組む」です。

【例文】:Those who apply themselves can make their dream come true.
【和訳】:一生懸命に努力する人は夢をかなえることができます。

前置詞の"to"で取り組む対象を表わします。"to"の次には名詞動名詞(ing形)を置きます。

【例文】:The stutends have been applying themselves to reviving local woods.
【和訳】:生徒たちは地元の森の再生に一生懸命取り組んできました。

collect oneself(冷静さを取りもどす、気を落ち着かせる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(6)

"collect oneself"のニュアンスは「今一度冷静になって落ち着いて考える」です。

【例文】:It is when disaster strikes that we need to collect ourselves.
【和訳】:災害が起きたときこそ冷静になる必要がある。

get a grip on oneself(感情を抑える、冷静になる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(7)

"get a grip on oneself"のニュアンスは「感情を抑えて冷静になる」です。

【例文】:Please get a grip on yourself and tell us what happened to you.
【和訳】:どうか落ち着いて下さい。そしてあなたの身に何が起こったのか話して下さい。

keep oneself to oneself(他人と関りを持たない)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(8)

"keep oneself to oneself"のニュアンスは「なるべく他人と関わらないようにする」です。一つ目の"oneself"を省略して"keep to oneself"と表現することもあります。

【例文】:Neighbors said the family had kept themselves to themselves for years.
(= Neighbors said the family had kept to themselves for years.)
【和訳】:その家族は何年も人付き合いがなかったと近所の人たちは話しました。

keep 〜 to oneself(〜を秘密にしておく、〜を隠す)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(9)

"keep 〜 to oneself"のニュアンスは「〜を他人には見せない、知らせない」です。

【例文】:I don't think we always have to keep our feelings to ourselves.
【和訳】:感情を常に内に秘めておく必要はないと思います。

let oneself go(羽目を外す、身なりに構わない)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(10)

"let oneself go"のニュアンスは「周囲に気兼ねせず心から楽しむ」です。

【例文】:I let myself go too much at the party last night and lost my wallet.
【和訳】:昨日の宴会で羽目を外し過ぎて財布を失くしてしまいました。

"let oneself go"は「外見や身なりに関して他人からどう見られようと気にしない」の意味を表わすこともあります。

【例文】:David was a man who had really let himself go before his marriage.
【和訳】:デビッドは結婚前は本当に身なりに構わない人でした。

make oneself + 過去分詞(heard, known, understood)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(11)

「make oneself + 過去分詞(heard, known, understood)」の意味は「何らかの手段を使って自分の考えや意思を他人に伝える」です。過去分詞は"heard(声が聞こえる), known(知られる), understood"(理解される)などを使います。

【例文】:Oscar couldn't make himself heard because his voice was very hoarse.
【和訳】:オスカーの声はひどくしゃがれていたので何を言っているのか聞き取れなかった。
→"make oneself heard"のニュアンスは「自分の声が相手に聞こえる」

【例文】:The guard asked some passengers to make themselves known to him.
【和訳】:車掌は数人の乗客に自分の名前を言うように求めた。
→"make oneself known"のニュアンスは「自分の名前を言う、自分が誰なのか明らかにする」

【例文】:I could make myself understood to overseas students in English.
【和訳】:私の英語が留学生に通じた
→"make oneself understood"のニュアンスは「自分の話を相手が理解できる」

model oneself on 〜(〜を手本とする、〜のまねをする)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(12)

"model oneself on 〜"のニュアンスは「見た目や考え方などについて〜のまねをする」です。

【例文】:Middle and high school students tend to model themselves on entertainers like singers and actors.
【和訳】:中高生は歌手や俳優などの芸能人のまねをする傾向があります。

pull oneself together(落ち着く、冷静になる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(13)

"pull oneself together"のニュアンスは「興奮した状態から落ち着きを取りもどす」です。

【例文】:The audience panicked by a power outage but they gradually pulled themselves together.
【和訳】:停電で観客はパニックに陥ったが徐々に落ち着きを取りもどした

put oneself in one's shoes(他人の立場に立ってみる、他人の身になってみる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(14)

"put oneself in one's shoes"のニュアンスは「自分が他人の身になったときのことを想像する」です。

【例文】:It is difficult for us to put ourselves in others' shoes and understand what they are feeling.
【和訳】:他人の身になってその人がどう感じているかを理解するのはむつかしい。

resign oneself to 〜(〜に甘んじる、仕方なく〜する)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(15)

"resign oneself to 〜"のニュアンスは「回避できない好ましくない状況にやむを得ず身を置く」です。"to"の次には名詞動名詞(ing形)を置きます。

【例文】:We resigned ourselves to a fan instead of an air-conditioner.
【和訳】:私たちはクーラーの代わりに扇風機で我慢するほかなかった。
→"resign oneself to 〜"の意味は「〜で我慢する、〜に甘んじる」

【例文】:I resigned myself to accepting the underpaid job.
【和訳】:給料の安いその仕事を引き受けざるを得なかった
→"resign oneself to + ing形"の意味は「〜せざるを得ない」

say to oneself(心に思う、自分に言い聞かせる)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(16)

"say to oneself"のニュアンスは「声には出さずに心の中で思う、自分で自分に頭の中で言い聞かせる」です。

【例文】:I said to myself, "Class is a bore."
【和訳】:心の中では「授業はつまんないな」と思っていた

【例文】:I said to myself that I was doing nothing wrong.
(= "I'm doing nothing wrong", I said to myself.)
【和訳】:やましいことは何もしていないと自分に言い聞かせた

「声に出して独り言を言う」は"talk to oneself"を使うのが普通です。

【例文】:英単語を覚えるときは独り言を言います
【 △ 】:I say to myself when I memorize English words.
【 ○ 】:I talk to myself when I memorize English words.
→"talk to myself"のほうが普通

【関連トピック】

talk to oneself(独り言を言う)
再帰代名詞:再帰代名詞を使う主なイディオム(17)

"talk to oneself"の意味は「実際に声に出して独り言を言う」です。

【例文】:My son is talking to himself while playing a game.
【和訳】:息子がゲームをしながら独り言を言っている

【関連トピック】
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指示代名詞

ゼロから始める代名詞(67)
指示代名詞(this, these, that, those) 先頭へ

特定の人や物を指し示す指示代名詞

【目次】:指示代名詞

近いものを指すthis, these、遠いものを指すthat, those 新着
指示代名詞(this, these, that, those)(1)

よく見かける指示代名詞。"this, these, that, those"の四つです。

指示代名詞の"this, these"は話し手に近いもの、あるいは現在進行中の物事やこれからすぐに始まる物事を指します。指示代名詞の"that, those"は話し手から遠いもの、あるいはすでに完了した物事を指します→【参照】:『指示代名詞(this, these, that, those):形容詞的用法(指示形容詞)

# this, theseが指すもの → 距離的に近いもの、進行中の物事、これからすぐに始まる物事
# that, thoseが指すもの → 距離的に遠いもの、完了した物事

【例文】:"What's this?" "It's a cat bed."
【和訳】:「これは何」「それは猫のベッドです」
→"this"は話し手から比較的近い所にあるものを指す
【例文】:"What's that?" "It's a civic gymnasium."
【和訳】:「あれは何」「あれは市民体育館です」
→"that"は話し手から比較的遠い所にあるものを指す

【例文】:These are delicious macarons.
【和訳】:このマカロンはどれもおいしい。
→"these"は現在食べているマカロンを指す
【例文】:Those were delicious macarons.
【和訳】:あのマカロンはどれもおいしかった。
→"those"は過去に食べたマカロンを指す

形容詞的用法(指示形容詞)
指示代名詞(this, these, that, those)(2)

近いものを指す"this, these"と遠いものを指す"that, those"は名詞の前に置いて形容詞(指示形容詞)として使うことがあります→【参照】:『指示代名詞(this, these, that, those):近いものを指すthis, these、遠いものを指すthat, those

# 「this + 名詞, these + 名詞」が指すもの → 距離的に近いもの、進行中の物事、これからすぐに始まる物事
# 「that + 名詞, those + 名詞」が指すもの → 距離的に遠いもの、完了した物事

【例文】:"What's this box?" "It's a musical box."
【和訳】:「この箱は何」「それはオルゴールです」
→"this"は話し手から比較的近いところにあるものを指す(指示代名詞の形容詞的用法)
【例文】:"What's that shop?" "It's a general shop."
【和訳】:「あの店は何」「あれは雑貨屋です」
→"that"は話し手から比較的遠いところにあるものを指す(指示代名詞の形容詞的用法)

【例文】:These octopus dumplings are good.
【和訳】:このたこ焼きはうまい。
→"these"は現在食べているたこ焼きを指す(指示代名詞の形容詞的用法)
【例文】:Those octopus dumplings were good.
【和訳】:あのたこ焼きはうまかった。
→"those"は過去に食べたたこ焼きを指す(指示代名詞の形容詞的用法)

【関連トピック】

直前の文の内容を指すthis, that
指示代名詞(this, these, that, those)(3)

指示代名詞の"this, that"はすでに述べた文の内容を丸ごと指します。

【例文】:Minor earthquakes have occurred recently. This concerned people.
【和訳】:最近、弱い地震が頻発している。このことが人々を不安に陥れた。
→指示代名詞"this"は前の文の内容のすべてを指す
【例文】:Minor earthquakes have occurred recently. That concerned people.
【和訳】:最近、弱い地震が頻発している。そのことが人々を不安に陥れた。
→指示代名詞"that"は前の文の内容のすべてを指す

さらに文を続けて話がつながる場合は"this"を使います。

【例文】:最近、弱い地震が頻発している。このことが人々を不安に陥れた。すでに引っ越した人もいる。
【 × 】:Minor earthquakes have occurred recently. That concerned people. Some of them already have moved away.
【 ○ 】:Minor earthquakes have occurred recently. This concerned people. Some of them already have moved away.

【例文】の場合、「このことが〜」の次にさらに文が続くので"this"を使うのが普通です。"this"にはこれからの話を指す機能があります→【参照】:指示代名詞(this, these, that, those):これからの話を指すthis

直前の語句の代用のthat, those
指示代名詞(this, these, that, those)(4)

指示代名詞の"that, those"は同じ文の中で直前に出てきた語句の代用として使います。比較の表現の"as 〜 as"や"than 〜", "different from 〜", "like 〜"などの構文でよく使います。

【目次】:代用のthat, thoseを使う主な構文
指示代名詞(this, these, that, those):直前の語句の代用のthat, those:as 〜 as

【例文】:Japan is likely to enjoy a climate almost as hot as that of the tropics.
【和訳】:日本の気候が熱帯地方の気候とほぼ同じくらい暑くなる可能性がある。
→"that" = "the climate"、比較構文"as 〜 as"
【例文】:The eyes of a dog and a cat speak as much as those of a human.
【和訳】:犬や猫の目は人間のと同じくらいよく語る。
→"those" = "the eyes"、比較構文"as 〜 as"

【関連トピック】
指示代名詞(this, these, that, those):直前の語句の代用のthat, those:than 〜

【例文】:The wind speed of a tornade is far higher than that of a typhoon.
【和訳】:竜巻の風速は台風の風速よりもはるかに速い。
→"that" = "the wind speed"(風速)、比較構文"than 〜"
【例文】:Titanium parts are much more durable than those made from steel.
【和訳】:チタン製の部品は鉄製の部品よりもはるかに耐久性が高い。
→"those" = "parts"(部品)、比較構文"than 〜"

【関連トピック】
指示代名詞(this, these, that, those):直前の語句の代用のthat, those:different from 〜

【例文】:The atmosphere of Venus is totally different from that of Earth.
【和訳】:金星の大気は地球の大気とはまったく異なります。
→"that" = "the atmosphere"(大気)、"differnet from 〜"の構文
【例文】:The entertainments of today are quite differnt from those of the Showa era.
【和訳】:今の娯楽と昭和の時代の娯楽はかなり違う。
→"those" = "the entertainments"(娯楽)、"differnet from 〜"の構文

指示代名詞(this, these, that, those):直前の語句の代用のthat, those:like 〜

【例文】:Suddenly there was a roar like that of a lion.
【和訳】:突如、ライオンの咆哮のような声が響き渡りました。
→"that" = "a roar"(咆哮)、"like 〜"の構文
【例文】:COVID-19 causes symptoms like those of a common cold.
【和訳】:新型コロナウイルス感染症は普通の風邪の症状と似た症状を引き起こす。
→"those" = "the symptoms"(症状)、"like 〜"の構文

これからの話を指すthis 新着
指示代名詞(this, these, that, those)(5)

指示代名詞"this"はこれからの話を指すことができます。

【例文】:This is what we understood. War disrupts global supply chain.
【和訳】:私たちの理解はこうだ。戦争は世界の供給網を破壊する。
→"this"は"War disrupts"以下を指す

"this"の次にピリオド(.)の代わりにコロン(:)を置くことがあります。

【例文】:What I did was this: I switched the TV on and checked the latest evacuation information.
【和訳】:私は次のようなことを行ないました。テレビをつけて最新の避難情報を確認しました。
→"this"は"I switched"以下を指す

電話の会話でのthis, that
指示代名詞(this, these, that, those)(6)

電話をかけた自分は"this"や"it"で表わします。電話をかけた相手はアメリカ英語では"this"、イギリス英語では"that"を使います。

【例文】:"Hello, this is Hans William speaking. Could I speak to Mr. Reese?"
【和訳】:「もしもし、私はハンス・ウィリアムです。リースさんはいらっしゃいますか」
→電話ではかけた自分を"this"で表わす

【例文】:"Hello, Is Maria there?" "Who is that, please?" "It's Elsa calling."
【例文】:"Hello, Is Maria there?" "Who is this, please?" "It's Elsa calling."
【和訳】:「もしもし、マリアはいますか」「どちらさまでしょうか」「エルザです」
→"this"はアメリカ英語、"that"はイギリス英語

that which 〜(〜するところのもの), those who 〜(〜するところの人々)
指示代名詞(this, these, that, those)(7)

"that, those"は関係代名詞先行詞として使うことがあります。前に出て来た語句の代用ではなく、"the thing, the people"に近い意味です。

# that which 〜(〜するところのもの)
# those who 〜(〜するところの人々)

【例文】:You should learn about that which attracts you.
(= You should learn about what attracts you.)
【和訳】:自分が興味を持った物事について学ぶべきだ。

【例文】:Those who arrived late due to some traffic issues can take a re-examination.
(= People who arrived late due to some traffic issues can take a re-examination.)
【和訳】:交通事情で遅刻したは再試験を受けることができます。

"who"の次の動詞be動詞の場合、「who + be動詞」を省略することがあります。

【例文】:事故に巻き込まれたの一部はけがをしていて治療が必要だった。
【英訳】:Some of those involved in the accident were injured and needed medical care.
(= Some of those who were involved in the accident were injured and needed medical care.)
(= Some of the people who were involved in the accident were injured and needed medical care.)
→"those involved" = "those who were involved"

【関連トピック】

「数」の扱い
指示代名詞(this, these, that, those)(8)

"this, that"は単数扱いです。次に名詞を置く場合は単数形の名詞を使います。一方、"these, those"は複数扱いです。次に名詞を置く場合は複数形の名詞を使います。

# 単数扱い → this, that, this + 名詞(単数形), that + 名詞(単数形)
# 複数扱い → these, those, these + 名詞(複数形), those + 名詞(複数形)

単数扱い
指示代名詞(this, these, that, those):「数」の扱い(1)

指示代名詞の"this, that"は単数扱いです。次に名詞を置く場合は単数形の名詞を使います。

【例文】:This is my seat. That is your seat.
【和訳】:これは私の席です。あれがあなたの席です。
→"this, that"は単数扱い
【例文】:This train is local. That train is express.
【和訳】:この列車は普通です。あの列車は急行です。
→"this train, that train"は単数扱い

複数扱い
指示代名詞(this, these, that, those):「数」の扱い(2)

指示代名詞の"these, those"は複数扱いです。次に名詞を置く場合は複数形の名詞を使います。

【例文】:こちらは自由席です。あちらは指定席です。
【 × 】:These is reserved seats. Those is unreserved seats.
【 ○ 】:These are reserved seats. Those are unreserved seats.
→"these, those"は"this, that"の複数形なので複数扱い

【例文】:この子たちは和太鼓のちっちゃな達人です。
【 × 】:This kids are little experts at Japanese drums.
【 ○ 】:These kids are little experts at Japanese drums.
→"kids"(子供たち)は複数形なので同じ複数形の"these"を使う

【例文】の場合、「この子たち」の英訳は"these kids"です。"kids"が複数なので"this"も合わせて複数形の"these"を使います。日本語の「この」の直訳の"this"は不可。

【例文】:そのヘッドフォンはまったく音漏れしない。
【 × 】:That headphones don't leak sound at all.
【 ○ 】:Those headphones don't leak sound at all.
→"headphones"(ヘッドフォン)は複数形なので同じ複数形の"those"を使う

【例文】の場合、「そのヘッドフォン」の英訳は"those headphones"です。"headphones"が複数なので"that"も合わせて複数形の"those"を使います。日本語の「その」の直訳の"that"は不可。

【関連トピック】
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関係代名詞

ゼロから始める代名詞(68)
関係代名詞(who, what, that, etc) 先頭へ

語句の補足説明を行う関係代名詞

関係代名詞名詞の代わりをするので《代名詞》の一種です。関係代名詞については、別コーナーの『ゼロから始める関係代名詞』でくわしく解説しています。

【例文】:I've never seen a picture which was painted by an elephant.
【和訳】:象が描いた絵なんて初めて見ました。

【例文】を元の二つのセンテンスに分解すると、

【元文1】:I've never seen a picture.
【元文2】:The picture was painted by an elephant.

となります。

【例文】の関係代名詞"which"は名詞"the picture"の言い換えです。

【関連トピック】
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疑問代名詞

ゼロから始める代名詞(69)
疑問代名詞(who, whose, whom, what, which) 先頭へ

わからないことを尋ねる疑問代名詞

【目次】:「疑問代名詞」のありがちな語順ミス

わりとよく見かける疑問代名詞。"who, whom, what, which"の四つのことです。疑問代名詞については、別のコーナーの『ゼロから始める疑問詞』でくわしく解説しています。

疑問を表わすときに使うので、そのまま疑問代名詞と言います。ここでは英作文のときによく見かける語順のミスをまとめます。

【関連トピック】

疑問代名詞の語順(平叙文の場合)
疑問代名詞(who, whose, whom, what, which)(1)

疑問代名詞は、疑問文ではない、平叙文でも使います。たいてい疑問代名詞動詞の目的語として使います。

この時、疑問代名詞以下の語順はすべて平叙文と同じになります。「助動詞 + 主語 + 動詞」ではなく、「主語 + 動詞」です→【参照】:『ゼロから始める会話の表現:疑問文の作り方

# 主語 + 動詞 + 疑問代名詞【主語】(〜が、〜は) + 動詞 + 〜.
# 主語 + 動詞 + 疑問代名詞【目的語】(〜を、〜に) + 主語 + 動詞 + 〜.

疑問代名詞の語順(平叙文の場合)
who(誰が)[主語]

【例文】:誰が花びんを壊したのか私は知らない。
【 × 】:I don't know who did break the vase.
【 ○ 】:I don't know who broke the vase.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

who, whom(誰を)[目的語]

【例文】:あなたが誰を殴ったのか私は知らない。
【 × 】:I don't know who did you punch.
【 ○ 】:I don't know whom you punched.[※"whom"は堅苦しい表現]
【 ○ 】:I don't know who you punched.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

what(何が)[主語]

【例文】:何が起こったのか私は知らない。
【 × 】:I don't know what did happen.
【 ○ 】:I don't know what happened.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

what(何を)[目的語]

【例文】:あなたが何を食べたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know what did you eat.
【 ○ 】:I don't know what you ate.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

which(どっちが)[主語]

【例文】:どっちが壊れたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know which did break.
【 ○ 】:I don't know which broke.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

which(どっちを)[目的語]

【例文】:君がどっちを食べたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know which did you eat.
【 ○ 】:I don't know which you ate.
→"did"は不要、動詞は過去形にする

【関連トピック】

疑問代名詞の語順(疑問文の場合)
疑問代名詞(who, whose, whom, what, which)(2)

疑問代名詞疑問文で使うとき、疑問代名詞が「誰が、何が、どれが」のように「主語」を表わすときは、疑問代名詞の直後に動詞を置きます。通常の疑問文に入れる助動詞の"does"や"did"などは不要です。

一方、疑問代名詞が「誰を、何を、どれを」のように「目的語」を表わすときは、通常の疑問文と同じく、疑問代名詞の直後に助動詞の"does"や"did"などが必要です。

# 疑問代名詞【主語】(〜が、〜は) + 動詞 + 〜?
# 疑問代名詞【目的語】(〜を、〜に) + 助動詞 + 動詞 + 〜?

疑問代名詞の語順(疑問文の場合)
who(誰が)[主語]

【例文】:誰が花びんを壊したんだ。
【 × 】:Who did break the vase?
【 ○ 】:Who broke the vase?
→"who"の意味は「誰が」なので主語、"did"は不要

who, whom(誰を)[目的語]

【例文】:お前は誰を殴ったんだ。
【 × 】:Who you punched?
【 ○ 】:Whom did you punch?[※"whom"は堅苦しい表現]
【 ○ 】:Who did you punch?
→"who"の意味は「誰を」なので目的語、"did"が必要

what(何が)[主語]

【例文】:何が起こったのだ。
【 × 】:What did happen?
【 ○ 】:What happened?
→"what"の意味は「何が」なので主語、"did"は不要

what(何を)[目的語]

【例文】:君は何を食べたんだ。
【 × 】:What you ate?
【 ○ 】:What did you eat?
→"what"の意味は「何を」なので目的語、"did"が必要

which(どっちが)[主語]

【例文】:どっちが壊れたんだ。
【 × 】:Which did break?
【 ○ 】:Which broke?
→"which"の意味は「どっちが」なので主語、"did"は不要

which(どっちを)[目的語]

【例文】:君はどっちを食べたんだ。
【 × 】:Which you ate?
【 ○ 】:Which did you eat?
→"which"の意味は「何を」なので目的語、"did"が必要

【参考】
"who, which, what"が主語のとき、"does"や"did"を使わない理由

英語の場合、原則として「主語 + 動詞」語順をなるべく保とうとする傾向があります。

"who, which, what"を文頭に置いて疑問文を作ると、「主語 + 動詞」語順がそのままキープできます。【例】:Who stole my indoor shoes?(オレの上履きを盗ったのは誰だ)。わざわざ"does, did"を入れなくても、"who, which, what"が文頭にあるので疑問文であることは明白です。

なので、「主語 + 動詞」語順を崩さない原則に従って、"Who did steal...?"(主語 + 助動詞 + 動詞)ではなく、"Who stole...?"(主語 + 動詞)に落ち着くのではないか思われます→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、「主語」+「動詞」の順番をなるべく保つ

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